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ブラスマイヤーとの稽古を再開して2週間が過ぎた。1日46時間と言うサイクルにもだいぶ慣れた。
稽古をこなしつつ、プレイースの領地経営も順調に進んでいる。
そう言えばセリーが誕生日を迎え16歳になった。3人が16歳なのでルシルも16歳と言う設定にした。数千年を生きている暗黒竜にその設定はどうなのかとも思ったが、ルシルは意外にもちょっと嬉しそうな顔をしていた。
と、そんなある日、冒険者ギルドから呼び出しが掛かった。そう言えばギルドから年に1度くらい召集があるってブラスマイヤーが言ってたな。久しぶりに狩りをするのも悪く無いかな。
そんな事を思いながら冒険者ギルドへ向かう。
ギルドへ着くと職員に応接室へ案内された。そこにはギルマスと4人の冒険者が待っていた。
「あれ?僕が最後ですか?時間よりまだ早いですよね?」
「問題無い。遅刻では無いぞ。」
良かったと胸をなでおろし、適当に空いている椅子に座る。
「まず、ここに集まって貰った5人だが、全員Sランクの冒険者だ。しかも俺が選んだ戦えるSランクだ。中には見知っている者も居るかもしれないが、ソロで活動している者も居るので一応顔を覚えて置け。」
ギルマスがそう言うと部屋の中がピリッと言う空気になる。そう言えば、他のSランク冒険者ってあまり興味が無かったな。
「さて、ここからが本題だが、王都の北に、新たな古代遺跡が発見された。5人にはパーティーを組んでここを調査して欲しい。」
ギルマスが話し終わるかどうかのタイミングで一人の男が手を上げた。
「Sランクを5人も投入するほど危険な遺跡なんですか?」
「ああ、実は既にSランクパーティーを2組送り込んだのだが、2組とも帰って来なかった。」
すると別の女性冒険者が発言する。
「攻略では無くて調査なのは、どう言う理由からですか?」
「それは現状、遺跡に何があるのか分かっていないからだ。潜ってみて危険だと判断したなら引き返して貰っても報酬は出す。5人で討伐可能な魔物が居た場合、討伐すればもちろん、討伐報酬も出すぞ。」
「最後まで踏破した場合は?」
「見つけた古代遺産は見つけた者の物だ。更に貴重な古代施設等を見つければ国からの褒賞も出るぞ。」
4人は悪く無い条件だとか言ってるが、僕は古代遺跡その物に興味がある。この話は1人でも是非受けたい。
「話はざっと、そんな感じだ。何か質問はあるか?」
特に手を上げる者が居ないので僕が手を上げる。
「前に潜った2つのパーティーの構成を教えてくれ。」
「最初に潜ったのはSランク冒険者率いる。AランクBランク混合の6人パーティーだ。2組目はSランク2人にAランク3人の5人パーティーだな。」
「ちなみにこの5人はSランクだから集められたのか?それともバランスを考えられているのか?」
「両方だな。」
「解った僕は引き受ける。」
「そうか、ありがたい。他の4人はどうだ?」
女性2人は引き受けると即答した。男性2人は何やら話をしてから引き受けた。どうやら、この2組は知り合いらしい。
その後簡単な自己紹介が始まる。
「クレイトスだ、盾を使う。防御力には自信があるが攻撃力は少し劣る。」
「ジェレミー、シーフだ。罠解除が得意だな。それから隠密行動にも自信がある。」
「私はミレニア、剣を使う。火力には自信があるが、その分魔法は苦手だ。」
「ホリーよ。魔法使いね。攻撃魔法は一通り使えるわ。一応回復も行けます。」
「エイジだ。魔法剣士だ、剣も魔法も使えるので前衛も中衛も行ける。あと回復も行けるぞ。」
「しかし、まあ癖の強い奴ばかり集まったな。」
ジェレミーがぼやいている。
「でも、回復が2枚あるのは助かるわ。」
ミレニアは女性の割にはかなり体格が良い。
「で、出発は何時ですか?」
「4日後の朝、ギルドに集合だ。馬車と案内人を用意する。」
「物資は自己負担?あと、リーダーは誰にするの?」
ホリーがこの中では一番しっかりしてそうだ。
「食料と水は馬車に積んで置く。それ以外の物資は自己負担だ。リーダーは出来ればクレイトスに頼みたい。」
「俺は構わないが、皆はどうだ?」
「特に意義は無いわ。誰がリーダーでも同じでしょ?」
「そうだな、Sランカーってのはそう言う奴らの集まりだからな。」
何だか分からないが発言する前に終わってしまった。まあ良い。元々僕はソロだから。リーダーとか無理だしね。
家に帰り執事のルーメンさんとセリー達にギルドの用事で少し留守にする事を伝えて置く。
そう言えばプレイースの領主邸の執事が決まったとルーメンさんから報告があった。出発まで時間があるので一度会いに行っておこう。
よく考えるとパーティーで依頼を受けるのは初めてだな。物資って何を持って行けば良いのだろう?
