上 下
34 / 55

034 ステータスの詳細?

しおりを挟む
 とりあえず、貴族になるかどうかは慎重に考えてから結論を出したい。この間、電子書籍で読んだラノベでは、貴族は自由に結婚できないとか、側室が最低1人は必要とか書いてあったし、事実かどうかは解らないが、現代日本人としては嫁さんは1人で十分だし、政略結婚とか御免こうむりたい。

 それよりも、俺が本当に強いのかどうか知る方が先決だと思う。でないと、貴族になりたいと思っても、なれないんじゃ意味が無い。

 まあ、魔法の方は爺さんが言うには魔力量が多いので理論さえ覚えれば賢者も夢では無いと言ってくれているが、武力の方はどうなのか、全然解って居ない。

 この世界に来る時、管理人だったっけ?あの人が、十分生活して行けるだけの力を授けますとか言っていたが、なんか、俺の能力ちょっとおかしく無いか?

 ラノベ風に言うならチートだよね?まあ、アイテムボックスを持っているだけでも十分この世界で生活出来たと今なら思えるが、あの時は思考が殆ど停止していたからなぁ。まあ、日本の物を取り寄せる能力は有難い。

 問題は、あの時『丈夫な体』と言うのを望んだ事だ。これって今考えるとかなり曖昧な言葉で、取る人に寄って解釈が変わって来るよね?

 俺が望んだ丈夫な体と言うのは健康で多少の怪我位ではすぐに死なないと言う意味だったのだが、管理人はどう捉えたのだろう?

 魔力量が多いのはアイテムボックスを望んだからだと今なら解るし、納得も出来る。それに管理人はサービスで少し大きめにして置いたとも言っていた。

 結果、魔力量が多くなって、おかげで魔法が使えて便利なので文句は無い。

 だが、Sランク冒険者が俺の事を強いと判断した。これは、どう解釈したら良いのだろう?前に魔法使いに俺の魔力が駄々洩れだと指摘された事がある。

 同じように、俺の何かが彼の探知能力にでも引っ掛かったのか?

 これは早急に自分のステータスの詳細を知る必要があるんじゃないかな?しかし、王都のギルドで計測すると、それこそヤバい事になりそうだ。

 では、どうする?そう言う魔法を創るしか無いのかな?

 ローナを家に送り届け、自分達の家に戻るまで、色々と頭の中で考えるが、良い案は浮かばない。

 家に帰るとルルイが風呂に入りたいと言うので沸かしてやる。俺は爺さんと魔法の訓練だ。

 その前に一つ質問をしてみた。

「前に言っていた王都のステータスの詳細を調べる装置と言うのは魔道具何でしょうか?」

「魔道具と言えば魔道具じゃな。じゃがあれは古代文明時代の物じゃから、正確にかアーティファクトと呼ぶのが相応しいかもしれん。」

 良く解らないが、魔道具なら魔法を付与した者が居るって事だよね?その付与した魔法がどんなものか解れば再現が可能なんじゃ無いかな?

「古代文明と言うのはエルフが作り上げた文明じゃ。ワシらが使う魔法の基礎を作ったのもエルフじゃ。エルフならあの鑑定装置にどんな魔法が付与されているか知っているやもしれん。」

 エルフですか?思いっきりファンタジーですね。ファンタジー過ぎて着いて行けません。

 しかし、ステータスの詳細を調べる魔法があると言う事は解った。なら、後は理論だけだな。それさえ解れば、魔法は発動する。

 ん?あれ?そう言えば、鑑定の魔法って最初発動しなかったよね?

「お爺さん。鑑定の魔法の理論ですが、理論通りに魔法を発動すれば、鑑定結果が見れるんですよね?」

「そうじゃが、それがどうした?お主も使える様になったのじゃろ?」

 いや、俺の鑑定は、理論通りにやっても発動しなかった。もしかしたら発動はしていたのだが、鑑定結果を見るのに『ステータスオープン』と唱える必要があったぞ。俺の鑑定と爺さんの鑑定は違うのかもしれない。

「お爺さん。ちょっとこれを鑑定してみて貰えませんか?」

 そう言ってステンレスのスプーンをアイテムボックスから出してみた。

「構わんが。むむっ、これは、材質が『鑑定不能金属』になっているぞ。」

 やはりそうか、俺の鑑定では物品でもステータスオープンを唱える必要があるが、材質は『ステンレス』になっている。

 これは、俺の鑑定魔法と爺さんの鑑定魔法が違う物だと言う証拠になる。恐らく、知識量の問題では無いだろうか?

