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第12章
4話~ある意味良い経験~
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出口が他の場所にあることが発覚し、マッピングが無駄であることを悟った後。今は階層的には二階層目におり、ようやくゴーレムタイプのモンスター五体に遭遇した。
ゴーレム達は腕を振り回し、こちらを押し潰そうとしてくる。中には腕を振り回すだけではなく、岩を投げようとしてくる個体もいる。ちなみにこの岩、ゴーレムが任意で呼び出せるようで、何個も何個も呼び出している。そしてこの辺に触れられないのがある意味ファンタジー。
ファンタジー云々は置いておいて、岩を投げてきた時の対処法は、硬い物でぶん殴る。ただ、それだけ。第一、狭い通路の中で岩何てものを投げられ続けてたら確実に誰かにヒットする。何故?と思った人は、段々と逃げ道を無くされていくようなものと思えばいい。避けられなければ砕くしか無いのだ。そして、砕けない場合、少々あれだが、岩に潰されて終わる。やけにこのゲームはその辺がリアルで、岩に潰されたーだとか、あまりにも高いところ(地上三十メートル以上)とかから落ちた場合、ほぼ確実にデスペナを貰う。相手のスキルが原因ならば、死亡の代わりに部位崩壊が待っているが。俺も一回、機巧騎士にスキルで空中にカチあげられて部位崩壊の状態異常を貰ったしな。まあ、スキル効果もあったのだが…
そして、今回の戦闘はこちらの敗北。岩は砕けないわ攻撃は通らないわで全員が瀕死に追い込まれた。仕方なく大盾よりも大きいあの盾を使って無理矢理岩を防いで回復させたけど。で、そのあとは岩の間をつたいながらゴーレムから逃走。流石にずっと追ってくることはなく、ある程度距離が開いたら向こうも諦めたようだった。
このダンジョンに挑戦していてわかったことは二つある。一つは、俺達のパーティでは武器が不利である、ということ。もう一つは、ゴーレムのドロップは以前採掘したときに出た鉄や銅よりも品質が悪かったということ。なぜわかったかというと、奇跡的に一体ゴーレムを倒すことに成功し、そのドロップである鉄鉱石がかなり品質の悪いものだったからだ。これでは無理にここにくる必要はない。なので、今は出口を探している真っ最中。出口の場所が分からない以上、手当たり次第に探していくしかないため、かなりの時間がかかっている(今回の探索の内七割はこの出口捜索である)。それでも続けていけばいつかは見つかるもので、ダンジョンに入ってから一時間と三十分後、ようやく出口を発見したのだった。
出口を通り外に出ると、そこはドワーフの王国の中心部だった。その後、宿屋に移動し、今回の探索の反省会。まあ、ほとんどはあのダンジョンとこちらのパーティの相性が良くなかったというのが大きな部分なんだが、それでも出てくる出てくる。「あそこのタイミングで回復が出来なかった」とか「耐えることばかり考えてしまった」とか。これだけ出てくるということは、まだムラがあるってことだな。もう一度、クリメトスの方のダンジョンで連携の確認かな?あと、そろそろ全員の装備を整えなきゃいけないな。となると、俺、ダント、家にいる智志…はパス。あと鍛治屋がいたかな?…あ、三人兄弟のコウ、クウ、ケイの中で誰か取ってたな…。でもわざわざ呼び出すのもなんだし、俺一人で作ってみるか。
「なあ、そろそろ全員の装備を整えたいと思うんだが、どう思う?」
最初に答えたのは、一番力不足を感じていたミユ。
「装備を作るっていうこと?だったら、お願いしたいけど…六人分だよね?大丈夫なの?」
「ん、ああ。いざとなったらダントの手でも借りるよ。あ、ダントってのはドワーフで、俺の鍛治屋の師匠みたいなもんでもあるんだ。防具の基本なんかは一応教えてもらってるから、全員分の装備を作ることは問題ない」
ここまで言うとミユが「そう、ならいいけど…」と言っていた。
「あ、私のはいいですよ~。貰った装備がありますし~」
「いや、そうはいかない、かな?まだ試してないから分からないんだけど、防具同士を融合させることが出来るかもしれない素材を例の一件の報酬で、この国の王様から貰って。それを試してみるのも含まれてるんだ」
例の一件とは戦争のこと。メイとのつきあいもそろそろ二ヶ月くらいになるか?まあ、勘がいいから大体の事は把握するんだけどな。
【私はいい。剣も作ってもらったし】
「いや、防具の方があるだろ?攻撃面、防御面を両方とも向上させたいから、今回全員分の装備を作るって言ってるんだし」
「じゃあ耀一。ついででいいんだが、全員にサブ武器を作ってくれないか?もしこの短剣で戦うときに火力不足を感じたくないからさ」
ゴロウのいうことも最もなので、全員にサブ武器を何にするか聞いてみる。メイがメイス(駄洒落などでは決してない)、ゴロウが短剣、カナが片手杖を二本、ミユが鉄の棒(如意棒的な感じの)とレイピア、シノンがもう一本短剣が欲しいということなので、短剣。それからサブの武器としてレイピア。これで五人に作る武器が決定した。
ゴーレム達は腕を振り回し、こちらを押し潰そうとしてくる。中には腕を振り回すだけではなく、岩を投げようとしてくる個体もいる。ちなみにこの岩、ゴーレムが任意で呼び出せるようで、何個も何個も呼び出している。そしてこの辺に触れられないのがある意味ファンタジー。
ファンタジー云々は置いておいて、岩を投げてきた時の対処法は、硬い物でぶん殴る。ただ、それだけ。第一、狭い通路の中で岩何てものを投げられ続けてたら確実に誰かにヒットする。何故?と思った人は、段々と逃げ道を無くされていくようなものと思えばいい。避けられなければ砕くしか無いのだ。そして、砕けない場合、少々あれだが、岩に潰されて終わる。やけにこのゲームはその辺がリアルで、岩に潰されたーだとか、あまりにも高いところ(地上三十メートル以上)とかから落ちた場合、ほぼ確実にデスペナを貰う。相手のスキルが原因ならば、死亡の代わりに部位崩壊が待っているが。俺も一回、機巧騎士にスキルで空中にカチあげられて部位崩壊の状態異常を貰ったしな。まあ、スキル効果もあったのだが…
そして、今回の戦闘はこちらの敗北。岩は砕けないわ攻撃は通らないわで全員が瀕死に追い込まれた。仕方なく大盾よりも大きいあの盾を使って無理矢理岩を防いで回復させたけど。で、そのあとは岩の間をつたいながらゴーレムから逃走。流石にずっと追ってくることはなく、ある程度距離が開いたら向こうも諦めたようだった。
このダンジョンに挑戦していてわかったことは二つある。一つは、俺達のパーティでは武器が不利である、ということ。もう一つは、ゴーレムのドロップは以前採掘したときに出た鉄や銅よりも品質が悪かったということ。なぜわかったかというと、奇跡的に一体ゴーレムを倒すことに成功し、そのドロップである鉄鉱石がかなり品質の悪いものだったからだ。これでは無理にここにくる必要はない。なので、今は出口を探している真っ最中。出口の場所が分からない以上、手当たり次第に探していくしかないため、かなりの時間がかかっている(今回の探索の内七割はこの出口捜索である)。それでも続けていけばいつかは見つかるもので、ダンジョンに入ってから一時間と三十分後、ようやく出口を発見したのだった。
出口を通り外に出ると、そこはドワーフの王国の中心部だった。その後、宿屋に移動し、今回の探索の反省会。まあ、ほとんどはあのダンジョンとこちらのパーティの相性が良くなかったというのが大きな部分なんだが、それでも出てくる出てくる。「あそこのタイミングで回復が出来なかった」とか「耐えることばかり考えてしまった」とか。これだけ出てくるということは、まだムラがあるってことだな。もう一度、クリメトスの方のダンジョンで連携の確認かな?あと、そろそろ全員の装備を整えなきゃいけないな。となると、俺、ダント、家にいる智志…はパス。あと鍛治屋がいたかな?…あ、三人兄弟のコウ、クウ、ケイの中で誰か取ってたな…。でもわざわざ呼び出すのもなんだし、俺一人で作ってみるか。
「なあ、そろそろ全員の装備を整えたいと思うんだが、どう思う?」
最初に答えたのは、一番力不足を感じていたミユ。
「装備を作るっていうこと?だったら、お願いしたいけど…六人分だよね?大丈夫なの?」
「ん、ああ。いざとなったらダントの手でも借りるよ。あ、ダントってのはドワーフで、俺の鍛治屋の師匠みたいなもんでもあるんだ。防具の基本なんかは一応教えてもらってるから、全員分の装備を作ることは問題ない」
ここまで言うとミユが「そう、ならいいけど…」と言っていた。
「あ、私のはいいですよ~。貰った装備がありますし~」
「いや、そうはいかない、かな?まだ試してないから分からないんだけど、防具同士を融合させることが出来るかもしれない素材を例の一件の報酬で、この国の王様から貰って。それを試してみるのも含まれてるんだ」
例の一件とは戦争のこと。メイとのつきあいもそろそろ二ヶ月くらいになるか?まあ、勘がいいから大体の事は把握するんだけどな。
【私はいい。剣も作ってもらったし】
「いや、防具の方があるだろ?攻撃面、防御面を両方とも向上させたいから、今回全員分の装備を作るって言ってるんだし」
「じゃあ耀一。ついででいいんだが、全員にサブ武器を作ってくれないか?もしこの短剣で戦うときに火力不足を感じたくないからさ」
ゴロウのいうことも最もなので、全員にサブ武器を何にするか聞いてみる。メイがメイス(駄洒落などでは決してない)、ゴロウが短剣、カナが片手杖を二本、ミユが鉄の棒(如意棒的な感じの)とレイピア、シノンがもう一本短剣が欲しいということなので、短剣。それからサブの武器としてレイピア。これで五人に作る武器が決定した。
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