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4章
最終話 これからもこの人生を楽しみます!
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久しぶりにライアーの作った料理を食べて、たくさんお喋りして、凄く…凄く平和で楽しい時間を過ごした。
そこは、実家のような息の詰まる檻では無く。穏やかでのびのびとできる、自由な場所だった。
ずっと憧れていた自由な世界。夢のまた夢だった、一生手に入らないと思っていたもの。
ずっとあの家でのお人形のような生活が続くのだと思っていた。
それでいいと思っていた。私にはその生き方しか無かったから。それしか知らなかったから。
そうすれば、可愛い妹の笑顔が守れたから。
私は、独りじゃ無かったから。ライアーがいてくれたから。
全然辛くなかった。むしろ──幸せだったのかもしれない。
だって、そうする事でしか私はお家のためになれないから。
お父様とお母様の役に立てなかったから。
死ぬなら死ぬでそれでも良かった。
今まで醜く生にしがみついていたけど、この辺りが引き際なのかなって考えたら……不思議と死への恐怖は薄れていった。
あの冤罪というのも、面識の無い第3王子に嫌われるような事をした覚えは無いし、結局どうしてそんな事になったのかは分からないが…最初は普通に受け入れようとした。
ただ、ライアーがそれを許してくれなくて。ライアーが強引に自由な世界へと連れ出してくれた。
冤罪による処刑を逆手に取ると聞いた時は驚いたけど……でも、そのおかげで自由になれた。
見た目を変えて、名前も変えた。自由に、私がやりたい事をして生きていける。
それが嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
何より──それでもライアーが傍にいてくれた事が、1番嬉しかった。
だから私は冤罪の事も処刑の事も特に悪く思っていない。むしろ、感謝しているぐらいなのだから。
そのおかげで自由になれた。そのおかげでライアーとちゃんと話し合えた。そのおかげでディルレッドさんとも出逢えた。そのおかげで私は夢を叶えられた。
感謝してもしきれない…なんて言うのはおかしいかもしれないけど、それくらい私は感謝していた。
ありがとう、自由になるきっかけをくれて。
見ず知らずの──ううん、きっと、どこかで会ったことのある王子殿下。
直接感謝を伝えることは出来ないから、こうしてずっと心に思いとどめておきます。
本当に、ありがとうございます──。
*
それからというものの、私たちは3人組の冒険者パーティとしてたくさんの依頼を受けては冒険者としてのランクを上げていった。
街では嬉しい事に『凄腕の冒険者パーティ』みたいな感じでちょっとした有名人にもなった。
冒険者以外にもいっぱいやりたい事をやった。お菓子を作ってみたり、お店で働いてみたり、漁をしてみたり。やってみたかった事をライアーとディルレッドさんと一緒に片っ端からやっていった。
初めてのことばかりで全然上手くいかない事がほとんどだったけど、全部全部楽しかった。
ディルレッドさんがよく花や装飾品をくれたけど、結局あれがどういう意味をしていたのかは分からずじまいだ。
それをいつもライアーは横で見守ってくれていた。
約束通り、いつも一緒にいてくれた。
ライアーと一緒なら、それだけで良かった。ライアーと一緒に何かを出来る事が嬉しくて楽しかった。
この気持ちの名前には心当たりがあるけど…これが本当にそれなのか、まだよく分からない。
だけど…本当に、本当にこの気持ちがそれならば。
いつか伝えよう。だってライアーはずっと一緒にいるって言ってくれたんだから──伝えられる時はきっとくるはず。
それまでは、まだこの気持ちを大事にしていたい。
私だけの宝物にしていたい。
今の私には、それができるだけの自由があるんだから。
私は、元々伯爵令嬢でした。
第3王子に突然冤罪で処刑されてしまいそうになったので、死んだフリをして逃げ出しました。
そして──それを機に、こうやって人生をやり直して来ました。
それはこれからも。しばらく続くこの2つ目の人生──自由に好き勝手生きていく事にします!!
そこは、実家のような息の詰まる檻では無く。穏やかでのびのびとできる、自由な場所だった。
ずっと憧れていた自由な世界。夢のまた夢だった、一生手に入らないと思っていたもの。
ずっとあの家でのお人形のような生活が続くのだと思っていた。
それでいいと思っていた。私にはその生き方しか無かったから。それしか知らなかったから。
そうすれば、可愛い妹の笑顔が守れたから。
私は、独りじゃ無かったから。ライアーがいてくれたから。
全然辛くなかった。むしろ──幸せだったのかもしれない。
だって、そうする事でしか私はお家のためになれないから。
お父様とお母様の役に立てなかったから。
死ぬなら死ぬでそれでも良かった。
今まで醜く生にしがみついていたけど、この辺りが引き際なのかなって考えたら……不思議と死への恐怖は薄れていった。
あの冤罪というのも、面識の無い第3王子に嫌われるような事をした覚えは無いし、結局どうしてそんな事になったのかは分からないが…最初は普通に受け入れようとした。
ただ、ライアーがそれを許してくれなくて。ライアーが強引に自由な世界へと連れ出してくれた。
冤罪による処刑を逆手に取ると聞いた時は驚いたけど……でも、そのおかげで自由になれた。
見た目を変えて、名前も変えた。自由に、私がやりたい事をして生きていける。
それが嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
何より──それでもライアーが傍にいてくれた事が、1番嬉しかった。
だから私は冤罪の事も処刑の事も特に悪く思っていない。むしろ、感謝しているぐらいなのだから。
そのおかげで自由になれた。そのおかげでライアーとちゃんと話し合えた。そのおかげでディルレッドさんとも出逢えた。そのおかげで私は夢を叶えられた。
感謝してもしきれない…なんて言うのはおかしいかもしれないけど、それくらい私は感謝していた。
ありがとう、自由になるきっかけをくれて。
見ず知らずの──ううん、きっと、どこかで会ったことのある王子殿下。
直接感謝を伝えることは出来ないから、こうしてずっと心に思いとどめておきます。
本当に、ありがとうございます──。
*
それからというものの、私たちは3人組の冒険者パーティとしてたくさんの依頼を受けては冒険者としてのランクを上げていった。
街では嬉しい事に『凄腕の冒険者パーティ』みたいな感じでちょっとした有名人にもなった。
冒険者以外にもいっぱいやりたい事をやった。お菓子を作ってみたり、お店で働いてみたり、漁をしてみたり。やってみたかった事をライアーとディルレッドさんと一緒に片っ端からやっていった。
初めてのことばかりで全然上手くいかない事がほとんどだったけど、全部全部楽しかった。
ディルレッドさんがよく花や装飾品をくれたけど、結局あれがどういう意味をしていたのかは分からずじまいだ。
それをいつもライアーは横で見守ってくれていた。
約束通り、いつも一緒にいてくれた。
ライアーと一緒なら、それだけで良かった。ライアーと一緒に何かを出来る事が嬉しくて楽しかった。
この気持ちの名前には心当たりがあるけど…これが本当にそれなのか、まだよく分からない。
だけど…本当に、本当にこの気持ちがそれならば。
いつか伝えよう。だってライアーはずっと一緒にいるって言ってくれたんだから──伝えられる時はきっとくるはず。
それまでは、まだこの気持ちを大事にしていたい。
私だけの宝物にしていたい。
今の私には、それができるだけの自由があるんだから。
私は、元々伯爵令嬢でした。
第3王子に突然冤罪で処刑されてしまいそうになったので、死んだフリをして逃げ出しました。
そして──それを機に、こうやって人生をやり直して来ました。
それはこれからも。しばらく続くこの2つ目の人生──自由に好き勝手生きていく事にします!!
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