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1章
に。
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隣国につくと、すぐに部屋に通された。
やったー!自由だ!
面倒なお祓いごともしなくていいのね!
嬉しくなってベッドに腰かけるとすぐ皇帝がやってきた。なぜか狐の面を被っていた。少し変わった趣味なのかもしれない。髪は白金。背は高い。彼と戦闘になったら顔を殴るより脛を蹴った方が効くかもしれない。
「妙なことは考えるな。怪しい真似をしたらすぐに首をはねる」
つまり何もしなくていいということ!?
なにが怪しいと判定されるか分からないから、動こうにも何も出来ないものね。面倒な王妃業務も免れるらしい。何もしないでダラダラしていいなんてなんて最高なの。
私はお礼の意志を伝えるために彼にとっておきを教えた。
「かしこまりました。…………ところで陛下、陛下はとても猫に思われていたのですね。肩にいらっしゃいますわ」
その言葉にぴしりと陛下は固まった。
陛下の肩には白い猫又が一匹。猫又は寿命を全うし、飼い主に恩を返すために修行を積んでなった姿と言われている。皇帝はこの猫にとても愛されているのだ。きっといいひとなのだろう。
「な、ね、猫だと?」
「はい。白猫で…………首にサファイアのついたリボンを結んでいます。ずっと陛下のことを見ていますわ」
「そ、そんな…………何がいけなかったんだ…………?ブラッシングのしすぎで毛が薄くなってしまったことを根に持ってるのか?だけどブラッシングしないとお前は長毛種だからすぐに毛玉になって吐いてしまうと………」
何やらブツブツ言い出した。ちょっと怖い。
しかしブラッシングのしすぎで毛が薄くなってしまったのか。手巾を被った白猫を見ると毛がフサフサしていた。良かった。薄くないわね。
「僕は帰る………」
陛下は来た時に比べてすごく意気消沈としていた。もうそろそろ雨が降りそうだから、気圧にやられたのかしら。かわいそうに。
やったー!自由だ!
面倒なお祓いごともしなくていいのね!
嬉しくなってベッドに腰かけるとすぐ皇帝がやってきた。なぜか狐の面を被っていた。少し変わった趣味なのかもしれない。髪は白金。背は高い。彼と戦闘になったら顔を殴るより脛を蹴った方が効くかもしれない。
「妙なことは考えるな。怪しい真似をしたらすぐに首をはねる」
つまり何もしなくていいということ!?
なにが怪しいと判定されるか分からないから、動こうにも何も出来ないものね。面倒な王妃業務も免れるらしい。何もしないでダラダラしていいなんてなんて最高なの。
私はお礼の意志を伝えるために彼にとっておきを教えた。
「かしこまりました。…………ところで陛下、陛下はとても猫に思われていたのですね。肩にいらっしゃいますわ」
その言葉にぴしりと陛下は固まった。
陛下の肩には白い猫又が一匹。猫又は寿命を全うし、飼い主に恩を返すために修行を積んでなった姿と言われている。皇帝はこの猫にとても愛されているのだ。きっといいひとなのだろう。
「な、ね、猫だと?」
「はい。白猫で…………首にサファイアのついたリボンを結んでいます。ずっと陛下のことを見ていますわ」
「そ、そんな…………何がいけなかったんだ…………?ブラッシングのしすぎで毛が薄くなってしまったことを根に持ってるのか?だけどブラッシングしないとお前は長毛種だからすぐに毛玉になって吐いてしまうと………」
何やらブツブツ言い出した。ちょっと怖い。
しかしブラッシングのしすぎで毛が薄くなってしまったのか。手巾を被った白猫を見ると毛がフサフサしていた。良かった。薄くないわね。
「僕は帰る………」
陛下は来た時に比べてすごく意気消沈としていた。もうそろそろ雨が降りそうだから、気圧にやられたのかしら。かわいそうに。
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