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お婆さんからオークションへ行けと言われたのだが。オークションの開催は2か月に1回だそうだ。次のオークションまで2週間ある。ちなみに入場料は銀貨1枚。参加するには最低金貨100枚を持参しないと駄目らしい。
仕方が無いので次のオークション様に何か作ろうと思う。流石にドラゴンの素材はまずいので、ドラゴンの模様の入った剣を作ろうと思う。材料には魔鉱石を使用する事にした。
今回はデザイン重視の剣なので、持ち手をドラゴンの首に見立て、ドラゴンの口から剣が伸びているデザインにしてみた。鍔の部分がドラゴンの羽になっている。
剣は1時間ちょっとで完成したが、良く考えたらオークションへの出し方が解らないぞ。冒険者ギルドへ行って聞いてみよう。
ギルドへ行くと馴染みの受付嬢が丁度空いていたので声をかける。
「どうしました?エイジさんが来るなんて珍しいですね。」
「あー、オークションに出品したいのだが、まだ間に合うか?」
「大丈夫ですよ。1週間前までは受け付けています。」
「どこでどう手続きすれば良いのか全くわからなくてな。ギルドなら詳しい人が居るんじゃないかと思ってね。」
「そうですね、ギルドからも結構出品してますので、なんならうちで預かって出品しましょうか?」
「出来るの?」
「大丈夫ですよ。」
じゃあ、と言ってドラゴンの剣を取り出し受付嬢に渡す。
「これは綺麗な剣ですね。材質はミスリルですか?」
「いや、魔鉱を使っている。」
「魔鉱ですか?それは今回のオークションの目玉になるかもしれませんね。」
「ん?今回は大したものが出ないのか?」
「そうですね、事前の噂では特にこれと言った目玉は聞きませんね。」
「なるほどオークションによって当たり外れがあるのか。」
「では、この剣はオークションに出品して置きますね。今、受付の紙を書きますのでお待ちください。」
「すまんな。」
ギルドから出ると外が暗くなり掛かっている。早く帰らないと怒られるな。転移で屋敷の前に出る。
屋敷に入ると、食堂で皆がお待ちですと言われた。いや、先に食べてて良いからね。
食後デザートにプリンが出た。これには驚いた。どうやら見習い君の仕業らしい。ちゃんとバニラエッセンスも使いこなしている。
セリーやルシルも喜んでいる。
屋台は繁盛していて、もうすぐノルマの100セットを越えそうだそうだ。そろそろあの屋台を任せる人を探さないとな。
そう言えば、この世界には醤油や味噌の様な調味料は無いのだろうか?探してみるのも面白そうだ。
あ、セリーにドラゴン食わせるの忘れてた。明日にでも食わせてやらないとね。
翌日、ルシルとの稽古を終え、特にする事もないので、少し早いがセリーを誘って街へ出る。馬車で商店街まで出て馬車は返す。帰りは転移で帰る予定だ。
商店街をぶらつきながら適当に食材やスパイスを買って行く。何か作るんですか?とセリーに聞かれたので、どんな物が食べたい?と聞き返すと、甘味と答えられた。僕が作れる甘味なんてそんなに種類無いぞ、どうする?
とりあえず、卵とお酢とオリーブオイルを購入した。マヨネーズを作るつもりだ。あ、そうだパウンドケーキなら作れるな。あれは確か材料が同量なんだよな。よし、小麦粉とバター、卵は買ったから砂糖を買う。ついでにミルクも買って置く。
買い物が終わったら、冒険者ギルドの方面へ向かう。目指すは止まり木亭だ。あそこならドラゴンを調理してくれるだろう。
止まり木亭に入るとやけに混んでいる。あれ?まだ夕食には早くない?って言うか空いてる時間を選んできたのにな。
おやじさんに声をかけると、何故か飛んできた。
「エイジさん。久しぶりです。」
「随分と繁盛してるじゃ無いか?」
「エイジさんのおかげですよ。あの後、ドラゴンの肉を串焼きにして客に振舞ったんですよ。そしたら話題になっちゃって。ドラゴンが安く食える店って評判で、暫くは行列も出来たくらいで。」
「串焼きって言っても100グラム位は使うだろう?10キロしか渡して無いよね?」
「ああ、だから1人1本の制限で売り切りじまいにしました。もちろん家族はステーキで頂きました。美味しかったですよ。」
「悪いんだが、今日も同じ条件でやって貰えるか?こっちは2人前1人250グラムで頼む。」
「喜んで、やらせて貰います。」
おやじさんが気合入ってるのでおまけで12キロ出してやった。なんか無理やり2人席を空けてくれて座らせられた。良いのか?
