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第14章

5話~隠しボス戦~

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 デスという人?の弟子の朴(ぱく)に連れられ門?の中へと入ることになった。で、そこにいたのは…
「ようやく来たか、遅すぎるぞ。この人間が!!まあよい、このデスが直々にその腐った根性を叩き直してくれるわっ!!」
と叫びながら札と杖を振り上げる一人の老人。と同時に朴の時のようにアンデット系モンスターがどんどん出てくる。流石に師匠と呼ばれるだけあって、呼び出してくる数が半端じゃない。とりあえず見える範囲で数えてみたが、ゆうに五十は越えていた。しかも現在進行形で数が増えるものだからもう百体以上いるんじゃないだろうか?
「さあ、こやつらを倒してみぃっ!」
クワッという擬音表現が合いそうな位目を見開いてこちらを睨むように見つめてくる老人。いや、デス。そしてデスが杖を降り下ろし…攻撃を開始した。

 デスが攻撃を開始し、今三十分が経とうとしている。状況はゴロウが現在戦闘不能。シノンはミーちゃんを撃破され、本人も満身創痍の状態。メイは大したダメージは負っていないがSPが底を尽きそうな状態。カナはゴロウと同様に戦闘不能。ミユが唯一ほぼ無傷の状態。俺はランスを弾き飛ばされ片手槍で応戦中。といった状況になっている。対してデスのほうはというと、本人は全くの無傷。召喚されたモンスターは流石に三分の一程が消滅。残ったモンスターも半数が瀕死または重症と言ったところ。残りの半数は軽症もしくは無傷のモンスター。こう言っていくとなんだか訳が分からなくなるが、やはり苦戦している、という言葉が合うだろう。
「貴様ら、その程度か!?ならば今ここで消えてもらおう!」
デスがそう叫び更にモンスターを召喚する。くそ、こっちはもういっぱいいっぱいだってのに!仕方ない、華燐にも手伝って貰うか。
「華燐、蘇生と回復頼む!」「イウトオモッタノデナ、既ニ準備ハ完了シテイル!」
お、準備が良いね~とか言ってられないな。つか、言う暇も無い。
 華燐が蘇生と回復を行っている間にモンスターを少しでも減らす。そのためには…相手の真ん中に飛び込む必要があるな。そう感じたので、『百連突』の強化版、『速連突』を使う。これは威力が多少落ちる代わりに突き攻撃の速度が格段に上がるのだ。ちなみにだが、修得にはプレイヤーレベル百六十、『百連突』の熟練度が十以上であることが条件。
 『百連突』の強化版、『速連突』を発動させモンスターどものほぼ真ん中まで突き進む。文字通り蹴散らして。そして、真ん中に到達したらすぐに『光反砕』を使う。そしてそのまま『メテオバーン』の詠唱を開始する。
「主!蘇生ト回復ガオワッタゾ!スグニ戦線ニ復帰デキル!」
よし、回復は終わったな。ならあとすることは一つ。
「よし、ならメイ、ミユは一番威力のある範囲魔法を撃て!ゴロウ、シノンは突撃体勢で待機、魔法攻撃が決まった瞬間に残ってるモンスターを狩れ!カナはゴロウ、シノンに支援魔法をかけろ、攻撃方面のだ!魔法は俺が一発撃った瞬間に同時に撃て!」
この指示に五人から「「「「【了解!】」」」~」と来たので、後は魔法を打ち込むだけだ。そして、そろそろ『光反砕』の反撃が来る。あと三秒位か。三、二、一。
「『メテオバーン』!」
周囲のモンスターが光に包まれた瞬間、『メテオバーン』を放つ。と同時に後方から「『グラビティ』~」「『マジック・デス』!」とスキル名が聞こえたので、『守護の王』で展開出来る盾を展開し、ダメージに備える。なぜダメージに備えるか?と言うと、このゲームはプレイヤーキルは出来ない。そして他のプレイヤーからの攻撃は受けないのだが、それは街中の話。ダンジョン内だとプレイヤーキルが出来ないのは共通だが、ダメージに関しては、プレイヤーの攻撃だろうとダメージを受けてしまうので、こういう時にはダメージに備える必要がある。以前も魔法くらってぶったおれたしな。
  三人の強力な魔法をくらって立っていられたのは…どうやら俺だけのようだった。周囲にいたはずのモンスターは塵も残さず消えていった。
「な、なにぃっ!?わ、わしの孫達がぁ…」
あ、孫だったのか。いや、孫だったのかよ!?てか、なんで「ショボーン(´・ω・)」みたいな顔してんの!?今までの雰囲気台無しなんだけど!?
 そんな心の中の突っ込みなど知らぬと言わんばかりにこの老人は「孫達よ、孫達よぉ…」と言っている。
「なあ、ゴロウ。これどういう状況なんだ?」
「俺に聞くな」
デスヨネー。ま、まあ、とにかく勝ったんだし、何かあるんだろうなぁ。
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