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脚休め 6
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「これ、カボチャが入ってる。」
みたらしの甘辛いたれがしっかりと絡まった、ほっこりと穏やかな味に真也たちの口角が上がる。
蒼の言葉に嘘偽りなどこれっぽっちもなく、素直にこの団子はうまかった。
「おいしい。」
光弘の口から自然とこぼれ落ちた言葉に、海神がうなずくと、蒼は嬉しそうに彼の腰を引き寄せる。
深緑の団子はヨモギの鮮烈な香りが鼻をぬけ、存在感のある丁寧に炊かれた餡子は甘すぎず、まさに絶品だ。
最強に相性の良い組み合わせなうえ、バランスのとれた重厚感のあるどっしりとした風味は、ひと串でぐうの音が出ないほど満足させられるほどの力強さがある。
極上の焦げ目が見るからに香ばしい真っ白な団子にはみそだれが塗られ、さらにそれを炭火であぶったことで、みその焦げるたまらない香りに、ごくりとのどがなった。
「ここの団子、本当に旨いね。」
「結構有名な店なんだ。田楽だって、人気があるようだしね。」
真也の言葉に蒼は嬉し気だ。
周りを見渡せば、確かにこの店は繁盛しているようで、客の入りも悪くない。
「それにしても、こんなところで鍋は無理だろう?足湯に浸かったままでどうやって食うのさ。火傷しちゃうよ。・・・なんであんなおかしなことを言ったりしたんだ?」
勝が再び問いかけたものだから、蒼は楽し気な表情をみせる。
「知りたいのか?あれは・・・鍵だよ。」
「鍵?」
「そう。鍵を持たない者には秘密の扉は開かれないってやつさ。表立って知られたくない何かが、この店には確実にあるってことだ。」
食べ終わった蒼の団子の皿を海神が自分の物と重ね、足湯の縁に行儀よく置く。
蒼が店の女を呼ばわり梅昆布茶を頼むと、間もなく人数分の湯飲みをのせた盆が運ばれてきた。
程よい塩加減とコクのある出汁が団子の甘みと対をなす。
真也が思わず「旨い!」とこぼすと、蒼は浮かせた面の下で得意げにニカリと笑った。
「そうだろう。ボクの好物なんだ。海神の仙桃茶の旨さには、とても及ばないけれどね。それにしても・・・ここの店はどうやら人の世に深い関心のある者がいるようだね。こんなにレアなメニューがあるし、団子だってこんなに旨いんだから。」
蒼がそんなことを言ったちょうどその時、あの小男が今度は一人で戻ってきた。
近くにいた別の女たちを数人呼ばわり、足を拭く物を用意させる。
一行が足を拭き、履物を足につっかけると、小男は満面笑みを見せた。
「お待たせいたしました。さぁさ、どうぞこちらへ。」
みたらしの甘辛いたれがしっかりと絡まった、ほっこりと穏やかな味に真也たちの口角が上がる。
蒼の言葉に嘘偽りなどこれっぽっちもなく、素直にこの団子はうまかった。
「おいしい。」
光弘の口から自然とこぼれ落ちた言葉に、海神がうなずくと、蒼は嬉しそうに彼の腰を引き寄せる。
深緑の団子はヨモギの鮮烈な香りが鼻をぬけ、存在感のある丁寧に炊かれた餡子は甘すぎず、まさに絶品だ。
最強に相性の良い組み合わせなうえ、バランスのとれた重厚感のあるどっしりとした風味は、ひと串でぐうの音が出ないほど満足させられるほどの力強さがある。
極上の焦げ目が見るからに香ばしい真っ白な団子にはみそだれが塗られ、さらにそれを炭火であぶったことで、みその焦げるたまらない香りに、ごくりとのどがなった。
「ここの団子、本当に旨いね。」
「結構有名な店なんだ。田楽だって、人気があるようだしね。」
真也の言葉に蒼は嬉し気だ。
周りを見渡せば、確かにこの店は繁盛しているようで、客の入りも悪くない。
「それにしても、こんなところで鍋は無理だろう?足湯に浸かったままでどうやって食うのさ。火傷しちゃうよ。・・・なんであんなおかしなことを言ったりしたんだ?」
勝が再び問いかけたものだから、蒼は楽し気な表情をみせる。
「知りたいのか?あれは・・・鍵だよ。」
「鍵?」
「そう。鍵を持たない者には秘密の扉は開かれないってやつさ。表立って知られたくない何かが、この店には確実にあるってことだ。」
食べ終わった蒼の団子の皿を海神が自分の物と重ね、足湯の縁に行儀よく置く。
蒼が店の女を呼ばわり梅昆布茶を頼むと、間もなく人数分の湯飲みをのせた盆が運ばれてきた。
程よい塩加減とコクのある出汁が団子の甘みと対をなす。
真也が思わず「旨い!」とこぼすと、蒼は浮かせた面の下で得意げにニカリと笑った。
「そうだろう。ボクの好物なんだ。海神の仙桃茶の旨さには、とても及ばないけれどね。それにしても・・・ここの店はどうやら人の世に深い関心のある者がいるようだね。こんなにレアなメニューがあるし、団子だってこんなに旨いんだから。」
蒼がそんなことを言ったちょうどその時、あの小男が今度は一人で戻ってきた。
近くにいた別の女たちを数人呼ばわり、足を拭く物を用意させる。
一行が足を拭き、履物を足につっかけると、小男は満面笑みを見せた。
「お待たせいたしました。さぁさ、どうぞこちらへ。」
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