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明日は冒険者として依頼を受けると宣言し、待ち合わせ場所を冒険者ギルド前に変更する。
クラ―ネルは大いに喜んでいた。
さて、家に帰ると、クラ―ネルの婿入り先の候補の詳細が書類に纏められていた。
一通り目を通したが、特に問題は無い様だ。あるとしたら、クラ―ネルの見た目になるだろう。
あれは、どうにかならないかな?
セリーに会わせて、解決策を練って貰おうか?
翌日、10時に冒険者ギルドに飛んだ。待ち合わせ場所に近づくと何やら騒がしい上に人だかりが、トラブルかな?
どうも、騒ぎの中心に居るのはクラ―ネルの様だ。クラ―ネルを女性新人冒険者と勘違いした馬鹿共がパーティーに誘っている。
僕は人だかりに割って入り。クラ―ネルを拉致して、周囲に聞こえる声で謝罪する。
「うちのパーティーメンバーが迷惑をかけた様で済まんな。」
これで、明日からは勧誘の声は掛からなくなるだろう。
「済みませんエイジさん。」
「済まないと思うなら見た目を変える努力をしたらどうだ?」
「これでも、結構努力してるんですが。」
言われてみれば、化粧をしている訳でも無く、髪もこの世界の住人にしては短い方だ。女性っぽい服を着ている訳でも無い。
何と言うか顔立ちに問題がある様だ。これは遺伝的な物でクラ―ネルを攻める訳には行かない。
逆に化粧で男っぽく出来ない物だろうか?
「まあ良い。依頼を受けるぞ。」
「今からでも依頼に間に合いますか?皆さん結構早くに依頼を受けに来ている様ですが?」
「ああ、問題無い。僕らが受けるのは常時討伐のみだ。」
常時討伐と言うのはその名の通り、常時貼り出されている、討伐依頼だ。メリットは常に依頼が出ているので時間が遅くても受けられる。失敗時のペナルティが無いと言う事だ。デメリットは、通常依頼より若干報酬が低くなる事位かな。
さて、一つ問題がある。僕がSランクでクラ―ネルはGランクだ。僕らのパーティーは何ランクになるのだろう?
ざっと掲示板を見て、今日の獲物を決める。
ゴブリンとオークで最初は様子を見よう。
常時討伐の良い所はわざわざ窓口で依頼を受けなくても良い所にもある。先に討伐して来てから報告しても依頼達成扱いになるのだ。
「今日は最初なのでゴブリンとオークを狩に行く。まあ、途中で美味しい魔物が出れば狩るがな。」
「ゴブリンにオークですか。何だが冒険者って感じがしますね。」
いやいや、ちゃんと登録したんだから立派な冒険者なんだって。
「じゃあ、出発するぞ。」
そう言ってギルドを出る。基本オークやゴブリンは比較的浅い位置に出る事が多い。しかも東西南北何処へ行っても出る。なので一番近い南門を目指し歩き始める。
「さて、クラ―ネル。今日使って良い魔法はウインドカッターだけだ。しかも狙うのは足限定だ。」
「それはどう言う意味があるんですか?」
「今日は冒険者初日だ、いわゆる普通の冒険者の魔法使いの戦い方を教える。明日からは、また違った事を教えるので、今日は魔法使いに徹してくれ。」
南門を出て20分程歩き、森へと分け入る。僕のサーチではこの辺にはゴブリンの反応が多い。
「いいか、ゴブリンはまとめて数匹出て来る事が多い。なので、ゴブリンを見かけたらすぐに足に向けてウインドカッターを放て。動きを止めたゴブリンは無視して良い。次々にゴブリンの足を止めるのが君の役目だ。」
「解りました。」
「群れの魔物と対峙する時は、どの魔物から足を止めれば効率が良いか考えながら魔法を使うのが効果的だ。」
すると早速ゴブリンが2匹お出ましだ。僕はあえて、クラ―ネルに先手を譲る。
クラ―ネルのウインドカッターが先行するゴブリンに当たる。後ろのゴブリンが逃げようとするが、その間を与えず、2発目が飛んで行った。
初めてにしては上出来だな。僕は、素早く2匹のゴブリンの首を跳ねる。
「ゴブリンの討伐証明部位は右耳だ。ナイフで切り取る。出来るか?」
「やります。」
出来ると言わずにやりますと言うのがクラ―ネルらしい。
切り取った耳を麻袋に入れてクラ―ネルに持たせる。
「さて、次が来るぞ。」
「それって探知魔法ですよね?僕も使った方が良いのでしょうか?」
