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~序章~

第4話~七海の想い~

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あっ柄でないキャラでルシファーに命じ終えたら緊張感が切れたのか意識が・・・
目が再び覚めると窓の外が明るくなり始めた
いや夜明けなの夕方なの見分けがつかない
まだ時計とかないんだよね時代設定で
意識ははっきりしてるけど体は鉛が全身に注入されてる感覚でダルイを通り越して動かない

「御目が覚めましたか彩美さま」
緑のストレート中分ワンレン肩長髪で少し麻黒い肌だけど気品ある顔立ちにメイド服
”ナタリーか”
「はい私の事も分かって頂けるのですね」
”それは「ナタの国」継承者の貴方は重要なストーリーのキーワードキャラだし”
「その割にはかなり痛い初出番設定でしたが・・・盗賊に誘拐され数十人に強姦された亡国の元王妃とか・・・」
そうナタリーは王妃だったんだけど平和主義すぎる国王が軍費に使う金を極端に減らして街の発展とかしてたらメネシスでも有数の盗賊団に目をつけられて削られた予算で守衛の人数が足りずに国は略奪でボロボロになり国王は殺され
王妃のナタリーと娘のナターシャは盗賊団に連れ去られるとか

ううう後日の活躍をインパクトにする狙いで悲劇出演スタート演出でとかやり過ぎたかな
”すまぬ詳しくは後日に設定理由を話すが・・・”
「いいのですよ結果はナターシャと二人で幸福コースへ導いてくれたのですから」
”そうかキャラ設定する時はもう少しされる側の気持ちを考えないとだな”
「その普通は考えた物語がこうなるってないので想定外でいいと思います」
”あっ結構現実な声”

「黒泉館に隠し部屋を準備してるのでもう少しお時間くださいとのルシファー様からです」
あっそれ一番いい方法かも
”狭霧もいるのかな・・・”
「黒泉館の館長ですよ!」
”そうかなら問題ないく私の今考えてる流れだけはどうにかなるかな”
黒泉館は闇の国にある現代でいうスーパー銭湯みたいな施設
ただ天然温泉で国外からの賓客をもてなす場所も兼ねてるから色々と隠し仕掛けとかがいっぱいある要塞なんだよね

「そろそろお腹が空きませんか?」
”ってやっぱナタリーも私の考えがわかるのか!?”
「そうではないです」
”じゃぁなんで”
「ルシファー様がそろそろ空腹ではないかと言ってましたので」
ああねぇそのままだよ私の考えてたナタリーのまま
ぐ~
体がどうでもお腹は減るのね
「スープのご用意がありますが」
”手数をかけるが頼む”
「はい!」
ナタリーがスープの準備に一回退出する
・・・って私はどれくらい寝てて栄養はどうやって補給してたのかとか現実的な話も考えてたりしてたら
「本日のスープはカボチャです」
甘く甘美な匂いが・・・
我慢できないナタリーの手からスプーンを奪い取り推し車上のカップも同時に奪いとって飲み始める
”まじ生き返る!”
「それはよかったです”ナの国”から届いたばっかしのカボチャですよ」
”「ナの国」からかぁソレは美味いの間違いない!”
「ナの国」はメネシスでも有数の農業国家で農業に関して常に研究してて現世で言う鎌倉野菜みたいな栽培の難しい野菜でも安定して供給してくれる素晴らしい国

私は今ぁ凄く狭いけど至福の一時
”で私はメネシスに出現してどれくらい意識を失っていた?”
「ぴったり百日です」
”百日間!!栄養補給とか排泄とかどうしてたの!?”
なんか変な現実的な質問をしてしまったよ
「不要でした」
えっ
「ルシファー様の話では覚醒者は餓死しないって話のままで」
えっ覚醒!?
「食べなければ出ないので体だけ清潔にと毎日拭かせて頂いてましたが」
ナタリーに毎日裸見られたってこと・・・なんか恥ずかしいよ

あっ血糖値が急に上がってきたらかな眠気に負けそう
「もうしばらく体調が完全になるまではゆっくりまどろみを過ごしてください彩美さま」
落としそうになるカップを受け取るナタリーだけ見届けて意識を保つのは限界だった

