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第1章 復讐の魔女
第15話 ギルドでの騒動
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翌朝、宿の外でリョウのビュンビュンと剣を振ってる音が煩くて目覚めたベレニス。
信じられないって顔でリョウを見て、耳栓を付けて二度寝を決め込もうとした。
それを私が何とか起き上がらせて、宿の食堂で食べてから向かう冒険者ギルド。
さて、今日も稼いで、最低でも数ヶ月分の旅の資金を貯めなければ。
冒険者ギルドの中に入るなり、怒声が耳に響いてくる。
喧嘩かな?ベレニスは隣で欠伸してるから、どうやら騒ぎの種はベレニスではないらしい。
「アンナがどうやら逃亡したようだと?
良い加減な事を抜かしてるんじゃねえぞ!
領主様はなあ!今日はどうしてもアンナに会いたいってんで、こうしてわざわざ俺たちが迎えに来てやってるんだぞ!」
冒険者ギルドのマスターと揉めてるのは、どうやら衛兵のようだ。
衛兵2名にギルドマスターのバルドさん。
それを、受付のお姉さんたちや冒険者たちが遠巻きに見てる。
アンナさんか……
ビオレールに来る道中で出会い、商人の護衛を同じく冒険者で夫のクロードさんとしていた女性。
馬車に乗せてもらった私とリョウは、彼女たちと半日以上同じ時を過ごした。
そして彼女たちは、雇い主である商人ソフテックさんの金を奪い逃亡した。
この件についてリョウは、ソフテックさんもギルドマスターもグルと疑っているようだけど……
「金を奪われた商人が被害届が出し、ギルドが全額弁済しております。
衛兵様方、もしアンナとその夫クロードが見つかったなら、ソフテックさんが被害届の取り下げと、示談金の請求を申し出ていることをお伝えください。
そしてお二人が、不当な拘束を受ける事なく解放されるようお願い申し上げます」
マスターが衛兵に頭を下げる。
「ちっ!おいどうするよ」
「しゃあねえ。他の女を見繕うか?
何人か連れてけば領主様も満足するだろう」
衛兵たちがマスターの言葉を無視して、そんな暴言を吐きながらギルド内を見渡してゆく。
「おい、そこのお前とお前とお前。
俺たちと領主様のところに来い!」
なんか私とベレニスにも言ってるような気がするが、気のせいかな?
もう1人はディアナさんで、嘆息一つ吐いて言う通りに衛兵へ近づいてゆく。
「そこの金髪ショートヘアの杖持ってるお前と、エルフの小娘も早くこっちへ来い!」
あ、やっぱ私とベレニスなんだ。
ベレニスはなんか勘違いしてるのか、お目が高いと言わんばかりにムフンと胸を張って、私の手を引いて前へと出る。
私はともかく、胸ぺったんこのベレニスを指名するとは……
リョウが剣の柄を握り、マスターも私たちの壁になるように前へと進み出る。
「困りますな衛兵様。彼女たちは我がギルドの冒険者。
不躾極まる態度はおやめ頂きたい」
マスターが衛兵に対して、毅然とした態度で言い放つ。
ギルド職員のお姉さん方も、私たちを護ろうと動いてくれてるようだ。
ただ相手は権力を傘にした衛兵。
「庶民風情が偉そうに。俺たちに逆らったり、傷つけようとしたら遠慮なく処刑するからな」
そう言って、ギルドの外へ出るよう私たちに命令した。
はてさてどうするかな?
正直、リョウが動いて衛兵2人を斬り伏せる前に、私の魔法で消し炭にしても良いんだけど……
「ねえ、領主ってとこに行くっていうけど行ってどうするの?
美味しいもの食べたり、お金くれたりするの?」
ベレニスが衛兵に尋ねた。
私は思わず、ぶはっ!と吹いた。
なんて的外れなことを聞いているんだ、この子は!
しかし、衛兵はニヤリと笑って、下品な声で笑い始めた。
「な~に言ってやがる。
お前みたいなガキにはわからねえだろうが、領主様はもっと良いもんを、お前の身体にぶち込むんだよ」
ピキリ!私のこめかみに青筋が浮かぶ。
ベレニスは小首を傾げるが、自分の思っていた内容と違うと知るや、興味が失せたようにただ一言呟いた。
「そ、なら私行かないわ。
ローゼ、ディアナもギルドでお茶しましょ」
そう言ってベレニスは、ギルドへスタスタ歩いてゆく。
「このっ!ざけんな!」
怒りの形相で剣を抜き、ベレニスに飛びかかる衛兵。
あ~こりゃ駄目だわ、もう衛兵ぶん殴ってビオレールから逃亡が私たちの宿命になるっぽい。
私が魔法を、リョウが剣を抜き、ベレニスも振り向きざま風魔法を発動させ、衛兵を倒そうとしたその時だった。
何かが私とリョウの間を通り抜け、次の瞬間には衛兵2人は地べたに倒れていた。
信じられないって顔でリョウを見て、耳栓を付けて二度寝を決め込もうとした。
それを私が何とか起き上がらせて、宿の食堂で食べてから向かう冒険者ギルド。
さて、今日も稼いで、最低でも数ヶ月分の旅の資金を貯めなければ。
冒険者ギルドの中に入るなり、怒声が耳に響いてくる。
喧嘩かな?ベレニスは隣で欠伸してるから、どうやら騒ぎの種はベレニスではないらしい。
「アンナがどうやら逃亡したようだと?
