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思い違い 2
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「悪いな。待たせちゃったか?・・・いやぁ。お前のたわごとが、あまりにも可笑しくてさ・・・・・・。」
「俺がいつ、たわごとを述べたというのだ。・・・聞いてやる。話せ。」
男のぶっきらぼうな言葉に、蒼は再びこらえきれずくくくと笑い、肩を震わせながらどうにかこうにか続きを口にする。
「ああ。だってあまりにも、馬鹿馬鹿し過ぎるだろう。・・・・・・ん?あれ・・・。あんた、もしかして。分かって言ってるんじゃないの?本気だったのか?」
蒼は突然笑いを引っ込め、今度は心の底から驚かされてしまったという大げさな表情をして、男の顔をまじまじと見つめている。
失礼なこと極まりない、あまりにも不躾過ぎる海色の双眸と視線が触れ合った瞬間、男は故意にか否か、すかさず目をそらしてしまった。
「余計な口をきくな。・・・蒼、さっさと本題を言え。」
「あぁ・・・。なぜボクが笑ったのか、知りたいんだっけ。・・・いいよ。教えてやろうじゃないか。」
わずかに声を荒げ、いよいよ苛立ちをあらわにした男の姿に、蒼は極めて上機嫌で続きを話す。
「ボクがあんたを笑った理由は、あんたが面白いほど、愚かなことを言ったからだよ。」
蒼はこめかみに太い筋を立てしきりにヒクつかせている久遠の父のことは、一度横へ置いておくことに決め、あっさり宵闇へと向き直った。
得意げな笑みを浮かべた蒼は、見せつけるように背中から海神をしっかり腕の中へと抱き込み、白く滑らかな温かい首筋に口づけを落とす。
目をつぶり、ゆっくりと胸の奥へ海神の甘やかな清香を含むと、たちまち彼の全てが欲しくてたまらない衝動がどくりと湧き上がって来る。
自業自得ではあるのだが、蒼はあえなく弾けてしまいそうな甘美な欲望のタガを押さえつけるかのように、海神のすらりとした首筋に甘く歯を立てた。
蒼を信頼しきっている海神だ。
当たり前のことながらこれしきりのことで動じるわけはない。
まるでそうすることがわかりきっていたかのような自然な動きで、首をわずかに傾けた。
蒼の腕に手を重ね、そっと彼の腕を握りしめて応える。
海神の冷淡な表情は大きな変化を見せてはいなかったが、雪のように白い首筋はほのかに桜の色を帯び、瞳は喜びに満ちた柔らかな光できらめき、このうえなく幸せな色彩をまとっている。
誰しもが思わず赤面するような情景を目の当たりにさせられ、それまで口をつぐんでいた癒までもが、ため息をついた。
呆れ顔で、「こんなもの、とても子供たちには見せられない。」とひとりごちている。
「宵闇、お前、いい加減そいつに付き合ってやるのはやめておけよ。白妙が神妖界を望んだ理由なんて、考えるまでもないだろうが。」
「俺がいつ、たわごとを述べたというのだ。・・・聞いてやる。話せ。」
男のぶっきらぼうな言葉に、蒼は再びこらえきれずくくくと笑い、肩を震わせながらどうにかこうにか続きを口にする。
「ああ。だってあまりにも、馬鹿馬鹿し過ぎるだろう。・・・・・・ん?あれ・・・。あんた、もしかして。分かって言ってるんじゃないの?本気だったのか?」
蒼は突然笑いを引っ込め、今度は心の底から驚かされてしまったという大げさな表情をして、男の顔をまじまじと見つめている。
失礼なこと極まりない、あまりにも不躾過ぎる海色の双眸と視線が触れ合った瞬間、男は故意にか否か、すかさず目をそらしてしまった。
「余計な口をきくな。・・・蒼、さっさと本題を言え。」
「あぁ・・・。なぜボクが笑ったのか、知りたいんだっけ。・・・いいよ。教えてやろうじゃないか。」
わずかに声を荒げ、いよいよ苛立ちをあらわにした男の姿に、蒼は極めて上機嫌で続きを話す。
「ボクがあんたを笑った理由は、あんたが面白いほど、愚かなことを言ったからだよ。」
蒼はこめかみに太い筋を立てしきりにヒクつかせている久遠の父のことは、一度横へ置いておくことに決め、あっさり宵闇へと向き直った。
得意げな笑みを浮かべた蒼は、見せつけるように背中から海神をしっかり腕の中へと抱き込み、白く滑らかな温かい首筋に口づけを落とす。
目をつぶり、ゆっくりと胸の奥へ海神の甘やかな清香を含むと、たちまち彼の全てが欲しくてたまらない衝動がどくりと湧き上がって来る。
自業自得ではあるのだが、蒼はあえなく弾けてしまいそうな甘美な欲望のタガを押さえつけるかのように、海神のすらりとした首筋に甘く歯を立てた。
蒼を信頼しきっている海神だ。
当たり前のことながらこれしきりのことで動じるわけはない。
まるでそうすることがわかりきっていたかのような自然な動きで、首をわずかに傾けた。
蒼の腕に手を重ね、そっと彼の腕を握りしめて応える。
海神の冷淡な表情は大きな変化を見せてはいなかったが、雪のように白い首筋はほのかに桜の色を帯び、瞳は喜びに満ちた柔らかな光できらめき、このうえなく幸せな色彩をまとっている。
誰しもが思わず赤面するような情景を目の当たりにさせられ、それまで口をつぐんでいた癒までもが、ため息をついた。
呆れ顔で、「こんなもの、とても子供たちには見せられない。」とひとりごちている。
「宵闇、お前、いい加減そいつに付き合ってやるのはやめておけよ。白妙が神妖界を望んだ理由なんて、考えるまでもないだろうが。」
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