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1章

ダンジョン探索隊

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 ダンジョン探索隊を組織した。

 組織といっても私が育成ゲームの感覚でスケルトンを五体選んだだけなんだけど。

 スケルトンたちのステータスを見て、探索隊に相応しいのを選んで行った。

 一般的なスケルトンのステータスは、私が最初にテイムしたやつくらいで、それをベースに、能力値が高いのを優先して選んだ。

 ちなみにベースとなるスケルトンのステータスはこんな感じだ。



『名無し
 スケルトンLV3

 HP:55/55
 MP:0/0

 STR:66
 VIT:21
 MAG:9
 RES:11
 AGI:15
 DEX:15

 スキル:なし』



 で、五十体の中から選抜したスケルトンの一体がこんな感じ。



『名無し
 スケルトンLV3

 HP:61/61
 MP:0/0

 STR:75
 VIT:20
 MAG:10
 RES:11
 AGI:19
 DEX:17

 スキル:なし』



 まあそんなに変わらない。
 大きく違うのはSTRだろうか。

 スケルトンというのは基本的にSTRが高くて他は低い。
 足が遅くて叩けば壊れる。
 要は序盤の雑魚ってことなんだろう。

 だからこれを育てるより、他のモンスターをテイムして育成した方が強いモンスターが出来るのかもしれないが、私はスケルトンを育てることにした。

 理由は二つある。

 雑魚モンスターを育てるのも面白そうってのが一つ。
 ゲームとかでも、雑魚モンスターをLVマックスにして無双するのが好きだった。

 それともうひとつ。
 うん、テイム出来るモンスターが、スケルトン以外にはゾンビぐらいしかいないんだよね。

 この辺は死の瘴気に満ちていて、かなり遠くまで行かないとアンデッド以外のモンスターは出てこないという。
 戦場跡と墓地に沸いたアンデッドが、アンデッド以外のモンスターが生まれるのを阻害しているらしい。

 瘴気と一言で言ってもいろんなパターンがあるようだ。
 まあ、ゲーム的に考えればアンデッドのマップってことだろう。

 しばらくはここで安穏と暮らしながら、LVを上げて安全を確保することにしたので、遠出をしてまで他のモンスターを捕まえる気にはならなかった。

 ってなわけでスケルトンを育てる。ゾンビは臭いからやだ。

 そういえば、異世界で何をやりたかったのか思い出した。
 もふもふを仲間にするためにテイムのスキルを選んだんだっけ。

 すっかり忘れてた。

 けどまあ、もふもふのために危険を冒すかって言ったらやりたくないわけで、それも余裕が出来てからってことにしておこう。

 スケルトンのステータスは、基本的にはこんな感じではあるのだが、五十体の中に二匹ほど変わったのがいた。

 一匹はMAGが異様に高い固体だ。

 STRは49と、他の個体よりも弱いのだけれど、MAGが45もあった。
 これはきっと魔法を覚えるな、と推測した私は、これを育てることにした。

 もう一体も同じようなものだけれど、こちらはRESが43あった。
 こっちは回復魔法を使えるようになるんじゃないかと思ってる。

 さて、それじゃあ私を含めた六人パーティ+監督役のクリスで、ダンジョンに潜ってみよう。


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