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1章
テイム! テイム! テイム! 2
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スケルトンをテイムするために、久々に外に出た。
城の中が広すぎて忘れてたけど、ずっと引き籠ってたんだね、私。
畑に行っても、ダンジョンに行っても家の中。
信じられない場所だよね。
今日はクリスの他に、スケルトン十体が護衛としてついて来ている。
ここではスケルトンくらいしか出ないけれど、もしもの時に私を逃がすための囮だそうだ。
基本的にはクリスがいれば事足りると思うのだけれど、一人では全方位を守れるわけじゃないから、物量攻撃などをされた時にはスケルトンを囮にして城まで逃げることになっている。
スケルトンならダンジョンの二階でも出てくるけれど、外のスケルトンをテイムするのには理由がある。
外のスケルトンは、元人間の可能性が高いからだ。
迷宮の方ももともとは地下墓地なので、最初の頃は元人間も出たらしいんだけど、ダンジョン化してしまうとダンジョンが発生させたモンスターしか出なくなっていくそうだ。
だからダンジョンにいるのはアンデッドとは言いながらも、最初からアンデッドとして誕生した存在だったりする。
何故わざわざ、元人間をテイムしようかと考えているかと言えば、特殊な技能を持っている可能性があるからだ。
特殊な技能って言っても、スケルトン化した時点でスキルは全て失われてしまうそうなのだけれど、スキルとは別の、技術的なものは身体に染みついていることがある。
たとえば私の服を作ってくれているスケルトンや、ご飯を作ってくれているスケルトンは、もともと服作りが得意だったり、料理が得意だったりする可能性が高いらしい。
スケルトンには人間だった時の記憶なんて残ってないから、あくまでも可能性の話としか言えないのだけれど。
「では、おびき寄せるぞ?」
「う、うん」
正直ちょっとビビってたりする。
ダンジョンでは今のところ、一匹ずつ出てくることが多く、多くても二匹までしか同時には出てこない。
けれどここでおびき寄せると、大量に出てくるというから、ちょっと怖い。
鼠は可愛いけれど、部屋一面にうじゃうじゃいたら気持ち悪いみたいな?
いや別に、スケルトンは可愛くないのだけれど。
クリスの杖が光る。
怨念のスキルを使ったらしい。
文字どおり怨念を操るスキルで、アンデッドにとってはかなり便利なものだという。
使い方その一が、こうしてアンデッドを呼び寄せることが出来るというものだ。
クリスの怨念のスキルはLVが44とかなり高い。
なので……。
ぼこ、ぼこ、ぼこ。
墓地の地面から、骸骨たちがうじゃうじゃと這い上がってくる。
ひぃいぃいいいい!
久々にビビる。
「主よ」
促されて、私はスケルトンたちに手を向ける。
手を向ける必要があるのかどうかもよく分かっていないのだけれど、久々にスキルを連発した。
「テイム! テイム! テイム!」
ピコーンとスケルトンが光る。
「テイム! テイム! テイム!」
ピコピコーンと複数のスケルトンが光る。
「テイム! テイム! テイム!」
出てきたスケルトンに片っ端からテイムを掛けて行くと、瞬く間に私の配下が増えて行った。
五十匹を超えた段階でクリスがスキルを停止すると、スケルトンの出現は止まった。
疲れた。
骸骨に向かって『テイム』って言っただけだけど疲れた。
精神的に疲れた。
テイムした五十体のスケルトンも従えて、城に帰っていく。
私の後に続いてカタカタ音を鳴らしながらついて来る骸骨たち。
振り返ると、護衛も含めて六十体ものスケルトン軍団がいる。
ひいいいぃいぃい!
スケルトンの軍勢を率いるのはカッコいいけれど、それを率いる私は、スケルトンの軍勢が怖かった。
城の中が広すぎて忘れてたけど、ずっと引き籠ってたんだね、私。
畑に行っても、ダンジョンに行っても家の中。
信じられない場所だよね。
今日はクリスの他に、スケルトン十体が護衛としてついて来ている。
ここではスケルトンくらいしか出ないけれど、もしもの時に私を逃がすための囮だそうだ。
基本的にはクリスがいれば事足りると思うのだけれど、一人では全方位を守れるわけじゃないから、物量攻撃などをされた時にはスケルトンを囮にして城まで逃げることになっている。
スケルトンならダンジョンの二階でも出てくるけれど、外のスケルトンをテイムするのには理由がある。
外のスケルトンは、元人間の可能性が高いからだ。
迷宮の方ももともとは地下墓地なので、最初の頃は元人間も出たらしいんだけど、ダンジョン化してしまうとダンジョンが発生させたモンスターしか出なくなっていくそうだ。
だからダンジョンにいるのはアンデッドとは言いながらも、最初からアンデッドとして誕生した存在だったりする。
何故わざわざ、元人間をテイムしようかと考えているかと言えば、特殊な技能を持っている可能性があるからだ。
特殊な技能って言っても、スケルトン化した時点でスキルは全て失われてしまうそうなのだけれど、スキルとは別の、技術的なものは身体に染みついていることがある。
たとえば私の服を作ってくれているスケルトンや、ご飯を作ってくれているスケルトンは、もともと服作りが得意だったり、料理が得意だったりする可能性が高いらしい。
スケルトンには人間だった時の記憶なんて残ってないから、あくまでも可能性の話としか言えないのだけれど。
「では、おびき寄せるぞ?」
「う、うん」
正直ちょっとビビってたりする。
ダンジョンでは今のところ、一匹ずつ出てくることが多く、多くても二匹までしか同時には出てこない。
けれどここでおびき寄せると、大量に出てくるというから、ちょっと怖い。
鼠は可愛いけれど、部屋一面にうじゃうじゃいたら気持ち悪いみたいな?
いや別に、スケルトンは可愛くないのだけれど。
クリスの杖が光る。
怨念のスキルを使ったらしい。
文字どおり怨念を操るスキルで、アンデッドにとってはかなり便利なものだという。
使い方その一が、こうしてアンデッドを呼び寄せることが出来るというものだ。
クリスの怨念のスキルはLVが44とかなり高い。
なので……。
ぼこ、ぼこ、ぼこ。
墓地の地面から、骸骨たちがうじゃうじゃと這い上がってくる。
ひぃいぃいいいい!
久々にビビる。
「主よ」
促されて、私はスケルトンたちに手を向ける。
手を向ける必要があるのかどうかもよく分かっていないのだけれど、久々にスキルを連発した。
「テイム! テイム! テイム!」
ピコーンとスケルトンが光る。
「テイム! テイム! テイム!」
ピコピコーンと複数のスケルトンが光る。
「テイム! テイム! テイム!」
出てきたスケルトンに片っ端からテイムを掛けて行くと、瞬く間に私の配下が増えて行った。
五十匹を超えた段階でクリスがスキルを停止すると、スケルトンの出現は止まった。
疲れた。
骸骨に向かって『テイム』って言っただけだけど疲れた。
精神的に疲れた。
テイムした五十体のスケルトンも従えて、城に帰っていく。
私の後に続いてカタカタ音を鳴らしながらついて来る骸骨たち。
振り返ると、護衛も含めて六十体ものスケルトン軍団がいる。
ひいいいぃいぃい!
スケルトンの軍勢を率いるのはカッコいいけれど、それを率いる私は、スケルトンの軍勢が怖かった。
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