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隠していたものを暴いてしまったようで

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「ごめんね。俺が悪かった。いくら腹に据えかねていたとしても、あの場で言うことではなかった。リーフェがいつ訪れてもおかしくない場所であの発言をした俺に全ての責があるよ」

「レイル………?」

「だけど………覚えておいて。俺が好きなのはリーフェで、きみ以外誰もいらない」

「え、ええ………と」

レイルは私が好きで、ヴィヴィアナ様のことは好きでもなんでもない………そういうこと?
それを理解すると、途端に私は気が抜けた。もし今私がたっていたのなら間違いなく座り込んでいた。それほどまでの脱力感。
そして、ついで頭に残るのはレイルの言葉。

ーーー俺が好きなのはリーフェで、きみ以外誰もいらない

これは、本当?本当ならば、それってすごく。すごく、嬉しいことなんじゃないかしら………?
思ってもみない告白に、じわじわと頬が赤くなるのがわかる。レイルはそんな私を見ると、私の前髪にひとつ口付けを落とした。ふわりと香るレイルの香水の匂いに思い出したように胸が音を立てる。

「愛してるよ、リーフェ。だけど、これくらいで疑われるような愛し方じゃ、ダメだったね。……俺はあなたを怖がらせたくないし、引かれたくもない。本当にね。俺はきみをとても愛してるんだ。きみに嫌われたら生きていけなくなるほどには」

「レイル…………?」

レイルは小さくつぶやくと、不意に私の体を引き上げた。突然のことに身動きの取れない私は、レイルの上に乗り上がる形になる。レイルはベッドに寝転び、私を見上げながら言った。

「だけど、そんなことも言っていられない。今回のようにまた誤解されたらたまったもんじゃないしね。だから、隠すのはやめる」

「あの、この体制は………」

「逃げないでね。リーフェ。俺が愛しているのはずぅっと、きみだけだから」

レイルの言っていることはよく分からない。混乱しながら私はレイルを見ると、不意に微笑みをおとしたレイルが私の目じりに口付けを落としてきた。びくりとして反射的にのけぞれば、レイルはそれを許さないとばかりにしっかりと腰を掴んできた。

「っ……んん、ん…………!」

しかしレイルはしっかりと私の首の後ろと腰に手を回して、口付けをやめなかった。さっきのような噛み付くキスとはまた違う。
吐息すらも塗りつぶしていくような、とても濃いキス。呼吸すらもままならなくて喘ぐように口を開ければ涎が顎を使うのが感覚でわかる。
ぐいっと首の後ろを引き寄せられて口内をぐるりと舌でまさぐられる。

「んっ、ぅ…………んっ………!」

ぴりっと走る痛み。そうだ、私思いきり口内を噛んだんだった………。口内の怪我は治りが早いと言うが、さすがに数日も経っていないんじゃ治りようがない。ぴりりとした痛みに身をよじると、唇を離したレイルが私の口元から零れた涎を舐め取りながら聞いてきた。

「リーフェ、怪我してるね。これ、どうしたの?」

どこか低い声にどきりとする。訳もなく焦って、私は誤魔化すように言った。

「ち、違うの。これは自分で………」

なにが違うのか自分でも分からない。だけどそういうと、体を起こしたレイルが私の耳を舌でつつきながらさらに聞く。

「自分で?どうして?リーフェは自分で口の中を噛んだの?なぜ?」

「そ、れはぁっ………ぁっ……」

ぺろりと耳朶を食まれて、甘噛みされる。それだけで腰に恐ろしいほどのゾクゾクとした何かが走って、私は思わずシーツを握った。

「悪い子だね。リーフェ。俺の大切なあなたの体に、傷をつけるなんて。それがいくらリーフェでも、許せないな」

「レ、レイル…………?」

「でも元はと言えば俺のせいか。俺があなたを追い詰めた。ということは、俺の責任。俺のせいだね。………リーフェ、この怪我は俺のせいだ」

「レイル?ちょっと、レイル……」

レイルがおかしい。どうしよう……?
なぜ、やっぱりレイルがおかしいわ。私は焦ってレイルの頬に手を滑らせるが、レイルの瞳は昏い色を宿していて、どこかトロリとしている。その瞳に見られているだけで腰がゾクゾクする。やだ、おかしい。何で、こんな。
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