・・・よろこんで
今・・・私は・・・人生最大な告白イベントをやったんだよねぇ
えっとなんか顔に感じる七海の胸感触以外に現実味が分からない
でもぉこのまどろみは最高に気持ちいい
「彩美・・・語ってもいいか・・・彩美としては今は聞きたくもないかも聞く必要もないかも知れないが」
”七海が語りたいなら私に必要なことだよ私の・・・最高の嫁様が望むなら・・・”
「明日は寝不足でも頑張って登校するんだぞレベルで長いかもなだぞ」
”若さを舐めるなぁ!一晩の完徹なんて”
「そうだな」
なんか七海が重いよぉでもここまで重さ出してくれるって信頼なのかな
七海の胸から顔を離し横に座り直す

「私は双子で妹がいたの一卵性で七つの海を又にかける七海と・・・彩りある海で彩海(あやみ)」
”一卵性双生児の妹・・・”
「よく覚えてないけど父は海が好きだったみたいでね」
”よく覚えていない?”
「私達が生まれてすぐの夏に父が死んで母子家庭になったの」
・・・・・
「サーフィンが好きで腕も大会に出るくらいよかったみたい」
・・・・・
「で台風の日に”デカい波がくる!”って海に行ってさ」
・・・・・
「そのまま行方不明から数日後に土左衛門で発見されたってね」
駄目だ何も言葉が出てこない
「父の死後に結構な額の借金が発覚とかサーフィン大会出てたと言ってもアマチュアでほとんど自分の持ち出しだったみたいで国際大会とかも年に何回か行ってたみたいで」
えっもしかして「他人とは思えなかったの」とか「私も似たような環境だったの」ってこれだったのか
「知ってるサーフィンとかで大会出る選手は普通の生命保険入れないんだよ危険なスポーツをいつもしてて何時死ぬかわからないって」
”じゃあ借金は・・・”
「当然いっぱい残ったよ母は保証人になってたから相続放棄とかで逃げれなかったしね」
横に座ってる七海の手を握るくらしか今の私には出来ない
「温かい・・・じゃあ自己破産ってなるんだけど裁判所が調べたら借金の半分ぐらいは父が借金返済に一発当てようとFXに使って溶かしていたことが分かって自己破産も認められず」
”えっ自己破産って出来ないことあるの”
「ギャンブルとか投資で出来た借金は認められない場合がほとんどなんだよ」
”そんな知らなかった”
「出産後すぐで専業主婦だった母は生活保護と役所にいったんだけど」
”けど・・・”
「今は理由を鑑みて柔軟な対応も多いけどあの頃は完全な役所仕事でね」
・・・・・・
「父との結婚に反対で縁を切られた実家がそれなりに裕福だったので実家に面倒見てもらえで終わり」
・・・・・・
「実家にも連絡したみたいだけど反対押し切って勝手に結婚して馬鹿の子生んで借金作って今更何を期待してるってで二度と連絡するなで終わり」
”実の親でもこれなら親戚とかああなるんだね・・・”
「まだ母が残ってただけ彩美よりよかったのかもだけど・・・この時点では・・・」
”えっ”
「母の実家は裕福だったからさ大学卒業後もやりたいこと自由で興味あるアルバイトを点々としてたみたいで資格も手に職もなく職歴もバイトだけで求人応募してもほとんど書類選考落ちでね」
・・・・・
「スーパーのバイトですら乳子を二人もかかえてシフトちゃんと入れるの熱とか出たで突然休むんじゃないのって雇ってもらえなかったみたい」
・・・・・
「日々の生活でわずかに残っていたお金もほとんど無くなり借金の取り立ては厳しくなり母の選んだ道は託児所使えるキャバクラだったよ」
”歌舞伎町とか二丁目で託児所をよく見る理由ってもしかして”
「そう理由は各々としてシングルで幼子抱えて生活出来なくて水商売にって多いからね」
・・・・・
「私さ若い頃の母にそっくりなんだよ」
”お母様も超絶美人だったんだ”
「まあ自分で言うのもだけど水の世界では大きな武器だったみたいで母は歌舞伎町でも有数のキャバ汝にすぐなってさ」
”じゃ借金もすぐに”
「ええ借金は私が小学生になる頃には返し終えて家も隙間風アパートからオートロックあるようなマンションになってたね」
”よかったぁ”
