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「ブラスマイヤーの言う事を聞いていたらなんか王都へ行く事になったぞ。しかも儲からないし。」
「いや、俺が冒険者だった頃はあれで良く小遣い稼ぎしてたんだがな。」
「お前が冒険者だった頃って何時だよ?」
「2500年位前かな。」
「今の文明が生まれて1200年じゃ無かったか?」
「ん~、若干進化が違う様だ。」
若干じゃ済まないよ。幸いまだ金があるから良いけど金欠だったら詰んでたぞ。
とりあえず明日はミリムさんに色々聞こう。どうもこの神様色々とズレてる気がするし。
翌朝ギルドに行くとミリムさんが待っていた。
「今日はちゃんと来たわね。」
「まあ、無駄働きはしたくないですからね。」
ギルドの事務室の様な場所へ連れていかれた。
「まず、何から教えましょうか?」
「出来ればこの国の事からお願いします。田舎者なので地理とかにも疎いですし。」
「そうですね、そこから行きましょう。」
そう言って棚から1枚の紙を持って来る。地図の様だ。
「これが、アーネスハイム王国の地図です、この右下にあるのが、この町ブレイルです。」
そう言って地図に丸を書き込んだ。意外と内陸部にあるんだな。
「次にここが王都です。」
そう言って左上の方に丸を書く。ん?意外と近くね?
「こう見ると結構近そうですが、この距離で1か月もかかるんですか?」
「それはね、ここからここまでが大きな山脈になっていて王都に行くには南西を経由して大きく迂回する必要があるからなの。」
そう言って、王都とブレイルの中間辺りに斜めに線を引く。なるほど、そう言う事か。
「更に、この山脈から東に向かって川がながれているんだけど、河口に行くにしたがって川幅が広くなるの。河口近くでは川幅が3キロ位あるので橋が架けられない訳。なのでこことこと。」
そう言って河口の北と南に丸を付ける。
「この2つの町は10キロも離れていないのに行き来が出来ないのよ。」
「なるほど、実際に人が住める場所ってどの位の範囲なんですか?」
そう言うとミリムさんが地図に線を引き始める。大きなCの形だ。どうやら国土の5分の1位しか住める場所が無いらしい。
「開拓されてない場所も多いから、実際に人が住んでいるのは10分の1位かな。」
「人口は?」
「王国全土の人口は200万人位かな。その内の60万人位が王都に住んでいるわ。貴族はほぼ王都に集結しています。」
「だいたい分かりました。次にお金の事を教えて下さい。僕が知っているのは銅貨、大銅貨、銀貨、金貨だけです、10進法だと言うのは解ってます。」
「銅貨の下に鉄貨と言うのがあるわ。基本はその5種類ね。でも、金貨の上に白金貨と言うのがあるの、これは1枚で金貨100枚分の価値があるわ。通常は目にする事が無いけど、エイジ君には関係あるから覚えて置くように。」
「ん?どう言う事です?」
「通常の冒険者なら金貨100枚以上稼いでも金貨で受け取るわ。その方が使い勝手が良いからね。でも、おそらくドラゴンやミスリルリザードの報酬は白金貨で支払われるはずよ。それに君はこれから王都のギルドでも大金を稼ぐはず、その場合白金貨で報酬が支払われる事もあるはずよ。」
なるほど、白金貨か、金貨が10万円だとすると、その百倍だから1枚1千万円か、日本では考えられない単位の貨幣だな。
「次に儲かる魔物って教えて貰えますか?」
「強さじゃなくて儲かるって所が君らしいわね。この辺で狩れる魔物で儲かるのは肉が美味しい魔物よ。特に大きくて珍しいレッドボアなんかがお勧めかな。あとレッドサーペントも美味しい上に皮が高く売れるので儲かるわ。」
「レッドって言うのはブラックより上なんですか?」
「良く気が付いたわね。基本的に普通の魔物の1つ上がブラックその上がレッドよ、更に上はシルバーが付きます。が、この辺にはシルバー系の魔物は居ないわ。」
「ちなみにシルバーも美味いんですか?」
