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九話【アイザック視点】
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「アイザック、放課後理事長室に1人で来い」
理事長先生から険しい顔で呼び出された時、恐怖を感じた。若い理事長だと馬鹿にしている貴族達も多いが、理事長先生は立派な教師だ。
いつも優しく私達を導いて下さる先生があのような顔をなさったのだから、良くない事だろうとは想像がついた。
放課後はロザリーと過ごすつもりだったのだが……残念だが今日は諦めないといけないだろう。
私はロザリーと結婚するつもりだ。あんな冷たいオリヴィアよりも、ロザリーの暖かさが心地良い。
「アイザック、今の王家がどんな評価をされているか、理解しているか?」
優しく、穏やかに聞く理事長先生。
だが、その目と声はとても冷たい。
ここで間違えば、王家は見捨てられる。理事長先生は代替わりしたばかりだが、学園の出身者は皆優秀で国の中枢で重要な仕事をしている。彼等は現在の理事長先生を弟のように可愛がっていたと聞いた。彼が王家を見限れば、半分……いや、それ以上の人達が仕事を辞めるだろう。
そうなれば、国は終わる。言いにくいが、答えを間違えるなどあってはならない。
「……はい。父の政治力はゼロ、いえ、マイナスです」
「それで?」
「王家の信頼はどんどん失われています。私が頑張らないと、国は滅びるでしょう」
「学園に来れない程に働いていた生徒が居る事は分かっているか?」
「……はい」
言われなくても分かってる。だけど、私は勉強をしながら仕事をこなせる程優秀ではない。今は学園で学ぶしかないではないか。
「アイザックは学園で何をしていた?」
「勉学に勤しんでいました」
「確かに、成績は良い。授業態度もとても良いな」
だけど、オリヴィアやエドワードの方が成績は良い。まともに授業に出ていないのに、成績トップはいつもオリヴィアかエドワードだ。
暗い気持ちになったところで、先生が畳み掛けてきた。
「アイザック、お前の評価は底辺まで落ちた。このままでは、お前が王になった瞬間に離反が相次ぐだろう。理由は分かるか?」
「学園に来ていないオリヴィアやエドワードよりも成績が悪いからでしょうか?」
「違う。王族がトップを取る必要はない。歴代の王も学園に通っていたが、トップになった人は少ない。そして、トップを取った王が賢王になった例はない。賢王と言えば150年前のマーク王だが、彼は学園の成績はとても悪かった。今のアイザックの方が余程優秀だ。だけど、マーク王とアイザックには大きな違いがある。分かるか?」
「わかりません」
伝説となっている賢王と比べられるなんて面白くない。憮然としながらも先生の言葉を待つ。
「彼は人の話を聞いた。ただ聞くだけじゃない。自分なりに考えて、調べて、人の意見を決して鵜呑みにする事はなかった。彼の成績が低かったのは、納得出来るまで突き詰める性格が学園のテストと合わなかったからだ。アイザック、お前は昨日エドワードから何を言われた?」
「……オリヴィアが倒れたのに……何故見舞わないのかと……」
「俺も疑問だな。オリヴィアはアイザックの婚約者だ。他人の俺から見てもオリヴィアはアイザックに尽くしていると思う。そんな婚約者が倒れたと聞いて、アイザックはどう思ったんだ?」
「……」
確かに、マーティンがオリヴィアが倒れたと報告してきた。見舞うようにと何度も進言してくれた。だけど……私はオリヴィアを見舞う事はなかった。一向に目覚めないと聞いて、さすがに心配になったのでそろそろ見舞うかと思っていたら、エドワードが現れて叱られた。
意固地になり、オリヴィアの元を訪れる事はなかった。
「何も答えられないか。身近な存在である婚約者を大事にしない者が国を治められると思っているのか? アイザックがロザリーを好いているのは学園中の者達が知っている。見兼ねた令嬢達がロザリーに意見しようとしていたくらいに悪目立ちしていたぞ。隠そうとしてもバレバレだ」
「なっ……! そんな! ロザリーは悪くない!」
「どうだか。傍目から見れば、浮気男と横取り女だからな。ロザリーに意見しよう。そんな人が現れて当然だ」
冷たい顔をしていたオリヴィアを思い出す。オリヴィアは貴族達と上手くやっていた。オリヴィアが、ロザリーを邪魔だと思って……!