「めでたしめでたし・・・とはならなかった・・・その頃から母が家に帰ってこなくなった・・・最初は週1泊とかだったけど気が付いたら小4の頃には週に1泊帰ってくれば良い方だったかな」
”な・なんで・・・”
「ホストにハマって推しホストと付き合ってホストの家に入り浸りでね子供がいちゃ色々できないでしょ」
”色々・・・”
「家賃とか光熱費は払ってくれてたし帰って来た時はそれなりの金額を置いていってくれるのでご飯食べたりは困らなかったので世の中こんなものなのかって思ってたよ」
”ネグレスト・・・”
「難しい言葉知ってるね彩海の手を引いて近所の焼鳥屋とか毎晩行ってたなぁ」
握っていた手に力が入る
「それはそれで幸せだったよ母は家に帰って来ても酒飲んで私達にお前達がいなければってブツブツ言い続けるだけだったしね」
もう何を言えばいいかわからない
いつも笑顔で御客様の笑顔の為ならって何でも元気に頑張る七海にそんな・・・
「でもね母が年に一度だけ普通の母に戻ってくれる日があったの誕生日だけ・・・」
握ってる七海の手が震え出してる
「小六の誕生日の日・・・学校から帰ってしばらくすると素面の母が帰ってきたの毎年と同じでプレゼントとケーキを持ってきて簡単だけど誕生日会だって彩海とこの日だけは普通の母とでケーキを食べ始めたら・・・」
手が限界まで震えてる私の手に力がさらに入る
「付き合ってるホストの男が乗り込んできたの」
手になんか落ちて来た
七海・・・泣いてる
握ってた手を離し七海の頭を胸に抱きしめる
「ひっく」
”無理しなくていいよ”
「ありがとう」
胸から離れて七海が話を再開する
「男はかなり酔ってたよテーブルのケーキとプレゼントを見ると”なに俺を放ってやってんだ”ってテーブルをひっくり返した」
七海の顔色が青くなっていく
「”やめてぇ”って母が飛びついたらキックされて壁まで吹き飛んで気絶しちゃった”ママ大丈夫”って泣き叫びながら彩海と母に飛びついたら・・・」
・・・・・
「男は私達も母と一緒に殴る蹴るを全力でいつまでも続けたの」
もういいよ七海・・・ソファーがガタガタいうレベルで震えてる
”もう・・・もう・・・”
「気が付いたら病院のベッドだった全身ズキズキ痛いし特にお腹は息をするだけで気絶しそうに痛い何ヶ所も点滴とか色々なチューブが体につけられていた」
・・・・・
「いつまでも続く叫び声と打撃音に近所の人が警察を呼んでくれたんだよね」
・・・・・
「男はその場で逮捕されて私達は救急車で病院に」
・・・・・
「彩海と母がどうなったか気になり看護婦さんとか先生に聞くんだけど何も答えてくれなかった」
”ど・どうして・・・”
「その後知るけど二人とも死んじゃってたの彩海は内臓破裂と脳挫傷で母は入院するほどでなく病室ですぐに気が付いたらしいんだけど彩海の死を聞いて病院帰りに電車に飛び込んで自死」
ガタガタ震える七海を抱きしめる
こうしてないと七海が消えちゃいそうで・・・
「しばらくして退院出来そうになってきた頃に児童施設のカウンセラーさんが病室に来て退院したら児童施設に入る事と彩海と母の死を聞いた」
あっ七海の震えが止まった
「で私は子宮破裂で摘出しかなく子が産めない体になったとも」
”それで初めての時にゴムないけどって聞いたら大丈夫って返しだったの”
七海の体が揺れ出す
振るえと違う揺れ方
「ふふふふふっふっふっははははは」
いつもの鈴の音のような心地良い笑い声だ
「やっぱ彩美は逸材だねぇこの超絶に暗いシーンで相手が気持を切り替えられる数少ないタイミングを見切って綺麗なボケで明るい空気感にして場を掴むとか最上級だよ」
今度は七海が私を全力でハグしてきた
「苦しくても許さない私が満足するまで全力で抱きしめるよ」
息苦しい・・・かもしれないけど・・・温かくて柔らかい気持ち良さが上回り・・・逝きそうだよ・・・脳が真っ白になる・・・
軽く痙攣する私を今度は優しくハグし直す七海
「ドライも逝けるとか体も逸材だね」
”ドライ・・・”
「まあそれは業界にいればすぐにわかるよ」
いつもの事だけどいきなり七海の唇が私の唇に重なる
息の続く限りお互いを交互に貪る
あっまた頭が真っ白に・・・