「美味しいわよ。それに高く売れるわ。」
なるほど、シルバーと名が付く魔物を狩れば儲かる訳か。
「待って。まさかとは思うけど、シルバー系を狩りに行く気?」
「駄目ですか?」
「駄目では無いけど、この辺には居ないと言ったでしょ?」
「僕には転移があるって忘れてません?」
「あっ」
ミリムさんが余計な事を教えてしまったと言う顔をした。
翌日から僕はブラスマイヤーの力を狩りながらシルバー系の魔物を狩りまくった。
まあ、ギルドにも予算と言う物があるので、その辺は売る時に調整している。なので常にストレージにシルバー系の魔物が数匹は入っている。
狩りがだいぶ上手くなって来たので魔法の練習も始めている。森の中で火魔法は使えないので風と土系をメインで使っている。
売る時はだいたい金貨200枚になる様に調節している。相場もだいぶ覚えたので、何をどれだけ出せば幾らになるかざっと計算できる様になってきた。1日2千万の収入だ悪く無い。ギルドも珍し素材が手に入り、かなり儲けている様なのでギルマスの機嫌も良い。ミリムさんは呆れた顔をしながらも応援してくれている。
そんな感じで2週間ほど経ったある日。ギルドマスターから呼ばれた。
「お前、王都に行かなくて良いのか?手紙は受け取ったんだろう?」
「もう少し稼いでから行こうかなと。」
「どうやら、そうも言ってられなくなった様だぞ。」
「どう言う事ですか?」
「お前を男爵に叙すると言う手紙が王家から届いた。それから報酬として白金貨50枚をくれるそうだ。お前、何をした?」
「いや、王家に知り合いなんて居ませんし。」
「報酬と言う事は何かの褒美だろう、心当たりは無いか?」
「褒美と言えば公爵家がどうのと言う女の子がドラゴンを倒した時に褒美を与えるとか言ってましたね。」
「公爵家ってお前、王家の血族だぞ。」
その後ドラゴン退治の詳細をギルドマスターに聞かれたので正直に話した。
「なるほどな、辻褄は合うな。お前名前を聞かれた時にブレイルの冒険者と名乗ったろう?それで俺の所に手紙が来た様だ。」
「で、なんで王都に行かないといけないんだ?」
「王都に行けば男爵位と白金貨50枚が貰えるんだぞ。行かないのか?」
「貴族の地位と金か。悪くは無いな。」
白金貨50枚って日本円で5億だよな?遊んで暮らせるんじゃね?
「解ったなるべく早く王都へ向かうよ。」
「稼ぎ頭が居なくなるのは寂しいが貴族になるんじゃ仕方ないな。」
「ちなみに貴族になっても冒険者って続けられるのか?」
「それは問題ない。実際領地を持たない法衣貴族は何かしらの仕事を持ってるもんだ。」
と言う事で王都行きを決めたのだが、家の家賃を5か月分先払いしたのは不味かったな。返してくれないよね?
「ブラスマイヤー。王都の近くに転移したい。頼めるか?」
「ほう?王都に行く事に決めたのか?」
「まあ、金と地位をくれるらしいからな。面倒なら他の国にでも転移するさ。」
「じゃあ、イメージを送る。飛んでみろ。」
目を閉じ集中するとブラスマイヤーからのイメージが飛び込んで来る。鮮明になるのを待って転移を発動する。
目を開けるとイメージと同じ場所。成功だ。索敵を掛けるが反応は無い。近くに人も居ない様だ。
「どっちに行けば良い?」
「まずはまっすぐ進め、すると街道が見えて来るので右へ行け。」
言われた通りに歩いていると、徐々に人通りが増えて来る。
「もしかして、これ全部王都へ行く人か?」
「そうだ、王都は人の出入りが激しいからな。」
更に進むと壁が見えて来た。城壁って奴か?砦の様な物もある。どうやらあの砦が入場門らしい。かなり長い列が出来ている。
結局門を通れたのは暗くなる直前だった。ギルドへ行こうと思ったが宿屋が先だ。ブラスマイヤーに聞いて宿屋に直行する。
宿屋に入るとまたしても幼女が迎えてくれる。この世界の宿屋は幼女を働かせる物なのだろうか?食事付きで1泊頼むと言うと銀貨1枚と大銅貨4枚だそうだ。ブレイルより若干高い。都会だからか?
