213 / 308
213
しおりを挟む
翌朝、稽古の後、西門へと向かう。時間が早いので歩きだ。
侯爵家からだと西門までは結構ある。歩きだと、1時間以上掛かる。待ち合わせは10時なので、このままでは遅れる事になる。
だが、僕は悠然と歩いて貴族街を出る。まあ、時間になったら転移すれば良いだけの話だ。
僕は考える時間が欲しかったのだ。昨日は古代の魔法書に興奮して、クラ―ネルの育て方を考える時間が無かった。朝気が付いて焦った。流石に稽古中は考える時間が無い。考えていたら死ぬ自信がある。
と言う事で移動時間を利用して、考え事をしているのだ。
正直、あの見た目には参った。アレをどう言う風に育てれば良いのか、方向性が見えない。
会う前は、冒険者として育てるつもりだった。だが、アレを冒険者にして良い物だろうか?
男だと知っていても襲い掛かる冒険者が多そうだ。それに、あの華奢な体では僕の様なスタイルの魔法使いは難しいだろう。
となると、純粋な魔法使いに育てるか?なんかそれも違う様な気がするし。いっその事付与魔法使いに育てると言うのも面白いかもしれない。
クラ―ネルは上級魔法が使える、もし最悪初級魔法が駄目でも付与魔法使いなら、その能力を生かす事が出来るであろう。
お婆さんの店を手伝うと言ったのも冗談ではない。半分は本気だ。クラ―ネルが貴族になれば、それなりの稼ぎが必要になる。その時に、あの店にクラ―ネルが居れば、貴族の客は間違いなく増えるだろう。
貴族の中には平民を見下している者も多い。おばあさんは平民だ。幾ら需要があっても、平民に頭を下げるのを良しとしない貴族は多い。そこに、下級とは言え貴族のクラ―ネルが務めて居れば、状況は変わる可能性が高い。
それに、あの見た目は、冒険者よりも商人向きだとも言える。
まあ、もうすぐ、本人の実力が見れる。それから判断しても良いのだが、ある程度の方向性を持っておかないとテストをするのにも基準と言う物がある。
10時が近づいて来る。そろそろクラ―ネルは来て居るかもしれないな。そう思い、人気の少ない場所で転移をする。
西門に着くと、商人や冒険者で結構賑わっている。サーチでクラ―ネルを探し合流する。
「これからテストの為に西の草原に向かおうと思うのだが、その格好は何だ?」
クラ―ネルは学院の制服を着ていた。学院の制服は魔法使いの正装を模して造られている。ローブとマントだ。ただでさえ女に見えるのに、そんな中性的な衣装を着たら、まず男だと思う者は居ないだろう。
「え?魔法を見るんですよね?この格好はおかしいですか?」
「言われてみれば、魔法を使うのに魔法使いの格好は正しいのか?」
「なんで、疑問形なんですか?」
「まあ、良い。行くぞ。」
2人で門を潜り王都の外へと出る。西の草原は歩いて10分程度だ。
5分程歩いてから街道を外れて、草原に向かう。この辺は小麦畑も多く。魔物は定期的に討伐されているので出る事は滅多に無い。その分人気も少ないのだが、それが魔法を使うのに丁度良い。
草原に着いて、周りを確認し、人が居ない事をサーチで探る。問題無さそうだ。
「この辺で良いだろう。まず、基本的な所から見せて貰おうかな。」
「基本と言うとファイヤーボールですか?」
「そうだな、属性は何でも良い。初級魔法を見せてくれ。」
そう言うとクラ―ネルが、空に向けてファイヤーボールを撃った。ちゃんと火魔法は火災の危険がある事は理解している様だ。
おかしな所は無いな。いや、それがおかしいのか?
