爆弾

ボブえもん工房

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第7章 爆弾

僕の爆弾

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「お母さん、今いい?」
「なぁに?」
夜ご飯を作っているお母さんの背中に恐る恐る話し掛けた。
僕は今から自分の爆弾を話すつもりだ。
雅の手紙を読んで、話さなくてはいけないと感じたからだ。
しかし、いざその時になると怖くて声が震える。
中々話し始めない僕を心配したのか、お母さんはご飯を作る手を止めて僕の方を振り向く。
「どうしたのよ。」
優しく笑顔で聞いてくるお母さん。
「あの…、私…。」
言葉を詰まらせてしまう僕。
僕が何かに怯えている事に気付いたのか、お母さんは僕に近寄って抱き締めた。
「お母さんは樹の味方よ。何でも話しなさい。」
その声が優しくて、暖かくて涙が溢れる。
「お母さん…、私…。」
「うん、樹がなぁに?」
「僕…。」



僕は自分が何を言ったのか思い出せない。
泣きながら無茶苦茶な事を言っただろう。
きっとお母さんにも上手く伝わらなかっただろう。
そのくらい子どもの様に泣きじゃくり、自分の爆弾を話した。
でも話終わった後のお母さんの顔を見ると、ずっと優しい笑顔だった。
嫌な顔一つせず、悲しむ様子もない。
ただただ、優しい表情のままだった。
そして一言だけ僕に言った。
「樹、貴方がどんな子でも、私の大切なたった1人の子どもよ。」
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