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外店 11
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光弘の言葉に、癒が切なげに目を細めた。
透き通るような白い首筋に、ふわりと触り心地の良い小さな身体を柔らかく摺り寄せる。
「蒼と海神がとてもよくしてくれている。これ以上望めることなんてない。それなのに、俺の心配をしてくれる友人たちまでいてくれるなんて・・・。俺がどんなに幸せか、どうしたらみんなに伝えられる?」
真也は光弘の頭を静かになでた。
「ありがとう・・・。」
真也の言葉に、光弘はくすぐったそうに笑う。
「駄目だよ、真也。それは俺が言うセリフなんだ。」
これ以上気にしていれば、光弘を余計に困らせてしまうだろう。
2人のやり取りを酷く優しい微笑を浮かべて見つめていた勝が、声を潜めて口を開いた。
「そういえばさ。」
「ん?」
「黒の奴はどうして自分の家に帰らないんだ。最強の妖鬼って言われてるんだ。それこそ、自分の家に居るのが一番安全なんじゃないか。この世界で一番おっかない奴だ。そんな物騒なところに近づく奴なんていないんだからさ。」
その言葉に、癒がとがった耳をピクリと震わせる。
「奴の戻るべきところは、光弘の元だけだ。住処など必要ない。」
「それって、どういう・・・」
以外にもこの発言に食いついたのは光弘本人だ。
だが、光弘がこの質問の答えを得ることは叶わなかった。
突然背後で起きた歓声に、一同は思わず振り返る。
そちらに目をやると、いくつもの穴が不ぞろいに上向きに開けられた真四角の大きな石のかたまりが置かれている。
その前で、まだ幼い妖鬼の子どもらが身を乗り出して、穴から飛び出してきた、蝶のようにひらひらと舞い踊るものを摘み取ろうと、手にした箸でしきりに追い回していた。
石の中から、白い蝶が落ちてくるたびに何か大きなものがぶつかるような、ドンという恐ろしく重い音が響く。
「あれは?」
真也が問いかけると、いまだに角を撫でまわしていた小男が楽し気に説明を始める。
一体この男ときたら、どれほど逞しい商売魂を持っているのか、呆れるほどだ。
「あれは最近流行りの子供の遊びですな。石の下を捨目魚の縄張りに合わせてあるのです。」
「捨目魚?」
「おや。ご存じないですか。」
「残念ながら、生き物には酷く疎くてね。」
真也をフォローするように蒼が言葉を繋ぐと、小男は「なるほど」と納得した様子で頭を縦に振る。
「頭部についている目玉を空中に打ち出す巨大な魚です。子供らは奴が打ち上げた目玉を箸でつまみ取り、その数を競っているのですよ。」
透き通るような白い首筋に、ふわりと触り心地の良い小さな身体を柔らかく摺り寄せる。
「蒼と海神がとてもよくしてくれている。これ以上望めることなんてない。それなのに、俺の心配をしてくれる友人たちまでいてくれるなんて・・・。俺がどんなに幸せか、どうしたらみんなに伝えられる?」
真也は光弘の頭を静かになでた。
「ありがとう・・・。」
真也の言葉に、光弘はくすぐったそうに笑う。
「駄目だよ、真也。それは俺が言うセリフなんだ。」
これ以上気にしていれば、光弘を余計に困らせてしまうだろう。
2人のやり取りを酷く優しい微笑を浮かべて見つめていた勝が、声を潜めて口を開いた。
「そういえばさ。」
「ん?」
「黒の奴はどうして自分の家に帰らないんだ。最強の妖鬼って言われてるんだ。それこそ、自分の家に居るのが一番安全なんじゃないか。この世界で一番おっかない奴だ。そんな物騒なところに近づく奴なんていないんだからさ。」
その言葉に、癒がとがった耳をピクリと震わせる。
「奴の戻るべきところは、光弘の元だけだ。住処など必要ない。」
「それって、どういう・・・」
以外にもこの発言に食いついたのは光弘本人だ。
だが、光弘がこの質問の答えを得ることは叶わなかった。
突然背後で起きた歓声に、一同は思わず振り返る。
そちらに目をやると、いくつもの穴が不ぞろいに上向きに開けられた真四角の大きな石のかたまりが置かれている。
その前で、まだ幼い妖鬼の子どもらが身を乗り出して、穴から飛び出してきた、蝶のようにひらひらと舞い踊るものを摘み取ろうと、手にした箸でしきりに追い回していた。
石の中から、白い蝶が落ちてくるたびに何か大きなものがぶつかるような、ドンという恐ろしく重い音が響く。
「あれは?」
真也が問いかけると、いまだに角を撫でまわしていた小男が楽し気に説明を始める。
一体この男ときたら、どれほど逞しい商売魂を持っているのか、呆れるほどだ。
「あれは最近流行りの子供の遊びですな。石の下を捨目魚の縄張りに合わせてあるのです。」
「捨目魚?」
「おや。ご存じないですか。」
「残念ながら、生き物には酷く疎くてね。」
真也をフォローするように蒼が言葉を繋ぐと、小男は「なるほど」と納得した様子で頭を縦に振る。
「頭部についている目玉を空中に打ち出す巨大な魚です。子供らは奴が打ち上げた目玉を箸でつまみ取り、その数を競っているのですよ。」
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