「もしかして、魔法学院に入ってから魔法を教わったのか?」
「はい、そうですけど、おかしいですか?」
いや、それ自体はおかしくない。学院に入ってから魔法を始めて使う者は多い。入学生の半数は魔法が使えない状態で入学すると聞いた事がある。
「おかしくは無い。だが、あまりにも教科書通りの魔法だな。」
「はい、教科書に載っている通りに撃っていますから。」
「魔法はイメージだと教科書には載っていなかったか?」
「はい、そう書いてありました。イメージの仕方も書いてあったので、その通りにイメージしています。」
なるほど、それが原因だな。良くも悪くもクラ―ネルは真面目なのだ。
「では、イメージで、今のファイヤーボールが丁度倍の大きさになる様に撃てるか?」
やってみますと、先程と同じように魔法を発動する。先程と同じファイヤーボールが空に撃ち上がった。
「あれ?ちゃんとイメージしたのに。」
なるほど、初級魔法が上手く制御できていないってのはこう言う事か。
「ちなみにどんなイメージをしたのか教えて貰えるか?」
「えっと、掌からさっきの倍の火の玉が出るイメージをしました。」
「その時に使用する魔素の量はちゃんと倍にしたか?」
「え?魔素の使用量ですか?」
「もしかして、教科書には魔素についての記述が無かったか?」
学院の教科書は帝国語に翻訳した事がある。確か、魔素についての記述はあったが、使用量についての記述は無かった気がする。そこは教師が教える部分だと思っていた。
「教科書に魔素の使用量と言うのは載って無かったと思います。」
「教師は教えてくれなかったのか?」
「学院の教師は僕たちの様な劣等生には授業をしません。教科書で学び、魔法が使える様になると試験を受けられます。合格すると更に上の教科書が貰えます。」
「授業で教師が何も教えないのか?授業中は何をしているんだ?」
「上位の学生は個別指導が付きます。それ以外の学生は、座学と練習場での訓練と自分たちで工夫して魔法を覚えます。」
なんとなく解って来たぞ。クラ―ネルはその見た目から、ボッチだったんじゃ無いだろうか?教師にも教えて貰えず、友達とも競い合う事が無かった。だとすると、この歪な魔法使いが誕生した理由になる。
「君はもしかしたら、友達が居ないんじゃ無いか?」
「な、なんで知ってるんですか?」
やはり、そうか。あれ?でも、それだと上級魔法が使える理由が判らないな?
「君はどうやって、中級以上の魔法を覚えたんだ?」
「それは、あの魔道具屋のお婆さんです。魔法の本を探していた時に偶然入って。相談したら、中級の魔導書をくれたんです。しかも無料で。」
「魔導書を読んだだけで中級魔法が使える様になったのか?」
「はい。その後も上級魔法や魔法陣の本も貰いました。まあ原本では無くて複製でしたけど、凄く役に立ちました。」
なるほど、お婆さんが誰かに古代の魔導書を売って、その翻訳版を手に入れたのかもしれないな。お婆さんは魔法使いでは無さそうだから、クラ―ネルに譲ったのかもしれない。
おそらく、あのお婆さんは薬師だ。魔道具の知識もかなりあるみたいだが、本業では無い様だしね。もし、魔法使いが本業なら、古代の魔法の本は手放さないだろう。
さて、クラ―ネルの現状をどう捉える?天才なのか努力家なのか判断に困る所だ。通常、努力だけでは上級魔法は使えない。だが、古代の魔導書を教科書にしたら、事情は変わって来る。
彼は非常に稀有な存在だ。古代の知識を持つ凡人だとすると、彼に僕の知識を与えたら、どうなるのだろうか?
それ以前に古代の魔法の理論を理解したのならば、凡人だとは言えないのかもしれないけどね。
「だいたい君の力量は理解した。約束通り1か月で1人前の魔法使いにしてあげよう。その後どうするかは、少しずつ決めて行こう。」
「本当に可能なんですか?」
「ああ、独学でここまで出来たのなら、そう難しい話では無い。ちゃんとした魔法使いにきちんと魔法を教われば、魔法学院をトップで卒業する位は軽くなれる。」
そう言うとクラ―ネルが大きな目を更に見開く。
「まずは、魔素操作を覚えて貰おう。これは魔法の基本だ。それ程難しくは無いが重要だ。これをキッチリ覚えないと魔法は上手くならない。」
「魔素操作ですか?学院では教わってませんし、教科書にも載ってませんでした。」
「魔法使いにとっては基本中の基本なんだが、それを教えない教師と言うのは怠慢と言わざるを得んな。貴族の場合、魔法の素養がある子は小さい内から家庭教師を雇って練習を始めると言う。おそらく、基本過ぎて、全員が知って居る物として省いてしまったんだろうな。」
魔法学院はどうやら、優等生しか育てるつもりが無い様だ。そのせいでクラ―ネルの様な生徒が潰れて行くのを見過ごしているとは愚の骨頂だな。
侯爵家からだと西門までは結構ある。歩きだと、1時間以上掛かる。待ち合わせは10時なので、このままでは遅れる事になる。
だが、僕は悠然と歩いて貴族街を出る。まあ、時間になったら転移すれば良いだけの話だ。
僕は考える時間が欲しかったのだ。昨日は古代の魔法書に興奮して、クラ―ネルの育て方を考える時間が無かった。朝気が付いて焦った。流石に稽古中は考える時間が無い。考えていたら死ぬ自信がある。
と言う事で移動時間を利用して、考え事をしているのだ。
正直、あの見た目には参った。アレをどう言う風に育てれば良いのか、方向性が見えない。
会う前は、冒険者として育てるつもりだった。だが、アレを冒険者にして良い物だろうか?