 爺さんの鑑定は、鑑定を掛ければ、即答えが出る。だが、俺の鑑定は鑑定後に結果を呼び出す必要がある様だ。もし、俺の仮定が正しければ、さっきのエルフの話が、俺の知識に加わった事で少し光明が見えて来た。

 その後、爺さんの魔法の訓練を受ける。40分程でルルイが風呂から出て来たので、温風の魔法で髪の毛を乾かしてやる。かなりふわふわになった。

 爺さんが、今日はこの位にして置こうと言うのでお言葉に甘えて、夕食の準備にかかる。

 夕食後部屋に戻り、ずっと頭の中で考えて居た事を実行に移す。

 まず、自分の掌を見つめながら、自分に鑑定魔法を掛ける。

 ステータスオープンと唱えるとステータスが開く。


 名前:タツヤ クロキ

 種族:人族

 体力:200

 魔力:154

 スキル:アイテムボックス 頑丈 ショップ

 ※ 頑丈スキルにより、常に170%の能力向上が発動中

 ここまでは、通常に自分のステータスを確認するのと一緒だ。あ、魔法のレベルがまた1つ上がっている。

 通常のステータス表示ではここから先は何も起こらなかった。だが、鑑定魔法でステータスの詳細を見る事が出来る魔道具があると言う事は。鑑定魔法にはここから先があると言う事になるはずだ。

 『詳細オープン!』と頭の中で唱える。

 俺の理論が正しければ、詳細画面が開くはずだ。

 と、開いた!


 名前:タツヤ クロキ

 種族:人族(異界人)

 称号:渡る者 美食家 浪費家 賢者の弟子 綺麗好き

 職業:商人 調理人 魔法使い

 体力:レベル200

 HP:32800/32855

 腕力:346
 敏捷性:282
 攻撃力:647
 知力:823
 魔法耐性:487
 物理耐性:399  
 精神耐性:104

 魔力:レベル154

 MP:689012/689200

 属性:火4、水4、風5、土3、光3、闇3、時間6、空間6
    無魔法2、ユニーク魔法1

 スキル:アイテムボックス 頑丈 ショップ 
 
 ギフト:武術の心得 剣士の素質 賢者の卵 異世界言語 

 ※ 頑丈スキルにより、常に170%の能力向上が発動中

 ちょっと待った!突っ込みどころが多すぎるぞ。どこから突っ込んで良いか解らないが、とりあえず数値がおかし過ぎる。それにHPとかMPとかゲームじゃ無いんだから。

 体力はレベル200で3万なのになんで魔力はレベル154で67万もあるんだ?って言うか、やっぱりあの数値はレベルだったんだな。

 属性は多分10段階評価だろうが、各種ステータスの上限は幾つなんだろう?それにギフトってなんだ?後天的な物なのか先天的な物かも判らないし。

 もし、今度Sランクの兄ちゃんに会ったら、鑑定させて貰おう。あと、爺さんのステータスも知りたい所だ。

 そう言えば、今まで何人か道行く人を鑑定したが、体力と魔力のレベルが3桁の人間はいなかったな。大抵が50以下だった。もし、世界の平均が体力魔力共に50だとしたら、このステータスは人に見せられないよね?

 俺をこの世界に来させた管理人は俺に何を求めているんだ?って言うか、勇者のステータスを知りたくなったぞ。

 さて、この現実を知った俺は、この先どう生きて行くべきか?俺としては望むのはスローライフなんだが、このステータスってどう考えても平穏に生きて行けるステータスじゃ無いよね?

 ならば、いっその事派手にやらかして、貴族にでもなった方が安全かもしれないぞ。

 参ったな、今夜は眠れそうに無いぞ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

見習い女神のお手伝いっ!-後払いの報酬だと思っていたチート転生が実は前払いでした-

三石アトラ
ファンタジー
ゲーム制作が趣味のサラリーマン水瀬悠久(みなせ ゆうき)は飛行機事故に巻き込まれて死んでしまい、天界で女神から転生を告げられる。 悠久はチートを要求するが、女神からの返答は 「ねえあなた……私の手伝いをしなさい」 見習い女神と判明したヴェルサロアを一人前の女神にするための手伝いを終え、やっとの思いで狐獣人のユリスとして転生したと思っていた悠久はそこでまだまだ手伝いが終わっていない事を知らされる。 しかも手伝わないと世界が滅びる上に見習いへ逆戻り!? 手伝い継続を了承したユリスはチートを駆使して新たな人生を満喫しながらもヴェルサロアを一人前にするために、そして世界を存続させるために様々な問題に立ち向かって行くのであった。 ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様でも連載中です。

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

処理中です...