28 / 95
28.追放テイマーと赤いローブ
しおりを挟む
「それ本物なのですか?」
「んー、本物かどうかはわからないんだけど」
私たちは酒場の隅のテーブルで、一枚の紙をじっと眺めていた。
ミルフィナちゃんは興味深そうに、角度を変えて見ようと顔をいろんな方向に動かしている。
なんだか小動物みたいで、すごく可愛い。
「確かに……魔王軍四天王と書かれていますね……」
賢者アレス様は、メガネを押さえながら、お店にあった勇者新聞をずっとチェックしている。
「だろ? でも確かにさ、勇者のスキルを解除するほどの実力者だったんだ」
「もう……。王子その話はやめようよ? ほんとにスキルがかかってたか分からないし」
「その話がもし本当でしたら、わたくしが勇者をぶっ殺してさしあげますわ!」
「ミルフィナちゃん。それ怖いから……」
「あら、恋する乙女は無敵ですのよ?」
ミルフィナちゃんが、顔を傾けてニッコリ笑った。
ラベンダー色の髪が優しく揺れて……。なにもうこの子、美少女すぎるんですけど!
「……あった、これですよ。ここを見てください!」
アレス様が、勇者新聞の記事を指さした。
えーと?
『ハファルル王国、魔王軍四天王メルクルの攻撃を受けて陥落』
記事には、攻撃を受けたときの強力な水魔法の恐ろしさと、目撃者による四天王メルクルのイラストが描かれていた。
顔があって。
長い髪があって。
目があって、鼻があって、なにか丸いものを持っているみたい。
……。
…………。
なんなのこれ!
こっちの世界では、みんなこんなイラストを描くの?
「……なぁショコラ。似てる……かなぁ?」
「……ゴメン。このイラストだと全然わからない」
「……だよなぁ」
私と王子は目を合わせて苦笑いする。
似てるといえば似てるきもするけどさぁ。
「おまちどう。今日も来てくれてありがとね。もう料理置いちゃってもいいの?」
「はい、すぐかたづけますので!」
昨日と同じかっぷくのいいお姉さんが、いっぱい料理を持ってきてくれた。
うわぁ、すごく美味しそうな匂い。
私たちはテーブルに広げていた勇者新聞を隅にかたづける。
「はいよ、こっちはサービスね。今日はお嬢ちゃん達歌わないのかい?」
「あはは、私たち今日はちょっと忙しくて、ごめんなさい」
「あら、わたくしはいつでも歌えますわよ?」
ミルフィナちゃんの言葉に、周囲のテーブルから拍手がおこる。
「おお。昨日のお嬢ちゃん達か!」
「いいぞいいぞー!」
「また聞きたいわー」
えー……。
「おお、嬢ちゃん達。今日も歌うのでござるか!」
近くのカウンターから、知っている声が聞こえてきた。
甲冑の大男ドルドルトさんだ。
「ラブリーショコラ、プリティーミルフィナ! ふっふー!」
彼は立ち上がると、大きな体を揺らしながら応援をはじめた。
「いいぞーおっさん!」
「さぁ、みなさんもご一緒に!」
「「ラブリーショコラ、プリティーミルフィナ! ふっふー! ふっふー!」」
えええええ!?
うそでしょ。
なんで、酒場が大合唱になってるのよ!
「うふう、ショコラちゃん。さぁ歌いましょう?」
ミルフィナちゃんが満面の笑みで手を差し出してきた。
……ああこれ。
……逃げられないやつだ。
「もう……わかったわよ。ミルフィナちゃん。何歌う?」
「うふふ。それはもちろん、これですわ!」
ミルフィナちゃんはカバンから黄色い旗を取り出すと、可愛らしくステップを踏み始める。
「旗をふって進もう~旗を振って進もう~、大事なにもつを届けるために~」
よし! こうなったら笑顔で思い切り楽しもう。
私も、彼女の踊りと声に合わせて歌い始めた。
「「真心こめてどこまでも~、幸せを届けるために~、あの山こえて谷こえて~」」
**********
――酒場の中は、さっきまで歌っていた熱気が残っていた。
運送ギルドのテーマ曲を口ずさんでいる人や、口笛の音、乾杯でグラスをぶつける音が鳴り響いている。
うわぁぁ。
恥ずかしかったけど……楽しかったぁ。
「いやぁ、すごくよかったわよ。毎日歌いに来てくれればいいのに。ハイこれ、お店からのサービスね」
お姉さんは嬉しそうに笑いながら、テーブルに追加の料理を届けてくれた。
「ありがとうございます」
「ありがとうですわ」
「かたじけないでござる!」
いつのまにか、私たちの目の前に、甲冑の大男ドルドルトさんが座っていた。
「いやぁ、本当に可愛かったでござる。拙者すっかりファンになったでござるよ!」
「あはは……ありがとうございます」
「ショコラちゃんは本当に可愛いのですわ!」
「ラブリーショコラ、ふっふー!」
いやいや、可愛いのはミルフィナちゃんでしょ。
それと、ドルドルトさん。
……テンション高すぎだから!!