腹が減ったので食事を先にする。何かのステーキとキッシュの様な物が出て来た。エールを一杯頼むと銅貨3枚だそうだ。食事の味はブレイルの宿の方が美味かったが。この世界で初めてキッシュを食べたのは収穫だ。不味くは無いので、ここでも生きて行けそうだ。探せば美味い食堂もあるだろう。
部屋は若干広めに出来ている。多分、ベッドをもう1台置いてツインにも使える様に作ってあるのだろう。他に家具類が無いし。床に傷が多い。
色々と疲れたのでベッドに横になったらすぐに睡魔が襲って来た。
「いや、俺が冒険者だった頃はあれで良く小遣い稼ぎしてたんだがな。」
「お前が冒険者だった頃って何時だよ?」
「2500年位前かな。」
「今の文明が生まれて1200年じゃ無かったか?」
「ん~、若干進化が違う様だ。」
若干じゃ済まないよ。幸いまだ金があるから良いけど金欠だったら詰んでたぞ。
とりあえず明日はミリムさんに色々聞こう。どうもこの神様色々とズレてる気がするし。
翌朝ギルドに行くとミリムさんが待っていた。
「今日はちゃんと来たわね。」
「まあ、無駄働きはしたくないですからね。」
ギルドの事務室の様な場所へ連れていかれた。
「まず、何から教えましょうか?」
「出来ればこの国の事からお願いします。田舎者なので地理とかにも疎いですし。」
「そうですね、そこから行きましょう。」
そう言って棚から1枚の紙を持って来る。地図の様だ。
「これが、アーネスハイム王国の地図です、この右下にあるのが、この町ブレイルです。」
そう言って地図に丸を書き込んだ。意外と内陸部にあるんだな。
「次にここが王都です。」
そう言って左上の方に丸を書く。ん?意外と近くね?
「こう見ると結構近そうですが、この距離で1か月もかかるんですか?」
「それはね、ここからここまでが大きな山脈になっていて王都に行くには南西を経由して大きく迂回する必要があるからなの。」
そう言って、王都とブレイルの中間辺りに斜めに線を引く。なるほど、そう言う事か。
「更に、この山脈から東に向かって川がながれているんだけど、河口に行くにしたがって川幅が広くなるの。河口近くでは川幅が3キロ位あるので橋が架けられない訳。なのでこことこと。」
そう言って河口の北と南に丸を付ける。
「この2つの町は10キロも離れていないのに行き来が出来ないのよ。」
「なるほど、実際に人が住める場所ってどの位の範囲なんですか?」
そう言うとミリムさんが地図に線を引き始める。大きなCの形だ。どうやら国土の5分の1位しか住める場所が無いらしい。
「開拓されてない場所も多いから、実際に人が住んでいるのは10分の1位かな。」
「人口は?」
「王国全土の人口は200万人位かな。その内の60万人位が王都に住んでいるわ。貴族はほぼ王都に集結しています。」
「だいたい分かりました。次にお金の事を教えて下さい。僕が知っているのは銅貨、大銅貨、銀貨、金貨だけです、10進法だと言うのは解ってます。」
「銅貨の下に鉄貨と言うのがあるわ。基本はその5種類ね。でも、金貨の上に白金貨と言うのがあるの、これは1枚で金貨100枚分の価値があるわ。通常は目にする事が無いけど、エイジ君には関係あるから覚えて置くように。」
「ん?どう言う事です?」
「通常の冒険者なら金貨100枚以上稼いでも金貨で受け取るわ。その方が使い勝手が良いからね。でも、おそらくドラゴンやミスリルリザードの報酬は白金貨で支払われるはずよ。それに君はこれから王都のギルドでも大金を稼ぐはず、その場合白金貨で報酬が支払われる事もあるはずよ。」
なるほど、白金貨か、金貨が10万円だとすると、その百倍だから1枚1千万円か、日本では考えられない単位の貨幣だな。
「次に儲かる魔物って教えて貰えますか?」
「強さじゃなくて儲かるって所が君らしいわね。この辺で狩れる魔物で儲かるのは肉が美味しい魔物よ。特に大きくて珍しいレッドボアなんかがお勧めかな。あとレッドサーペントも美味しい上に皮が高く売れるので儲かるわ。」
「レッドって言うのはブラックより上なんですか?」
「良く気が付いたわね。基本的に普通の魔物の1つ上がブラックその上がレッドよ、更に上はシルバーが付きます。が、この辺にはシルバー系の魔物は居ないわ。」
「ちなみにシルバーも美味いんですか?」
「美味しいわよ。それに高く売れるわ。」
なるほど、シルバーと名が付く魔物を狩れば儲かる訳か。
「待って。まさかとは思うけど、シルバー系を狩りに行く気?」
