ツンデレの「デレ」はわんこにお見通し

ぽんぽこまだむ

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第15話:わんこかと思った? 残念、狼さんでした。

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 バリバリバリッ! と扉が蝶番ちょうつがいごとはじけ飛び、アーロンが地下室に駆け込んできた。

「テメェ!」

 大男の一人が襲い掛かると、アーロンは無言で攻撃を避け、躊躇ちゅうちょなく斧で腹をかっさばいた。

 うめき声を上げる暇もなく、男は反対側の壁にたたきつけられて、腹から内臓を覗かせた。



 残りの男達は、一斉に襲い掛かったが、アーロンは、素早く一人に駆け寄ると、男のメイスをかわし、がら空きになった胴から脇の下を切り裂いた。

 怯んだ男がいると見るや、そいつの間合いに入り、今度は上から斧で叩き殺した。



 気づくと、男たちは全員、血まみれになってこと切れていた。



「ア、アーロン……」

 床に倒れていたルーイは、上体を起こした。

「ありがとう」と言おうと思ったのだが、アーロンの様子がいつもと違うのに気づき、言葉を失った。



「はぁ……、はぁ……」

 さすがに疲れたのか、アーロンは肩で息をしている。

 しかし、横顔の瞳は、まだギラギラと輝き、こと切れた男を睨みつけていた。

 アーロンは、返り血を袖で荒々しく拭い、血でぬるついた斧をゴトンッと床に投げ捨て、手をズボンで拭いた。



「ルーイ……」

 アーロンがこちらを向いた。

 瞳孔が細くなり、アイスブルーの部分がほとんどになった瞳は、まだギラギラと燃え立っている。



 アーロンは、ルーイと目を合わせたまま、無言で近づいてきた。

「アーロン……、その……ありが……」

 礼を言おうとしたルーイは、ドンっとアーロンに肩を押されて、床に押し倒された。



「アー……ロン?」



 ──どうしたんだ? いつものお前だったら、『ルーイ、大丈夫?』とか『俺すごいでしょ!』とか……。



 しかしアーロンは、仰向けに倒れたルーイの顔の横に手をついて、無言で見下ろしてきた。



「ど……どうしたんだよ、アーロン」

 ルーイは、腕を突っ張って、アーロンの肩を突き放そうとしたが、まったくびくともしなかった。



 逆光の中で、アーロンのアイスブルーの瞳がまっすぐにルーイを見据えている。

 無邪気な大型犬の目ではない。



 ──獲物を狩る、狼の目だ……。

 ルーイの動悸が高まった。



「これまでの、俺のやり方が間違っていたんだ」

「やり方……?」



 アーロンの、いつもと違う、低い平坦な声に驚きつつも、ルーイが聞き返すと、聞いているのかいないのか、アーロンは低い声で続けた。



「もっと早く、ルーイを俺のモノにすればよかった」



 アーロンは、頬についたルーイの傷を乱暴に撫で、顔を近づけて瞳を覗き込んできた。

「いたっ」

「そうすれば、こんなことにはならなかった」



 ルーイは、どういうことなのか理解できず、呆然としてアーロンの顔を見上げることしかできなかった。



「お、俺の、モノって……、どういう……」

 怯みながらもルーイが問いただすと、アーロンは射貫くような視線で、冷たく言った。

「わかってるくせに」

「……」

 ルーイが目を見開き、何も言えないでいると、アーロンはさらに顔を近づけ、鼻が触れそうな距離から瞳を覗き込んできた。

「ルーイ、逃げてるでしょ」



 ──逃げ、てる……?



