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第二章~魔王討伐計画始動~
第54話~集う仲間達~
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徳さん達も到着してすぐで狩野の横に座ってる静香がジャック祭りの対応を一人でしてたよ
”失礼いたします”
この後は七海と美香も呼ばれるから信さんの横に座るよ
静香は心得ており波々とジャックを注いだロックグラスを私に渡す
「よし!とりあえずは乾杯じゃ!」
「「乾杯」」
ボウモアもいいけど気楽に飲むならジャックだね
梶原以外全員グラスを一息で空にする
梶原はもう少しウーロン茶だね
って静香!大丈夫なのか!?
静香と手分けして空いたグラスにジャックを注ぐ
「それが異世界の冒険者服かセクシーだな」
信さんに褒められたでいいのかな?
”ルシファーが私のイメージに合わせて作ってくれたんだ”
「なんとも妖艶じゃの」
そうなのか露出が多い女性装備の冒険者も多いのでメネシスでは意識したことなかったね
”妖艶の妖は別の意味で会ってる気が”
滑らず全員笑ってくれてよかったよ
「メネシスの生活は順調かい?」
信さんが心配してくれて嬉しいよ
”順調だけど色々と殺伐としたことも多いけどね”
「まあ物語を読むと冒険者は盗賊とか人と対することも多そうだしな」
”うん・・・正直に言うとこの短い間に何百人も斬ったよ斬られる理由のある罪人だけど”
「メネシスとガイアを救う為の覚悟を知ってるから俺達は彩美の手が白いか赤いかは気にしないから」
”ありがとう”
あっ静香の前で普通にメネシスの話をしてるけどチーママが決まった後にマキと美香に話をしてもらい私の異世界転移を知ってるよ
七海と相談して静香をチーママにするって決めた時に静香に伝えるのも決めたんだ
静香なら秘密は絶対に守れる子だし隠したまま何かボロ出した時に信頼関係が傷付くのも嫌だったしね
「皆様は御存知だったんですね」
ついさっき色々と知った狩野
「私も帰って来た彩美ちゃんに会うまで半信半疑で疑って本当に申し訳ないです」
安心して普通はそうだよ静香
「失礼します」
「失礼しまーす」
七海と美香も来たね
七海は徳さん横で美香は梶原横の定番位置だよ
静香がグラスを準備して二人に渡す
「全員揃ったので改めて乾杯じゃ!」
「「乾杯」」
って二杯目も一息でとか静香!!
私の驚く視線に気が付いた静香
「無理に御客様がドリンクを入れなくていいように隠していたのですが東北の酒蔵が生家で地元では箍も無いって言われてました」
”そういうことだったのね”
静香の客はサラリーマンが多いから気を使っていたんだね
「さてシャンパンとフルーツだ!」
毎度の信さんだよ
七海が黒服を呼ぶと
「ヴーヴ二本と一番でかい一番でかいフルーツ盛りで」
「かしこまりました八番さんヴーヴ・クリコとビッグフルーツ頂きました」
人数が多いので二本とか細かい気配りだよ信さん
これでフルーツが来るまではテーブルのキャストはロックされるから少しゆっくり話せる
「ママの服は彩美の服と色違いなんだな金髪と似合う彩だな」
信さんは本当に上手いよ女性の服とか必ず褒めるんだよ
「ルシファーが私の属性に合わせて配色を考えてくれたんですよ」
「ルシファー様か一度お会いしてみたいな」
信さんてドーンって構えてるイメージだけど好奇心が強いんだよ
”今度連れて来ちゃおうかな”
好奇心の強いルシファーだから喜んで来そうだけど・・・
「喜んで来そうだけど色々と起こしそうで怖い気もするな」
七海もそう思うよね
「狩野君が医学的な視線で彩美の変化に気が付いたのは驚きじゃな」
徳さんの驚きには激しく同意だよ
「男性と女性では骨盤の形状が大きく違うので立ち姿を見た時に違和感が大きかったので」
”えっ立ち姿でNHと純女の見分けができるんですか”
「わかり難い人もいますが彩美さんの場合は男だった時に御姿を拝見してますから瞬時にわかりました」
「私なんてアソコを見せてもらうまで信じれない部分があったくらいなのに凄い」
”って静香ぁ!さらっとその・・・”
恥ずい顔が赤くなるよ
黒服がヴーヴを持って来て抜栓しグラスに注ぐ
梶原以外にグラスが行き届くと
「信さん頂きます」
七海が音頭を取り乾杯
うーん!美味しい
さてこれで話が変わるかな
「って彩美ちゃん何をやったの」
話続くしワクワクの美香だし
「私が信じ切れて無いのを感じた彩美ちゃんが初日の朝礼前にトイレで見せてくれたよ」
そうだった静香も天然系なんだよ
「タイミング的に一発でわかったでしょ」
美香!話を伸ばさないでえ
「アレを交換するのを見せて貰ったら私を信じて話してくれたのに疑っていた自分が本当に情けなく感じちゃった」
”まあ普通は簡単に信じられる話じゃないから気にしないよ”
「そうそう儂なんか彩美が何らかの理由で出奔して耐えられない七海が心を壊したのでないかと精神科に連れて行きそうになったくらいじゃしな」
「でアレって何?」
梶原あ!疑問はわかるが!聞かないで!