とりあえず、持って行って便利そうな物をストレージに突っ込んで置く。地下に潜るんだからテントとか要らないよな?毛布は要るか?寝袋ってこの世界にあるのだろうか?
翌日、ブラスマイヤーとの稽古の後プレイースに飛んで領主邸の執事に会った。マッコリーと言う酔いそうな名前の執事はまだ若いがしっかりしている。ルキナとマーク達とも上手くやれそうだ。
とりあえず20人、人を雇ってくれと伝えて置く。あとは代官のルキナと連携を取る様に伝えて、王都へとんぼ返りだ。
王都に付いたら冒険者用の雑貨屋に入り、売ってる物を確認する。様々な物が売っているが殆どが魔法で事足りる。僕は要らないが他の人はどうなんだろう?
そう言えば保存食って美味いのかな?不味かったら嫌なので食事を10日分5人なので100食用意する。あちこちの食堂を回って鍋ごと食事を購入してきた。あと、パンも100食分購入した。飲み物も欲しいよね。エールとワインを樽で買う。
冒険者の物資って結構多いな。馬車が必要な訳だ。
そして、出発当日がやってきた。前回一番最後だったので、今日は一番乗りしようと少し早めに家を出た。転移でギルドのすぐ近くまで飛ぶ。
ギルド前に1台の馬車が止まっている。かなり大きめだ。ギルドへ入ると、受付嬢のおはようございますの挨拶が聞こえた。既に女性2名が来ている。どんだけ早いんだ?まだ、出発まで1時間はあるぞ。
「お、エイジ君だっけ?早いね。」
「いや、そちらこそ、何時に来たんですか?」
「30分位前かな。」
「冒険者って時間にルーズな人が多いって聞きましたが、違うのですか?」
「ランクが上がると時間にルーズな人から脱落して行くものなのよ。」
そう、受付嬢が横から口を挟んで来た。
「ところでエイジ君ってSランクの割に若いわよね?幾つでSランク試験に受かったの?」
「えっと、15歳の時ですが?」
「え?15歳で登録して、1年経たずにSランクになったの?」
「まあ、そうなりますね。」
ミレニアとホリーが顔を見合わせている。
そんな話をしているとジェレミーとクレイトスが連れ立ってギルドに入って来た。それでも、まだ出発まで40分以上ある。
「お。坊主、今日は早いな。」
「おはようございます。」
「お前も気が付いているとは思うが、俺たち4人は何度かパーティーを組んだことがある。初めてなのは坊主だけだ。」
「言いたい事は解るわよね?」
「僕の戦力が気になると?」
「まあ、そう言う事だ。お前さんは若いからな。Sランク冒険者で若さってのは不安の種にしかならない訳だ。」
「解る気がします。」
「まあ、その年でSランクになったんだ、強さと運は持っているんだろう。だが。」
「経験が足りないと?」
「まあ、そう言うこったな。」
と、そこにギルドマスターが下りて来る。
「集まってる様だな。少しは親交が深まったか?」
「今、丁度その辺の話をしていたところです。」
「まあ、エイジの若さに不安を感じていたって所かな?」
流石ギルマス、よく気が回る事で。
「一応言っておくが、今、王都で、いや、この国で最強のSランカー。それがエイジだ。何処でどう使うか、その辺の見極めが重要になるぞ。」
「この坊主が最強?」
「信じられないのも解るが、まあ、一度エイジの戦いを見れば納得するさ。」
「へぇ、最強君かぁ。年上に興味ある?」
ホリーさん年上すぎでしょう?