鼻孔をくすぐるコーヒーの香りでまどろみにいた思考が現世に帰ってくる
「戻ったぁほいコーヒー」
七海がコーヒーカップを渡してくれる
一口飲むと色々な考えとか気持ちがスーッと落ち着いた気がする
「そろそろ夜明けだしヨッパで学校に行かせる訳にいかないからコーヒーでね」
目の前でほほ笑む七海は・・・いつもの七海だ・・・よかったぁ帰って来てくれた
「母も分かっていたんだなって彩海の死を聞いて自責に耐えられなかったって」
・・・・・
「誕生日限定の母が本当の気持ちで普段は新宿有数のキャバ汝だった重圧から逃げていたって」
”重圧?”
「彩美は逸材って理由の一つは上へ上へって欲求ないから重圧を感じる事はないって店に入ってもらった時に感じたのもあるからね」
”だって私は何もないから”
「そう思いきれるのは悪い事ではないよ紗季を覚えてるか」
”うん”
「理想とか自分を過大評価して夢を見るとの結果だ」
”なんか凄い全てを諦めていたのは感じてた”
「それを乗り越えトップと言われる立場になると細い足場の頂上で下をみれば餓鬼と化したかつては華だった女だった何者かが隙あれば足を掴んで引き釣り降ろそうとしてる」
・・・・・
「そして自分も重ねる歳で劣化していく・・・若い新しい華がどんどん後ろから追い掛けてくる・・・現実から逃げたくなる・・・その時間から母がホストに求めたものだった」
・・・・・
「私も水でここまで成功できたが毎晩・・・あの頃の母と同じ気持ちで・・・押し潰されそうに日に日になってきてたよ」
・・・・・
「そこで出会ったのが彩美だったんだ」
”えっ私!?”
「そして最高のプロポーズを貰ってゴメンね完全に箍が外れちゃったの・・・もう細い頂きの頂上で滑落する恐怖に怯えなくても彩美の最高でいれば何も怖くないって」
七海が私の手からコーヒーカップをサイドテーブルに移すと
ハグとキス
「彩美と一緒ならどんなどん底な環境でもでも幸せに過ごせるって」
”わわわたし・・・俺が絶対に七海をどん底なんて生活にしない絶対守る”
「ふふふふふっふっふっははははは」
”なんか私おかしかった!?”
「超絶に俺が似合わない無理感が限界突破ぁ」
顔が真っ赤になるのが分かる
「ありがとう信じてるよ」
少し照れた顔で私の瞳を見つめる七海
ああなんて可愛いの
「じゃあ時間も少ないから残りの話」
サイドテーブルからコーヒーカップを私の手に戻してくれる
「で施設に入るなんて嫌で体が動くようになったら病院を逃げ出した」
”でも小六で一人暮らしは”
「そう宛てもなく家に帰るのも怖くて母の遺品で受け取った財布に入っていたお金でいつもの焼鳥屋にご飯を食べに行ったんだ」
・・・・・
「そこに居たのはいつもご飯を食べながら遊んでくれてた常連のおじさんだった」
・・・・・
「彩海が一緒に居ないのを不思議に感じたのか優しく何があったか聞いてくれた」
コーヒーを一口飲む七海・・・その少し悲しげな表情すら吸い込まれそうに美しいよ
「全てを聞き終えたおじさんはお店を出て何処かに電話してた多分私に聞かせたくない内容だったって今なら分かるけど」
また七海の手を握る私
「本当に気持ち良いな彩美の手・・・おじさんが戻ると”梅ちゃん今日一晩でいいので七海ちゃん泊めてやってくれないかまだ俺がつれて帰ると色々問題になりそうだし”って」
”梅ちゃん?”
「あっ焼鳥屋の女主人だね中年男性が私を連れて夜の歌舞伎町なんて移動したら職質されて場合によっては二人とも警察署行きで私は強制施設送りって後から聞いた配慮だったの」
”おじさんプロ!?”
「ははプロで間違いなかったよ子供の扱いはね”あいよ”って梅ちゃんはおじさんが帰ったあとはバックルームに座布団で布団を作ってくれて”閉店まで狭いけどここで寝てな”って次に気が付いたら梅ちゃんの背中に背負われて夜の街を歩いてた」
・・・・・
「その日は梅ちゃんの家で寝て次の日は仕込みからお店に一緒に行った」
・・・・・
