異世界探訪!~VRMMOプレイ記~

劉竜

文字の大きさ
上 下
27 / 110
第4章

7話~『光反砕』習得訓練・3~

しおりを挟む
 機巧騎士に案内されたのは、小さな部屋だった。
「んん、それでは、ただいまより守護者奥義・光反砕伝授の儀を執り行う。それでは、エス様、お言葉を」
おや、あのワーマードラゴンのエス様がいるのか。ていうか、何をしてるんだ?これ。
「それでは、耀一。お主を守護者を継ぐものとして、守護者第二奥義・光反砕の使用を許可する。これでお主は真の守護者となった。この奥義は守護神となっても使用可能だ。守護神になるには…おっと、これはお主自信で探してくれ」
し、守護神…?また凄いのが出てきたな。おそらく特殊職のひとつだろう。神ってつくくらいだし、転職条件はかなり難しそうだな。ま、機会があったら、になるが。
「耀一殿。これにて儀式は終了だ。しかしこれで終わりではない。気が向いたらまた私の元を訪ねてくれ。その頃には今よりも強くなっていることだろうからな。さあ、耀一殿の連れをしごこうか」
うは、わかってらっしゃる。と、それは置いておいて、また訪ねてくれと言われたからにはその内来てみますか。さ、ノームが待ってるだろうからな、行こう。

 「『光反砕』!」
今、俺はクリメトス城地下ダンジョンのボス部屋にいる。あの後、ノームを鍛えた後に、機巧騎士にここに来るように言われた。なんでもエス様と戦っていけと言われたからだ。
 部屋に入るとワーマードラゴンのエス様がいて、そのまま戦闘に突入した。エス様が使う攻撃は酸、噛みつき、薙ぎ払い、衝撃波のようなブレス、地団駄を踏んで地ならしの五つを使ってくる。最後の地団駄を踏んで~のくだりは、以外と可愛らしいが、威力は洒落にならない。ピンポイントで足元を揺らしてくるので、立っているのにも苦労するほどだ。そのため先程の訓練で得たものを全く活かせていない。無理して『光反砕』を使ったのはいいが、エス様はその能力を知っている。使用した瞬間、ピタリと攻撃がやんでしまった。その間に距離を詰めて攻撃すれば、なんていう考えが浮かぶかもしれないが、実はこの奥義、使用中は移動速度がかなり落ちる。そのため、エス様と子供一人ぶん離れているだけでも攻撃は出来ない。当たっても有効な攻撃にはならないのだ。ただ、使用している間はエス様の攻撃が止むので、積極的に使っている。クールタイムがちょっと長いけど…そのため、攻撃はすべて俺が受け持ち、ノームが基本支援魔法を使い、たまに弓で攻撃するくらいだ。もちろん俺もランスで突いたりはしている。大してダメージは入っていないが…。
 エス様と戦い始めてから三十分。なんとかエス様に膝を着かせる。その隙を狙って一斉に攻撃を始める。大概ちょっとしたらエス様が立て直すのだが、結構疲労とダメージが蓄積しているせいか、数分ごとに膝を着いている。ひたすらそれが続いたため、遂にエス様を倒すことに成功。エス様から報酬として、『クリメトス城地下ダンジョンクリアの証』なるものを貰った。それに加え、外套を貰えた。ノームには弓がプラスされていた。
「よく戦った。今後、こちらに来るときは先程渡した証をダンジョン入り口で使えば特殊ボスがいる場所に転送される。では、これからも頑張ってほしい」
そう言い終わるや否や、エス様が転移魔法を使い、俺とノームをダンジョン入り口まで転送してくれた。今日はこのまま家に戻り、ログアウトしよう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

エンジェリカの王女

四季
ファンタジー
天界の王国・エンジェリカ。その王女であるアンナは王宮の外の世界に憧れていた。 ある日、護衛隊長エリアスに無理を言い街へ連れていってもらうが、それをきっかけに彼女の人生は動き出すのだった。 天使が暮らす天界、人間の暮らす地上界、悪魔の暮らす魔界ーー三つの世界を舞台に繰り広げられる物語。 著作者:四季 無断転載は固く禁じます。 ※この作品は、2017年7月~10月に執筆したものを投稿しているものです。 ※この作品は「小説カキコ」にも掲載しています。 ※この作品は「小説になろう」にも掲載しています。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)

屯神 焔
ファンタジー
 魔法が存在し、魔物が跋扈し、人々が剣を磨き戦う世界、『ミリオン』  この世界では自身の強さ、もしくは弱さを知られる『ステータス』が存在する。  そして、どんな人でも、亜人でも、動物でも、魔物でも、生まれつきスキルを授かる。  それは、平凡か希少か、1つか2つ以上か、そういった差はあれ不変の理だ。  しかし、この物語の主人公、ギル・フィオネットは、スキルを授からなかった。  正確には、どんなスキルも得られない体質だったのだ。  そんな彼は、田舎の小さな村で生まれ暮らしていた。  スキルを得られない体質の彼を、村は温かく迎え・・・はしなかった。  迫害はしなかったが、かといって歓迎もしなかった。  父親は彼の体質を知るや否や雲隠れし、母は長年の無理がたたり病気で亡くなった。  一人残された彼は、安い賃金で雑用をこなし、その日暮らしを続けていた。  そんな彼の唯一の日課は、村のはずれにある古びた小さな祠の掃除である。  毎日毎日、少しずつ、汚れをふき取り、欠けてしまった所を何とか直した。  そんなある日。  『ありがとう。君のおかげで私はここに取り残されずに済んだ。これは、せめてものお礼だ。君の好きなようにしてくれてかまわない。本当に、今までありがとう。』  「・・・・・・え?」  祠に宿っていた、太古の時代を支配していた古代龍が、感謝の言葉と祠とともに消えていった。  「祠が消えた?」  彼は、朝起きたばかりで寝ぼけていたため、最後の「ありがとう」しか聞こえていなかった。  「ま、いっか。」  この日から、彼の生活は一変する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。 召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。 しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる―― ※今月は毎日10時に投稿します。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

運極さんが通る

スウ
ファンタジー
『VRMMO』の技術が詰まったゲームの1次作、『Potential of the story』が発売されて約1年と2ヶ月がたった。 そして、今日、新作『Live Online』が発売された。 主人公は『Live Online』の世界で掲示板を騒がせながら、運に極振りをして、仲間と共に未知なる領域を探索していく。……そして彼女は後に、「災運」と呼ばれる。

処理中です...