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018 賢者?
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ソリオさんに話を聞いた所、税金は町ごとにシステムが違うらしい。この町では商会を持つ者とギルドが税金を納めているそうだ。一般市民は納税の義務が無い。
まあ、多分塩とか半分位税金なんじゃ無いかな?
村落では税金を払う者は居ないらしい。王都では貴族が税金を納める義務があるそうだ。
つまり、金持ちは税金を払えって事だね。
なんとも適当なシステムだが、王国がそれで成り立っている訳だから問題無いのだろう。
下宿に帰り爺さんの稽古を受ける。腹が減ってるせいか、イマイチ捗らない。とりあえず属性魔法の8つは全部理論を覚えたので、今日は雷魔法を教えて貰っているのだが、雷魔法って要は静電気だから、摩擦だよね?
って事は、これをマスターすれば電子レンジ代わりになるんじゃないか?そんな事ばかり考えてしまう。
高周波だっけ?要は高速で水の分子を振動させれば良いんだよね?って言うか温めるだけなら火魔法でも良いのか?
何となくだが、氷魔法と雷魔法が属性魔法に入らない理由が解った気がする。邪道な発想だが。
魔法の訓練が終わった俺は部屋に戻り、ショップでお買い物だ。確か、パックご飯って湯煎でも食べられるんだよな?これとレトルトカレーを購入して、右手にご飯左手にカレーのレトルトを持ち、加熱魔法を使う。
駄目だ、これでは火傷をしてしまう。
皿を2枚取り出し、その上にご飯とレトルトを乗せて、片方ずつ温めた。果たしてカレーライスは完成した。
って言うかカセットコンロがあるんだから、それを使えば出来るんだけどね。まあ魔法でも出来るって立証したかった訳だ。
久しぶりに食うカレーライスは美味かった。だが、流石に1人前では足りない。アイテムボックスに入っているカップ麺を取り出す。
今度は鍋に水を入れて、魔法で沸騰させてみた。火魔法の応用なのでこれは簡単だった。カップ麺にお湯を注いで3分待つ。
そう言えば魔法って使い過ぎると魔力切れとか起こすのかな?
爺さんとの訓練で結構魔力を使っているはずなのに、魔力切れを起こさないのはやはり人より魔力量が多いのかな?
って言うか、こうインスタント物ばかり食っていると体に悪いよね?食生活をもう少し改善しないと。
そう思いつつも、カップ麺を食い終わった後に缶コーヒーを飲んでる俺が居る。
しかし、この世界の料理は不味い上に塩を使い過ぎだ。食い続けたら確実に高血圧になるか腎臓を悪くする。
まずは食生活の改善から始めないと駄目だな。
でも、それを始めるには店舗が欲しい。何処かの食堂に協力する事も考えたのだが、それだと、俺が店を始めた時にその店が潰れる可能性がある。
信頼できる商会があれば、そこと組んで色々と調味料等を流通させるのだが、ソリオさん程の人がクビになる事を考えると、あまり大きな商会は信用できない感じがする。
そう言えばこの世界に米があるか、まだ調べて無いな。その辺も含めて、一度ソリオさんと話し合いをする必要があるかもしれない。
その日はなんやかんやで8時前にはぶっ倒れて寝ていた。翌朝暗い内に目が覚めてしまう。時計が無いので解らないが恐らく4時から5時の間位だろう。
昨日あれだけ食べたのにお腹が空いている。温度魔法とレンチン魔法が使えるようになったので、今まで食えなかった弁当をネットスーパーで購入した。どうせ今日も昼飯は食えないと考え、ガッツリとかつ丼の大盛だ。
やはり日本人には米だよね。早い所米を探さないと。
かつ丼を食っていると空が白み始めた。体に浄化魔法を掛けて、裏庭に出る。魔法の練習をする時間なんて、この時間位しか取れないからね。
初級魔法から攻撃魔法を試して行く。庭と言っても大した広さは無いので真っ直ぐに飛ばさず、少し離れた地面を目標にしている。
その内的でも作らないと駄目かもしれない。だが、発動の感触は掴めるので実践は大事だと感じた。
30分程魔法を連発したが、倦怠感や疲労感は無い。やはり魔力量の問題だろうか?
