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命逢の朝 3
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「さてと・・・・俺たちはこれからどうする?光弘の件が片付いたってことは、俺たち完全に、彼呼迷軌の部外者になっちゃうだろ。」
勝の問いかけに、俺たちは皆一様に腕を組み、考え込んだ。
都古が暗い表情で俯き、身体の前で組んだ指先を強くにぎっている。
勝が、俺と光弘に意味深な視線を投げかけてきた。
共通して垣間見た情景について、酷く気にはかかるが、だからと言ってなにかできることがあるわけでも、困っているわけでもない。
黒に話を聞こうにも、今の傷ついた彼に聞く気には、とてもじゃないがなれなかった。
それに、これは・・・・。
「気になることは山ほどあるけど、どうするのかって言われると、正直わかんないな。・・・・・俺たちが執護を続けるべきなのかすら、謎だしさー。」
俺はわざとらしく、重いため息を一つついた。
「確かにな・・・・、光弘の中から宵闇を排除するっていう目的は、一応達成されたんだ。これ以上彼呼迷軌にかかわるのは余計なお世話ってことになるかも・・・・。」
「手を引くべき・・・・か・・・・。」
しっとりとした清涼な空気が流れる中、命逢の生き物の息遣いだけがそこかしこで響く・・・・。
横目でちらりと目線を合わせると、俺と勝は同時に噴き出し、破顔した。
「やめろよ。勝・・・お前、いつからそんな意地悪言うようになったんだ?どうするもなにも、途中で手を引く気なんて、初めからこれっぽっちもないくせに。」
「真也こそ、ふざけてるのか。それはこっちのセリフっ・・・・・。お前こそ、思わせぶりなこと言ったりして・・・・いつからそんなに、ひねくれ者のフリがうまくなったんだ。」
光弘が、少し呆れたように笑いながら、俺たちとともに都古に向き直った。
俺は表情を改めると、不安げに瞳を揺らしている都古をまっすぐに見つめ、口を開いた。
「都古・・・・。そういうわけだからさ。お前たちの方で特に問題ないっていうなら、俺たちこのまま、執護を続けさせてもらいたい。」
「・・・・好きなんだ。この場所が・・・・。」
俺の言葉にうなずきながら、光弘が都に笑顔を向ける。
「だから・・・いつまでもそんな顔してるなよ。・・・・・お前、昨日からずっと、気にしてただろう。」
昨夜。
宵闇の闇の世界から戻ってからというものの、都古はどことなく元気を失っていた。
俺も勝も光弘も・・・・心のどこかでずっと考えていたんだ。
光弘の問題が解決した後、自分たちを解放するために、都古は独りで心を痛めることになるのではないか・・・・と。
彼呼迷軌へ来たあの日のように・・・・。
「泣くなって・・・・。まさかまた、俺たちの記憶・・・・消えるところだったとか言うんじゃないだろうな。」
勝の言葉に、都が驚いた様子で目を丸くしている。
俺はガクッと身体の力が抜けるのを感じた。
「・・・・おいおい、勘弁しろよ。忘れさせたって、どうせ思い出すんだからさ。わざわざ面倒を増やすな。」
勝が軽い口調で茶化しながら都古に笑いかけたが、零れ落ちる涙を止めるどころか、更に激しくあふれさせてしまったようだ。
都古の頭を胸に抱き寄せ、妹にするように頭をなでながら、俺はため息をついた。
「都古・・・・お前、こんなにずっと一緒にいるのに、まだ俺たちをわかってないのか?」
低く語り掛けると、都古は驚いて顔を上げた。
「覚えろよ・・・・都古。・・・・お前を、失いたくない。俺たちの願いはあの日のまま、変わることはないんだ。」
俺の腕の中で黙ったまま、都古はただ何度も何度もうなずいた・・・・・・。
勝の問いかけに、俺たちは皆一様に腕を組み、考え込んだ。
都古が暗い表情で俯き、身体の前で組んだ指先を強くにぎっている。
勝が、俺と光弘に意味深な視線を投げかけてきた。
共通して垣間見た情景について、酷く気にはかかるが、だからと言ってなにかできることがあるわけでも、困っているわけでもない。
黒に話を聞こうにも、今の傷ついた彼に聞く気には、とてもじゃないがなれなかった。
それに、これは・・・・。
「気になることは山ほどあるけど、どうするのかって言われると、正直わかんないな。・・・・・俺たちが執護を続けるべきなのかすら、謎だしさー。」
俺はわざとらしく、重いため息を一つついた。
「確かにな・・・・、光弘の中から宵闇を排除するっていう目的は、一応達成されたんだ。これ以上彼呼迷軌にかかわるのは余計なお世話ってことになるかも・・・・。」
「手を引くべき・・・・か・・・・。」
しっとりとした清涼な空気が流れる中、命逢の生き物の息遣いだけがそこかしこで響く・・・・。
横目でちらりと目線を合わせると、俺と勝は同時に噴き出し、破顔した。
「やめろよ。勝・・・お前、いつからそんな意地悪言うようになったんだ?どうするもなにも、途中で手を引く気なんて、初めからこれっぽっちもないくせに。」
「真也こそ、ふざけてるのか。それはこっちのセリフっ・・・・・。お前こそ、思わせぶりなこと言ったりして・・・・いつからそんなに、ひねくれ者のフリがうまくなったんだ。」
光弘が、少し呆れたように笑いながら、俺たちとともに都古に向き直った。
俺は表情を改めると、不安げに瞳を揺らしている都古をまっすぐに見つめ、口を開いた。
「都古・・・・。そういうわけだからさ。お前たちの方で特に問題ないっていうなら、俺たちこのまま、執護を続けさせてもらいたい。」
「・・・・好きなんだ。この場所が・・・・。」
俺の言葉にうなずきながら、光弘が都に笑顔を向ける。
「だから・・・いつまでもそんな顔してるなよ。・・・・・お前、昨日からずっと、気にしてただろう。」
昨夜。
宵闇の闇の世界から戻ってからというものの、都古はどことなく元気を失っていた。
俺も勝も光弘も・・・・心のどこかでずっと考えていたんだ。
光弘の問題が解決した後、自分たちを解放するために、都古は独りで心を痛めることになるのではないか・・・・と。
彼呼迷軌へ来たあの日のように・・・・。
「泣くなって・・・・。まさかまた、俺たちの記憶・・・・消えるところだったとか言うんじゃないだろうな。」
勝の言葉に、都が驚いた様子で目を丸くしている。
俺はガクッと身体の力が抜けるのを感じた。
「・・・・おいおい、勘弁しろよ。忘れさせたって、どうせ思い出すんだからさ。わざわざ面倒を増やすな。」
勝が軽い口調で茶化しながら都古に笑いかけたが、零れ落ちる涙を止めるどころか、更に激しくあふれさせてしまったようだ。
都古の頭を胸に抱き寄せ、妹にするように頭をなでながら、俺はため息をついた。
「都古・・・・お前、こんなにずっと一緒にいるのに、まだ俺たちをわかってないのか?」
低く語り掛けると、都古は驚いて顔を上げた。
「覚えろよ・・・・都古。・・・・お前を、失いたくない。俺たちの願いはあの日のまま、変わることはないんだ。」
俺の腕の中で黙ったまま、都古はただ何度も何度もうなずいた・・・・・・。
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