だが、私の醜い考えは先生によって打ち砕かれた。
「オリヴィアの指示ですか?」
思わず聞いたら、先生は烈火の如くお怒りになられた。
「違う! オリヴィアは貴族達を諌めてくれたんだ! 暴走しそうになっている貴族達に、絶対にロザリーに手を出すな。優しくしてくれと必死で頼んでいた! それもこれも全てアイザック、お前の為だ!」
理事長先生は声を荒げ、私を睨む。恐怖で身体が動かない。
「オリヴィアが倒れたのはアイザックとロザリーの逢瀬を見たからだ」
「私とロザリーは……話していただけで……」
「本当か? オリヴィアが倒れたのは3日前だ。ちゃんと自分の行動を思い出せ。お前は真面目だが、都合の悪い事を認識しない癖がある。マーティンやサイモンに確認すれば簡単だが、俺はお前の言葉が聞きたい」
先生の言葉を受けて、思い出す。3日前……ロザリーと話をしていたら、いつの間にかマーティンが居なくなっていて……いや、少し前から私はロザリーと話す時にマーティンに席を外すように指示をしていた。最初は嫌がられたが、なんとか説得して分かってくれて……。
違う。マーティンは私を軽蔑するような目で見ていた。だから耐えられなくて……追い出したんだ。
あの日、ふたりきりになった私はロザリーに愛を囁いて……彼女を……抱き締めた。まさか、あれを見られていたのか……?!
「その顔は、自分の愚行を思い出したようだな」
「はい……私は……ロザリーを抱き締めて愛を囁きました」
「それをオリヴィアは見ていた。だから倒れたんだ。アイザックは2日も目覚めなかった婚約者を、一度でも訪ねたのか?」
「……いいえ」
「オリヴィアがアイザックを好いているのは分かってるよな? 2日も目覚めないなんてどれだけショックだったんだろうな。いくらお前がオリヴィアを嫌いでも、お前の行動は不誠実で残酷だ。さっさと彼女を解放してやれ」
「私はオリヴィアを嫌っている訳ではありません!」
「そうか。俺はてっきりアイザックはオリヴィアを嫌っているのだと思っていたぞ」
「そんな……。違うんです……!」
「違うと言うならもっとオリヴィアを大事にしろ!」
先生の怒鳴り声が響き、棚が揺れる。
「親同士が決めた婚約だ。他の女性に恋してしまう事もあるだろう。だが、ロザリーと抱き合う前に出来る事があった。違うか?」
「違いません。私は、オリヴィアを蔑ろにしました。今朝も本当はオリヴィアを労らないといけなかった。私が医務室に連れて行くべきでした。なのに、オリヴィアが余所余所しくて……エドワード達が居るなら良いと勝手に決めつけて逃げたんです。そんな私を見て、みんなは失望したんですね」
「そうだ。婚約者を放置して他の女性の尻を追いかける王など要らない。そう思われている。自分で反省出来るならまだ見込みはあるな。今日から毎日放課後にここに来い。ロザリーと遊ぶ暇はないぞ。俺がアイザックを指導する。卒業までに貴族達の支持を取り戻せ。時間がないから厳しくやるが、覚悟はあるか? ないなら、今すぐ王位継承権を放棄しろ。そうすればオリヴィアとお前の婚約は解消される。ロザリーと添い遂げる事も可能だぞ」
突き放しているが、先生は私を助けようとして下さっている。これは最後のチャンスだ。
「……いえ。私は王太子です。責任を放棄したりしません。ご指導、よろしくお願いします」
今の私が出来るのは、先生に教えを乞う事だけだ。最近はロザリーと会う事しか考えていなかった。今でもロザリーが好きだ。だけど、私は王太子。
このままでは、本当に国が滅んでしまう。
急激に頭が冷えて、今までの自分の行動が恥ずかしくなる。私は今まで、何をしていたんだ?
どうして、エドワードの言葉を聞かなかった?
