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第1章 彼女の浮気と素顔
第26話 復讐という名の地獄落とし 後編 その6
しおりを挟む「証拠がないとでも思ったのか、このアバズレ」
一瞬の迷いもなく吐き捨てた暴言に部屋の空気が冷え込むのがわかる。
「しょ、証拠って何よ」
「君たちがしでかしてくれやがった誹謗中傷の数々だよ。裁判もできるように全部スクショしてある。なんなら今見せてやるよ」
そういって事前におじさんから受け取っていたスクショを印刷したもののほんの一部(ざっと10枚、コメント数約30前後)を机の上に広げる。
そして。
「え~なになに、『うちの元カレがひどすぎる。〇〇っていうアカウントなんだけど、気に食わないとすぐ暴力振るうし、罵詈雑言の嵐。そのくせ自分はうちの妹と浮気三昧。別れてやって正解だったわ』」
「こっちも読むね。『あっちが浮気したのに私を浮気者に仕立て上げ、一緒に追求しようとした友人ごと犯罪者にしやがった。もう許さない』だって」
「はい千春。これらについて何か言うことは?」
「あるわけ無いでしょ。全部ホントのこと言ってるんだから」
「さっきから同じこと言ってるけどさ、あんた自覚ないわけ?まずそもそも人に暴力振るうなんて今日が初めてくらいだし、罵詈雑言の嵐って言うけど、某高◯◯さ子よりは抑えてるしなんなら吹部のときの方がよっぽど浴びせてるし、あんたに浴びせたのはこないだの体育館くらいだけど」
「それが何よ。罵詈雑言の嵐だったじゃない」
「てめぇのその書き方はあたかもしょっちゅうやってるかのように聞こえるって言ってんだよバカ!それから暴力振るったことは一度もないし、浮気したのはそっちだろ。こっちは一度も浮気してないしな。なんなら君たちが何ヶ月も前から浮気してた証拠ならいくらでもあるんだけど」
「あんたたちだって浮気してたじゃない。昨日がその最たる例でしょう」
「あれは演技だけど。そもそもちとせとここ最近喋ってるのって全部お前たちへの制裁を考えてるからだし」
さっきから落ち着きかけたところに新たな燃料を投下してくるせいで気をつけないと怒りで暴走しそうである。
なんなら時折口が悪くなっているが。
「それでもあんた達だって私達と別れた瞬間に付き合い始めたじゃない」
「それはてめぇの話だろうが。誰が異性と付き合うか。お前みたいなやつに騙されてたもんでな、悪いが異性を信じるなんてもう無理だ。もう二度と交際するつもりはないからな」
いよいよ自分たちが何も反論できなくなってきたのか、口を閉ざす千春。
思ったより簡単にボロ出しまくってくれたおかげで想定より楽である。
追い打ちをかけるように畳み掛ける。
「そもそもだいぶ前からお前たちは浮気していたんだろ。それどころか邦彦がちとせと付き合っていたのは表面上だけでホントは千春とくっつくためだった上にいざバレたら嘘を付きまくってごまかして人に罪をなすりつける。そんでもって全く反省しない。そんな奴がよくもまあのうのうと生きていられるよな」
するとそれまで黙ってたちとせが口を開く。
「いくらお姉ちゃんでも許せることと許せないことがあるんだけどさ。今回のは許せないどころの話じゃないんだよね。ぶっちゃけ早くこの場から消えてほしいくらい。私が傷つくならまだ許せるけど、政信にまで傷つけたのは許さないから。一生許すつもりはないし、一生かけてその罪償ってもらうから。海外に逃げようとどこまでも追いかけるからね。覚悟しとけよ、クズ」
スラスラと飛び出た暴言に思わず口を出す。
「ちとせ、仮にも身内じゃないのか?」
「こんな酷いやつうちにはいないよ」
即答である。
結論、ちとせがブチギレるとおっかない。
ともかくこれを持って話し合いは終了した。
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次回からは後日談です。
その後からは2章に入ります。
2章からはただのイチャイチャラブコメです。
2章はちとせちゃんが政信を振り向かせようと頑張ります。
付き合えるかどうかは今後のお楽しみですが。
もしかしたら新ヒロインが出るかも?
キャラ紹介で触れたバカップルも登場です!
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