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7.縁は残る【クリステル視点】
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「母上は式をとりやめになど出来ないと騒ぐかもしれん。ルポート男爵令嬢に婚約者は居なかったから結婚させる可能性はある。けど、クリステル様が嫌だと言うなら絶対に止める」
「愛し合ってるんだもの。2人で幸せになればいいと思うわ。とにかく、わたくしはクリスと結婚したくない。それだけよ。公式ではないけれど、クリストフ様とわたくしの婚約破棄を申し入れるわ」
「分かった。受け入れるように父上を説得してみせる。慰謝料も必ず払う。勿論、支払い先は望み通りにしてくれ。兄貴は勘当だろうな」
勘当はどうでも良いけど、慰謝料をわたくし個人に支払って頂けるなんてラッキーだわ!
それなら家を出ても暮らしていける。ああ、でも令嬢ではなくなったらジョゼに会えない……それは嫌だわ。どうしましょう……。
「今すぐ勘当したら、あの女が逃げるかもしれませんわ。盛大な結婚式をしてから勘当しては如何ですか? 幸せの絶頂からどん底に叩き落とすのです」
「マリアベル……そうだな。それが良い。現場を取り押さえ、クリステル様に謝罪させ、裏切り者同士で婚約を結ばせよう。そして、結婚式の後に追い出す」
「ふふっ……それだけでは済ませませんわよ……。お姉様を騙すような愚か者は……もっともっと苦しんで頂かないと。ああ、ごめんなさい。もうお姉様ではなかったのでしたね……」
え……。マリアベル?
声が小さくて聞こえなかったんだけど、お顔が怖いわ。
もしかして、とても怒ってるのかしら?
ステファンも、ジョゼもノリノリで計画を立て始めた。えぇ……この子達、もしかして……。
「さすがですね。落差が激しい方が苦しめられます。ですが、お嬢様の評判は下がり旦那様からお叱りを受けるでしょう。その点に関してはどうお考えですか?」
「奥の手を使う。ジョゼ、後で我が家に来い。話がある」
「私だけですか?」
「ジョゼだけだ。時間は今夜の12時。誰にも知られずに来い。クリステル様はご遠慮下さい」
「えぇ……当事者はわたくしなのに……」
「ジョゼなら、クリステル様の不利になる事は絶対にしないでしょう?」
「そうね」
「でしたら、ジョゼだけでお願いします。クリステル様を深夜に呼ぶなんて危険な事は出来ませんよ」
「ああ、なるほど。夜中に打ち合わせするのね」
「じゃあ、わたくしも行ってはいけないの?」
「マリアベルも駄目だ。後でちゃんと教えてやるから、大人しくしててくれ」
「……分かったわ。絶対、絶対、生ぬるい事をしないでよ」
「分かってる。だからジョゼを呼ぶんだよ」
「それなら安心ね。クリステル様、もうお姉様と呼べないのが残念ですわ。その……これからもお友達としてお付き合い頂けますか?」
「勿論よ。これからも仲良くしてくれたら嬉しいわ」
マリアベルが嬉しそうに微笑んだ。良かった、この子達との縁は切れない。安心してジョゼを見ると、優しい笑顔を見せてくれた。
「愛し合ってるんだもの。2人で幸せになればいいと思うわ。とにかく、わたくしはクリスと結婚したくない。それだけよ。公式ではないけれど、クリストフ様とわたくしの婚約破棄を申し入れるわ」
「分かった。受け入れるように父上を説得してみせる。慰謝料も必ず払う。勿論、支払い先は望み通りにしてくれ。兄貴は勘当だろうな」
勘当はどうでも良いけど、慰謝料をわたくし個人に支払って頂けるなんてラッキーだわ!
それなら家を出ても暮らしていける。ああ、でも令嬢ではなくなったらジョゼに会えない……それは嫌だわ。どうしましょう……。
「今すぐ勘当したら、あの女が逃げるかもしれませんわ。盛大な結婚式をしてから勘当しては如何ですか? 幸せの絶頂からどん底に叩き落とすのです」
「マリアベル……そうだな。それが良い。現場を取り押さえ、クリステル様に謝罪させ、裏切り者同士で婚約を結ばせよう。そして、結婚式の後に追い出す」
「ふふっ……それだけでは済ませませんわよ……。お姉様を騙すような愚か者は……もっともっと苦しんで頂かないと。ああ、ごめんなさい。もうお姉様ではなかったのでしたね……」
え……。マリアベル?
声が小さくて聞こえなかったんだけど、お顔が怖いわ。
もしかして、とても怒ってるのかしら?
ステファンも、ジョゼもノリノリで計画を立て始めた。えぇ……この子達、もしかして……。
「さすがですね。落差が激しい方が苦しめられます。ですが、お嬢様の評判は下がり旦那様からお叱りを受けるでしょう。その点に関してはどうお考えですか?」
「奥の手を使う。ジョゼ、後で我が家に来い。話がある」
「私だけですか?」
「ジョゼだけだ。時間は今夜の12時。誰にも知られずに来い。クリステル様はご遠慮下さい」
「えぇ……当事者はわたくしなのに……」
「ジョゼなら、クリステル様の不利になる事は絶対にしないでしょう?」
「そうね」
「でしたら、ジョゼだけでお願いします。クリステル様を深夜に呼ぶなんて危険な事は出来ませんよ」
「ああ、なるほど。夜中に打ち合わせするのね」
「じゃあ、わたくしも行ってはいけないの?」
「マリアベルも駄目だ。後でちゃんと教えてやるから、大人しくしててくれ」
「……分かったわ。絶対、絶対、生ぬるい事をしないでよ」
「分かってる。だからジョゼを呼ぶんだよ」
「それなら安心ね。クリステル様、もうお姉様と呼べないのが残念ですわ。その……これからもお友達としてお付き合い頂けますか?」
「勿論よ。これからも仲良くしてくれたら嬉しいわ」
マリアベルが嬉しそうに微笑んだ。良かった、この子達との縁は切れない。安心してジョゼを見ると、優しい笑顔を見せてくれた。
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