「あ、それから、こいつは色々と非常識なのでも有名だ。一々驚いていたら禿げるぞ。特にジェレミー。」
「なんで俺に言うかな。そりゃあ最近ちょっと薄くなって来たのを気にしているけどさ。」
一同の中で笑いが起こる。こういう雰囲気なら大丈夫そうだな。
「しかし、非常識ってのが気になりますね。」
「ま、一緒に行動していれば判るさ。それに変な意味での非常識では無いから安心しろ。」
「ギルマスがそう言うのなら。」
「そろそろ馬車が出るぞ、準備は良いか?」
「よし、行くか!」
クレイトスがリーダーらしく宣言した。
稽古をこなしつつ、プレイースの領地経営も順調に進んでいる。
そう言えばセリーが誕生日を迎え16歳になった。3人が16歳なのでルシルも16歳と言う設定にした。数千年を生きている暗黒竜にその設定はどうなのかとも思ったが、ルシルは意外にもちょっと嬉しそうな顔をしていた。
と、そんなある日、冒険者ギルドから呼び出しが掛かった。そう言えばギルドから年に1度くらい召集があるってブラスマイヤーが言ってたな。久しぶりに狩りをするのも悪く無いかな。
そんな事を思いながら冒険者ギルドへ向かう。
ギルドへ着くと職員に応接室へ案内された。そこにはギルマスと4人の冒険者が待っていた。
「あれ?僕が最後ですか?時間よりまだ早いですよね?」
「問題無い。遅刻では無いぞ。」
良かったと胸をなでおろし、適当に空いている椅子に座る。
「まず、ここに集まって貰った5人だが、全員Sランクの冒険者だ。しかも俺が選んだ戦えるSランクだ。中には見知っている者も居るかもしれないが、ソロで活動している者も居るので一応顔を覚えて置け。」
ギルマスがそう言うと部屋の中がピリッと言う空気になる。そう言えば、他のSランク冒険者ってあまり興味が無かったな。
「さて、ここからが本題だが、王都の北に、新たな古代遺跡が発見された。5人にはパーティーを組んでここを調査して欲しい。」
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「Sランクを5人も投入するほど危険な遺跡なんですか?」
「ああ、実は既にSランクパーティーを2組送り込んだのだが、2組とも帰って来なかった。」
すると別の女性冒険者が発言する。
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「それは現状、遺跡に何があるのか分かっていないからだ。潜ってみて危険だと判断したなら引き返して貰っても報酬は出す。5人で討伐可能な魔物が居た場合、討伐すればもちろん、討伐報酬も出すぞ。」
「最後まで踏破した場合は?」
「見つけた古代遺産は見つけた者の物だ。更に貴重な古代施設等を見つければ国からの褒賞も出るぞ。」
4人は悪く無い条件だとか言ってるが、僕は古代遺跡その物に興味がある。この話は1人でも是非受けたい。
「話はざっと、そんな感じだ。何か質問はあるか?」
特に手を上げる者が居ないので僕が手を上げる。
「前に潜った2つのパーティーの構成を教えてくれ。」
「最初に潜ったのはSランク冒険者率いる。AランクBランク混合の6人パーティーだ。2組目はSランク2人にAランク3人の5人パーティーだな。」
「ちなみにこの5人はSランクだから集められたのか?それともバランスを考えられているのか?」
「両方だな。」
「解った僕は引き受ける。」
「そうか、ありがたい。他の4人はどうだ?」
女性2人は引き受けると即答した。男性2人は何やら話をしてから引き受けた。どうやら、この2組は知り合いらしい。
その後簡単な自己紹介が始まる。
「クレイトスだ、盾を使う。防御力には自信があるが攻撃力は少し劣る。」
「ジェレミー、シーフだ。罠解除が得意だな。それから隠密行動にも自信がある。」
「私はミレニア、剣を使う。火力には自信があるが、その分魔法は苦手だ。」
「ホリーよ。魔法使いね。攻撃魔法は一通り使えるわ。一応回復も行けます。」
「エイジだ。魔法剣士だ、剣も魔法も使えるので前衛も中衛も行ける。あと回復も行けるぞ。」
「しかし、まあ癖の強い奴ばかり集まったな。」
ジェレミーがぼやいている。
「でも、回復が2枚あるのは助かるわ。」
ミレニアは女性の割にはかなり体格が良い。
「で、出発は何時ですか?」
「4日後の朝、ギルドに集合だ。馬車と案内人を用意する。」
「物資は自己負担?あと、リーダーは誰にするの?」
ホリーがこの中では一番しっかりしてそうだ。
「食料と水は馬車に積んで置く。それ以外の物資は自己負担だ。リーダーは出来ればクレイトスに頼みたい。」
「俺は構わないが、皆はどうだ?」
「特に意義は無いわ。誰がリーダーでも同じでしょ?」
「そうだな、Sランカーってのはそう言う奴らの集まりだからな。」
何だか分からないが発言する前に終わってしまった。まあ良い。元々僕はソロだから。リーダーとか無理だしね。
家に帰り執事のルーメンさんとセリー達にギルドの用事で少し留守にする事を伝えて置く。
そう言えばプレイースの領主邸の執事が決まったとルーメンさんから報告があった。出発まで時間があるので一度会いに行っておこう。
よく考えるとパーティーで依頼を受けるのは初めてだな。物資って何を持って行けば良いのだろう?