 ルーイは必死で目をそらそうとしたが、額を押さえつけられて、それもかなわなかった。

 アーロンは、喉元にかぶりつくように、吐息がかかるほど近くから低い声でルーイに言った。



「俺のこと好きだって自覚してるくせに、女の子と結婚しようとしてるよね」

「そんな……」



 ──俺は、この世界ではよそ者だから、家族を持つには結婚するしか……。

 だが、そんなルーイの浅はかな考えは、とっくにアーロンに見すかされていたようだった。



「それから、自分はよそ者だからとか、昔のことばっかり言って、俺のことどう思ってるのか、はっきりさせようとしないでしょ」



「アーロンは……その……弟みたいな……」



「ははっ、嘘つき」

 アーロンに、あっさりと鼻で笑われ、ルーイは驚愕した。

 しかし、何も言い返せない。



「わかってるから。ルーイが、俺のこと大好きっていう匂い出してるの」

 ならず者に引き裂かれた服の隙間から丸見えになっている乳首を、アーロンがくりくりとつまんだ。



「ひゃんっ……!」

 ルーイは思わず声を漏らし、ぴくんっと跳ねた。

「ほらね、こんなに感じてる」

 頬を染めながらも涙目で訴えかけるルーイに、さらにアーロンがぐさぐさと刺さる言葉で追い打ちをかけた。



「身体のほうは、俺のモノだって認めてるのに、逃げてるから、こういうことになるんだよ」

 ──違う、それは強盗に騙されて……。



「俺のモノだってわかってたら、ルーイはもっと自分を大事にするはずだし、他の雄オスも手を出さない」



 アーロンはそう言って、引き裂かれたルーイのズボンを、さらに脱がすと、

「だったら、疑いようがないくらい、『わからせる』しかないよね」

 と言ってルーイのペニスをつかんだ。



「あっ!! やめっ!」

 ルーイは思わず悲鳴を上げたが、アーロンはおかまいなしで、

「ルーイは、言葉で言ってもわかんないみたいだから、エッチなことで『わからせる』」

 そう宣言すると、ペニスをしごきながら、乳首をぺろぺろと舐め始めた。



「はうっ!」

 ルーイは思わず身体をのけぞらせた。



「やあっ……だめっ……ああっ!」

 こんなところで、しかも無理矢理されているのに、ルーイのペニスは、アーロンの大きくて分厚い手に握られて、ガチガチに張りつめ、もっとしごいてほしいとガマン汁を出している。



