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じゅういち

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「では、この婚約、私が一度預からせていただきます」

いやなんでよ。
そう思うが、この場の雰囲気が嫌やを言わせてくれない。でも、いわないと私の命に関わってくる。この婚約は絶対破棄しなければならないのだ。

「………全52カ国が参加する連合組合が独自に作り上げた組織。安全保安連盟………それはシャーロットも知っているね?我が国も連合に名を連ねる国のひとつだ。そして、ここからは一部の王族にしか知られていないがーーー。その中で秘密裏に作られた『婚約危機管理委員会』。王侯貴族の婚約関連について管理し、婚約が白紙に戻されそうになると現れる。そして、その婚約については管理委員会の預かりになる」

「な………」

な、何それ!?
初耳なのですけれど……!?
思わず固まった私と、視線をそっと逸らした王太子。それを見てリーリアはふむふむ、と勝手に頷いた。
そしてにこっとまたしても微笑むと私に尋ねてくる。

「まず、ミス シャーロット。あなたが婚約破棄の申請者で間違いありませんか?」

「え?え、あ、ああ………」

「では、もうひとつ。ミス シャーロットが婚約破棄を申し込むことになった要因について、具体的にお伺いしても?」

………これは新手の嫌がらせなのかしら!?
完全に固まった私と、視線を外している王太子。どこか穏やかな顔の陛下、困惑気味の衛兵や侍従、という謎の雰囲気が玉座の間を支配した。
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