46 / 115
6. 梓、ビビッて逃走する
梓、ビビッて逃走する ⑦ 【R18】
しおりを挟む唇が離れて梓が長い吐息を漏らす。頬にキスを落とされ、耳殻を甘噛みされると甘く痺れが走った。
肌に感じるシーツにまだ戸惑いを感じていると、怜は「好きだよ」と囁いて来る。そして舌先が耳殻をなぞり上げ、梓の肌を滑らせていた掌が右の乳房を包み込んだ。やんわりと揉みながら指間に挟んだ頂がきゅっと凝ってくると、怜の指が抓んでは弾く。ピクンと跳ねた身体に、怜がふふと笑いを漏らした。
唇が首筋を辿り、舌先がチロチロと蠢く。ちゅっと音を立てて吸われると腰が痺れた。
「れ、れいくん」
「ん?」
「もぉ…花吹雪は、やめてね?」
「ダメ? あれ、綺麗だったのに」
残念そうに顔を曇らせるけど、梓は断固として首を振った。怜は片眉を持ち上げて薄く笑い「じゃあ吹雪は止める」とやけにあっさり退き、左の乳房に吸い付いた。角度を変えて確認しながら、偶にニヤリと笑う怜に「何してるの?」と訊ねれば、「まだ見ちゃダメ」と彼女に目隠しをする。
「…よし。完璧」
そう言って目隠しの手を離し、梓が首を擡げると、そこには五枚花弁の赤い花が咲いていた。
「綺麗に咲いたでしょ?」
得意げに言う怜に梓が呆気に取られていると、
「この花が枯れる前に、次の花を咲かさせてね?」
嫣然と唇を重ねて梓の言葉を塞ぐ。疑問符はあくまでお飾りで、梓の否は聞かない構えらしい。怜の肩をペチッと叩き首に腕を回すと、それを了承と取ったのか鼻で愉しそうに笑う。
怜は唇を離して、愛おしそうに双眸を細める。
「梓が好きだ」
キスをまたひとつ落とし、咲いたばかりの花にもキスを落とした。その仕草にドキリとする。怜はやっぱり嬉しそうに笑い、硬く勃ち上がった頂を口に含みちゅっと吸っては舐る。左手は弧を描くように滑り降り、親指が腰骨のラインをなぞると、くすぐったくて梓はくっと身を捩った。するとその手が秘所に誘導された形になり、指が柔らかな下生えに忍び込んだ。
「……ぁ……や…っ」
怜の長い綺麗な指先が、滑らかな動きで秘裂を分け入っていく。
ぬるっとした感触に潤み始めていることを知り、梓の頬に朱が浮かんだ。
指先に蜜を絡めながら、優しく緩やかに撫でさすられて、花弁は歓喜の蜜を溢れさせる。そして指先が花芯を探り当てると、ぷっくりと膨らんだそれを珠玉の様に指の腹でくるくると慈しむ。
熱い舌に頂きを舐られ、宝の様に花芯を愛でられて、ぴくんぴくんと跳ねながら、堪え切れず梓は熱く甘い吐息を漏らした。
下腹に熱と疼きが溜まってきて、もっとと誘う芳醇な蜜がこぽりと溢れる。怜の指が掬い取り、花芯に塗すと腰がカタカタ震え始め、ぎゅっと押し込まれて捏ね回された瞬間、一気に何かが爆ぜた。
くすくす笑う怜。
達したばかりの梓を畳みかけるように、彼の指が蜜口を数度行き交うとつぷりと挿し込まれ、梓は脚を閉じかけた。そうならなかったのは怜に阻まれ、間に割って入って来たからだ。
膝を折り大きく開かれたそこに怜がキスをする。指はゆっくりと抽送され、厭らしい水音を部屋に響かせていた。
恥ずかし過ぎるほど溢れてくる愛液を怜の舌が掬い取る姿に、梓は目を覆う。そんな姿はとてもじゃないが直視できない。
膣内を掻き混ぜ、花芯に歯を立てられれば、激しい快感が襲ってくる。
「や~ぁ」
腰を振って逃れようとすれば、もう片方の手に押さえ込まれてしまう。
花芯に歯を立てられたままを強く吸われ、指の腹で膣内を抉るように掻かれると、もうどうにも出来ない痺れと震えから逃れる術はなかった。
「…ぁ、あっあっあ……ぃや…んッ……れ、れいく…だめだめ……きちゃぅ」
「ダメじゃないから、身を任せて、感じて」
ぢゅっと音を立てて極限まで高められた花芯を吸われ、歯でかりっと扱かれた刹那、梓は白い喉を晒し、背中を弓なりに反らせて達した。
余韻に震えながら弛緩していく身体を眺め下ろし、怜は蜜口にはち切れんばかりに昂った屹立を押し当てている。
「…や、待って……いま、まだ……」
イッたばかりなのに、その言葉を口にすることは叶わなかった。
「ごめん。もう無理。ずっと繋がりたかったんだ。この半年」