そろそろローナが来る時間かな?もう一度全身に浄化魔法を掛けて綺麗にする。
店の表の方に向かうと既に爺さんが開店の準備をしていた。この世界の住人って朝が早いよな。ローナも毎日キッチリ5時半には迎えに来る。
30分かけて市場に着く頃には6時。ソリオさんは先に来ているし、既に並んでいる客も居る。まあ、夜はする事が無いから必然的に早起きになるのかもしれない。
この日も昨日とほぼ一緒で、俺は一日中芋を揚げている。昨日より若干多いかもしれない。ソリオさんは昨日の反省からエールを倍に増やしている。そう言えば、どうやって運んだんだ?
思った通り昼飯を食う時間も無く16時まで10時間休みなく働いた。子供のローナには重労働だと思うが、愚痴も言わずにキッチリ働いている。この世界の子供は皆こんな感じなのかな?
売り上げは昨日より若干多く、一人頭35000円を超えた。恐らく暫くはこの金額で推移するだろう。売り上げを増やすには新商品の投入が必要になる。
店仕舞いが終わると、ソリオさんが3人に今日の儲けを分配する。キッチリ3等分で一人ずつ小さな麻袋に入れて手渡される。
俺は自分の分とローナの分をアイテムボックスに仕舞って、帰りにローナを家に送り届けて玄関先で麻袋を渡すと言う形で落ち着いた。
2人で一緒に居ればまず襲われる心配は無いし、俺も魔法が使えるようになったので襲われても多少は対処出来るが、ローナは大金を持っているだけで不安なんだそうだ。
まあ、町の治安はそれほど悪く無いと聞いているし。今まで襲われた事も無いし、誰かが襲われたと言う話も聞かない。
昼飯を抜いたので、2人でチョコバーを食べながら帰るのだが、もう少しでギルドの裏手の路地と言う所で声を掛けられた。声の感じからすると初老の女性だ。
「もし、貴方様は賢者様ですか?」
ん?賢者?俺の少ないRPG知識から察するに魔法を極めた者もしくは知識を極めた者のどちらかの事だが、この世界ではどっちだ?
「えーと、どちら様でしょうか?」
すると女性は丁寧にお辞儀をしてから語り始める。見た目はローブを羽織っているので魔法使いかもしれない。髪の毛は金髪だが若干白髪交じりだ。
「急に声を掛けて済みません。貴方の魔力があまりにも大きかったので驚いてつい声を出してしまいました。」
魔力で声を掛けたと言う事はこの世界の賢者は魔法を極めし者と言う解釈で良さそうだな。
「んー、俺は田舎から出て来たばかりで魔法も現在習っている最中です。賢者等と言う立派な者ではありませんよ。」
「そうですか、私はマリーナと言う魔法使いです。差し支えなければ師匠を教えて頂けませんか?」
マリーナさんはあからさまにがっかりした声でそう言った。
「師匠ですか?師匠と言えるかどうかは解りませんが、すぐ近くの魔道具屋の主人に魔法を教えて貰って居ます。」
そう言うとマリーナさんの目の色が変わった。
「それはイケません。貴方程の魔力があるのであれば、キッチリとした師匠に付いて学べば、賢者として魔法を極められますよ。」
いや、魔法を極めるつもりは無いんだけどな。まあ、魔法は便利だから色々と出来るのならば教わりたいと言う気持ちはあるが、賢者とか呼ばれたら面倒そうだ。
「自分は無知なので良く解らないのですが、その賢者とかになるとメリットがあるのでしょうか?」
貴族に使えるとかデメリットしか浮かばないんだが。
「まず、賢者になれば貴族の爵位が与えられます。また、回復魔法を覚えれば教会の司祭としての職が与えられます。現在、この国には2人しか賢者と呼ばれる者はいないので、一生裕福な生活が出来ますよ?」
あれ?もしかしてマリーナさんって賢者を目指して駄目だった口?
「ちなみにキッチリとした師匠と言うのはどの様な方を指すのでしょうか?」
「宮廷魔導士とか?」
無理無理、思いっきり貴族の息が掛かってるじゃん。貴族から逃げる様に生活してるのに何でわざわざ飛び込まないとイケないの?
「自分には縁が無さそうですね。」
「では、せめて私の指導を受けて見ませんか?少なくともその洩れている魔力を隠す位は出来る様になりますよ?」
え?俺って魔力駄々洩れなの?それはまずいぞ、魔法使いにはバレるって事だよね?でも時間が無いんだよね。
「今、仕事と魔法の訓練で時間が無いんですけど?」
「貴方の師匠に会わせて下さい。私が指導する様に取り計らいます。」
こうして、押しかけ師匠が来る事になってしまった。どうしてこうなった?