「仕込み中におじさんがやって来て”七海ちゃん全て何とかしたので安心して今日からは家に帰って学校に通いな”って」
”な何があったの?”
「まあ母はネグレストと言っても正気な部分があったんだね水に居る限り何時何があるか分からないって私と彩海の名義で二人が大学卒業まで困らない位の生活費を含めて貯金をしていてくれたの」
”すごい稼ぎ・・・ってそうだね”
「まあ初日No1で水世界の異常な金銭感覚に気が付いてるか」
”うん戒めなきゃって封筒開けた時に思った”
「その感覚も逸材だから分かっているとは思っていたけどな」
”なんか過大評価されてない”
「開店前だけど特別に御飯食べさせてもらって”手続き終わってないから危険は避けて”っておじさんが明るい時間に家に行こうってで焼鳥屋を出ておじさんに連れられ家に帰ると部屋は綺麗に片付けられ住み込みの家政婦が待っていた」
・・・・・
「”今日から七海さんのお世話をさせて頂きますマキです”っておじさんが言うには二人分の貯金を一人でって考えたら住み込み家政婦雇っても金銭的に大丈夫だし俺が後見人になれば施設は入らなくても問題なく生活を続けられるからって全てを一晩で手配してくれてた」
”マキってもしかして!?”
「そうチーママお願いしてるマキと初めての出会いだったよ」
”二人はそんな縁で長かったんだマキさんが七海を見る目が時々母親みたいだなって感じたのはソレだったのか・・・”
「この短期間でそこまで感じていたとかぁやっぱ逸材!」
”もうやめて恥ずかしくて穴があったら入りたくなるじゃない”
「すまぬすまぬ!学校も今までの学校に戻ると色々と今回の話で大変だと転校の手配してくれてたり復学後は週に何回かはおじさんは奥様と一緒に家へ遊びに来るって理由で見守りにきてくれたり」
”少し違うけど七海と私の出会いみたい”
「そうだな・・・おじさん・・・徳さんから最初に彩美の件で相談があった時は昔の私と同じような環境になってる彩美の話を聞いて徳さんにもらった恩を返す時って受けた話だったな」
”えっおじさんって徳さんだったの!?”
「まだ学園長でなく先生だったけどね」
”さらっと裏背景が凄いんですけど”
「徳さんからもらった彩美の情報を見た瞬間に凍ったよ」
”えっ”
「漢字はちがうけど”あやみ”でXXXX年の3月15日生まれ・・・彩海の命日に同じ名前で生を受けた子・・・彩海の生まれ変わりかと思った」
”あっ歳が一回り違いで小六だと・・・”
「そう最初は私だけ生き残った彩海への贖罪の気持ちで全力を尽くしてこの子は救わなきゃって使命感だった」
”代替品・・・”
「断じて言う今の私にとって彩美は代替品とかじゃない絶対に替えの効かない唯一の大切な人だから」
”ごめん”
「いいの・・・そう思われてもだしね・・・でも最初は代替品として贖罪したいって見てたのは否めないし・・・でも彩美の足取りを捕らえて見守りをたっちゃんに任せて報告を受ける毎に気持ちが変わって行った」
・・・・・
「病気になり寝込んで炊き出しに行けない人がいたら自分が貰って来た御飯を渡して水道の水をはらいっぱいになるまで飲んで癒しても癒えない飢えで眠れない夜を過ごしたり」
・・・・・
「寝場所の取り合いで殺し合いになりそうな場面に出会えば身の危険を省みずに仲裁にはいって双方からボコボコにされても根性の仲裁で落ち着かしたけど殴られた傷の痛みで寝れない夜でも泣き言一つなく一人耐えたり」
・・・・・
「報告を受ける毎に”なんでこの子はここまで出来るの”って感じで惹きこまれていった」
・・・・・
「そして”疲れた死にたい”って報告を貰った時に思ったよ”この子は最初から死ぬ気で街を彷徨ってたけどただ死ぬのでなく残った命のエネルギーを誰かの為に使って役立てて無駄にしたくなかった”ってね」
なんか七海の表情が明るくなってきたよ・・・うれしいなぁ
「もう彩海としてでなく彩美として助けたいって気持ちでいっぱいだった人の笑顔の為に命を燃やすって何か私の目指してる完成形を自然に実践できる凄い人が居たなんて」