「使えるのなら使った方が良いぞ。前にも言ったが、出来る事は全てしろ、それが生き残る条件だ。冒険者ってのは生き残って居れば勝ちなんだ。」
次に現れたゴブリンは3匹だ。ゴブリンは5匹で1依頼なので、丁度良い数だな。
さっき、2匹目のゴブリンに逃げられかけたので、クラ―ネルは少し引き付けてから、魔法を発動する。
状況判断も的確だし魔法の運用も上手い。魔法使いとしては合格だな。
3匹のゴブリンの首を跳ねながら僕は満足していた。
クラ―ネルが耳を切り取っている間に、少し遠くまでサーチを広げる。オークを捉える。
「よし、ゴブリンは、この辺で良いだろう。次はオークに行くぞ。オークはゴブリンよりも動きは遅いが、その分防御力が高い。油断せずに、どの位の魔法で足止め出来るか確認しながら進め。」
数分でオークのエリアに辿り着く、クラ―ネルも探知魔法で大体の敵の位置は確認できている様だ。
ゴブリンと違いオークは基本群れを作らない。だが、2~3匹なら同時に出る事はある。
「来るぞ、まずは1匹だ。」
「はい。」
1匹と聞いたクラ―ネルはオークの姿を見るなりウインドカッターを発動した。ゴブリンに撃った物より威力が高い。防御力が高いと聞いて、威力を上げたのだろうが、ちょっと強すぎた様だ。オークの足がスパッと切断された。
「限度って物があるぞ。もう少し弱くても足止めは出来る。」
僕は、そう言って、オークも剣で一閃。首を飛ばす。
「オークの討伐証明部位も右耳だが、オークは食用として肉が素材になる。なので持ち帰れるなら持ち帰った方が金になるぞ。」
そう言ってストレージに仕舞った。
「アイテムボックスですか?」
「ああ、時空魔法もいずれは教えるつもりだ。覚えればアイテムボックスも使える様になるだろう。どの魔物が、どう言う素材になるのか、何が高く売れるのか、効率の良い狩りと言うのを叩き込んでやるから、キッチリ覚えろよ。」
「なるほど、冒険者で生活して行くなら、効率の良い狩りをしなければイケないと言う事ですね。」
「その通りだ。更に言えば、効率の良い狩りをするにはランクも重要になって来る。冒険者がランクに拘るのはその辺に理由があると言う事だ。」
これはあくまでも一般論だ。実際に僕は現在Sランクだが、下位ランクの時から稼いでいた。実力があれば、ランクは関係ないのだが、そうでは無い場合はランクは重要な指標になる。
また、ステータスの方が重要だと考える冒険者が多い事も事実だ。昇級試験って剣と魔法しか無いので、それ以外の職業の人はステータスを重視する事になる。これは冒険者ギルドの改革が必要なのかもしれないが、実力があるのに剣と魔法が苦手でランクが上がらないと言う例は結構多い。
その後オークを狩りまくって、今日の成果はオーク10匹、ゴブリン5匹になった。
ギルドに帰り清算して貰う。ゴブリンの討伐費用が銀貨2枚。オークの素材が金貨2枚になった。
「基本冒険者の報酬は山分けだ。ランクの違いや職業の違いもあるだろうが、僕はそう教わって来た。」
そう言って、クラ―ネルに金貨1枚と銀貨1枚を渡す。日本円で11万円だ。一日の稼ぎとしては悪く無いが、貴族の稼ぎと考えると少ない。
「冒険者って稼ぐんですね。」
「それは、命を懸けた仕事だからな。だが、その分冒険者の寿命は短い。早い者は30代で引退する。だから、なるべく早く強くなって、稼げる間に沢山稼いで引退後に裕福に暮らして行く為に貯蓄するのが普通らしいぞ。」
「ちなみにエイジさんは月にどの位稼ぐんですか?」
「僕はあまり参考にならないぞ。だいたい月に白金貨50枚位だな。」
「そんなに稼ぐんですか?僕の家の1年分以上ですよ?」
「だから参考にならないと言ったろう?Bランクの冒険者なら月に白金貨10枚位は稼ぐんじゃ無いかな。」
「じゃあ目指すはBランクですね。」
まあ、まずは、その辺が無難だなと答えて置いた。僕的にはSランクに育てるつもりなんだけどね。
クラ―ネルは大いに喜んでいた。
さて、家に帰ると、クラ―ネルの婿入り先の候補の詳細が書類に纏められていた。
一通り目を通したが、特に問題は無い様だ。あるとしたら、クラ―ネルの見た目になるだろう。
あれは、どうにかならないかな?
セリーに会わせて、解決策を練って貰おうか?
翌日、10時に冒険者ギルドに飛んだ。待ち合わせ場所に近づくと何やら騒がしい上に人だかりが、トラブルかな?
どうも、騒ぎの中心に居るのはクラ―ネルの様だ。クラ―ネルを女性新人冒険者と勘違いした馬鹿共がパーティーに誘っている。
僕は人だかりに割って入り。クラ―ネルを拉致して、周囲に聞こえる声で謝罪する。
「うちのパーティーメンバーが迷惑をかけた様で済まんな。」
これで、明日からは勧誘の声は掛からなくなるだろう。
「済みませんエイジさん。」
「済まないと思うなら見た目を変える努力をしたらどうだ?」
「これでも、結構努力してるんですが。」
言われてみれば、化粧をしている訳でも無く、髪もこの世界の住人にしては短い方だ。女性っぽい服を着ている訳でも無い。
何と言うか顔立ちに問題がある様だ。これは遺伝的な物でクラ―ネルを攻める訳には行かない。
逆に化粧で男っぽく出来ない物だろうか?
「まあ良い。依頼を受けるぞ。」
「今からでも依頼に間に合いますか?皆さん結構早くに依頼を受けに来ている様ですが?」
「ああ、問題無い。僕らが受けるのは常時討伐のみだ。」
常時討伐と言うのはその名の通り、常時貼り出されている、討伐依頼だ。メリットは常に依頼が出ているので時間が遅くても受けられる。失敗時のペナルティが無いと言う事だ。デメリットは、通常依頼より若干報酬が低くなる事位かな。
さて、一つ問題がある。僕がSランクでクラ―ネルはGランクだ。僕らのパーティーは何ランクになるのだろう?
ざっと掲示板を見て、今日の獲物を決める。
ゴブリンとオークで最初は様子を見よう。
常時討伐の良い所はわざわざ窓口で依頼を受けなくても良い所にもある。先に討伐して来てから報告しても依頼達成扱いになるのだ。
「今日は最初なのでゴブリンとオークを狩に行く。まあ、途中で美味しい魔物が出れば狩るがな。」
「ゴブリンにオークですか。何だが冒険者って感じがしますね。」
いやいや、ちゃんと登録したんだから立派な冒険者なんだって。
「じゃあ、出発するぞ。」
そう言ってギルドを出る。基本オークやゴブリンは比較的浅い位置に出る事が多い。しかも東西南北何処へ行っても出る。なので一番近い南門を目指し歩き始める。
「さて、クラ―ネル。今日使って良い魔法はウインドカッターだけだ。しかも狙うのは足限定だ。」
「それはどう言う意味があるんですか?」
「今日は冒険者初日だ、いわゆる普通の冒険者の魔法使いの戦い方を教える。明日からは、また違った事を教えるので、今日は魔法使いに徹してくれ。」
南門を出て20分程歩き、森へと分け入る。僕のサーチではこの辺にはゴブリンの反応が多い。
「いいか、ゴブリンはまとめて数匹出て来る事が多い。なので、ゴブリンを見かけたらすぐに足に向けてウインドカッターを放て。動きを止めたゴブリンは無視して良い。次々にゴブリンの足を止めるのが君の役目だ。」
「解りました。」
「群れの魔物と対峙する時は、どの魔物から足を止めれば効率が良いか考えながら魔法を使うのが効果的だ。」
すると早速ゴブリンが2匹お出ましだ。僕はあえて、クラ―ネルに先手を譲る。
クラ―ネルのウインドカッターが先行するゴブリンに当たる。後ろのゴブリンが逃げようとするが、その間を与えず、2発目が飛んで行った。
初めてにしては上出来だな。僕は、素早く2匹のゴブリンの首を跳ねる。
「ゴブリンの討伐証明部位は右耳だ。ナイフで切り取る。出来るか?」
「やります。」
出来ると言わずにやりますと言うのがクラ―ネルらしい。
切り取った耳を麻袋に入れてクラ―ネルに持たせる。
「さて、次が来るぞ。」
「それって探知魔法ですよね?僕も使った方が良いのでしょうか?」