まあ、多分塩とか半分位税金なんじゃ無いかな?
村落では税金を払う者は居ないらしい。王都では貴族が税金を納める義務があるそうだ。
つまり、金持ちは税金を払えって事だね。
なんとも適当なシステムだが、王国がそれで成り立っている訳だから問題無いのだろう。
下宿に帰り爺さんの稽古を受ける。腹が減ってるせいか、イマイチ捗らない。とりあえず属性魔法の8つは全部理論を覚えたので、今日は雷魔法を教えて貰っているのだが、雷魔法って要は静電気だから、摩擦だよね?
って事は、これをマスターすれば電子レンジ代わりになるんじゃないか?そんな事ばかり考えてしまう。
高周波だっけ?要は高速で水の分子を振動させれば良いんだよね?って言うか温めるだけなら火魔法でも良いのか?
何となくだが、氷魔法と雷魔法が属性魔法に入らない理由が解った気がする。邪道な発想だが。
魔法の訓練が終わった俺は部屋に戻り、ショップでお買い物だ。確か、パックご飯って湯煎でも食べられるんだよな?これとレトルトカレーを購入して、右手にご飯左手にカレーのレトルトを持ち、加熱魔法を使う。
駄目だ、これでは火傷をしてしまう。
皿を2枚取り出し、その上にご飯とレトルトを乗せて、片方ずつ温めた。果たしてカレーライスは完成した。
って言うかカセットコンロがあるんだから、それを使えば出来るんだけどね。まあ魔法でも出来るって立証したかった訳だ。
久しぶりに食うカレーライスは美味かった。だが、流石に1人前では足りない。アイテムボックスに入っているカップ麺を取り出す。
今度は鍋に水を入れて、魔法で沸騰させてみた。火魔法の応用なのでこれは簡単だった。カップ麺にお湯を注いで3分待つ。
そう言えば魔法って使い過ぎると魔力切れとか起こすのかな?
爺さんとの訓練で結構魔力を使っているはずなのに、魔力切れを起こさないのはやはり人より魔力量が多いのかな?
って言うか、こうインスタント物ばかり食っていると体に悪いよね?食生活をもう少し改善しないと。
そう思いつつも、カップ麺を食い終わった後に缶コーヒーを飲んでる俺が居る。
しかし、この世界の料理は不味い上に塩を使い過ぎだ。食い続けたら確実に高血圧になるか腎臓を悪くする。
まずは食生活の改善から始めないと駄目だな。
でも、それを始めるには店舗が欲しい。何処かの食堂に協力する事も考えたのだが、それだと、俺が店を始めた時にその店が潰れる可能性がある。
信頼できる商会があれば、そこと組んで色々と調味料等を流通させるのだが、ソリオさん程の人がクビになる事を考えると、あまり大きな商会は信用できない感じがする。
そう言えばこの世界に米があるか、まだ調べて無いな。その辺も含めて、一度ソリオさんと話し合いをする必要があるかもしれない。
その日はなんやかんやで8時前にはぶっ倒れて寝ていた。翌朝暗い内に目が覚めてしまう。時計が無いので解らないが恐らく4時から5時の間位だろう。
昨日あれだけ食べたのにお腹が空いている。温度魔法とレンチン魔法が使えるようになったので、今まで食えなかった弁当をネットスーパーで購入した。どうせ今日も昼飯は食えないと考え、ガッツリとかつ丼の大盛だ。
やはり日本人には米だよね。早い所米を探さないと。
かつ丼を食っていると空が白み始めた。体に浄化魔法を掛けて、裏庭に出る。魔法の練習をする時間なんて、この時間位しか取れないからね。
初級魔法から攻撃魔法を試して行く。庭と言っても大した広さは無いので真っ直ぐに飛ばさず、少し離れた地面を目標にしている。
その内的でも作らないと駄目かもしれない。だが、発動の感触は掴めるので実践は大事だと感じた。
30分程魔法を連発したが、倦怠感や疲労感は無い。やはり魔力量の問題だろうか?