マーティンの苦言をうるさいとしか思わなかったのはどうしてだ。
……ああ、そうだ。
全て、オリヴィアに関係していたからだ。
私は、優秀な婚約者に嫉妬していたんだな。オリヴィアの名が出ただけで、エドワードやマーティンの言葉を聞かなかった。
先生は、最初はオリヴィアの話をなさらなかった。私が自ら気が付くように導いて下さった。
冷静に今までの事を思い出すと、ロザリーもオリヴィアを心配していたな。そうだ、だから余計オリヴィアが憎らしくなって……。
いや、人のせいにしてはいけない。
全ては私の醜い嫉妬心が発端だ。
ロザリーに、エドワードに、マーティンに、そしてなによりオリヴィアに謝ろう。私は、そう決意した。
理事長先生から険しい顔で呼び出された時、恐怖を感じた。若い理事長だと馬鹿にしている貴族達も多いが、理事長先生は立派な教師だ。
いつも優しく私達を導いて下さる先生があのような顔をなさったのだから、良くない事だろうとは想像がついた。
放課後はロザリーと過ごすつもりだったのだが……残念だが今日は諦めないといけないだろう。
私はロザリーと結婚するつもりだ。あんな冷たいオリヴィアよりも、ロザリーの暖かさが心地良い。
「アイザック、今の王家がどんな評価をされているか、理解しているか?」
優しく、穏やかに聞く理事長先生。
だが、その目と声はとても冷たい。
ここで間違えば、王家は見捨てられる。理事長先生は代替わりしたばかりだが、学園の出身者は皆優秀で国の中枢で重要な仕事をしている。彼等は現在の理事長先生を弟のように可愛がっていたと聞いた。彼が王家を見限れば、半分……いや、それ以上の人達が仕事を辞めるだろう。
そうなれば、国は終わる。言いにくいが、答えを間違えるなどあってはならない。
「……はい。父の政治力はゼロ、いえ、マイナスです」
「それで?」
「王家の信頼はどんどん失われています。私が頑張らないと、国は滅びるでしょう」
「学園に来れない程に働いていた生徒が居る事は分かっているか?」
「……はい」
言われなくても分かってる。だけど、私は勉強をしながら仕事をこなせる程優秀ではない。今は学園で学ぶしかないではないか。
「アイザックは学園で何をしていた?」
「勉学に勤しんでいました」
「確かに、成績は良い。授業態度もとても良いな」
だけど、オリヴィアやエドワードの方が成績は良い。まともに授業に出ていないのに、成績トップはいつもオリヴィアかエドワードだ。
暗い気持ちになったところで、先生が畳み掛けてきた。
「アイザック、お前の評価は底辺まで落ちた。このままでは、お前が王になった瞬間に離反が相次ぐだろう。理由は分かるか?」
「学園に来ていないオリヴィアやエドワードよりも成績が悪いからでしょうか?」
「違う。王族がトップを取る必要はない。歴代の王も学園に通っていたが、トップになった人は少ない。そして、トップを取った王が賢王になった例はない。賢王と言えば150年前のマーク王だが、彼は学園の成績はとても悪かった。今のアイザックの方が余程優秀だ。だけど、マーク王とアイザックには大きな違いがある。分かるか?」
「わかりません」
伝説となっている賢王と比べられるなんて面白くない。憮然としながらも先生の言葉を待つ。
「彼は人の話を聞いた。ただ聞くだけじゃない。自分なりに考えて、調べて、人の意見を決して鵜呑みにする事はなかった。彼の成績が低かったのは、納得出来るまで突き詰める性格が学園のテストと合わなかったからだ。アイザック、お前は昨日エドワードから何を言われた?」
「……オリヴィアが倒れたのに……何故見舞わないのかと……」
「俺も疑問だな。オリヴィアはアイザックの婚約者だ。他人の俺から見てもオリヴィアはアイザックに尽くしていると思う。そんな婚約者が倒れたと聞いて、アイザックはどう思ったんだ?」
「……」
確かに、マーティンがオリヴィアが倒れたと報告してきた。見舞うようにと何度も進言してくれた。だけど……私はオリヴィアを見舞う事はなかった。一向に目覚めないと聞いて、さすがに心配になったのでそろそろ見舞うかと思っていたら、エドワードが現れて叱られた。
意固地になり、オリヴィアの元を訪れる事はなかった。
「何も答えられないか。身近な存在である婚約者を大事にしない者が国を治められると思っているのか? アイザックがロザリーを好いているのは学園中の者達が知っている。見兼ねた令嬢達がロザリーに意見しようとしていたくらいに悪目立ちしていたぞ。隠そうとしてもバレバレだ」
「なっ……! そんな! ロザリーは悪くない!」
「どうだか。傍目から見れば、浮気男と横取り女だからな。ロザリーに意見しよう。そんな人が現れて当然だ」
冷たい顔をしていたオリヴィアを思い出す。オリヴィアは貴族達と上手くやっていた。オリヴィアが、ロザリーを邪魔だと思って……!