良い加減な事を抜かしてるんじゃねえぞ!
領主様はなあ!今日はどうしてもアンナに会いたいってんで、こうしてわざわざ俺たちが迎えに来てやってるんだぞ!」
冒険者ギルドのマスターと揉めてるのは、どうやら衛兵のようだ。
衛兵2名にギルドマスターのバルドさん。
それを、受付のお姉さんたちや冒険者たちが遠巻きに見てる。
アンナさんか……
ビオレールに来る道中で出会い、商人の護衛を同じく冒険者で夫のクロードさんとしていた女性。
馬車に乗せてもらった私とリョウは、彼女たちと半日以上同じ時を過ごした。
そして彼女たちは、雇い主である商人ソフテックさんの金を奪い逃亡した。
この件についてリョウは、ソフテックさんもギルドマスターもグルと疑っているようだけど……
「金を奪われた商人が被害届が出し、ギルドが全額弁済しております。
衛兵様方、もしアンナとその夫クロードが見つかったなら、ソフテックさんが被害届の取り下げと、示談金の請求を申し出ていることをお伝えください。
そしてお二人が、不当な拘束を受ける事なく解放されるようお願い申し上げます」
マスターが衛兵に頭を下げる。
「ちっ!おいどうするよ」
「しゃあねえ。他の女を見繕うか?
何人か連れてけば領主様も満足するだろう」
衛兵たちがマスターの言葉を無視して、そんな暴言を吐きながらギルド内を見渡してゆく。
「おい、そこのお前とお前とお前。
俺たちと領主様のところに来い!」
なんか私とベレニスにも言ってるような気がするが、気のせいかな?
もう1人はディアナさんで、嘆息一つ吐いて言う通りに衛兵へ近づいてゆく。
「そこの金髪ショートヘアの杖持ってるお前と、エルフの小娘も早くこっちへ来い!」
あ、やっぱ私とベレニスなんだ。
ベレニスはなんか勘違いしてるのか、お目が高いと言わんばかりにムフンと胸を張って、私の手を引いて前へと出る。
私はともかく、胸ぺったんこのベレニスを指名するとは……
リョウが剣の柄を握り、マスターも私たちの壁になるように前へと進み出る。
「困りますな衛兵様。彼女たちは我がギルドの冒険者。
不躾極まる態度はおやめ頂きたい」
マスターが衛兵に対して、毅然とした態度で言い放つ。
ギルド職員のお姉さん方も、私たちを護ろうと動いてくれてるようだ。
ただ相手は権力を傘にした衛兵。
「庶民風情が偉そうに。俺たちに逆らったり、傷つけようとしたら遠慮なく処刑するからな」
そう言って、ギルドの外へ出るよう私たちに命令した。
はてさてどうするかな?
正直、リョウが動いて衛兵2人を斬り伏せる前に、私の魔法で消し炭にしても良いんだけど……
「ねえ、領主ってとこに行くっていうけど行ってどうするの?
美味しいもの食べたり、お金くれたりするの?」
ベレニスが衛兵に尋ねた。
私は思わず、ぶはっ!と吹いた。
なんて的外れなことを聞いているんだ、この子は!
しかし、衛兵はニヤリと笑って、下品な声で笑い始めた。
「な~に言ってやがる。
お前みたいなガキにはわからねえだろうが、領主様はもっと良いもんを、お前の身体にぶち込むんだよ」
ピキリ!私のこめかみに青筋が浮かぶ。
ベレニスは小首を傾げるが、自分の思っていた内容と違うと知るや、興味が失せたようにただ一言呟いた。
「そ、なら私行かないわ。
ローゼ、ディアナもギルドでお茶しましょ」
そう言ってベレニスは、ギルドへスタスタ歩いてゆく。
「このっ!ざけんな!」
怒りの形相で剣を抜き、ベレニスに飛びかかる衛兵。
あ~こりゃ駄目だわ、もう衛兵ぶん殴ってビオレールから逃亡が私たちの宿命になるっぽい。
私が魔法を、リョウが剣を抜き、ベレニスも振り向きざま風魔法を発動させ、衛兵を倒そうとしたその時だった。
何かが私とリョウの間を通り抜け、次の瞬間には衛兵2人は地べたに倒れていた。
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