「アレは女子以外には秘密です!」
よかった静香がうまく話を終わらせてくれたよ
「今回は美香も一緒に行くのか」
少し寂しそうな信さんだね
「うん冬休みの間だけね」
「来月の会の後は戻って来てるかな」
「それは大丈夫だよ」
”ってぇ私の予定は聞かないのぉ!”
「まあ彩美はメネシスを任すよ」
”信さん!”
お互いわかってやってる
何ヶ月でも何年でも私の帰りを待ってくれる信頼感があるから出来る遊び
フルーツ盛りが届き黒服が取り分け渡してくれる
談笑しながらフルーツを食べ終えたタイミングで
「彩美ちゃん九番テーブルお願いします」
挨拶をし移動をする
その後はいくつかのテーブルを周り時間が過ぎて行く
気が付くと照明が暗転してクラシックが流れ出す
多くの御客様がいらしてくれて息次ぐ間もなかったけど本当に楽しい一日だったよ
お見送りをして店内片付けが済むと冒険者服から着替える
皆んなも帰り支度が出来たので封筒タイムだね
本日もありがたくピンク封筒だよ
さてアフターを一緒に行くメンバーが残ったね
今日は静香も一緒だよ
タクシー二台に別れて乗り信さんから連絡のあったお店へ移動だよ
毎度だけど信さんが準備してくれたお店は看板を出さない会員制の店なので住所で運転手に場所を伝える
赤坂の裏通りにある雑居ビルの前で信さんの車を見つける
タクシーを降りるとビルの入口で和服の仲居さんが待っている
「お待ちしておりました」
案内されエレベータで五階へ
エレベータを降りると数メートル四方のエレベータホールに和風の引き戸があるだけ
看板も暖簾も無くて何のお店かわからないね
仲居さんが引き戸を開け中へ
外からは想像がつかない和風な板張りの廊下を案内される
「こちらです」
案内された部屋は畳だったので七海と私はブーツで脱ぐのに時間がかかるので最後に入る
部屋は十二畳くらいで真ん中に向かい合わせで座るテーブルが横に並ぶ
私・信さん・七海・徳さん・マキ
<テーブル>
静香・狩野・美香・梶原
こんな配置で座ったよ
テーブルにある薬味入れを見て何のお店かわかったので飲み物は久保田の冷だね
各々好きな飲み物を頼むけどウーロン茶の梶原以外は全員が日本酒
七海と美香は私と同じ久保田で徳さんと信さんは獺祭だね
「久々に久保田いいですね」
と静香も久保田だね
”今日は何も気にせずにお酒を楽しもうね静香”
「はい!」
「静香さんがジャック祭りに参加とかも今日は驚くことばかりですよ」
静香は狩野のお気に入りだったね
「今まで隠しててごめんなさい」
「これからは私の前では気にせず飲んでくださいね」
「ありがとうございます」
飲み物が届いたので
乾杯をして料理を待つ
「彩美さん明日なのですがメネシスに帰る前に一~二時間ほど病院に寄れませんか」
”帰る時間は決めてないので大丈夫ですが”
「気にされてました何処まで女性化してるかの染色体とDNA検査が出来ればと思いまして」
”それは是非お願いします”
「結果が出るのに二週間くらいかかりますので結果は次回お戻りになる時になりますが」
”急ぎませんのでお願いします”
これはうれしいよ
何か不自由している訳では無いけど女体化の仕組みが謎なので自分を納得させる為に知りたかったんだ
料理が届き始めたよ
「先付けの三種盛りです左から煮鮑・ワカサギの甘露煮・胡麻豆腐です」
どれも日本酒と良く合うよね
今日の料理はきちんとしたお店なら来店と同時に調理を初めてもメインの料理が完成するのは一時間位必要だからね
