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第12章

2話~やっぱり…~

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 翌日、ログインしたあと、王様の元へ。一応王様のいる場所は門があり、兵士の方々が時間交代で見張りに立っている。
「すみません、以前王様に呼ばれた耀一という者ですが「はい、お通りください!」」
え?ドユコトー?名前言っただけなんだけど?兵士さん、そんなんで良いのか?
 中には入れたので王様の元へ。ちなみに最初の時のように兵士がいるというわけではなく、一人で行ってくれと言われた。なんでも「あなた様を案内するなど、とてもではありませんが荷が重すぎます」とかなんとか。一体どういう伝わり方をしているんだよ…
 長い廊下を歩き続け、ようやく王様の部屋に着いた。中に入ると、王様の他に数人袋を持っている人がいたので、あれが褒美なのかな?とか思いながら王様の前まで行く。
「よく来た。それでは、褒美を授けよう。そこに控えておる者達全員じ「いや、人はいりませんって言いましたよね!?」」
あまりのことに思わず王様の言葉に言葉を重ねてしまった。しまった、と思っていると、王様が続けた。
「じ、冗談じゃ、冗談。ほれ、褒美を授けよう。一人一人から受けとるのじゃぞ?ついでに名前でも聞いておぇぇ…」
「王様ー!?」
しまった、ついやってしまった。いや冗談とはわかっててもあれだけ言われたら流石に手が出るって。しかも今のは明らかに遊びじゃなかったし。
「げふっげふっ…少し遊びが過ぎたのう…ほれ、今度こそ褒美を授けよう。一人一人から受けとるのじゃぞ?ついでに言っておくが、その中に入っているのは鉱石全種類に加え、お主の言っておった物が入っている。この爺のしょうもない遊びにも付き合ってくれた礼じゃ、少しばかり弾ませて貰った。ついでに、そこに控えておる者もお主の同行者になる者じゃ。わしの孫ゆえ、可愛がっておくれ」
で、部屋を隅々まで見てみると、一人のドワーフ。いや、ダント。ちなみにダントがこの王様の孫だと理解できるまで数分かかった。だって、あの王様がだよ?人は見かけによらないとはいうけど、まさかここまでとは…
「耀一。こういうわけで、今度からお前さんの旅に同行することになった。鍛冶に関しては任せな」
ダント、まさかだったよ…半分上の空で「ああ、改めてよろしく」と言ってしまった。
 その後、王様の部屋をあとにし、ようやく冒険が出来るように。先に街を観光していたゴロウら同僚組と合流し、他の人が来るまでぶらぶらしていることにした。
 ドワーフの王国にある施設は以外と少なく、武器防具をまとめて扱っているお店が二軒、宿屋が三軒。鉱石を売買しているお店が三軒。そして料理の素材を取り扱っている店が一軒。それから酒場が五軒あり、クリメトスの半分くらいだった。ちなみにそれ以外の建物は全て民家である。あの王様のいた部屋も民家扱いのようで、あの王様を国民がどう思っているかが分かる。
「うーん、まだ来れないってさ」
今、他のメンバーにチャットで来れそうか聞いてみたんだけど、結果がこれだった。
「どうするの?まだまだ時間あるんだけど?」
カナが全員に対してどうするかを聞いてくる。それに面白半分で答えたのはゴロウ。
「渓谷がなぁ。って嘆きが多いな。橋でも作るか?」
橋、か。レベルでも上げるいい機会だし、やってみるか。
「お、それいいね。じゃあ行ってみる?」
俺がこう言うと、ゴロウがえっ?て顔に。カナ、ミユは賛成らしく、頷いている。
「耀一、この国には木材は無いが、どうするんだ?」
ダントが聞いてきたので答える。
「ああ。今持ってる木材で何とかするさ。最悪人一人通れればいいんだからさ」
木だけで足りないのなら革も使うことにする。足りない部分を補強しながらになるな。

 渓谷。今、ここには足止めを食らっている人が今も群れを成している。下に降りた人たちは川を渡り、絶壁をどうにか登ろうと頑張っている。どうにかこちらに来れる人は、筋肉ムキムキか明らかにクライミングの上手い人のみだ。
「始めようぜ?」
ここについてから、まずしたのは木材の加工。手元の木材の量的になんとか足りそうだという結論が出せたので、吊り橋のようにしていく。
 小一時間、木材を加工しては革を使った紐をくくりつけていく。これで大体半分。もう半分は作業が慣れてきたこともあり、四十分ほどで完成した。

簡易吊り橋
少量の木材と革を使った紐で作られたもの。簡易型のわりには頑丈で、これだけでも数年は使えるだろう。

こんな吊り橋が完成したので、いよいよ取りつけ。反対側にも紐をくくりつけるための丸太が必要なので、華燐に飛んで貰った。
 そして完成した吊り橋。なんでか知らないけど近くにいたドワーフの王国の王様にお金を渡された。「お礼じゃ」と言われて。まぁ、こうしてたくさんの人々が冒険を進められるようになり、大いに感謝された。
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