男だと知っていても襲い掛かる冒険者が多そうだ。それに、あの華奢な体では僕の様なスタイルの魔法使いは難しいだろう。
となると、純粋な魔法使いに育てるか?なんかそれも違う様な気がするし。いっその事付与魔法使いに育てると言うのも面白いかもしれない。
クラ―ネルは上級魔法が使える、もし最悪初級魔法が駄目でも付与魔法使いなら、その能力を生かす事が出来るであろう。
お婆さんの店を手伝うと言ったのも冗談ではない。半分は本気だ。クラ―ネルが貴族になれば、それなりの稼ぎが必要になる。その時に、あの店にクラ―ネルが居れば、貴族の客は間違いなく増えるだろう。
貴族の中には平民を見下している者も多い。おばあさんは平民だ。幾ら需要があっても、平民に頭を下げるのを良しとしない貴族は多い。そこに、下級とは言え貴族のクラ―ネルが務めて居れば、状況は変わる可能性が高い。
それに、あの見た目は、冒険者よりも商人向きだとも言える。
まあ、もうすぐ、本人の実力が見れる。それから判断しても良いのだが、ある程度の方向性を持っておかないとテストをするのにも基準と言う物がある。
10時が近づいて来る。そろそろクラ―ネルは来て居るかもしれないな。そう思い、人気の少ない場所で転移をする。
西門に着くと、商人や冒険者で結構賑わっている。サーチでクラ―ネルを探し合流する。
「これからテストの為に西の草原に向かおうと思うのだが、その格好は何だ?」
クラ―ネルは学院の制服を着ていた。学院の制服は魔法使いの正装を模して造られている。ローブとマントだ。ただでさえ女に見えるのに、そんな中性的な衣装を着たら、まず男だと思う者は居ないだろう。
「え?魔法を見るんですよね?この格好はおかしいですか?」
「言われてみれば、魔法を使うのに魔法使いの格好は正しいのか?」
「なんで、疑問形なんですか?」
「まあ、良い。行くぞ。」
2人で門を潜り王都の外へと出る。西の草原は歩いて10分程度だ。
5分程歩いてから街道を外れて、草原に向かう。この辺は小麦畑も多く。魔物は定期的に討伐されているので出る事は滅多に無い。その分人気も少ないのだが、それが魔法を使うのに丁度良い。
草原に着いて、周りを確認し、人が居ない事をサーチで探る。問題無さそうだ。
「この辺で良いだろう。まず、基本的な所から見せて貰おうかな。」
「基本と言うとファイヤーボールですか?」
「そうだな、属性は何でも良い。初級魔法を見せてくれ。」
そう言うとクラ―ネルが、空に向けてファイヤーボールを撃った。ちゃんと火魔法は火災の危険がある事は理解している様だ。
おかしな所は無いな。いや、それがおかしいのか?