もう……私は袋からタオルを取り出した。
「はい、ミルフィナちゃん」
「ありがとう、嬉しいですわ。うふふ、すごくいい香りのタオル」
「それね、さっき話してた魔女のお姉さんからもらったの」
……あれ?
……メルクルさんからもらった袋の中に、タオル以外の手触りを感じる。
私は袋の奥に入っていた、赤い生地を手に取って広げてみた。
襟がセーラー風のワンピっぽい真っ赤なローブだ。
胸元に大きなリボン、スカートにはフリルがたくさんついている。
「あれ、ショコラ、それって」
「うん、たぶんあの時の借りたローブだと思う」
ローブには、メッセージカードが添えられていた。
『すごく似合ってたからプレゼントするわ。今度是非、私たちの国にそれを着て遊びに来てね』
あはは……。
私たちの国って……魔法国のこと……だよね?
「それは栄えある魔王軍宮廷魔術師のローブではござらんか!」
取り出したローブを見て、ドルドルトさんが興奮気味に話しかけてきた。
「少しアレンジされているでござるが、間違いござらん!」
「……魔王軍?」
私たちの表情をみたドルドルトさんが、慌てて両手を振った。
「言い間違いでござる。魔法国……そう、魔法国でござるよ!」
「あの、これメルクルさんっていう黒髪の美人なお姉さんにいただいたんですけど。ご存じないですか?」
「ほぅ。これをメルクルがでござるか。なるほど、確かにアリでござるな……」
「やっぱりお知り合いなんでか? この方なんですけど」
私は、メルクルさんからもらった名刺を差し出した。
ドルドルトさんの顔は瞬き一つせず、いきなり固まる。
「あのバカ、名刺を間違えてるでござる! それは侵略用の……」
彼は言葉の途中で、あわてて両手で口をふさいだ。
――え?
――今、侵略用っていいました?
「んー、本物かどうかはわからないんだけど」
私たちは酒場の隅のテーブルで、一枚の紙をじっと眺めていた。
ミルフィナちゃんは興味深そうに、角度を変えて見ようと顔をいろんな方向に動かしている。
なんだか小動物みたいで、すごく可愛い。
「確かに……魔王軍四天王と書かれていますね……」
賢者アレス様は、メガネを押さえながら、お店にあった勇者新聞をずっとチェックしている。
「だろ? でも確かにさ、勇者のスキルを解除するほどの実力者だったんだ」
「もう……。王子その話はやめようよ? ほんとにスキルがかかってたか分からないし」
「その話がもし本当でしたら、わたくしが勇者をぶっ殺してさしあげますわ!」
「ミルフィナちゃん。それ怖いから……」
「あら、恋する乙女は無敵ですのよ?」
ミルフィナちゃんが、顔を傾けてニッコリ笑った。
ラベンダー色の髪が優しく揺れて……。なにもうこの子、美少女すぎるんですけど!
「……あった、これですよ。ここを見てください!」
アレス様が、勇者新聞の記事を指さした。
えーと?
『ハファルル王国、魔王軍四天王メルクルの攻撃を受けて陥落』
記事には、攻撃を受けたときの強力な水魔法の恐ろしさと、目撃者による四天王メルクルのイラストが描かれていた。
顔があって。
長い髪があって。
目があって、鼻があって、なにか丸いものを持っているみたい。
……。
…………。
なんなのこれ!
こっちの世界では、みんなこんなイラストを描くの?
「……なぁショコラ。似てる……かなぁ?」
「……ゴメン。このイラストだと全然わからない」
「……だよなぁ」
私と王子は目を合わせて苦笑いする。
似てるといえば似てるきもするけどさぁ。
「おまちどう。今日も来てくれてありがとね。もう料理置いちゃってもいいの?」
「はい、すぐかたづけますので!」
昨日と同じかっぷくのいいお姉さんが、いっぱい料理を持ってきてくれた。
うわぁ、すごく美味しそうな匂い。
私たちはテーブルに広げていた勇者新聞を隅にかたづける。
「はいよ、こっちはサービスね。今日はお嬢ちゃん達歌わないのかい?」
「あはは、私たち今日はちょっと忙しくて、ごめんなさい」
「あら、わたくしはいつでも歌えますわよ?」
ミルフィナちゃんの言葉に、周囲のテーブルから拍手がおこる。
「おお。昨日のお嬢ちゃん達か!」
「いいぞいいぞー!」
「また聞きたいわー」
えー……。
「おお、嬢ちゃん達。今日も歌うのでござるか!」
近くのカウンターから、知っている声が聞こえてきた。
甲冑の大男ドルドルトさんだ。
「ラブリーショコラ、プリティーミルフィナ! ふっふー!」
彼は立ち上がると、大きな体を揺らしながら応援をはじめた。
「いいぞーおっさん!」
「さぁ、みなさんもご一緒に!」
「「ラブリーショコラ、プリティーミルフィナ! ふっふー! ふっふー!」」
えええええ!?
うそでしょ。
なんで、酒場が大合唱になってるのよ!
「うふう、ショコラちゃん。さぁ歌いましょう?」
ミルフィナちゃんが満面の笑みで手を差し出してきた。
……ああこれ。
……逃げられないやつだ。
「もう……わかったわよ。ミルフィナちゃん。何歌う?」
「うふふ。それはもちろん、これですわ!」
ミルフィナちゃんはカバンから黄色い旗を取り出すと、可愛らしくステップを踏み始める。
「旗をふって進もう~旗を振って進もう~、大事なにもつを届けるために~」
よし! こうなったら笑顔で思い切り楽しもう。
私も、彼女の踊りと声に合わせて歌い始めた。
「「真心こめてどこまでも~、幸せを届けるために~、あの山こえて谷こえて~」」
**********
――酒場の中は、さっきまで歌っていた熱気が残っていた。
運送ギルドのテーマ曲を口ずさんでいる人や、口笛の音、乾杯でグラスをぶつける音が鳴り響いている。
うわぁぁ。
恥ずかしかったけど……楽しかったぁ。
「いやぁ、すごくよかったわよ。毎日歌いに来てくれればいいのに。ハイこれ、お店からのサービスね」
お姉さんは嬉しそうに笑いながら、テーブルに追加の料理を届けてくれた。
「ありがとうございます」
「ありがとうですわ」
「かたじけないでござる!」
いつのまにか、私たちの目の前に、甲冑の大男ドルドルトさんが座っていた。
「いやぁ、本当に可愛かったでござる。拙者すっかりファンになったでござるよ!」
「あはは……ありがとうございます」
「ショコラちゃんは本当に可愛いのですわ!」
「ラブリーショコラ、ふっふー!」
いやいや、可愛いのはミルフィナちゃんでしょ。
それと、ドルドルトさん。
……テンション高すぎだから!!
もう……私は袋からタオルを取り出した。
「はい、ミルフィナちゃん」
「ありがとう、嬉しいですわ。うふふ、すごくいい香りのタオル」
「それね、さっき話してた魔女のお姉さんからもらったの」
……あれ?
……メルクルさんからもらった袋の中に、タオル以外の手触りを感じる。
私は袋の奥に入っていた、赤い生地を手に取って広げてみた。
襟がセーラー風のワンピっぽい真っ赤なローブだ。
胸元に大きなリボン、スカートにはフリルがたくさんついている。
「あれ、ショコラ、それって」
「うん、たぶんあの時の借りたローブだと思う」
ローブには、メッセージカードが添えられていた。
『すごく似合ってたからプレゼントするわ。今度是非、私たちの国にそれを着て遊びに来てね』
あはは……。
私たちの国って……魔法国のこと……だよね?
「それは栄えある魔王軍宮廷魔術師のローブではござらんか!」
取り出したローブを見て、ドルドルトさんが興奮気味に話しかけてきた。
「少しアレンジされているでござるが、間違いござらん!」
「……魔王軍?」
私たちの表情をみたドルドルトさんが、慌てて両手を振った。
「言い間違いでござる。魔法国……そう、魔法国でござるよ!」
「あの、これメルクルさんっていう黒髪の美人なお姉さんにいただいたんですけど。ご存じないですか?」
「ほぅ。これをメルクルがでござるか。なるほど、確かにアリでござるな……」
「やっぱりお知り合いなんでか? この方なんですけど」
私は、メルクルさんからもらった名刺を差し出した。
ドルドルトさんの顔は瞬き一つせず、いきなり固まる。
「あのバカ、名刺を間違えてるでござる! それは侵略用の……」
彼は言葉の途中で、あわてて両手で口をふさいだ。
――え?
――今、侵略用っていいました?
1
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
異世界TS転生で新たな人生「俺が聖女になるなんて聞いてないよ!」
マロエ
ファンタジー
普通のサラリーマンだった三十歳の男性が、いつも通り残業をこなし帰宅途中に、異世界に転生してしまう。
目を覚ますと、何故か森の中に立っていて、身体も何か違うことに気づく。
近くの水面で姿を確認すると、男性の姿が20代前半~10代後半の美しい女性へと変わっていた。
さらに、異世界の住人たちから「聖女」と呼ばれる存在になってしまい、大混乱。
新たな人生に期待と不安が入り混じりながら、男性は女性として、しかも聖女として異世界を歩み始める。
※表紙、挿絵はAIで作成したイラストを使用しています。
※R15の章には☆マークを入れてます。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました
最難関ダンジョンで裏切られ切り捨てられたが、スキル【神眼】によってすべてを視ることが出来るようになった冒険者はざまぁする
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【第15回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作】
僕のスキル【神眼】は隠しアイテムや隠し通路、隠しトラップを見破る力がある。
そんな元奴隷の僕をレオナルドたちは冒険者仲間に迎え入れてくれた。
でもダンジョン内でピンチになった時、彼らは僕を追放した。
死に追いやられた僕は世界樹の精に出会い、【神眼】のスキルを極限まで高めてもらう。
そして三年の修行を経て、僕は世界最強へと至るのだった。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる