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41.その頃の外は
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「ニック、うまくやってるかな」
「まぁ、大丈夫だろ。ダリス、大量の買い物に付き合わされたって?」
「おう、あんなに買って食い切れるかって言ったんだが、どれが好きかわかんねぇからって、この辺の有名店全部買ったんじゃね?」
「……マジか」
「アイツ、意外に一途なんだな。俺、聖女様はどんな人かって聞いたら、30分惚気に付き合わされた。お前らも、聞くときは時間ある時にしろよ」
「マジか。ニックはモテる割に女に興味ないっぽかったんだけどな」
「だよなー、ニック狙いの女の子、いつの間にか俺らの奥さんだったりするよな」
「あるある。あまりにニックに脈がないからって言ってたぜ。今は興味もないってさ」
「聖女様とうまくいけば良いが、うまくいってもこれから厳しくね?」
「そうだな、これじゃあな……」
街中は、神様が現れたと大泣きしている者が多数。騎士団には、大量の自首をしにきた犯罪者。
そのうえ、神の力なのか街中の病人や怪我人は全て健康になっており、空腹だったはずの路上生活者は、久しぶりの満腹感を感じており、気力も充分。働けないかと仕事を探し始めている。嫌がってやらなかった不人気な仕事も、希望者多数。街の者も心なしか優しくなっており、食料を分けたり、仕事を与えたりしている。
「今回の聖女様は特別強い力をお持ちだ!」
「聖女様がいれば、国は安泰だ!」
「聖女様はずっと神殿にいて頂くことは出来ないのか」
「そうだな! ずっと神殿に居て頂きたいな」
「だけど聖女様の幸せがいちばんだよっ!」
「聖女様は、シスターコリンナによると生涯神殿に仕える事をお望みだそうだぞ!」
「聖女様のご希望なら、問題ない。ありがたいねぇ」
……………………
「みんな、勝手だよな」
「あぁ」
「けど、事情知らなきゃ俺らも同じ事言ってたぜ、多分」
「そうだな」
「そもそも、聖女様ってなんなんだろうな」
「ダリス?」
「だって、おかしいじゃねぇか。ニックも言ってたけど、なんで俺らの世界の問題を他所の世界の女性に被せんだよ。聖女様ってあんなちっさな少女だぜ? 話せんのはあんなおかしな女だけ、それを素直に聞いてる。異常じゃねーか」
「……だな。俺らは我慢ができなくて、一回ずつ交代したもんな」
「ニック、どんだけ我慢したんだろうな。好きな子がいたぶられてて我慢しなきゃなんねぇんだろ」
「殺気出したまんま帰ってきた事、何度もあったもんな」
「手が切れてたこともよくあったぜ」
「とにかく、今は俺たちができる事をやろうぜ。ニックが帰ってきたら、存分にからかってやろう」
「ただな、オレは心配なんだよな」
「何が心配なんだ?」
「ニック、ちゃんと聖女様口説けるのかなって」
「……それは」
「言われてみりゃあ、ニックって女の子口説いてんの見た事もないぜ。多分気の利いた言葉も知らないんじゃないか」
「聖女様も、ニックを信頼はしてくれてるだろうけど、恋愛対象かは分かんなくね?」
「まぁ、そうだが、ひとまずニックの告白の成功を祈ろうぜ。どうやって告白するのか気になるよな」
「ニックなら、ストレートに言うんじゃねぇかな」
「まぁ、そうだよなぁ」
「帰ってきたら、どうやって告白したか、絶対聞こうぜ!」
「ニックと恋愛話する日が来るとはな」
「お前ら! 無駄話してる暇はないぞ! まだ犯罪者の取り調べが残ってんだからな!」
「やべ、仕事戻ろうぜ」
「おう」
「まぁ、大丈夫だろ。ダリス、大量の買い物に付き合わされたって?」
「おう、あんなに買って食い切れるかって言ったんだが、どれが好きかわかんねぇからって、この辺の有名店全部買ったんじゃね?」
「……マジか」
「アイツ、意外に一途なんだな。俺、聖女様はどんな人かって聞いたら、30分惚気に付き合わされた。お前らも、聞くときは時間ある時にしろよ」
「マジか。ニックはモテる割に女に興味ないっぽかったんだけどな」
「だよなー、ニック狙いの女の子、いつの間にか俺らの奥さんだったりするよな」
「あるある。あまりにニックに脈がないからって言ってたぜ。今は興味もないってさ」
「聖女様とうまくいけば良いが、うまくいってもこれから厳しくね?」
「そうだな、これじゃあな……」
街中は、神様が現れたと大泣きしている者が多数。騎士団には、大量の自首をしにきた犯罪者。
そのうえ、神の力なのか街中の病人や怪我人は全て健康になっており、空腹だったはずの路上生活者は、久しぶりの満腹感を感じており、気力も充分。働けないかと仕事を探し始めている。嫌がってやらなかった不人気な仕事も、希望者多数。街の者も心なしか優しくなっており、食料を分けたり、仕事を与えたりしている。
「今回の聖女様は特別強い力をお持ちだ!」
「聖女様がいれば、国は安泰だ!」
「聖女様はずっと神殿にいて頂くことは出来ないのか」
「そうだな! ずっと神殿に居て頂きたいな」
「だけど聖女様の幸せがいちばんだよっ!」
「聖女様は、シスターコリンナによると生涯神殿に仕える事をお望みだそうだぞ!」
「聖女様のご希望なら、問題ない。ありがたいねぇ」
……………………
「みんな、勝手だよな」
「あぁ」
「けど、事情知らなきゃ俺らも同じ事言ってたぜ、多分」
「そうだな」
「そもそも、聖女様ってなんなんだろうな」
「ダリス?」
「だって、おかしいじゃねぇか。ニックも言ってたけど、なんで俺らの世界の問題を他所の世界の女性に被せんだよ。聖女様ってあんなちっさな少女だぜ? 話せんのはあんなおかしな女だけ、それを素直に聞いてる。異常じゃねーか」
「……だな。俺らは我慢ができなくて、一回ずつ交代したもんな」
「ニック、どんだけ我慢したんだろうな。好きな子がいたぶられてて我慢しなきゃなんねぇんだろ」
「殺気出したまんま帰ってきた事、何度もあったもんな」
「手が切れてたこともよくあったぜ」
「とにかく、今は俺たちができる事をやろうぜ。ニックが帰ってきたら、存分にからかってやろう」
「ただな、オレは心配なんだよな」
「何が心配なんだ?」
「ニック、ちゃんと聖女様口説けるのかなって」
「……それは」
「言われてみりゃあ、ニックって女の子口説いてんの見た事もないぜ。多分気の利いた言葉も知らないんじゃないか」
「聖女様も、ニックを信頼はしてくれてるだろうけど、恋愛対象かは分かんなくね?」
「まぁ、そうだが、ひとまずニックの告白の成功を祈ろうぜ。どうやって告白するのか気になるよな」
「ニックなら、ストレートに言うんじゃねぇかな」
「まぁ、そうだよなぁ」
「帰ってきたら、どうやって告白したか、絶対聞こうぜ!」
「ニックと恋愛話する日が来るとはな」
「お前ら! 無駄話してる暇はないぞ! まだ犯罪者の取り調べが残ってんだからな!」
「やべ、仕事戻ろうぜ」
「おう」
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