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7. 怜、果たして彼女は本当に自分を好きなのか?
怜、果たして彼女は本当に自分を好きなのか? ② 【R18】
しおりを挟む怜に抱っこされて地下駐車場の車に乗り込み、着いた先は何故かシティーホテルで、フロントをサクサク通過したと思ったら、最上階の部屋に連れ込まれてる。
(……あれ?)
梓はベッドに座らされ、一体何が起こったのか分からないまま、手際の良い怜に服を脱がされていて、ハッと我に返った。
「怜くん!? どーゆーこと!?」
「先刻アズちゃん欲情してたでしょ?」
「なっ……」
何言ってるのと惚けて否定しようとしたら、唇を塞がれた。左手が梓の頭を押さえ、右手が器用に彼女の服を剥いでいく。
「んーんーんーっ」
怜の胸を叩き、鼻で抗議の声を上げるも彼の手が止まることはなく、上半身はあっという間に素肌を晒した。その間にも怜の舌が梓の唇を割り、舌を滑り込ませて彼女の口中を舐り、弄ぶ。
歯列を舌先でなぞり、口蓋を擽るように舐りながら、怜はスーツの上着を床に投げ捨て、ネクタイを弛める。静かに怜に押し倒され、梓に跨って覆い被さる彼の貪るキスで次第に抵抗する気力はなくなり、梓自ら怜の舌を絡め取った。彼は嬉しそうに鼻で笑いを漏らす。
息が詰まりそうなほど深く挿し込まれた舌が、梓の口中を蹂躙していく。彼を追って梓の舌が追い駆けると束の間戯れ、ひらりと逃げて好き勝手に舐る。そしてまた梓が追い駆けてと繰り返し、もどかしさに彼の左腕を叩いた。
怜がまた鼻先で愉しそうな笑いを漏らし、くちゅりと音を立てて唇を離す。彼の赤い舌先が彼女の官能を擽り、漏らした梓の甘く熱い吐息まで怜の唇が啄んで攫っていく。
蕩けた眼差しが怜を見上げると、「先刻は何に欲情したの?」と親指で梓の唇をなぞりながら、意地悪気な笑みを降らせてきた。
怜との情事を思い出して身悶えていたなんて、そんなこと恥ずかしくて言える訳ない。
顔を真っ赤にしてそっぽを向くと、柔らかな双丘の頂をどちらも抓まれて、身体が跳ねた。
「あ…や……んっ」
二つの頂きを軽く捻り、硬くなった先端を爪先でカリカリと掻かれると、そこから切ない痺れが湧き起こる。切なさは甘美も含んで身体に広がり、尾骨の辺りがゾクゾクして、下腹に熱と甘い疼きが生まれた。自分の中からトロリと流れ出たモノを感じて、羞恥に身体を強張らせ、知らず怜の袖を握りしめる。
怜がくすくす笑う。
「ねえ。誰に欲情したの?」
「っ…してない」
「嘘。アズちゃんが欲情している顔を僕が見誤ると思う?」
嫣然と見下ろしてくる怜に、梓は唇を噛んだ。いつだって梓の欲情を引き摺り出し、高みに押し上げるのは、目の前の彼なのだ。
梓が欲望の塊を強請る顔を唯一知っている人。
覚えていられない程、彼の前に雌を曝け出して来た。
二つの頂をキュッと抓み上げられ、身体が跳ねる。そして身体の奥の熱いうねりが、怜の熱く滾る情欲の証を酷く切なく求めだしていた。
ざわざわと落ち着かない衝動を彼に知られたくないのに、やり過ごそうとすればするほど怜の綺麗な指先が、梓から官能を引き摺り出し、まだこんなものじゃないだろうと、言外に煽る怜の目に愉悦が浮かぶ。その眼差しにすら感じて濡れてくる。
腰が引け、脚を擦り合わせると、今度は耳元で「切ない?」としっとりとしたテノールに鼓膜を擽られ、短い喘ぎが零れた。
キスをし、胸を触られただけで、その先の快楽を知っている身体が期待に疼く。
「れい…くぅん」
助けを乞うように潤んだ眼差しで怜を見上げれば、勃った頂を指先で弾きながら彼が甘く微笑んだ。
「誰を思って欲情していたの? 難しい質問はしてないよ?」
答えなければ、怜はこの先の快感を与えてくれない。それだけは分かった。