「駄目ですか?」
「駄目では無いけど、この辺には居ないと言ったでしょ?」
「僕には転移があるって忘れてません?」
「あっ」
ミリムさんが余計な事を教えてしまったと言う顔をした。
翌日から僕はブラスマイヤーの力を狩りながらシルバー系の魔物を狩りまくった。
まあ、ギルドにも予算と言う物があるので、その辺は売る時に調整している。なので常にストレージにシルバー系の魔物が数匹は入っている。
狩りがだいぶ上手くなって来たので魔法の練習も始めている。森の中で火魔法は使えないので風と土系をメインで使っている。
売る時はだいたい金貨200枚になる様に調節している。相場もだいぶ覚えたので、何をどれだけ出せば幾らになるかざっと計算できる様になってきた。1日2千万の収入だ悪く無い。ギルドも珍し素材が手に入り、かなり儲けている様なのでギルマスの機嫌も良い。ミリムさんは呆れた顔をしながらも応援してくれている。
そんな感じで2週間ほど経ったある日。ギルドマスターから呼ばれた。
「お前、王都に行かなくて良いのか?手紙は受け取ったんだろう?」
「もう少し稼いでから行こうかなと。」
「どうやら、そうも言ってられなくなった様だぞ。」
「どう言う事ですか?」
「お前を男爵に叙すると言う手紙が王家から届いた。それから報酬として白金貨50枚をくれるそうだ。お前、何をした?」
「いや、王家に知り合いなんて居ませんし。」
「報酬と言う事は何かの褒美だろう、心当たりは無いか?」
「褒美と言えば公爵家がどうのと言う女の子がドラゴンを倒した時に褒美を与えるとか言ってましたね。」
「公爵家ってお前、王家の血族だぞ。」
その後ドラゴン退治の詳細をギルドマスターに聞かれたので正直に話した。
「なるほどな、辻褄は合うな。お前名前を聞かれた時にブレイルの冒険者と名乗ったろう?それで俺の所に手紙が来た様だ。」
「で、なんで王都に行かないといけないんだ?」
「王都に行けば男爵位と白金貨50枚が貰えるんだぞ。行かないのか?」
「貴族の地位と金か。悪くは無いな。」
白金貨50枚って日本円で5億だよな?遊んで暮らせるんじゃね?
「解ったなるべく早く王都へ向かうよ。」
「稼ぎ頭が居なくなるのは寂しいが貴族になるんじゃ仕方ないな。」
「ちなみに貴族になっても冒険者って続けられるのか?」
「それは問題ない。実際領地を持たない法衣貴族は何かしらの仕事を持ってるもんだ。」
と言う事で王都行きを決めたのだが、家の家賃を5か月分先払いしたのは不味かったな。返してくれないよね?
「ブラスマイヤー。王都の近くに転移したい。頼めるか?」
「ほう?王都に行く事に決めたのか?」
「まあ、金と地位をくれるらしいからな。面倒なら他の国にでも転移するさ。」
「じゃあ、イメージを送る。飛んでみろ。」
目を閉じ集中するとブラスマイヤーからのイメージが飛び込んで来る。鮮明になるのを待って転移を発動する。
目を開けるとイメージと同じ場所。成功だ。索敵を掛けるが反応は無い。近くに人も居ない様だ。
「どっちに行けば良い?」
「まずはまっすぐ進め、すると街道が見えて来るので右へ行け。」
言われた通りに歩いていると、徐々に人通りが増えて来る。
「もしかして、これ全部王都へ行く人か?」
「そうだ、王都は人の出入りが激しいからな。」
更に進むと壁が見えて来た。城壁って奴か?砦の様な物もある。どうやらあの砦が入場門らしい。かなり長い列が出来ている。
結局門を通れたのは暗くなる直前だった。ギルドへ行こうと思ったが宿屋が先だ。ブラスマイヤーに聞いて宿屋に直行する。
宿屋に入るとまたしても幼女が迎えてくれる。この世界の宿屋は幼女を働かせる物なのだろうか?食事付きで1泊頼むと言うと銀貨1枚と大銅貨4枚だそうだ。ブレイルより若干高い。都会だからか?
腹が減ったので食事を先にする。何かのステーキとキッシュの様な物が出て来た。エールを一杯頼むと銅貨3枚だそうだ。食事の味はブレイルの宿の方が美味かったが。この世界で初めてキッシュを食べたのは収穫だ。不味くは無いので、ここでも生きて行けそうだ。探せば美味い食堂もあるだろう。
部屋は若干広めに出来ている。多分、ベッドをもう1台置いてツインにも使える様に作ってあるのだろう。他に家具類が無いし。床に傷が多い。
色々と疲れたのでベッドに横になったらすぐに睡魔が襲って来た。
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