 アーロンは、手でペニスをしごきながら、乳首を舐め、時々カリッと犬歯で甘噛みして、胸元からルーイの反応を上目遣いで見つめている。



「はあっ、はぁっ、はぁっ……ああんっ……」

 ──気持ちいい……アーロンの手、気持ちいい……

 股間がどんどん熱くなり、快楽に頭が染められていく。



「ルーイ、すっごい気持ちよさそうな顔してるよ?」

 アーロンは、じゅるりと唾液をすすりながら、乳首をしゃぶる。



「だめぇ……、あっ、あっ……」

 ルーイは目をつぶって顔をそらしたが、アーロンの手が止まる気配はない。

 ルーイのペニスがドクン、ドクンと大きく脈打つと、アーロンがぎゅっとペニスを強くしごいた。

「あああんっ! ああーっ!!」

 ルーイは、冷たい床の上で背筋を反らせ、アーロンの手の中にびゅくびゅくと白濁液を放った。



 はあはあと、荒い吐息をつきながら横たわっていると、アーロンが、

「ね、気持ちよかったでしょ?」

 と少し楽しげな口調でルーイの顔を覗き込んだ。

 力が抜けてしまい、返事もできずにいると、アーロンは、

「でもまだだよ。ルーイの身体は、俺のモノだってこと、『わからせる』んだから」

 と言って、精液がたらりと垂れて濡れている、ルーイの尻の穴に中指を当てた。



「やっ! そ、そこはっ!」

 ルーイは慌てたが、アーロンは、

「ダメ。今日は優しくしない」

 とにべもない返事をして、ちゅぷっと指を入れた。



「はあうっ!」

 ──やだ! やだよ……。



 今は本当にいやだと思っているのに、アーロンは聞いてくれない。

 暗いし、床は硬いし、こんなムサいオッサンの死体がゴロゴロしてるところでやるなんて、ひどすぎる。

 おまけに、ルーイですらわかるほど、アーロンの身体からは血の匂いがする。



「こんなところでするなんて、ヤダ……」

 ルーイは、情けない声で半べそをかいて訴えた。



 するとルーイの上に覆いかぶさっているアーロンは、薄く笑った。

「わかるよ。ルーイ、怖がってる」

 一瞬、理解してもらえたか、と思ったが、アーロンは、

「でも今はごめんね。後でまた、いい匂いのするルーイの部屋でいっぱいしような」

 と言いながら、ルーイの唇を奪った。



 ちゅっ、ぬちゅっ、ちゅぱっ……。

 アーロンの熱い吐息と、荒っぽい舌づかいに、自分の胸がドキドキしているのがわかる。



『ルーイ大好き!』『もっと一緒にいたい』

 アーロンは、ちゃんとそう言ってくれていたのに……。

   こんなに……こんなに激しく愛してくれているのに、ちゃんと応えていなかった。



 ──でも、アーロンは、いつかどこかに行ってしまうだろうって、思ってたんだ……。

 でも、だったら、ちゃんと言えばよかったんだ……。



 ──アーロンがどこかに行っちゃうなんてイヤだ……って……。

 ルーイの胸がズキズキして、ぽろぽろと涙がこぼれた。アーロンとちゅぱちゅぱキスをしている口の中が、しょっぱくなってくる。

   身体が熱くなり、アーロンの舌を口内に迎え入れて、ちゅぱちゅぱと舌を絡めてしまう。



「はあっ……、はぁ……。ルーイ、やっぱり俺のこと、好きじゃん」

 言って欲しくないのに、アーロンが耳元でささやく。

「うっ……、うぅ……」

 ルーイの口から絞り出すように出てきたのは、喘ぎ声ではなく、涙声だった。



 アーロンに無理矢理されているからではない。アーロンの言うとおり、昔のことをいつまでもごちゃごちゃ考えていて、ちゃんとアーロンと向き合わなかった自分への後悔の気持ちからだ。



 ぽろぽろと涙をこぼしながらも、ルーイはちゅっ、ちゅっとアーロンの唇を吸い、舌を絡めていた。

 アーロンは、夢中でルーイの唇を貪りながら、くちゅくちゅとルーイの尻穴をほぐしている。



 ちゃんと話さなくちゃと思っているさなかにも、ルーイの穴の中は、快感を拾い始めた。

「んっ……、ダメ……、アーロン……!」

「ダメじゃないでしょ。ルーイの身体は、気持ちイイって言ってるよ。ホントのこと言って?」

 アーロンの衝動は止まらないようで、指を動かしながら、ルーイの耳たぶをぺろりと舐め、乳首をきゅっきゅっとつまんだ。



「はぁんっ」

 股間が疼くような快感が走り、ルーイは声をあげた。

 ──ちゃんと話さなくっちゃって思ってるのに……。



「ほら」

 アーロンはそう言って、さらに乳首を引っ張りあげる。

「あっ……ああぁん……」

 ルーイの腰が跳ねるのを見て、アーロンは笑った。

「ちゃんと言ってみて? 気持ちいい?」

 そしてそのまま乳首を引っ張ったまま、くちゅくちゅと気持ちのいいところをこすり続ける。

「はぁんっ、ああんっ、気持ち、きもちいいっ……。だから、ちくび、ちくびやめてぇ……」



「はは、やっぱり気持ちいいんじゃん。いいよ、いっぱい弄いじってあげる」

 アーロンの指に蹂躙されて、ルーイの身体は悦びでビクビクと痙攣した。どんどん、何も考えられなくなっていく。



「あんっ……ああんっ……きもちいいっ……」

「わかってきたみたいだね」

 アーロンはそう言って、ルーイの唇にちゅっとキスをした。そして指を三本に増やすと、ぐちゅぐちゅと音を立てて掻きまわした。



「あん…… あん……! あんっ!」

 くちゅくちゅといじるリズムに合わせて、ルーイは喘ぎ声を上げた。

 ルーイの尻の中は、もうひゅくひゅくして、切ないくらいだ。

 はしたなく膝を高く上げて股を開いてしまう。



「ルーイ……かわいいね……」

 アーロンはそう言うと、指を引き抜いて自らのモノを取り出した。

 それは腹につきそうなほどそそり立ち、熱く脈打っている。

 そしてルーイの尻に当てがうと、一気に貫いた。



 ずぶぶぶっ!!

