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7. 怜、果たして彼女は本当に自分を好きなのか?
怜、果たして彼女は本当に自分を好きなのか? ⑧ 【R18】
しおりを挟むヤキモチに駆られての強引な入籍だったとは言え、結婚したんだし、もう少し甘々な雰囲気にならないものだろうかと、脚の間に挟まってアタリメを咥えながら缶ビールを飲み、テレビを観て爆笑する新妻を眺める怜の唇から溜息が漏れた。
あくまで書類上の変化でしかないと、知らしめられている感じがしてモヤモヤする。
結婚したかったのも、嬉しいのも、自分一人だけのような気がして憤ってみても、それを彼女に打つけて、『じゃあ解消しましょう』と言われるのが怖くて、何も言えなくなる。
「アズちゃん、好きだよ」
梓の項に唇を埋め、肌理の細かい肌を味わいながら呟く。その返事は、彼女の腹に回した怜の腕をポンポンと叩いただけ。
いつも明確な言葉を避けている梓の御座なりな返しに、苛々する。
細い首に歯を立て強く吸い付くとぢゅっと音がして、少し首を傾いだ彼女から微かに甘さを含んだ吐息が漏れた。囲っていただけの腕に力を篭めて梓を引き寄せ、彼女の卑猥な丸みで誘惑してくる双丘に、怜の硬くなった情欲をゴリゴリと押し当てる。
「やっ、怜くん。ビール零れちゃう」
そう言った彼女の手からビールを奪い取ると「そーゆー意味じゃなくて」と遠回しな拒否だと言外に言われ、お陰で、箍が外れた。
飲みかけのビールをテーブルに置き、それに再び手を伸ばした梓を引き寄せる。
「そういう意味じゃなかったら何? したくないとかそんな理由なら聞かないよ?」
「あっ、いや…ん」
梓の耳殻を口中に含んで舌で舐り、パジャマの裾から潜り込ませた手が、下着を着けていない乳房を掬い上げ、荒々しく揉み拉く。柔らかな丸みの先端はすぐに凝って勃ち、快楽が欲しいと主張してくる。応えてあげるのは吝かではない。寧ろもっと主張し、求めて欲しいくらいだ。
双丘の頂に実る硬い果実を抓んでクリクリと捏ね回し、時々強く引っ張る。その度に彼女の肩が小さく跳ね、耳殻を甘噛みすると堪らなさそうな熱を含んだ吐息を漏らす。
拒否なんてさせない。
梓が唯一、怜を求めてくれる行為まで取り上げられてしまったら、彼女が愛し過ぎて暴走しがちな感情の行き場まで失くなってしまう。そうなった時、梓を傷つけない保証がない。
怜はテレビを消すと、梓を横抱きに抱え上げて寝室に向かった。
梓を乱暴にベッドに放り、一糸纏わぬ姿で彼女の上に跨る。「今日は気分じゃない」と逃げようとする彼女から、同じように纏うもの全てを剥ぎ取った。
彼女に覆い被さり、「僕のこと好きか、身体に訊かせて?」と彼女の唇を啄む。梓は暫らく瞠目して怜を見ていたが、
「そんなのどうやって区別するの? ただ気持ちが良くなりたいだけとか考えない?」
「考えないよ。だって梓は僕以外の男に簡単に脚開く?」
するりと手を滑らせ、秘裂の上を指でなぞる。気分じゃないと言った癖に、しっとりと潤み始めていて、梓は羞恥に顔色を変えた。
「なっ、何てこと訊くのよ!」
「それとも、僕以外の男に抱かれたいの? 例えば、あの時の男、とか?」
自虐的な台詞を吐いてふっと笑うと、左の頬に熱が走った。
梓の平手を食らったのだと気付いたのは、彼女が憤怒を表した面持ちで怜を見上げていたからだ。
「酷いッ!!」
叩かれた頬に手を当て、怒声を上げた梓を感情の見えない顔で見下ろす。
「怒るのは図星だから? ねえ。だって僕は強引に、奴から梓を奪い返したんだから、梓がまだ気持ちを残してるかも知れないと思うじゃない? 僕に抱かれながら、あの男を思い出してた?」
訊きたいことはこんな事じゃないのに、言葉が止まらない。
真っ赤な目をし、唇を噛んで打ち震える梓が可愛くて、嗜虐心がそそられる。