先付けとか細かい料理がしばらく続くよ
「しかし死鬼が新宿に居るとは驚きで魑魅魍魎の世界じゃな」
”ゴメンね徳さん私が・・・”
唇に感触を感じる
あっ信さんが右手の人差し指を立ててシーの感じで私の唇が言葉を紡ぐのを止めてる
「誰が自分の書いた物語が現実になると思う」
指が唇から離れる
「そして命を賭けて自分の物語に責任を果たそうとしてる姿に俺達は感動を覚えている」
「そうじゃ誰も彩美に自責なんか求めてない」
信さん・・・徳さん・・・
「死鬼に関しては俺達で対抗できる方法を考えてるからさ」
梶原・・・
”でも死鬼は人の力では”
「彩美ちゃんの物語にヒントはあったよ」
”えっ”
「夜は人間相手に無敵でも昼は死体で陽に当たれば灰になるってね」
「梶原君の提案で夜回りでなく昼回り隊を準備しとるところじゃ」
「メンバーの厳選で苦労してるけどね」
「昼の死体状態ならダブネスも他の死鬼にも情報共有されて狙われる危険がない部隊になるわけじゃ」
まったく凄いな言葉が出ないよ
「資金は信さんが飲みを週一回我慢するんで捻出だよ」
って美香も噛んでたのか・・・と信さん・・・ありがとう
「コラ!美香!ばらすな!恥ずかしいだろ!」
「ごっめ~ん信さん!私は彩美ちゃんに隠し事出来ないよ」
美香と信さんの関係もいい感じになってるね
手の平の多重空間から一枚のカードを取り出し梶原に手渡す
”私が持ってるよりね”
「マジでこのカードが存在してたとは」
物語を熟知してる狩野以外の皆が瞬時に理解をしてくれた
手渡したのは深紅のCODE REDと刻印されたカード
”躊躇なく使って”
「わかってる・・・このカードを手にしたからには」
”武の道はいいね”
「彩美ちゃんが俺の一番弟子で光栄だよ」
肝焼きからゼリー寄せと酒を最大消費させる定番コース
マジで肝焼きのほろ苦さは久保田との相性が最高だよ
会話はメネシスの話から少し離れ最近出来た女装スナックの話で盛り上がってる
少し皆んなの話は上の空で思いに浸る
無敵チートだろうと人一人が出来る限界はある
仲間の意味
ただ一緒に笑ったり泣いたりだけで無く同じ道をすすみ新たな道を切り開いてくれる
皆んなと出会い一緒の道を進めて本当に本当に私は幸せだよ
白焼きが出て来たよ
ただの重箱でなく熱湯が張られた上に金属製のカバーがされ白焼きが乗っている
冷めやすい白焼きを最後まで熱々で食べられる工夫だね
私は醤油は付けずに山葵を少し乗せて食べるのが好きだよ
「初めて食べたけど美味しいよ!」
素直に美味しい物を美味しいって言える美香が素晴らしいよ
「白焼きと言って鰻を捌いて焼くだけの誤魔化しが効かない鰻と職人の腕が試される食べ方だ」
信さんが美香に説明をしてあげてるよ何か微笑ましいね
私も一口
蒲焼と違い蒸されていないのに驚くほどふっくらしていて焼きで脂の落とし具合も絶妙で脂濃く無いけど味はきちんと残ってる
口に残る脂を山葵が心地よく中和して次の一口を誘う
合間に飲む日本酒も最高だね
「彩美さんの物語を読み終えるまでは細かい事はわかりませんが死鬼の件でお手伝い出来る事があれば何なりとお申し付けください」
鹿野も協力を申し出てくれたよ
「引き返せない道だが覚悟はいいのじゃな鹿野君」
「この場に御参加させている段階で覚悟はしております」
「私も出来る事があれば手伝わさせてください」
静香の目は何か決意を秘めてる
”嬉しいけど命を賭けることになるんだよ”