「こういうお店は初めてですが、活気があるんですね。」
セリーが珍しそうに店内を眺めている。
「僕が知ってる店はこう言う所ばかりでね。今日はドラゴンを食べて貰おうと思って。この間のパーティーでは食べ損ねたでしょ?」
「良いんですか?ルシルさんは、あ!」
「うん、ルシルが居るから家ではちょっとね。」
そんな話をしているとステーキがやって来る。ついでにエールを2杯頼む。
「さあ冷めないうちに食べよう。」
「はい。」
なんか、後ろの方で、今日は串焼き行くぞ~とか、おお~と言う歓声が上がるが、どうでも良い位ドラゴンは美味い。じっくり味わうつもりなのだがフォークが止まらない。あっという間に食べてしまった。セリーを見ると、250グラムをぺろりと平らげている。普段はそんなに食べないよね?やはりドラゴンの魅力か?
なんか騒がしくなって来たのでそっと店を出る。
「どうだった?初めてのドラゴンは?」
「なんか知らない内に無くなっていました。夢みたいな味でした。」
思い出しているのかぽーっとしている。
「楽しんで貰えたようで良かったよ。」
「エイジさんといると色々な体験ができて楽しいです。」
うん、まあ、僕は普通じゃ無いからね。
「そう言えばさ、この間魔人が出たのってこの辺だよね?」
「そうですね、私はあまりこの辺は詳しく無いんですが、聞いた話だと冒険者ギルドの近くだったと思います。南門の近くだそうですから、多分この辺でしょう。」
実を言うとすぐに転移で帰っても良いのだが時間があったので魔人が出た場所を確認したくて、この辺をぶらぶらしていたのである。
誰かに話を聞こうかと辺りを見回していると、おかしな人が居る事に気が付く。あからさまに様子がおかしい。
見た目は普通の冒険者っぽいのに、発してる空気がまるで魔物の様だ。別に何かをしている感じは無い。ただ、そこにいる。思い切って声を掛けようと近づくと何やら黒い靄の様な物に包まれる男性。なんだ?
サーチの反応がどんどん大きくなる、完全に魔物の反応だ。もしかして、これが?
突然キャーと言う悲鳴が上がる。周りが何事かとこちらに注目する。そこには魔人が居た。魔人と言っても別段人と違う訳では無い。だが発する空気が明らかに違う。更に言えば、常人でも見える黒い靄が特徴だろう。
魔人とは言え人間だ、僕に人間を倒せるか?いや、相手は魔物だ。武器を抜いて魔人と対峙する。その間にセリーを下がらせる。
「みんな下がれ!魔人だ!!」
その場が一瞬にしてパニックになる。冒険者ギルドに駆け込む人も多い。時間を掛けると冒険者が来るな。
一気に勝負を決めよう。瞬動で間合いを詰める。意外にも反応してくる。しかし、ルシルに比べれば遅い。フェイントを交え後ろに回り込む。腰のあたりに回し蹴りをくらわせるが、なんか変な感触だ。当たったのにダメージが通って無い?
今度は左右に揺さぶって、剣で胴を薙ぐ。しかし、ギリギリで躱された様だ。浅い。確かに普通の冒険者では手に余るな。と言うか、元になった冒険者が高ランクだったのかな?
