王妃の鑑

ごろごろみかん。

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答えの行方(2)

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私はもう子供じゃない。八歳差は変わらないけれど、今の私はもう子供じゃない。ノアのことが好きかどうかはわからない。けれどノアの狼狽える顔が見れたから良しとしよう。

「なんて、嘘ですけれど」

「なっ…………にそれ。てか、きみほんと何?俺に何の用?」

そう言いながらノアは髪をかきながら座り込んだ。私もそれに合わせて座り込むと、ノアの瞳を覗き込む。前と逆の立場だ。

「私はネアモネ。ネアモネ・ハッセーヌと言います」

「………はぁ?」

またしてもノアが怪訝そうな顔をする。
不思議だ。私を元の世界に返す時の彼は、珍しく優しい顔をしていたのに。今はこんなに狼狽えている。きっとそれは彼が私を妹ではなく、対等に。普通の女として接しているからなのだろう。
それが寂しくもあり、嬉しくもある。

ネアモネ・ハッセーヌ。この名前を知らない人はいないだろう。元王妃の名前であり、ほして最近では時の人だ。城下でなら尚更。知らない人などいない。私は秘密話をするように声を潜め、ノアに言った。

「ーーーこれから聞く話、信じてくれる?」


言ってから、思い出す。あの土壇場での会話を。

ーーー………ノアと、また会えるのよね?

ーーーうん。きっとまた会えるよ。だから今度は………ネアちゃんが僕に会いに来てね?

ねえノア。私は叶えたわ。

ーーーまた会おうね。違う世界で、僕を探しに来てよ。

私、あなたをちゃんと見つけたのよ。
だから………だから。今度こそ、またいちから。初めから、始めようと思うの。あなたとの出会いを。
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