「はぁんっっ!!」

 ルーイはたまらず声を上げた。

 ──おっきい、おっきい……!

 アーロンのモノは大きくて、圧迫感もすごいのに、もっと奥へ奥へと迎え入れたくなってしまい、ルーイは腰を揺らした。

「ん……、ルーイの中、すごい……。熱くて、柔らかくて……」

 ずちゅっ、ずちゅっ、と激しく腰を打ちつけながら、「俺、もうイッちゃいそう」とアーロンが無声音でささやく声が、耳元で聴こえた。

 ──アーロンが、俺で欲情して、俺の身体で、気持ちよくなってる……

 そう思うと、ルーイの身体は勝手に、きゅっとアーロンのモノを締めあげた。

「あ……、ルーイのナカ、喜んでる……嬉しい……」

「ち、ちが……」

 そう抗弁した瞬間、ずっちゅう! とアーロンが硬い肉棒を強く打ち付けた。



「まだわかってないの? ルーイの身体は、俺のモノなんだよ。俺のちんこで悦んでるじゃん。認めないの??」

 ずっちゅう! ずっちゅう! と激しく何度も突き上げられ、脳まで突き抜ける快感に、ルーイは泣き声をあげた。

「ああああんっ!」

 ピストンの度に、尻の穴はひゅくひゅくとアーロンのペニスに吸い付き、快楽を貪っている。

「ほら、ちゃんと言いなよ、『アーロンのちんこ気持ちいいです』って」



 ──いや、今言わないといけないのは、そういうことじゃなくて……。

 ぱちゅんっ!! とまた深く突かれて、伝えなければいけないことを伝えることもできず、ルーイは冷たい地下室の床でのけぞった。

「ぁああんっ!」

「言わないともっと激しくしちゃうよ」

 アーロンと、そしてルーイの身体の中では、冷静に話し合うフェーズは、とっくに過ぎ去ってしまったようだ。



 ぱちゅっ!!ぱちゅっ!! とまた強くピストンされ、身体が止まらなくなってしまう。

 アーロンのリズムに合わせて身体の求めるままに激しく腰を動かすと、全身が痺れるような甘い熱に包まれた。



 ──気持ちいい……。

「あん、あん……アーロンのちんこ、気持ちいいっ……」

 アーロンの背中に手を這わせて吐息交じりに言ってしまった。



 潤んだ視界の中で、アーロンは満足そうに微笑んだ。

「ルーイ……俺も気持ちいいよ……。大好き……」

 アーロンの笑顔を、なんだか久しぶりに見たような気持ちになって、ルーイの胸がきゅんっと疼いた。

 さっきまでの後悔の涙ではなく、温かい涙が、ルーイの目を潤ませた。



「はぁ……っ、ああん……、アーロン……」

 自然と、溶けたような甘い声が出てしまい、ぎゅっとアーロンの背中を抱きしめると、温かいぬくもりと、身体の厚みが伝わってきた。

 アーロンが腰を動かす度に背筋はいきんが動いて、セックスしてしまっているんだということを実感させる。

「ああんっ……」

「ルーイ、すごいエッチな匂い……、中が、きゅっとして……、はぁっ……、すごい……」



 アーロンは、ズン!ズンッ! と深く激しく突き上げ、ルーイに下半身をぐいっと強く押し付けながら、

 びゅくっ! びゅくびゅくっ!!

 と精を放った。

「あああぁあん!!」

 熱いものが広がっていく感触に、ルーイもアーロンの背中にしがみつきながら射精した。

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