そろそろローナが来る時間かな?もう一度全身に浄化魔法を掛けて綺麗にする。
店の表の方に向かうと既に爺さんが開店の準備をしていた。この世界の住人って朝が早いよな。ローナも毎日キッチリ5時半には迎えに来る。
30分かけて市場に着く頃には6時。ソリオさんは先に来ているし、既に並んでいる客も居る。まあ、夜はする事が無いから必然的に早起きになるのかもしれない。
この日も昨日とほぼ一緒で、俺は一日中芋を揚げている。昨日より若干多いかもしれない。ソリオさんは昨日の反省からエールを倍に増やしている。そう言えば、どうやって運んだんだ?
思った通り昼飯を食う時間も無く16時まで10時間休みなく働いた。子供のローナには重労働だと思うが、愚痴も言わずにキッチリ働いている。この世界の子供は皆こんな感じなのかな?
売り上げは昨日より若干多く、一人頭35000円を超えた。恐らく暫くはこの金額で推移するだろう。売り上げを増やすには新商品の投入が必要になる。
店仕舞いが終わると、ソリオさんが3人に今日の儲けを分配する。キッチリ3等分で一人ずつ小さな麻袋に入れて手渡される。
俺は自分の分とローナの分をアイテムボックスに仕舞って、帰りにローナを家に送り届けて玄関先で麻袋を渡すと言う形で落ち着いた。
2人で一緒に居ればまず襲われる心配は無いし、俺も魔法が使えるようになったので襲われても多少は対処出来るが、ローナは大金を持っているだけで不安なんだそうだ。
まあ、町の治安はそれほど悪く無いと聞いているし。今まで襲われた事も無いし、誰かが襲われたと言う話も聞かない。
昼飯を抜いたので、2人でチョコバーを食べながら帰るのだが、もう少しでギルドの裏手の路地と言う所で声を掛けられた。声の感じからすると初老の女性だ。
「もし、貴方様は賢者様ですか?」
ん?賢者?俺の少ないRPG知識から察するに魔法を極めた者もしくは知識を極めた者のどちらかの事だが、この世界ではどっちだ?
「えーと、どちら様でしょうか?」
すると女性は丁寧にお辞儀をしてから語り始める。見た目はローブを羽織っているので魔法使いかもしれない。髪の毛は金髪だが若干白髪交じりだ。
「急に声を掛けて済みません。貴方の魔力があまりにも大きかったので驚いてつい声を出してしまいました。」
魔力で声を掛けたと言う事はこの世界の賢者は魔法を極めし者と言う解釈で良さそうだな。
「んー、俺は田舎から出て来たばかりで魔法も現在習っている最中です。賢者等と言う立派な者ではありませんよ。」
「そうですか、私はマリーナと言う魔法使いです。差し支えなければ師匠を教えて頂けませんか?」
マリーナさんはあからさまにがっかりした声でそう言った。
「師匠ですか?師匠と言えるかどうかは解りませんが、すぐ近くの魔道具屋の主人に魔法を教えて貰って居ます。」
そう言うとマリーナさんの目の色が変わった。
「それはイケません。貴方程の魔力があるのであれば、キッチリとした師匠に付いて学べば、賢者として魔法を極められますよ。」
いや、魔法を極めるつもりは無いんだけどな。まあ、魔法は便利だから色々と出来るのならば教わりたいと言う気持ちはあるが、賢者とか呼ばれたら面倒そうだ。
「自分は無知なので良く解らないのですが、その賢者とかになるとメリットがあるのでしょうか?」
貴族に使えるとかデメリットしか浮かばないんだが。
「まず、賢者になれば貴族の爵位が与えられます。また、回復魔法を覚えれば教会の司祭としての職が与えられます。現在、この国には2人しか賢者と呼ばれる者はいないので、一生裕福な生活が出来ますよ?」
あれ?もしかしてマリーナさんって賢者を目指して駄目だった口?
「ちなみにキッチリとした師匠と言うのはどの様な方を指すのでしょうか?」
「宮廷魔導士とか?」
無理無理、思いっきり貴族の息が掛かってるじゃん。貴族から逃げる様に生活してるのに何でわざわざ飛び込まないとイケないの?
「自分には縁が無さそうですね。」
「では、せめて私の指導を受けて見ませんか?少なくともその洩れている魔力を隠す位は出来る様になりますよ?」
え?俺って魔力駄々洩れなの?それはまずいぞ、魔法使いにはバレるって事だよね?でも時間が無いんだよね。
「今、仕事と魔法の訓練で時間が無いんですけど?」
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