仕方ない捕らえられればと思ったが、けが人が出る前に片付けよう。転移で真後ろに回り、そこから上を通って前に現れる。剣で首を落とす。
1瞬の間が空いて、歓声が上がった。何時の間にかギルドの連中も集まっている。
ギルマスが一歩前に出て宣言する。
「魔人は倒された、平和は維持された。感謝するのだな、居合わせたのがSランク冒険者だったと言う事を。」
歓声がさらに大きくなる。うわっ、無茶恥ずかしいぞ。どさくさに紛れて、セリーを連れて逃げようとしたらギルマスに襟首を掴まれた。
「おい、何処へ行く。事情聴取だ。」
はい、すみません。
仕方が無いので次のオークション様に何か作ろうと思う。流石にドラゴンの素材はまずいので、ドラゴンの模様の入った剣を作ろうと思う。材料には魔鉱石を使用する事にした。
今回はデザイン重視の剣なので、持ち手をドラゴンの首に見立て、ドラゴンの口から剣が伸びているデザインにしてみた。鍔の部分がドラゴンの羽になっている。
剣は1時間ちょっとで完成したが、良く考えたらオークションへの出し方が解らないぞ。冒険者ギルドへ行って聞いてみよう。
ギルドへ行くと馴染みの受付嬢が丁度空いていたので声をかける。
「どうしました?エイジさんが来るなんて珍しいですね。」
「あー、オークションに出品したいのだが、まだ間に合うか?」
「大丈夫ですよ。1週間前までは受け付けています。」
「どこでどう手続きすれば良いのか全くわからなくてな。ギルドなら詳しい人が居るんじゃないかと思ってね。」
「そうですね、ギルドからも結構出品してますので、なんならうちで預かって出品しましょうか?」
「出来るの?」
「大丈夫ですよ。」
じゃあ、と言ってドラゴンの剣を取り出し受付嬢に渡す。
「これは綺麗な剣ですね。材質はミスリルですか?」
「いや、魔鉱を使っている。」
「魔鉱ですか?それは今回のオークションの目玉になるかもしれませんね。」
「ん?今回は大したものが出ないのか?」
「そうですね、事前の噂では特にこれと言った目玉は聞きませんね。」
「なるほどオークションによって当たり外れがあるのか。」
「では、この剣はオークションに出品して置きますね。今、受付の紙を書きますのでお待ちください。」
「すまんな。」
ギルドから出ると外が暗くなり掛かっている。早く帰らないと怒られるな。転移で屋敷の前に出る。
屋敷に入ると、食堂で皆がお待ちですと言われた。いや、先に食べてて良いからね。
食後デザートにプリンが出た。これには驚いた。どうやら見習い君の仕業らしい。ちゃんとバニラエッセンスも使いこなしている。
セリーやルシルも喜んでいる。
屋台は繁盛していて、もうすぐノルマの100セットを越えそうだそうだ。そろそろあの屋台を任せる人を探さないとな。
そう言えば、この世界には醤油や味噌の様な調味料は無いのだろうか?探してみるのも面白そうだ。
あ、セリーにドラゴン食わせるの忘れてた。明日にでも食わせてやらないとね。
翌日、ルシルとの稽古を終え、特にする事もないので、少し早いがセリーを誘って街へ出る。馬車で商店街まで出て馬車は返す。帰りは転移で帰る予定だ。
商店街をぶらつきながら適当に食材やスパイスを買って行く。何か作るんですか?とセリーに聞かれたので、どんな物が食べたい?と聞き返すと、甘味と答えられた。僕が作れる甘味なんてそんなに種類無いぞ、どうする?
とりあえず、卵とお酢とオリーブオイルを購入した。マヨネーズを作るつもりだ。あ、そうだパウンドケーキなら作れるな。あれは確か材料が同量なんだよな。よし、小麦粉とバター、卵は買ったから砂糖を買う。ついでにミルクも買って置く。
買い物が終わったら、冒険者ギルドの方面へ向かう。目指すは止まり木亭だ。あそこならドラゴンを調理してくれるだろう。
止まり木亭に入るとやけに混んでいる。あれ?まだ夕食には早くない?って言うか空いてる時間を選んできたのにな。
おやじさんに声をかけると、何故か飛んできた。
「エイジさん。久しぶりです。」
「随分と繁盛してるじゃ無いか?」
「エイジさんのおかげですよ。あの後、ドラゴンの肉を串焼きにして客に振舞ったんですよ。そしたら話題になっちゃって。ドラゴンが安く食える店って評判で、暫くは行列も出来たくらいで。」
「串焼きって言っても100グラム位は使うだろう?10キロしか渡して無いよね?」
「ああ、だから1人1本の制限で売り切りじまいにしました。もちろん家族はステーキで頂きました。美味しかったですよ。」
「悪いんだが、今日も同じ条件でやって貰えるか?こっちは2人前1人250グラムで頼む。」
「喜んで、やらせて貰います。」
おやじさんが気合入ってるのでおまけで12キロ出してやった。なんか無理やり2人席を空けてくれて座らせられた。良いのか?