「隆さんはいつもヘラヘラしてお調子者を演じていましたが本当は芯のある人で私が落ち込んでる時とか悩んでる時に相談にのってくれたり励ましてくれた兄のような大切な人だったの」
「隆は難病の奥様が居て高額な医療費を稼ぐために水の世界に入ったから」
少し悲しそうな七海の声だよ
私はトー横でキャッチして来たヘラヘラな姿しか知らなかったけど本当の姿はなんだね
「やっとホストクラブで成績出せて高額な根本治療を始められると話を聞いたばかりだったのに」
”ありがとう静香”
「では隆さんの奥様は当院で引き受けて治療をいたします」
「ありがとう鹿野さん・・・でもどうして?」
「私の大切な静香さんの大切な方が残した無念を晴らすお手伝いが少しでも出来れば」
「本当にありがとう・・・・」
涙声の静香だよ
仲居が来て
「お重をお持ちしました」
とお重と肝吸いに香の物を並べて行く
七海と美香のお重は厚さが1.5倍あるよ
間違いなくご飯の中にも蒲焼が入ってる二層の超大盛だね
うん!タレは甘さ控えめで鰻の味が前面に立ち素材の良さを際立たせてる
白焼きと違い蒸しを施された関東風で身はホクホクで脂もスッキリで最高
私は蒸しをしない関西風だと脂に胃が負ける時あるので関東風が好きだよ
「ひつまぶし」だけは関西風の方が合うけどね
味変で部屋に入った時に何の店かわかったヒョウタン型の容器から山椒を振り掛ける
爽やかな緑の香りとピリッとした痺れが甘さ控えめなタレでも少し重くなっていた口内をリセットして再び鰻の美味さが引き立つね
肝吸いは肝のプリっとした歯応えとほろ苦いのがいいよね
「ふ~満腹じゃ」
徳さんが腹をポンポン叩いてるよ
デザートは旬の苺を使ったシャーベットだね
砂糖を使ってない苺だけの甘みで少し脂に疲れた舌をスッキリさせてくれるよ
〆の緑茶が出てくると
信さんから
「次はいつ帰ってくるのかな彩美」
”バレンタインには戻って来たいな”
「約二月か寂しいが帰りを楽しみに待ってるよ」
「わあバレンタインイベントが賑やかになりますね」
静香が喜んでくれてるよ
「マキ手数を掛けるけど準備をお願いね」
「はいお任せを」
店を出ると久富町で家が近いマキと静香は同じタクシーで帰る
梶原は信さんが準備してくれたタクシーで帰路へ
信さんの車には徳さんと狩野が乗り次の店だね
七海と美香と一緒にタクシーでマンションに戻る
美香とはエレベーターで別れたよ
リビングに入ると七海が唇を重ねて来る
しばらくお互いを貪り合う時間が過ぎていく
脳が白く染まり砕ける腰を七海が支えて続く刻
満足した七海が余韻残る私をソファーに座らせ風呂の準備をしてジャックが注がれたグラスを持ってきた
渡されたグラスを一口飲み意識を完全に戻す
「何か色々な日だったね」
”狩野先生に外見からでバレるなんて予想してなかったよ”
「複製品じゃないよ」
”えっ”
「心は夫婦で体は双子になったんだから」
伝えたいことがわかったよ七海
”あの刻・・・七海は私を女にする事でなく一つになりたかった・・・想い・・・”
唇が重ねられ力強く抱き締められる
・・・もう絶対に・・・離れないよ・・・言葉はなくても感じるよ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
感想を一言でも頂けるとうれしく執筆に熱が入ります
掲載サイトによっては匿名で感想を書けないのでマシュマロを用意しました
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