怜は屹立の先端を花弁に押し当て、ゆっくり滑らせた。切先が花芯を掠めるとピクンと反応を示し、誘い水の蜜が肉杭に絡みだす。
「梓の中では、あの男はどんな風に抱いてくれる? どんな事を囁いてくれる? 梓は奴を好きだって言って強請るの?」
「ちが……っあぁ…やぁ」
梓の言葉を一気に打ち込んだ楔で遮った。
まだ解れ切っていない膣内が引き攣れるように締め付け、怜は小さく呻く。キュウキュウと怜を締め上げる淫壁に、最早持って行かれそうだ。
「や……痛…いっ」
怜の剛直を一気に捻じ込まれ、梓の顔が苦悶に歪んでいる。その顔も可愛いのに憎たらしい。
醜悪だ。
勝手に想像して、勝手に嫉妬し、怒りを梓に打つけている。
最奥に切先を押し付け、ぐりぐりとグラインドする。やがて梓が感じ過ぎて耐えられない箇所を擦り出し、腰が震え出し絶頂間近を伝えてくる。
梓の四肢が緊張し、腰がガタガタと震え、怜は楔を引き抜いた。
達する直前でお預けを食らった梓が、泣きそうな目で怜を見上げる。
「どうしたの?」
口角を上げて意地悪く嗤う。
唇を噛みしめ、梓はついっと顔を背けた。それが怜の嗜虐心を煽るとも知らないで。
「愛してるよ。梓」
髪を指で梳きながら耳元で囁かれ、そっぽを向いた彼女の頬に口付ける。唇は項へと流れ、舌先で鎖骨を舐め、花弁を散らしながら怜の手にすっぽり収まる柔らかな丘へと辿り着いた。
感触を愉しむようにやわやわと弄り、怜は悪戯に赤い花を散らして行く。時折、頂をわざと舌先で掠め、中途半端な快感を与え続ける。
もどかしさに胸を突き出しても、怜はそれ以上の快感をくれない。なのにじわじわと下腹は熱を帯び、切なさを訴える。
知らず膝を擦り合わせていた。
「も……ぃやぁん」
「まだ、ダメ」
怜に一蹴され、目頭が熱くなる。
梓を苛立たせる拷問のような愛撫はしばらく続いた。
欲しくても与えて貰えないならと、梓は身を捩ってベッドから逃げを打とうとして怜の腕に掴まり、シーツに縫い留められ、剣呑な光を湛えた双眸に穿たれた。
ヒュッと息を呑み、怜の視線から逃れられなくなる。
「僕から逃げて何処に行くつもり?」
「も、やなのぉ。身体ツライぃ」
「だから慰めてって、奴の所に行くの?」
殺意すら感じるような強い眼差しに、息を呑んだ。
怜はずっと、城田にこんな思いを抱き続けて来たのだろうか?
(城田さんの所に戻ってしまうって、怯えてたの?)
城田に惹かれていたのは紛れもない事実。
けれど、初めて告白されて、女性として扱われて、嬉しくて浮かれていただけなのではないかと思う。恋だったのかすら今では定かではない。
怜はずっと彼の影に囚われていたのかと、悲しくなった。
たった一言。
彼を呪縛から解放する言葉を、未だ口にすることが出来ない。
「そおじゃない。そんなんじゃない」
「逃がさないからね? 奴には絶対渡さない」
初めて怜に抱かれた時も、城田には絶対に渡さないと言っていた。
あの時と同じ、嫉妬に苛まれた眼差しを向けられて、梓は戦慄する。
嘘でもいいから、彼を食い止めなきゃと考えて、違うと自ら否定した。一時の嘘なんて、直ぐに露呈する。自慢ではないが、顔に出てしまうのでエイプリールフールで人を騙せた例がない。
怜の指が左の乳首を千切らんばかりに捻り、梓が痛みに顔を歪めた。けれどその手を退けようとはせずに言を継ぐ。
「し…彼とはそんな関係じゃない!」
「関係? ヤな言葉だなぁ。梓の口からそんな言葉、聞きたくない。梓はもう僕の奥さんなんだって、自覚を持つべきだと思わない?」
赤く腫れあがった頂から手を這わせ、臍の下をくるくると撫でる。
「ここに僕の精子をたくさん注ぎ込んであげるから、僕の子供孕んで」
嫣然と梓を見下ろし、言葉を失くした彼女にキスを落とす。怜は一変冷淡な眼差しになり、震えあがった梓を「否は聞かないからね?」と挿し貫いた。
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