「こういうお店は初めてですが、活気があるんですね。」
セリーが珍しそうに店内を眺めている。
「僕が知ってる店はこう言う所ばかりでね。今日はドラゴンを食べて貰おうと思って。この間のパーティーでは食べ損ねたでしょ?」
「良いんですか?ルシルさんは、あ!」
「うん、ルシルが居るから家ではちょっとね。」
そんな話をしているとステーキがやって来る。ついでにエールを2杯頼む。
「さあ冷めないうちに食べよう。」
「はい。」
なんか、後ろの方で、今日は串焼き行くぞ~とか、おお~と言う歓声が上がるが、どうでも良い位ドラゴンは美味い。じっくり味わうつもりなのだがフォークが止まらない。あっという間に食べてしまった。セリーを見ると、250グラムをぺろりと平らげている。普段はそんなに食べないよね?やはりドラゴンの魅力か?
なんか騒がしくなって来たのでそっと店を出る。
「どうだった?初めてのドラゴンは?」
「なんか知らない内に無くなっていました。夢みたいな味でした。」
思い出しているのかぽーっとしている。
「楽しんで貰えたようで良かったよ。」
「エイジさんといると色々な体験ができて楽しいです。」
うん、まあ、僕は普通じゃ無いからね。
「そう言えばさ、この間魔人が出たのってこの辺だよね?」
「そうですね、私はあまりこの辺は詳しく無いんですが、聞いた話だと冒険者ギルドの近くだったと思います。南門の近くだそうですから、多分この辺でしょう。」
実を言うとすぐに転移で帰っても良いのだが時間があったので魔人が出た場所を確認したくて、この辺をぶらぶらしていたのである。
誰かに話を聞こうかと辺りを見回していると、おかしな人が居る事に気が付く。あからさまに様子がおかしい。
見た目は普通の冒険者っぽいのに、発してる空気がまるで魔物の様だ。別に何かをしている感じは無い。ただ、そこにいる。思い切って声を掛けようと近づくと何やら黒い靄の様な物に包まれる男性。なんだ?
サーチの反応がどんどん大きくなる、完全に魔物の反応だ。もしかして、これが?
突然キャーと言う悲鳴が上がる。周りが何事かとこちらに注目する。そこには魔人が居た。魔人と言っても別段人と違う訳では無い。だが発する空気が明らかに違う。更に言えば、常人でも見える黒い靄が特徴だろう。
魔人とは言え人間だ、僕に人間を倒せるか?いや、相手は魔物だ。武器を抜いて魔人と対峙する。その間にセリーを下がらせる。
「みんな下がれ!魔人だ!!」
その場が一瞬にしてパニックになる。冒険者ギルドに駆け込む人も多い。時間を掛けると冒険者が来るな。
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今度は左右に揺さぶって、剣で胴を薙ぐ。しかし、ギリギリで躱された様だ。浅い。確かに普通の冒険者では手に余るな。と言うか、元になった冒険者が高ランクだったのかな?
仕方ない捕らえられればと思ったが、けが人が出る前に片付けよう。転移で真後ろに回り、そこから上を通って前に現れる。剣で首を落とす。
1瞬の間が空いて、歓声が上がった。何時の間にかギルドの連中も集まっている。
ギルマスが一歩前に出て宣言する。
「魔人は倒された、平和は維持された。感謝するのだな、居合わせたのがSランク冒険者だったと言う事を。」
歓声がさらに大きくなる。うわっ、無茶恥ずかしいぞ。どさくさに紛れて、セリーを連れて逃げようとしたらギルマスに襟首を掴まれた。
「おい、何処へ行く。事情聴取だ。」
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