だが、私の醜い考えは先生によって打ち砕かれた。
「オリヴィアの指示ですか?」
思わず聞いたら、先生は烈火の如くお怒りになられた。
「違う! オリヴィアは貴族達を諌めてくれたんだ! 暴走しそうになっている貴族達に、絶対にロザリーに手を出すな。優しくしてくれと必死で頼んでいた! それもこれも全てアイザック、お前の為だ!」
理事長先生は声を荒げ、私を睨む。恐怖で身体が動かない。
「オリヴィアが倒れたのはアイザックとロザリーの逢瀬を見たからだ」
「私とロザリーは……話していただけで……」
「本当か? オリヴィアが倒れたのは3日前だ。ちゃんと自分の行動を思い出せ。お前は真面目だが、都合の悪い事を認識しない癖がある。マーティンやサイモンに確認すれば簡単だが、俺はお前の言葉が聞きたい」
先生の言葉を受けて、思い出す。3日前……ロザリーと話をしていたら、いつの間にかマーティンが居なくなっていて……いや、少し前から私はロザリーと話す時にマーティンに席を外すように指示をしていた。最初は嫌がられたが、なんとか説得して分かってくれて……。
違う。マーティンは私を軽蔑するような目で見ていた。だから耐えられなくて……追い出したんだ。
あの日、ふたりきりになった私はロザリーに愛を囁いて……彼女を……抱き締めた。まさか、あれを見られていたのか……?!
「その顔は、自分の愚行を思い出したようだな」
「はい……私は……ロザリーを抱き締めて愛を囁きました」
「それをオリヴィアは見ていた。だから倒れたんだ。アイザックは2日も目覚めなかった婚約者を、一度でも訪ねたのか?」
「……いいえ」
「オリヴィアがアイザックを好いているのは分かってるよな? 2日も目覚めないなんてどれだけショックだったんだろうな。いくらお前がオリヴィアを嫌いでも、お前の行動は不誠実で残酷だ。さっさと彼女を解放してやれ」
「私はオリヴィアを嫌っている訳ではありません!」
「そうか。俺はてっきりアイザックはオリヴィアを嫌っているのだと思っていたぞ」
「そんな……。違うんです……!」
「違うと言うならもっとオリヴィアを大事にしろ!」
先生の怒鳴り声が響き、棚が揺れる。
「親同士が決めた婚約だ。他の女性に恋してしまう事もあるだろう。だが、ロザリーと抱き合う前に出来る事があった。違うか?」
「違いません。私は、オリヴィアを蔑ろにしました。今朝も本当はオリヴィアを労らないといけなかった。私が医務室に連れて行くべきでした。なのに、オリヴィアが余所余所しくて……エドワード達が居るなら良いと勝手に決めつけて逃げたんです。そんな私を見て、みんなは失望したんですね」
「そうだ。婚約者を放置して他の女性の尻を追いかける王など要らない。そう思われている。自分で反省出来るならまだ見込みはあるな。今日から毎日放課後にここに来い。ロザリーと遊ぶ暇はないぞ。俺がアイザックを指導する。卒業までに貴族達の支持を取り戻せ。時間がないから厳しくやるが、覚悟はあるか? ないなら、今すぐ王位継承権を放棄しろ。そうすればオリヴィアとお前の婚約は解消される。ロザリーと添い遂げる事も可能だぞ」
突き放しているが、先生は私を助けようとして下さっている。これは最後のチャンスだ。
「……いえ。私は王太子です。責任を放棄したりしません。ご指導、よろしくお願いします」
今の私が出来るのは、先生に教えを乞う事だけだ。最近はロザリーと会う事しか考えていなかった。今でもロザリーが好きだ。だけど、私は王太子。
このままでは、本当に国が滅んでしまう。
急激に頭が冷えて、今までの自分の行動が恥ずかしくなる。私は今まで、何をしていたんだ?
どうして、エドワードの言葉を聞かなかった?
マーティンの苦言をうるさいとしか思わなかったのはどうしてだ。
……ああ、そうだ。
全て、オリヴィアに関係していたからだ。
私は、優秀な婚約者に嫉妬していたんだな。オリヴィアの名が出ただけで、エドワードやマーティンの言葉を聞かなかった。
先生は、最初はオリヴィアの話をなさらなかった。私が自ら気が付くように導いて下さった。
冷静に今までの事を思い出すと、ロザリーもオリヴィアを心配していたな。そうだ、だから余計オリヴィアが憎らしくなって……。
いや、人のせいにしてはいけない。
全ては私の醜い嫉妬心が発端だ。
ロザリーに、エドワードに、マーティンに、そしてなによりオリヴィアに謝ろう。私は、そう決意した。
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