とりあえず、持って行って便利そうな物をストレージに突っ込んで置く。地下に潜るんだからテントとか要らないよな?毛布は要るか?寝袋ってこの世界にあるのだろうか?
翌日、ブラスマイヤーとの稽古の後プレイースに飛んで領主邸の執事に会った。マッコリーと言う酔いそうな名前の執事はまだ若いがしっかりしている。ルキナとマーク達とも上手くやれそうだ。
とりあえず20人、人を雇ってくれと伝えて置く。あとは代官のルキナと連携を取る様に伝えて、王都へとんぼ返りだ。
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「お、エイジ君だっけ?早いね。」
「いや、そちらこそ、何時に来たんですか?」
「30分位前かな。」
「冒険者って時間にルーズな人が多いって聞きましたが、違うのですか?」
「ランクが上がると時間にルーズな人から脱落して行くものなのよ。」
そう、受付嬢が横から口を挟んで来た。
「ところでエイジ君ってSランクの割に若いわよね?幾つでSランク試験に受かったの?」
「えっと、15歳の時ですが?」
「え?15歳で登録して、1年経たずにSランクになったの?」
「まあ、そうなりますね。」
ミレニアとホリーが顔を見合わせている。
そんな話をしているとジェレミーとクレイトスが連れ立ってギルドに入って来た。それでも、まだ出発まで40分以上ある。
「お。坊主、今日は早いな。」
「おはようございます。」
「お前も気が付いているとは思うが、俺たち4人は何度かパーティーを組んだことがある。初めてなのは坊主だけだ。」
「言いたい事は解るわよね?」
「僕の戦力が気になると?」
「まあ、そう言う事だ。お前さんは若いからな。Sランク冒険者で若さってのは不安の種にしかならない訳だ。」
「解る気がします。」
「まあ、その年でSランクになったんだ、強さと運は持っているんだろう。だが。」
「経験が足りないと?」
「まあ、そう言うこったな。」
と、そこにギルドマスターが下りて来る。
「集まってる様だな。少しは親交が深まったか?」
「今、丁度その辺の話をしていたところです。」
「まあ、エイジの若さに不安を感じていたって所かな?」
流石ギルマス、よく気が回る事で。
「一応言っておくが、今、王都で、いや、この国で最強のSランカー。それがエイジだ。何処でどう使うか、その辺の見極めが重要になるぞ。」
「この坊主が最強?」
「信じられないのも解るが、まあ、一度エイジの戦いを見れば納得するさ。」
「へぇ、最強君かぁ。年上に興味ある?」
ホリーさん年上すぎでしょう?
「あ、それから、こいつは色々と非常識なのでも有名だ。一々驚いていたら禿げるぞ。特にジェレミー。」
「なんで俺に言うかな。そりゃあ最近ちょっと薄くなって来たのを気にしているけどさ。」
一同の中で笑いが起こる。こういう雰囲気なら大丈夫そうだな。
「しかし、非常識ってのが気になりますね。」
「ま、一緒に行動していれば判るさ。それに変な意味での非常識では無いから安心しろ。」
「ギルマスがそう言うのなら。」
「そろそろ馬車が出るぞ、準備は良いか?」
「よし、行くか!」
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