「使えるのなら使った方が良いぞ。前にも言ったが、出来る事は全てしろ、それが生き残る条件だ。冒険者ってのは生き残って居れば勝ちなんだ。」
次に現れたゴブリンは3匹だ。ゴブリンは5匹で1依頼なので、丁度良い数だな。
さっき、2匹目のゴブリンに逃げられかけたので、クラ―ネルは少し引き付けてから、魔法を発動する。
状況判断も的確だし魔法の運用も上手い。魔法使いとしては合格だな。
3匹のゴブリンの首を跳ねながら僕は満足していた。
クラ―ネルが耳を切り取っている間に、少し遠くまでサーチを広げる。オークを捉える。
「よし、ゴブリンは、この辺で良いだろう。次はオークに行くぞ。オークはゴブリンよりも動きは遅いが、その分防御力が高い。油断せずに、どの位の魔法で足止め出来るか確認しながら進め。」
数分でオークのエリアに辿り着く、クラ―ネルも探知魔法で大体の敵の位置は確認できている様だ。
ゴブリンと違いオークは基本群れを作らない。だが、2~3匹なら同時に出る事はある。
「来るぞ、まずは1匹だ。」
「はい。」
1匹と聞いたクラ―ネルはオークの姿を見るなりウインドカッターを発動した。ゴブリンに撃った物より威力が高い。防御力が高いと聞いて、威力を上げたのだろうが、ちょっと強すぎた様だ。オークの足がスパッと切断された。
「限度って物があるぞ。もう少し弱くても足止めは出来る。」
僕は、そう言って、オークも剣で一閃。首を飛ばす。
「オークの討伐証明部位も右耳だが、オークは食用として肉が素材になる。なので持ち帰れるなら持ち帰った方が金になるぞ。」
そう言ってストレージに仕舞った。
「アイテムボックスですか?」
「ああ、時空魔法もいずれは教えるつもりだ。覚えればアイテムボックスも使える様になるだろう。どの魔物が、どう言う素材になるのか、何が高く売れるのか、効率の良い狩りと言うのを叩き込んでやるから、キッチリ覚えろよ。」
「なるほど、冒険者で生活して行くなら、効率の良い狩りをしなければイケないと言う事ですね。」
「その通りだ。更に言えば、効率の良い狩りをするにはランクも重要になって来る。冒険者がランクに拘るのはその辺に理由があると言う事だ。」
これはあくまでも一般論だ。実際に僕は現在Sランクだが、下位ランクの時から稼いでいた。実力があれば、ランクは関係ないのだが、そうでは無い場合はランクは重要な指標になる。
また、ステータスの方が重要だと考える冒険者が多い事も事実だ。昇級試験って剣と魔法しか無いので、それ以外の職業の人はステータスを重視する事になる。これは冒険者ギルドの改革が必要なのかもしれないが、実力があるのに剣と魔法が苦手でランクが上がらないと言う例は結構多い。
その後オークを狩りまくって、今日の成果はオーク10匹、ゴブリン5匹になった。
ギルドに帰り清算して貰う。ゴブリンの討伐費用が銀貨2枚。オークの素材が金貨2枚になった。
「基本冒険者の報酬は山分けだ。ランクの違いや職業の違いもあるだろうが、僕はそう教わって来た。」
そう言って、クラ―ネルに金貨1枚と銀貨1枚を渡す。日本円で11万円だ。一日の稼ぎとしては悪く無いが、貴族の稼ぎと考えると少ない。
「冒険者って稼ぐんですね。」
「それは、命を懸けた仕事だからな。だが、その分冒険者の寿命は短い。早い者は30代で引退する。だから、なるべく早く強くなって、稼げる間に沢山稼いで引退後に裕福に暮らして行く為に貯蓄するのが普通らしいぞ。」
「ちなみにエイジさんは月にどの位稼ぐんですか?」
「僕はあまり参考にならないぞ。だいたい月に白金貨50枚位だな。」
「そんなに稼ぐんですか?僕の家の1年分以上ですよ?」
「だから参考にならないと言ったろう?Bランクの冒険者なら月に白金貨10枚位は稼ぐんじゃ無いかな。」
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