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結婚式
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「ソフィ、おめでとう!」
「ソフィ店長! 美しいです!」
今日は、私結婚式だ。隣りに居るジャックのタキシードも、私のドレスも私の最高傑作だ。
餌付けだと言われたプロポーズから半年、私達は結婚した。
式はなぜか、国王様まで来ている。なんでよ?!
「我が国の流行を作るデザイナーの結婚式だからな」
普通いちデザイナーの結婚式に国王様来ないでしょ? なんでジャックはそんなに落ち着いてるのさ!
「……慣れてるから」
ジャック、貴方の仕事が気になるわ。それより驚いたのが……
「やあ、おめでとう。今はソフィ、だったかな?」
エドガー様?! なんでいるのよ! ここ、国外ですけど?
「……何しに来た」
「花嫁を奪いにって言ったらどうする?」
「……死ね」
「え?! ジャックとエドガー様は知り合いなの?!」
「そうだよ。今日は可愛い元部下の祝いに来たのさ。ソフィだって、ジャック以外と結婚なんてする気ないだろ?」
「それは、もちろんそうですけど」
「良かったねぇジャック」
「ソフィ、可愛すぎるからこのまま式なんてやめて部屋に篭ろうぜ」
「え?! まだ式のケーキ食べてないからヤダ!」
「……ジャック、頑張れ」
「……うるせぇ」
「ああ、それからソフィのドレス、我が国も輸入させて頂く事になったから、打ち合わせにちょくちょく伺うと思うけど、よろしくね」
「……聞いてねぇぞ」
「言ってないからねぇ。ジャック、まだ再就職は決まってないだろう? 今度僕は貿易会社を始めてね、まだこの国の支店長の枠が空いているんだ。どうだい? 仕事中もソフィと一緒にいるチャンスがあるよ?」
「……よろしくお願いします」
「え?! ジャックいきなり支店長?! 凄すぎない?」
「ジャックなら、納得の人事ですよ奥様」
「そうなの? さすがジャックね!」
「……相手の弱点を的確に突くその手腕、心から尊敬しますよ。ご主人様」
それから、私は仕事中もジャックに会えてとってもしあわせだ。エドガー様も時々会う。両親の事なども教えて貰った。両親は貴族の地位を剥奪され、他界したそうだ。エリザベスは、優しい紳士に引き取られ幸せに暮らしているらしい。
聞いても心は痛まなかったはずなのに、その日は眠れなかった。
「ソフィ、美味しいお菓子を手に入れたから、コーヒーでも飲もう?」
「……」
「ソフィ、オレはキミの家族だから、絶対泣かせないから安心して。オレと子ども作ろ? 絶対可愛いから」
「……ありがとう、私、ジャックと結婚して幸せだわ」
「オレもだよ、愛してる」
「わたしも愛してるわ」
……end
「ソフィ店長! 美しいです!」
今日は、私結婚式だ。隣りに居るジャックのタキシードも、私のドレスも私の最高傑作だ。
餌付けだと言われたプロポーズから半年、私達は結婚した。
式はなぜか、国王様まで来ている。なんでよ?!
「我が国の流行を作るデザイナーの結婚式だからな」
普通いちデザイナーの結婚式に国王様来ないでしょ? なんでジャックはそんなに落ち着いてるのさ!
「……慣れてるから」
ジャック、貴方の仕事が気になるわ。それより驚いたのが……
「やあ、おめでとう。今はソフィ、だったかな?」
エドガー様?! なんでいるのよ! ここ、国外ですけど?
「……何しに来た」
「花嫁を奪いにって言ったらどうする?」
「……死ね」
「え?! ジャックとエドガー様は知り合いなの?!」
「そうだよ。今日は可愛い元部下の祝いに来たのさ。ソフィだって、ジャック以外と結婚なんてする気ないだろ?」
「それは、もちろんそうですけど」
「良かったねぇジャック」
「ソフィ、可愛すぎるからこのまま式なんてやめて部屋に篭ろうぜ」
「え?! まだ式のケーキ食べてないからヤダ!」
「……ジャック、頑張れ」
「……うるせぇ」
「ああ、それからソフィのドレス、我が国も輸入させて頂く事になったから、打ち合わせにちょくちょく伺うと思うけど、よろしくね」
「……聞いてねぇぞ」
「言ってないからねぇ。ジャック、まだ再就職は決まってないだろう? 今度僕は貿易会社を始めてね、まだこの国の支店長の枠が空いているんだ。どうだい? 仕事中もソフィと一緒にいるチャンスがあるよ?」
「……よろしくお願いします」
「え?! ジャックいきなり支店長?! 凄すぎない?」
「ジャックなら、納得の人事ですよ奥様」
「そうなの? さすがジャックね!」
「……相手の弱点を的確に突くその手腕、心から尊敬しますよ。ご主人様」
それから、私は仕事中もジャックに会えてとってもしあわせだ。エドガー様も時々会う。両親の事なども教えて貰った。両親は貴族の地位を剥奪され、他界したそうだ。エリザベスは、優しい紳士に引き取られ幸せに暮らしているらしい。
聞いても心は痛まなかったはずなのに、その日は眠れなかった。
「ソフィ、美味しいお菓子を手に入れたから、コーヒーでも飲もう?」
「……」
「ソフィ、オレはキミの家族だから、絶対泣かせないから安心して。オレと子ども作ろ? 絶対可愛いから」
「……ありがとう、私、ジャックと結婚して幸せだわ」
「オレもだよ、愛してる」
「わたしも愛してるわ」
……end
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