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第10話 交際戦争 Part6(End)
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今回の勝者は楓という宣言に、一喜一憂する面々。
まずは講評を順番に言っていく。
「まずしずく姉。鮭と野菜というのはかなり組み合わせとしては良いけど、正直言ってコレでは野菜の旨味が出きってない。火が強すぎるんだよね。もっと弱くしてじっくり焼くの。それがこの料理のコツ。莉乃さんは厚揚げに焼き目をつけたのは良いけど、あんかけのとろみが少し足りない。片栗粉が足りてないんじゃないかな?楓は文句のつけようがないけど、強いて言うならソースかけて焼いてたってことは多分味を染み込ませたかったのかな?」
「そう。流石に時間がなかったからジッパーに入れて冷蔵庫ってのは出来なかったけどね?」
「だったら蓋を閉めて一時的に蒸し焼きみたいな状態にしておけば旨味とかが飛んでいかなかったんだよ?でもその他は完璧。だから勝者は楓です」
3人ともこの話に納得してくれたようで、結果に口をだすような人はいなかった。
「さて、料理対決は楓ちゃんの勝利だったわけだが。次は何にするんだ?私は明日で良いんじゃないかと思うんだが」
「そうね、明日からは誰が一番登校中と下校時に楽しませられるか、じゃない?」
「それは賛成なんですが、明日は4人で行きませんか?」
「楓ちゃん、どういうこと?」
「4人で行けば律希も狙われることはないですし、私達も誰かに狙われないでしょうし。たとえ誰かが律希に嫉妬したとしても私達がいればまず逃げると思いますしね?」
「ほう、それはたしかにいい考えだな。じゃあ明日は4人で登校とするか」
「いいわよ、私も」
ということで。
明日は4人で登校することが決定した。
ただ、問題はまだ残っていて。
「今晩はどうすんの?今から送っていこうか?」
すでに時計は20時を回っていた。
みんなで夕飯の準備して、そのあとあんだけ大喧嘩してる。
「ウチ泊まっていけば良いんじゃないの?」
「何いってんの、しずく姉」
「でも2人はそのほうが良いでしょ?」
「そうだな」
「そうですね」
…………。
「なんで?」
「「だってしずく(さん)が抜け駆けするでしょ(だろ)?」」
…………。
しずく姉が微妙に信頼されてないのが分かった。
そして更に驚いたのは、しずく姉がそれに一切反論しないことだ。
ちらっと顔を覗き見ると、その顔は指摘が図星であったことを示していた。
まさかまさかの抜け駆けする気満々だったとは。
これではのんびり寝ることもできず、文字通り24時間気を抜けないな、と覚悟する俺だった。
まずは講評を順番に言っていく。
「まずしずく姉。鮭と野菜というのはかなり組み合わせとしては良いけど、正直言ってコレでは野菜の旨味が出きってない。火が強すぎるんだよね。もっと弱くしてじっくり焼くの。それがこの料理のコツ。莉乃さんは厚揚げに焼き目をつけたのは良いけど、あんかけのとろみが少し足りない。片栗粉が足りてないんじゃないかな?楓は文句のつけようがないけど、強いて言うならソースかけて焼いてたってことは多分味を染み込ませたかったのかな?」
「そう。流石に時間がなかったからジッパーに入れて冷蔵庫ってのは出来なかったけどね?」
「だったら蓋を閉めて一時的に蒸し焼きみたいな状態にしておけば旨味とかが飛んでいかなかったんだよ?でもその他は完璧。だから勝者は楓です」
3人ともこの話に納得してくれたようで、結果に口をだすような人はいなかった。
「さて、料理対決は楓ちゃんの勝利だったわけだが。次は何にするんだ?私は明日で良いんじゃないかと思うんだが」
「そうね、明日からは誰が一番登校中と下校時に楽しませられるか、じゃない?」
「それは賛成なんですが、明日は4人で行きませんか?」
「楓ちゃん、どういうこと?」
「4人で行けば律希も狙われることはないですし、私達も誰かに狙われないでしょうし。たとえ誰かが律希に嫉妬したとしても私達がいればまず逃げると思いますしね?」
「ほう、それはたしかにいい考えだな。じゃあ明日は4人で登校とするか」
「いいわよ、私も」
ということで。
明日は4人で登校することが決定した。
ただ、問題はまだ残っていて。
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…………。
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まさかまさかの抜け駆けする気満々だったとは。
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