梓は口を開き、躊躇して怜を見る。見詰める彼は口元に笑みを這わせて首を傾げ、次の言葉を待っている。彼から目を逸らすように伏せた。怜の指先が答えを急かすように転がし、達するには足りない、なのに無視も出来ない刺激で翻弄してくる。
甘い責め苦に梓は降参した。
「れいくんの、こと……ぁ…んっ」
そう言って怜の首に手を回して抱き着こうとしたのに、彼はやんわりと梓を遠避けた。それが悲しくて眉を寄せて彼を見れば、匂い立つような麗しい微笑みを浮かべ、梓の鼓動を早くする。
「僕? 僕の何を思い出してたの?」
「答えなきゃ、ダメ?」
「答えて」
溢れる色気を惜し気もなく梓に注いで来る。
こんな怜を相手にして、勝てるわけがない。
「怜くんの手の感触……イク時の、切なそうな…ッ」
言葉を奪われ、怜に舌を絡め取られた。もう意地悪して逃げることはない。甘噛みをされた部分からじわりと快感が走り、今度こそ怜の首を掻き抱いた。
互いを味わう厭らしい水音に煽られ、梓が身体を擦りつけると、漸く梓のズボンに怜の手が伸びた。下着ごと一気に奪い取られ、梓が好きな彼の指が秘裂に滑り込む。我慢できずに濡れそぼった秘所は、もうそれだけで軽くイってしまう。
怜から流し込まれた唾液が、甘い。喉を鳴らして飲み下すと彼の唇が離れ、梓は「はふっ」と吐息を漏らした。
蜜口の上で中指が戯れ、花芯を親指の腹で圧し潰して捏ね回す。ぴくんぴくんと震える腰が気持ち良さを訴えると、怜は蕩けそうな笑みを浮かべた。
「こんなに濡れるまで我慢して、いけない子だね」
「やぁ。やめて」
「梓が強請ってくれたら、幾らでも、馬鹿になるほど愛してあげるのに」
くちゅっと指が挿し込まれ、小さく喘ぐ。
掻き擦る指を淫壁が締め付け、抽送される度に怜を誘い込もうと芳醇な蜜が溢れだす。
怜の指の形が判るほどきゅうきゅうと締め付けて気持ちいいのに、足りない。もどかしい。もっと深くに欲しい。
「腰が揺れてるよ? どうして欲しいのか、言ってごらん?」
「…しいの」
「ん?」
「欲しいの。奥に。怜くんが」
「僕の、何?」
「や…意地悪、言わないでぇ」
「言ってくれなきゃ、欲しいモノをあげられない」
ニヤニヤして膣内を嬲る怜に顔をふにゃっと歪ませた。突き出した梓の下唇がぷるぷる震えている。
男のソレを口にして言ったことなどなくて、どう言っていいのか分からず、張り詰めているのが服の上からでも判る怜の昂りに手を伸ばした。梓の指が触れた屹立がピクリと反応し、「これ。ちょうだい?」とお強請りすると更に大きく反応する。
「ペニス?」
「ん……ペニス、欲しい」
触れた指先から熱と硬さが伝わってくる。指を上下に滑らせるとピクついて、怜の唇から吐息が漏れた。梓が窮屈そうな前を寛がせてあげると、バネ仕掛けの様に弾けて勃ち上がった肉杭は凶悪な姿を現した。
「梓の指、気持ちいい。もっと触って」
恐々と手の中に収めると、怜の手がその上に重なって来て、上下に扱き出した。梓に「そのまま続けて」と言うと、怜はネクタイを放り投げ、カッターシャツを脱ぎ捨てる。
暫らく彼女の手を愉しんでいた怜が小さく震えると、そこで梓の手を止めて、下着ごとスラックスを脱ぎ捨てた。
上着の内ポケットから財布を出し、避妊具を取り出して梓に見せる。
「コレまだ必要?」
「ん…まだ」
自信ない。
怜に対してなのか、妊娠に対してなのか。それとも自分になのか。
少し残念そうな怜の笑みを見て、胸がチクリとする。
いつかは欲しいと思うけど、それは今じゃない。
素早く着けた怜が脚の間に割って入り、切先をぬるりと滑らせた。
今から貫かれる期待感に鳥肌が立つ。
ぐちゅっと入り込み、浅い所を擦られる。それだけでゾクゾクして蜜口が蠢き、卑猥な淫襞がカチカチに反り返った熱杭を咥え込んで、深みに引きずり込んでいく。
緩やかな抽送にもどかしさを感じて身悶えると、応えるように怜が奥を刺し貫いた。
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