切先がぐりっと挿し込まれ、梓はその圧迫感に息を呑んだ。眉を寄せる梓に口付け、怜は短く息を吐き出し、急いて梓を傷付けないように、少しづつ侵入してくる。
時間をかけた挿入に、時折「きっつ」と漏らし小さく呻く。
「梓、力抜いて。深呼吸して」
そう言われても、圧迫感が凄すぎて、苦しくて、深呼吸の仕方が思い出せない。
こんな事なら、一気に貫かれてしまった方が楽だったかもとも思ったが、それはそれで後がツライかも知れない。初めての時は最初真面に立てず、転んで額を割ったのだから、余計な事は言わない。
思わず傷痕を指で確認したけど、怜はそれどころではなさそうだ。
苦し気に顔を歪め、小刻みな抽送を繰り返して馴染ませていた熱杭が、ぐんっと梓を押し上げ、怜が長い溜息を漏らすと、梓も詰めていた息を吐き出した。
「半年で、元に戻っちゃったよぉ。キツ過ぎて、今動いたら僕が直ぐイッちゃいそうなんで、ちょっとタイムね」
「ちょ、このままで?」
「うん。それでも膣内が動いて気持ちイイから、結構ヤバいんだけど。梓と両想いになれてから初めてだし、僕とのセックス好きになって貰いたし、もっと気持ち良くなって欲しいから」
「充分…気持ちいいよ?」
「ばっ…アズだめ、今それ言ったら……」
「え? ひゃっ!?」
膣内で密度が増し、ぐっと押し抉られて梓が目を白黒させると、怜が彼女の腰を掴んでガツガツ腰を打ち付けてきた。
激しく揺すぶられ、痛いくらい突き上げられる。
苦しい。やめて。そう思う反面怜を締め上げて、痛いと感じていた事すら忘れてしまいそうな快感が波の様に押し寄せて来た。
頭がぐらぐらして、落ちて行きそうな感覚に梓は小さく震える。
梓の手が拠り所を求めて宙を彷徨うと、怜は彼女に覆い被さり、梓は彼の背中にしがみ付いた。
獣のような抽送が繰り返され、汗が滴り落ちて来る。
どこもかしこも快楽に蝕まれ、互いの息にすら感じてしまう。
「も、むりぃ」
「僕も……一緒に…イケる?」
梓がこくこく頷くと、怜は更に抽送を早めて彼女を翻弄する。梓の喉が反って小刻みに震えだすと、怜は「出るッ」と苦し気に漏らしてぐっぐっと最後に押し上げ、喘ぎを漏らした梓に覆い被さって来た。
膣内でまだ白濁を吐き出しているのを感じながら、呼吸を整えている怜の背中を擦る。すると彼は苦しそうにしながら、はにかんだ。その顔が可愛くて、きゅんとする。と連動して下も締まったらしく、怜が小さく呻いた。
「あず…イッてる時に絞められたら、気持ち良過ぎて変になる」
「締めてないよぉ」
「…うん。梓のせいじゃないよね。僕のせいだよね」
苦笑して、怜は大きな溜息を吐き出す。じっと見上げた梓に「これって夢じゃないよね?」と真剣な顔で訊いて来た。
「ぷっ。夢じゃないよ」
「…良かった……ってこれも妄想が見せた夢オチだったら嫌だな」
「だから夢じゃないってば。どうしたら信じる?」
「じゃあ、好きって言ってキスして」
「それこそ夢オチってパターンだったりして」
「あず~ぅ。嫌なこと言う子だね」
怜がむくれて離れていくと、膣内から引き摺り出されるずるりとした感触に、梓が変な声を上げる。怜はクスクス笑いながら「ねえ、梓」と呼ぶ。
「なに?」
「もう一回してもいい?」
避妊具の口を縛りながら、ニッコリと小首を傾げて梓を見る。
悪寒が走った。
「ダメッ!! 絶対にッ!! あたし仕事あるし、立てなくなるのは困る!」
血相を変えて拒否の言葉を口にすると、怜はあからさまに不機嫌な顔になって梓を見据えたが、肩を落とすと鼻で嘆息した。
「怒らせてまたお預け食うのは嫌だから、我慢するけどね。明後日は休みだよね? 明日の晩…いやもう今日の晩か。ドロドロに愛してもいい?」
「嫌と言ったら?」
「今すぐ抱く」
「……今日の晩で、お願いします」
「わかった」
満面の笑顔でそう答えられると、迂闊に撤回した時が怖いなあ、と魂が抜けかけた笑顔で怜を見る。彼は梓をぎゅっと抱き締め、更に脚で巻き込んで抱き枕にし、彼女の柔らかな髪の毛に頬擦りした。
0
お気に入りに追加
1,475
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した
Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる