5 / 14
エドガーの秘密
しおりを挟む
「エドガー君、どうだった!」
「調査しましたら、ミリィ名義の寄付は3ヶ月前に止まっています。僕たちの結婚式の直後に、多額の寄付をしてそれっきりです」
「くそっ孤児院め! ミリィの金を食い物にしおって!」
「そのあとの、金額が多い寄付も調べましたが、ミリィが寄付をしている頃から寄付を続けている孤児院出身者ばかりでした。孤児院出身者は、稼げるようになると多額の寄付をするようです」
「……じゃあお姉様は、寄付もしてないって事? なんて冷たいのかしら」
「仕方ないわ、ドレスは諦めなさい」
「いやよ! 諦めるなんて! お姉様を探すわっ!」
「ミリィを探している事が分かると、我々は貴族では無くなるんだぞ!」
「そうよ、エリザベス、おやめなさい!」
「なんで、なんでよ! みんなお願い聞いてくれないなんておかしいでしょ?!」
「おかしくないよ、エリザベス」
……エドガー様、どうしてそんなに冷たい目をしているの?
「君はどうして、全てが自分の思い通りになると思うの?」
「だってわたくしの願いは叶って当然だもの!」
「僕の時もそんな態度だったよね。わざわざ身体まで使っていたけど、妊娠も嘘だよね?」
「……え?」
「あの医者は侯爵家の手配だったんだよ? あんなお粗末な擬装気がつくに決まってるじゃないか」
「エリザベス……? 妊娠は嘘だったの?」
「そんなのどうでもいいでしょ! わたくしが決めた事は正しいの!!!」
「……そう、僕にもそんな態度だったよね。それでも手を出したのは事実だし、子どもが出来たなら責任もあると思ってはいたんだ。エリザベスの方が可愛かったし、ミリィのガードは固かったから」
「エドガー様……」
「だけど、我が侯爵家が欲しかったのはミリィのデザインセンスだ。最近では、隣国のデザインの方が流行りになってしまい、我が国は流行遅れとなってしまっている。エリザベスも、僕を騙すような女だから、君と結婚するメリットはもうない」
「しかし、キミは侯爵家の長子ではないだろう! エリザベスと結婚していれば君が当主だぞ!」
「そうよ! エリザベスを悲しませるなんて許されないわ!」
「僕は自身で爵位を持っています。要らないんですよ、あなた方の爵位を継ぐなど貧乏くじだ。だいたい、3ヶ月で調べましたがこんなにも浪費している領地などありませんよ? ミリィの給与を取ろうとしているのも異常だし、この家のエリザベスはまるで女王様だし、ミリィと接触しなくても取り潰し案件ですよ」
「調べたって、どうやって……」
「僕の荷物はとても多くて、この間まで何度も出入りがあったでしょう? 荷物が多い訳ではなく、調べていたんですよ。この家をね」
「どうして……」
「ああ、僕は貴族院の調査員なんだ。怪しい貴族に、結婚を餌に忍び込んで調査をするんだよ。だけどミリィなら、結婚する価値はあったんだけどあまり僕に夢中にならなかったからね。扱いにくいと思ってたところに、エリザベスが誘惑してきたから、エリザベスをターゲットにしたんだ」
「じゃあ、わたくしを愛してるっていうのは……」
「どうだろうねぇ、僕は愛がよくわからないんだよ。こうやって何度も婚約や結婚はダメになっているからね。女の子の口説き方は分かるんだけどね」
「で、出て行け! このうちから今すぐにっ!!!」
「言われなくてもそうしますよ。明日には貴族院の調査員が来ますからね。領民へ使うはずのお金もないと分かれば、どうなるでしょうね」
「調査しましたら、ミリィ名義の寄付は3ヶ月前に止まっています。僕たちの結婚式の直後に、多額の寄付をしてそれっきりです」
「くそっ孤児院め! ミリィの金を食い物にしおって!」
「そのあとの、金額が多い寄付も調べましたが、ミリィが寄付をしている頃から寄付を続けている孤児院出身者ばかりでした。孤児院出身者は、稼げるようになると多額の寄付をするようです」
「……じゃあお姉様は、寄付もしてないって事? なんて冷たいのかしら」
「仕方ないわ、ドレスは諦めなさい」
「いやよ! 諦めるなんて! お姉様を探すわっ!」
「ミリィを探している事が分かると、我々は貴族では無くなるんだぞ!」
「そうよ、エリザベス、おやめなさい!」
「なんで、なんでよ! みんなお願い聞いてくれないなんておかしいでしょ?!」
「おかしくないよ、エリザベス」
……エドガー様、どうしてそんなに冷たい目をしているの?
「君はどうして、全てが自分の思い通りになると思うの?」
「だってわたくしの願いは叶って当然だもの!」
「僕の時もそんな態度だったよね。わざわざ身体まで使っていたけど、妊娠も嘘だよね?」
「……え?」
「あの医者は侯爵家の手配だったんだよ? あんなお粗末な擬装気がつくに決まってるじゃないか」
「エリザベス……? 妊娠は嘘だったの?」
「そんなのどうでもいいでしょ! わたくしが決めた事は正しいの!!!」
「……そう、僕にもそんな態度だったよね。それでも手を出したのは事実だし、子どもが出来たなら責任もあると思ってはいたんだ。エリザベスの方が可愛かったし、ミリィのガードは固かったから」
「エドガー様……」
「だけど、我が侯爵家が欲しかったのはミリィのデザインセンスだ。最近では、隣国のデザインの方が流行りになってしまい、我が国は流行遅れとなってしまっている。エリザベスも、僕を騙すような女だから、君と結婚するメリットはもうない」
「しかし、キミは侯爵家の長子ではないだろう! エリザベスと結婚していれば君が当主だぞ!」
「そうよ! エリザベスを悲しませるなんて許されないわ!」
「僕は自身で爵位を持っています。要らないんですよ、あなた方の爵位を継ぐなど貧乏くじだ。だいたい、3ヶ月で調べましたがこんなにも浪費している領地などありませんよ? ミリィの給与を取ろうとしているのも異常だし、この家のエリザベスはまるで女王様だし、ミリィと接触しなくても取り潰し案件ですよ」
「調べたって、どうやって……」
「僕の荷物はとても多くて、この間まで何度も出入りがあったでしょう? 荷物が多い訳ではなく、調べていたんですよ。この家をね」
「どうして……」
「ああ、僕は貴族院の調査員なんだ。怪しい貴族に、結婚を餌に忍び込んで調査をするんだよ。だけどミリィなら、結婚する価値はあったんだけどあまり僕に夢中にならなかったからね。扱いにくいと思ってたところに、エリザベスが誘惑してきたから、エリザベスをターゲットにしたんだ」
「じゃあ、わたくしを愛してるっていうのは……」
「どうだろうねぇ、僕は愛がよくわからないんだよ。こうやって何度も婚約や結婚はダメになっているからね。女の子の口説き方は分かるんだけどね」
「で、出て行け! このうちから今すぐにっ!!!」
「言われなくてもそうしますよ。明日には貴族院の調査員が来ますからね。領民へ使うはずのお金もないと分かれば、どうなるでしょうね」
539
お気に入りに追加
1,656
あなたにおすすめの小説
王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。
そちらから縁を切ったのですから、今更頼らないでください。
木山楽斗
恋愛
伯爵家の令嬢であるアルシエラは、高慢な妹とそんな妹ばかり溺愛する両親に嫌気が差していた。
ある時、彼女は父親から縁を切ることを言い渡される。アルシエラのとある行動が気に食わなかった妹が、父親にそう進言したのだ。
不安はあったが、アルシエラはそれを受け入れた。
ある程度の年齢に達した時から、彼女は実家に見切りをつけるべきだと思っていた。丁度いい機会だったので、それを実行することにしたのだ。
伯爵家を追い出された彼女は、商人としての生活を送っていた。
偶然にも人脈に恵まれた彼女は、着々と力を付けていき、見事成功を収めたのである。
そんな彼女の元に、実家から申し出があった。
事情があって窮地に立たされた伯爵家が、支援を求めてきたのだ。
しかしながら、そんな義理がある訳がなかった。
アルシエラは、両親や妹からの申し出をきっぱりと断ったのである。
※8話からの登場人物の名前を変更しました。1話の登場人物とは別人です。(バーキントン→ラナキンス)
「そんなの聞いてない!」と元婚約者はゴネています。
音爽(ネソウ)
恋愛
「レイルア、許してくれ!俺は愛のある結婚をしたいんだ!父の……陛下にも許可は頂いている」
「はぁ」
婚約者のアシジオは流行りの恋愛歌劇に憧れて、この良縁を蹴った。
本当の身分を知らないで……。
「最初から期待してないからいいんです」家族から見放された少女、後に家族から助けを求められるも戦勝国の王弟殿下へ嫁入りしているので拒否る。
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に仕立て上げられた少女が幸せなるお話。
主人公は聖女に嵌められた。結果、家族からも見捨てられた。独りぼっちになった彼女は、敵国の王弟に拾われて妻となった。
小説家になろう様でも投稿しています。
虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?
リオール
恋愛
両親に虐げられ
姉に虐げられ
妹に虐げられ
そして婚約者にも虐げられ
公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。
虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。
それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。
けれど彼らは知らない、誰も知らない。
彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を──
そして今日も、彼女はひっそりと。
ざまあするのです。
そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか?
=====
シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。
細かいことはあまり気にせずお読み下さい。
多分ハッピーエンド。
多分主人公だけはハッピーエンド。
あとは……
私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪
百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。
でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。
誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。
両親はひたすらに妹をスルー。
「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」
「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」
無理よ。
だって私、大公様の妻になるんだもの。
大忙しよ。
「女友達と旅行に行っただけで別れると言われた」僕が何したの?理由がわからない弟が泣きながら相談してきた。
window
恋愛
「アリス姉さん助けてくれ!女友達と旅行に行っただけなのに婚約しているフローラに別れると言われたんだ!」
弟のハリーが泣きながら訪問して来た。姉のアリス王妃は突然来たハリーに驚きながら、夫の若き国王マイケルと話を聞いた。
結婚して平和な生活を送っていた新婚夫婦にハリーは涙を流して理由を話した。ハリーは侯爵家の長男で伯爵家のフローラ令嬢と婚約をしている。
それなのに婚約破棄して別れるとはどういう事なのか?詳しく話を聞いてみると、ハリーの返答に姉夫婦は呆れてしまった。
非常に頭の悪い弟が常識的な姉夫婦に相談して婚約者の彼女と話し合うが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる