上 下
46 / 110
第8章

1話~ドラゴンの名前~

しおりを挟む
 指揮官ドラゴンとの戦闘等々も終わりダンジョンを抜けた翌日。ログインしてこちらに声を掛けてきたのは指揮官ドラゴンだった。
「ヨウヤクオキタカ。オマエノナマエヲキイテイナカッタカラナ、ナノレ」
言い方には少々ムッとしたが、大人しく答えることにした。
「耀一だ。そっちは?」
「ワレニナマエナドナイ。タダノバンニンダ」
名無しのごんべさんというわけか。じゃあなんかつけるか。ずっと指揮官ドラゴンとかドラゴンじゃ味気無いしな。
「なら…ドラム…はアウトだからドラで「キャッカダ」」
…何故分かった?くそ、なんか難航しそうだぞ…
「なら…ゴンドラ…「ナメテイルノカ?」」
ぐぬぬ…まあ、ゴンドラは誰だって嫌だよな。じゃあ、とっておき。
「レ「ソレハアウトダロウ?」」
デスヨネー。完全にパクリになるしなぁ。てか、何でそんなこと知ってんだ、こいつは?
「アノスライムノナマエヲミテモオモッタガ、ナントイウヒドイナマエナノダ?アレデハスライムガツラカロウ」
…反論できぬ。なら、今適当に思い付いた名前にしよう。
「なら、ゼタスはどうだ?」
「ウスイノウミソデダシタニシテハイイナダナ。シカシキャッカダ」
もうこっちは頭の中になんにも浮かんで来ないんだが…逆に何なら良いんだ?
「ソレトヒトツ。ワレハオトコデハナイ、オンナダ」
その場を支配したのは正に沈黙。それ以外あり得ないよ、この衝撃発言は。雄ではなく雌って…まあ、聞かなかった此方にも責任はあるのかもしれないけどさ…いや、そもそも我とか言ってる時点で雄だと思うって!
 いや、雌ならまだ名前の考えようはあるか。それじゃ、もう一度考えてみよう。
 メナス…は候補だな。一発目にしては中々良い。日本人風にひとつ…そうだな、華燐(かりん)かな。とりあえず聞いてみよう。
「メナスと華燐、どちらにする?」
「華燐、カ。ナカナカスキダゾ。ヨシ、ワガナハ華燐。ソウキメルコトニシヨウ」
あれ、女性っぽい名前で一発だった。つまり、男性ぽさというか、無理に強そうというか、が駄目だったのかな?まあいい、それは聞かない方がよさそうだ。今聞いたら十中八九デスペナ貰うことになりそうだし。

 それから華燐と戯れる?こと数分。メイ、シノン、ゴロウ、カナ、ミユがログインしてきた。ログインして俺が華燐と戯れたり?してるのを見て驚いていたことも追記しとこう。だって、そのとき関節技かけられたりしてたからさ…そう、ドラゴンに関節技かけられてた。結構痛かった…おかしいな、痛みはあっという間に消えるはずなのに…
 その後、ミユが「職業協会に行きたい」と言うので職業協会を目指す。城下街に入り大通りの終わりまで直進。大通りの終わりを右に曲がり数百メートル。レンガ造り(立派かどうかはべつとして)の建物が職業協会。転職もここで同時に行われる。
 建物内に入り、ミユは一次職の転職場所へ。俺とメイは二次職への転職条件であるプレイヤーレベル百を達成していたので二次職の転職場所へ。残りは建物内をうろつくとのこと。
 十分後、ミユと合流したので他の三人を探す。その間に互いに何の職業に就いたかを伝え合う。ミユは攻撃系の魔法戦士。俺と違って鍛冶屋を取らず錬金術師を取ったそう。鍛冶屋はカナがとってるから~と言っていた。メイは元々魔法特化だったので、ある程度予想がつくとは思う。そう、ソーサラーとホーリーナイトの二つ。研究者にしようかとも迷ったらしいが、バフ、回復をポーションにして一々作るよりも、ってことである程度物理職も混ざっているホーリーナイトにしたんだそう。俺?研究者とソーサラー。物理に関しては守護者があるので生産系と魔法系を取った。まあ、恐らく守護者がメインになるんだろうけどさ。基本のパーティメンバー的に。で、現在ギルド(仮)内では三つほどパーティを組ませてる。クライン達三姉弟とコウら三兄弟でひとつ。グラッセさん達のパーティに戦闘職のプレイヤーで残ってる人を入れてる。三人ほどあまってるけど、そっちは非戦闘員とかこっちの世界の住人とかだから、そういった人たちはソロでプレイ(コロに関しては別件で家にいてもらっている)している。まー、現在戦闘していない人はほぼ確実にギルド機能が実装されても後方支援の形で立ち回って貰うことになるかなぁ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~

結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は 気が付くと真っ白い空間にいた 自称神という男性によると 部下によるミスが原因だった 元の世界に戻れないので 異世界に行って生きる事を決めました! 異世界に行って、自由気ままに、生きていきます ~☆~☆~☆~☆~☆ 誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります! また、感想を頂けると大喜びします 気が向いたら書き込んでやって下さい ~☆~☆~☆~☆~☆ カクヨム・小説家になろうでも公開しています もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~> もし、よろしければ読んであげて下さい

魔法少女のなんでも屋

モブ乙
ファンタジー
魔法が使えるJC の不思議な部活のお話です

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~

やみのよからす
ファンタジー
 病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。  時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。  べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。  月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ? カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。 書き溜めは100話越えてます…

解体の勇者の成り上がり冒険譚

無謀突撃娘
ファンタジー
旧題:異世界から呼ばれた勇者はパーティから追放される とあるところに勇者6人のパーティがいました 剛剣の勇者 静寂の勇者 城砦の勇者 火炎の勇者 御門の勇者 解体の勇者 最後の解体の勇者は訳の分からない神様に呼ばれてこの世界へと来た者であり取り立てて特徴らしき特徴などありません。ただひたすら倒したモンスターを解体するだけしかしません。料理などをするのも彼だけです。 ある日パーティ全員からパーティへの永久追放を受けてしまい勇者の称号も失い一人ギルドに戻り最初からの出直しをします 本人はまったく気づいていませんでしたが他の勇者などちょっとばかり煽てられている頭馬鹿なだけの非常に残念な類なだけでした そして彼を追い出したことがいかに愚かであるのかを後になって気が付くことになります そしてユウキと呼ばれるこの人物はまったく自覚がありませんが様々な方面の超重要人物が自らが頭を下げてまでも、いくら大金を支払っても、いくらでも高待遇を約束してまでも傍におきたいと断言するほどの人物なのです。 そうして彼は自分の力で前を歩きだす。 祝!書籍化! 感無量です。今後とも応援よろしくお願いします。

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

拝啓、くそったれな神様へ

Happy
ファンタジー
名前もない下位神のミスによって死んでしまった主人公。責任を取るように上位神に言われ、下位神は主人公に自分の加護を与える。最初は下位神とはいえ神様の加護をもらえてウハウハしていた主人公だが、、、 あれ、何か思ってたのと違う…俺TUEEEEじゃない… しかも加護持続しすぎじゃない??加護っていつ消えんの?おい!下位神!出てこい!!加護を取り消せ!! 俺を解放しろ!!!これは主人公が様々な異世界へ渡り、多くの物語を記憶し、記録していく異世界物語。 

処理中です...