”お客様の明日の活力一助へ!って凄く感動したスローガンだった”
「だからたっちゃんにお願いして私の店に来るように心理誘導をお願いしたの無理やりでなく自発的に来てもらえないと完全な救いの仕上げは出来ないって思ったから」
”心理誘導!?”
「たっちゃんって伝説レベルの心理学者だったのよ・・・でも人の心の奥を覗き過ぎて・・・人の闇に触れすぎて・・・全てを捨ててホームレスやってるの」
”そんな凄い人だったの!?”
「あったっちゃんから連絡あったよ缶コーヒー・・・あんなに美味しい缶コーヒーは初めてだったって」
”コンビニで適当に買っただけなんだけどなぁ”
「ふふ今はそれでいいよ」
”何それぇ”
「私の店に彩美が来たって報告をたっちゃんにした時”自分が初めて心理学者でよかったって感じた”って言ってたよ」
”てことは私は知らぬ間にたっちゃんに七海の店へ生の〆に行くように誘導されていたのか”
「で来店して最初は”ああこの子は死に場所探してる私が引き止められる”って不安だったけど少し酔って他の御客様と盛り上がったり接客下手なキャストを逆に盛り立てたり・・・酔い潰して帰らせない予定だったから・・・マキと結託して浴びるように呑ませて記憶ぶっ飛んでるモードってわかったけど・・・それでも笑顔で場を盛り上げて皆が笑顔になるをナチュラルにやってる彩美を見た瞬間に私は堕ちたよ彩美って人に・・・」
・・・・・
「似た境遇から人を憎む事で・・・彩海と母を奪った男への復讐するために憎しみの塊で何人も蹴落として成り上がった私と違い自死を決めてる状態でも笑顔で周りも笑顔に出来る・・・境遇を恨むのでなく・・・受け入れて・・・最後まで人を笑顔にしたいって・・・本来の水商売の根源だし・・・でも人を愛するって言葉に出来ない理由とも気が付いた・・・ただ今は彩美を抱きしめて安心させて・・・ずーっとその笑顔を見続けたくて一緒に刻を重ねて行きたいって」
”私ただ後悔とか悲しい気持ちで旅立つのでなく短くても楽しい人生だったなで旅立ちたかっただけなんだけど”
「だから逸材なんだよ彩美は」
”なにそれ”
「さてそろそろ登校準備しないとの時間になってしまったな話し伝えたいことは多くあるが今日は切りが一旦ついたこの辺りまでにするか」
もう慣れたけどハグからのキスでお互いを貪りあう一瞬
惜しいけど柔らかな唇が離れていく
「さてシャワー浴びてメイクしちゃいな」
”はい”
七海の話が終わり緊張感で張っていた糸が切れたのか寝不足で少しボケボケしだしたけど熱いシャワーと冷たいシャワーを交互に浴びて交感神経を高めたらスッキリってこれが若さだ!
シャワーを出てメイクを終えるころコーヒーの香りが漂ってきた
「ほい即席朝飯でごめんね寝不足胃袋だと重いのはきついと思うから」
そこには野菜スープにカットされたトーストが浮かんでトーストの上には半熟卵が少し大きめのカップに準備されていた
「二日酔いでも食べれる”七海特性巣ごもりスープ”だよ・・・ってコレはマキが二日酔いで胃がダメダメの御飯食べれない時に作ってくれたレシピだけどね」
一口食べると口の中にすごく優しい味がひろがる
”おいしい”
「お口にあって良かった」
シャワーで眠気を飛ばしたら空腹感凄かったので一気食い
って私って本当に賤しいなぁいつも一気だよ
”御馳走さまでしたぁ!”
「さてそろそろ出ないと遅刻するぞ」
その前にハグしてキス
これ狙ってメイクしてもリップだけは塗らずにいたの
「いってらっしゃい私の最高の旦那様あっ居眠り注意だよ!」
”はーい!”
旦那様ってなんか恥ずかしいけどうれしいなぁってリップを塗りながら七海の言葉を満喫して準備完了で出発!

授業中は頑張ったけどさぁ
昼に学食で御飯食べながら寝落ちして美香に理由を軽く話したら
「毎度の惚気ごちそうさまぁ」
って一日でした
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