「もしかして、魔法学院に入ってから魔法を教わったのか?」
「はい、そうですけど、おかしいですか?」
いや、それ自体はおかしくない。学院に入ってから魔法を始めて使う者は多い。入学生の半数は魔法が使えない状態で入学すると聞いた事がある。
「おかしくは無い。だが、あまりにも教科書通りの魔法だな。」
「はい、教科書に載っている通りに撃っていますから。」
「魔法はイメージだと教科書には載っていなかったか?」
「はい、そう書いてありました。イメージの仕方も書いてあったので、その通りにイメージしています。」
なるほど、それが原因だな。良くも悪くもクラ―ネルは真面目なのだ。
「では、イメージで、今のファイヤーボールが丁度倍の大きさになる様に撃てるか?」
やってみますと、先程と同じように魔法を発動する。先程と同じファイヤーボールが空に撃ち上がった。
「あれ?ちゃんとイメージしたのに。」
なるほど、初級魔法が上手く制御できていないってのはこう言う事か。
「ちなみにどんなイメージをしたのか教えて貰えるか?」
「えっと、掌からさっきの倍の火の玉が出るイメージをしました。」
「その時に使用する魔素の量はちゃんと倍にしたか?」
「え?魔素の使用量ですか?」
「もしかして、教科書には魔素についての記述が無かったか?」
学院の教科書は帝国語に翻訳した事がある。確か、魔素についての記述はあったが、使用量についての記述は無かった気がする。そこは教師が教える部分だと思っていた。
「教科書に魔素の使用量と言うのは載って無かったと思います。」
「教師は教えてくれなかったのか?」
「学院の教師は僕たちの様な劣等生には授業をしません。教科書で学び、魔法が使える様になると試験を受けられます。合格すると更に上の教科書が貰えます。」
「授業で教師が何も教えないのか?授業中は何をしているんだ?」
「上位の学生は個別指導が付きます。それ以外の学生は、座学と練習場での訓練と自分たちで工夫して魔法を覚えます。」
なんとなく解って来たぞ。クラ―ネルはその見た目から、ボッチだったんじゃ無いだろうか?教師にも教えて貰えず、友達とも競い合う事が無かった。だとすると、この歪な魔法使いが誕生した理由になる。
「君はもしかしたら、友達が居ないんじゃ無いか?」
「な、なんで知ってるんですか?」
やはり、そうか。あれ?でも、それだと上級魔法が使える理由が判らないな?
「君はどうやって、中級以上の魔法を覚えたんだ?」
「それは、あの魔道具屋のお婆さんです。魔法の本を探していた時に偶然入って。相談したら、中級の魔導書をくれたんです。しかも無料で。」
「魔導書を読んだだけで中級魔法が使える様になったのか?」
「はい。その後も上級魔法や魔法陣の本も貰いました。まあ原本では無くて複製でしたけど、凄く役に立ちました。」
なるほど、お婆さんが誰かに古代の魔導書を売って、その翻訳版を手に入れたのかもしれないな。お婆さんは魔法使いでは無さそうだから、クラ―ネルに譲ったのかもしれない。
おそらく、あのお婆さんは薬師だ。魔道具の知識もかなりあるみたいだが、本業では無い様だしね。もし、魔法使いが本業なら、古代の魔法の本は手放さないだろう。
さて、クラ―ネルの現状をどう捉える?天才なのか努力家なのか判断に困る所だ。通常、努力だけでは上級魔法は使えない。だが、古代の魔導書を教科書にしたら、事情は変わって来る。
彼は非常に稀有な存在だ。古代の知識を持つ凡人だとすると、彼に僕の知識を与えたら、どうなるのだろうか?
それ以前に古代の魔法の理論を理解したのならば、凡人だとは言えないのかもしれないけどね。
「だいたい君の力量は理解した。約束通り1か月で1人前の魔法使いにしてあげよう。その後どうするかは、少しずつ決めて行こう。」
「本当に可能なんですか?」
「ああ、独学でここまで出来たのなら、そう難しい話では無い。ちゃんとした魔法使いにきちんと魔法を教われば、魔法学院をトップで卒業する位は軽くなれる。」
そう言うとクラ―ネルが大きな目を更に見開く。
「まずは、魔素操作を覚えて貰おう。これは魔法の基本だ。それ程難しくは無いが重要だ。これをキッチリ覚えないと魔法は上手くならない。」
「魔素操作ですか?学院では教わってませんし、教科書にも載ってませんでした。」
「魔法使いにとっては基本中の基本なんだが、それを教えない教師と言うのは怠慢と言わざるを得んな。貴族の場合、魔法の素養がある子は小さい内から家庭教師を雇って練習を始めると言う。おそらく、基本過ぎて、全員が知って居る物として省いてしまったんだろうな。」
魔法学院はどうやら、優等生しか育てるつもりが無い様だ。そのせいでクラ―ネルの様な生徒が潰れて行くのを見過ごしているとは愚の骨頂だな。
33
お気に入りに追加
4,335
あなたにおすすめの小説
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる