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「全てを思い出したなら、私があなたを地球に飛ばした事も解って居て質問したと言う事ね?唯一神だか何だか知らないけど、あなたは厄介な存在だわ。」
やはりこいつが一番の悪党って事か。嘘が通じないと解って開き直っている。
「ここで観念するか?命だけは助けてやっても良いぞ。」
「観念?笑わせないでよ。もう一度あなたを、今度はここに帰って来られない場所に飛ばしてあげるわ。」
そう言ってローレシアがニヤリと笑う。
ふむ、自分と相手の力量差も解らないとは本当に愚かだな。
ローレシアが何かをするのを黙って見ている。恐らく僕を地球に飛ばした時もこんな感じだったんだろう。
異世界人の異世界パワーって奴だ。魔法と言うより超能力に近いかな。
「何故?前回は上手く行ったのに。」
「それは一度見たからな。神に同じ手は通用しないよ。」
「本当に厄介な奴。」
心底嫌そうにローレシアが吐き捨てる。
「私を殺しても、この世界と向こうの世界は繋がっているわ。次々とあなたを狙う者がやって来るだけ。無駄なあがきは止めなさい。」
「繋がっているのはこの空間だけだろう?神界とか呼んでいたが、僕の住む天界に近づけないお前たちには僕をどうこうするのは無理だと思うぞ?」
「本当に忌々しいガキね。」
「まあ、僕の方があんたより長く生きているがね。」
さて、ここで押し問答をしていてもしょうがない。サクッと終わらせますか?
僕が右手を軽く上げたらローレシアが身構えた。
「何をする気?」
「この神界ごと、ローレシア、あんたを次元の狭間に飛ばしてやるよ。殺さないだけ感謝しろよ。」
恐らく死ぬよりも辛いと思うが、こいつは簡単に殺してはいけない気がする。
僕が右手を握ると、神界と呼ばれる空間がローレシアごと小さな球になる。次元の裂け目を作りそれをそこに放り込んだ。
何とも呆気ない終わりだ。
気になるのは地上に転生したブラスマイヤーだが、恐らく記憶は消されているんだろうな。念話で呼びかけても応えられない訳だ。
これからどうする?神として世界を見守りながら生きて行くのも悪く無い。だが、やっぱり帰りたいよね。帰る所があるんだもん。
地上の公爵邸へ転移で戻る。庭に降り立った僕の前に竜王の爺さんが飛んできて跪いた。
「神よ。あなたの事を忘れ、横柄な態度を取った事をお許しください。」
どうやら竜王の爺さんも記憶を取り戻したみたいだ。
「なぁ、爺さん。地上に居る時は今まで通りで構わない。思い出したんだろう?だったら以前の僕の事も解って居るよな?」
以前も僕は地上へ何度か降りている、その度人間として生活して来た。
天界が留守になるのは物騒だが、あそこに近づける者は滅多に居ない。それに留守にすると言っても100年程度だ。問題無いだろう。
おっと、忘れていた。救済の箱舟をこのままにして置く訳には行かない。転移で残りの2人の長老の元へ飛び、現在の救済の箱舟は本来の役目を忘れている事を説く。長老たちは僕が数十年ぶりに姿を現した事に驚いていた。
長老たちは僕の弟子だ。僕が死んだと思って色々とやって来た様だが、これからは僕の教えを守ると誓ってくれた。まあ、また道を外れたらお仕置きだな。
その後、元伯爵の元に飛び、救済の箱舟はもう安全だと伝える。元伯爵は驚いていたが、これからは陰から国王を盛り立てて行く事にすると言っていた。
さて、少し早いが家に戻るか。僕の帰る場所はあそこだからな。
転移で公爵家へ戻る。
「あら、あなた。今日はお早いですね。」
「ああ、ただいま。」
セリーとのたわいのない会話だが、帰って来た事を実感する。
「時間があるのでしたら、子供達と遊んであげて下さい。」
僕はその言葉に頷き、子供達と戯れる。いずれ、またブラスマイヤーに会える日が来る。なんとなくそう確信した。
完
やはりこいつが一番の悪党って事か。嘘が通じないと解って開き直っている。
「ここで観念するか?命だけは助けてやっても良いぞ。」
「観念?笑わせないでよ。もう一度あなたを、今度はここに帰って来られない場所に飛ばしてあげるわ。」
そう言ってローレシアがニヤリと笑う。
ふむ、自分と相手の力量差も解らないとは本当に愚かだな。
ローレシアが何かをするのを黙って見ている。恐らく僕を地球に飛ばした時もこんな感じだったんだろう。
異世界人の異世界パワーって奴だ。魔法と言うより超能力に近いかな。
「何故?前回は上手く行ったのに。」
「それは一度見たからな。神に同じ手は通用しないよ。」
「本当に厄介な奴。」
心底嫌そうにローレシアが吐き捨てる。
「私を殺しても、この世界と向こうの世界は繋がっているわ。次々とあなたを狙う者がやって来るだけ。無駄なあがきは止めなさい。」
「繋がっているのはこの空間だけだろう?神界とか呼んでいたが、僕の住む天界に近づけないお前たちには僕をどうこうするのは無理だと思うぞ?」
「本当に忌々しいガキね。」
「まあ、僕の方があんたより長く生きているがね。」
さて、ここで押し問答をしていてもしょうがない。サクッと終わらせますか?
僕が右手を軽く上げたらローレシアが身構えた。
「何をする気?」
「この神界ごと、ローレシア、あんたを次元の狭間に飛ばしてやるよ。殺さないだけ感謝しろよ。」
恐らく死ぬよりも辛いと思うが、こいつは簡単に殺してはいけない気がする。
僕が右手を握ると、神界と呼ばれる空間がローレシアごと小さな球になる。次元の裂け目を作りそれをそこに放り込んだ。
何とも呆気ない終わりだ。
気になるのは地上に転生したブラスマイヤーだが、恐らく記憶は消されているんだろうな。念話で呼びかけても応えられない訳だ。
これからどうする?神として世界を見守りながら生きて行くのも悪く無い。だが、やっぱり帰りたいよね。帰る所があるんだもん。
地上の公爵邸へ転移で戻る。庭に降り立った僕の前に竜王の爺さんが飛んできて跪いた。
「神よ。あなたの事を忘れ、横柄な態度を取った事をお許しください。」
どうやら竜王の爺さんも記憶を取り戻したみたいだ。
「なぁ、爺さん。地上に居る時は今まで通りで構わない。思い出したんだろう?だったら以前の僕の事も解って居るよな?」
以前も僕は地上へ何度か降りている、その度人間として生活して来た。
天界が留守になるのは物騒だが、あそこに近づける者は滅多に居ない。それに留守にすると言っても100年程度だ。問題無いだろう。
おっと、忘れていた。救済の箱舟をこのままにして置く訳には行かない。転移で残りの2人の長老の元へ飛び、現在の救済の箱舟は本来の役目を忘れている事を説く。長老たちは僕が数十年ぶりに姿を現した事に驚いていた。
長老たちは僕の弟子だ。僕が死んだと思って色々とやって来た様だが、これからは僕の教えを守ると誓ってくれた。まあ、また道を外れたらお仕置きだな。
その後、元伯爵の元に飛び、救済の箱舟はもう安全だと伝える。元伯爵は驚いていたが、これからは陰から国王を盛り立てて行く事にすると言っていた。
さて、少し早いが家に戻るか。僕の帰る場所はあそこだからな。
転移で公爵家へ戻る。
「あら、あなた。今日はお早いですね。」
「ああ、ただいま。」
セリーとのたわいのない会話だが、帰って来た事を実感する。
「時間があるのでしたら、子供達と遊んであげて下さい。」
僕はその言葉に頷き、子供達と戯れる。いずれ、またブラスマイヤーに会える日が来る。なんとなくそう確信した。
完
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