192 / 266
初夜 7 ※R18
しおりを挟む
灼熱を帯びそそり立つ久遠のそれは、翡翠の手首ほどの太さがあった。
とてもではないが、先ほど翡翠の中をかき混ぜていた三本の指の比ではなく、あまりにも太過ぎる。
翡翠は緊張に喉をこくりと鳴らしたが、久遠の方もまた限界を迎えていた。
「翡翠・・・すまない。やはりもう・・・」
若く瑞々しい翡翠の入口になめらかな先端をあてがうと、ぐっと腰を沈めた。
内壁を熱い楔で押し開かれていく苦しみに、翡翠は息を詰まらせる。
心では何とか久遠を受け入れたいと思うが、灼熱の楔に身体の内側を貫かれる痛みはあまりにも強烈で・・・強張る身体をどうすることもできない。
久遠は亀頭をわずかに含ませたところで、すぐさま動きを止めた。
翡翠がとても辛いのだと思うと、久遠はどうしてもそれ以上動けなくなってしまったのだ。
宵の闇に薄く包まれた部屋の中・・・久遠の重く乱れた呼吸と、翡翠の食いしばった歯の隙間から洩れる吐息だけがひっそりと色を添えている。
久遠は翡翠の首筋に顔を埋めると、彼女の甘やかな香りを深く胸に含む。
翡翠の強張った身体は冷たい汗でしっとりと濡れている。
翡翠がこんなにも辛そうなのだ・・・・・・。
やはり自分はこれ以上の無理はとてもできない。
久遠は自らの衝動を理性で必死に押しとどめながら口を開いた。
「翡翠・・・辛いか。」
よほど苦しいのだろう。
脂汗を浮かべている翡翠の表情はぼんやりと射しこむ月明かりに照らされ、酷く色を失って見えた。
にもかかわらず、翡翠は久遠の言葉に、涙をあふれさせながらも、なんとか小さく首を横に振ってみせている。
あまりにもいじらしい翡翠の姿に、久遠の心は柔らかい気持ちでふっくらと満たされていった。
「ありがとう。・・・けれど、今はもうここまでにしよう。」
翡翠は慌てて首を横に大きく振り、「大丈夫だ」としきりに訴えはじめた。
久遠はその唇を塞ぐように優しく口づける。
二つの唇が甘く重なると、強張っていた翡翠の身体からわずかに力が抜けた。
「お願い。・・・大丈夫だから。私を久遠の好きにして。・・・・・・その方が幸せなの。」
「翡翠・・・・・・。」
翡翠の言葉にこのうえない幸福感で心の中を満たされながら、久遠は彼女の瞳をじっとみつめた。
「・・・わかった。・・・できるだけ、力を抜いていて。」
そうささやくと、久遠は再び翡翠に口づけながら、ゆっくりと深く腰をしずめ始める。
力を緩めたとはいえ、翡翠の内壁は極めて狭く、さらに時折力任せに翡翠に締め付けられれば痛いほどなのだ。
口づけ、頭を撫でてなだめながら、時間をかけ、久遠はようやく全てを翡翠に飲み込ませた。
二つの身体が逃れる場所の無いほどピタリとかさなると、久遠は、一つに結ばれたすさまじい高揚感を抑えきれず、思わず翡翠の最奥へ先端をぐっとねじこんだ。
「兄・・・様っ・・・・・・!」
・・・突然最奥に突き入れられた翡翠は、あまりの衝撃に、かすれた声で小さく叫んだ。
頬に流れ落ちる透明な雫が、痛みからのものなのか、喜びからのものなのかはもはや翡翠にもわからない。
ただ、久遠とようやく一つになれたのだと思うと、頭のてっぺんからつま先まで、痺れるような充足感と幸せな気持ちで満たされきっていた。
ふわふわとした柔らかな気持ちで胸をいっぱいに膨らませながら、翡翠は久遠の背に腕を絡め、彼を強く引き寄せた。
翡翠の身体を苦しいほど強く抱きしめ、久遠は胸の内で「時には、兄と呼ばれるのも悪くないものかもしれない。」とひっそりと感じていた。
とてもではないが、先ほど翡翠の中をかき混ぜていた三本の指の比ではなく、あまりにも太過ぎる。
翡翠は緊張に喉をこくりと鳴らしたが、久遠の方もまた限界を迎えていた。
「翡翠・・・すまない。やはりもう・・・」
若く瑞々しい翡翠の入口になめらかな先端をあてがうと、ぐっと腰を沈めた。
内壁を熱い楔で押し開かれていく苦しみに、翡翠は息を詰まらせる。
心では何とか久遠を受け入れたいと思うが、灼熱の楔に身体の内側を貫かれる痛みはあまりにも強烈で・・・強張る身体をどうすることもできない。
久遠は亀頭をわずかに含ませたところで、すぐさま動きを止めた。
翡翠がとても辛いのだと思うと、久遠はどうしてもそれ以上動けなくなってしまったのだ。
宵の闇に薄く包まれた部屋の中・・・久遠の重く乱れた呼吸と、翡翠の食いしばった歯の隙間から洩れる吐息だけがひっそりと色を添えている。
久遠は翡翠の首筋に顔を埋めると、彼女の甘やかな香りを深く胸に含む。
翡翠の強張った身体は冷たい汗でしっとりと濡れている。
翡翠がこんなにも辛そうなのだ・・・・・・。
やはり自分はこれ以上の無理はとてもできない。
久遠は自らの衝動を理性で必死に押しとどめながら口を開いた。
「翡翠・・・辛いか。」
よほど苦しいのだろう。
脂汗を浮かべている翡翠の表情はぼんやりと射しこむ月明かりに照らされ、酷く色を失って見えた。
にもかかわらず、翡翠は久遠の言葉に、涙をあふれさせながらも、なんとか小さく首を横に振ってみせている。
あまりにもいじらしい翡翠の姿に、久遠の心は柔らかい気持ちでふっくらと満たされていった。
「ありがとう。・・・けれど、今はもうここまでにしよう。」
翡翠は慌てて首を横に大きく振り、「大丈夫だ」としきりに訴えはじめた。
久遠はその唇を塞ぐように優しく口づける。
二つの唇が甘く重なると、強張っていた翡翠の身体からわずかに力が抜けた。
「お願い。・・・大丈夫だから。私を久遠の好きにして。・・・・・・その方が幸せなの。」
「翡翠・・・・・・。」
翡翠の言葉にこのうえない幸福感で心の中を満たされながら、久遠は彼女の瞳をじっとみつめた。
「・・・わかった。・・・できるだけ、力を抜いていて。」
そうささやくと、久遠は再び翡翠に口づけながら、ゆっくりと深く腰をしずめ始める。
力を緩めたとはいえ、翡翠の内壁は極めて狭く、さらに時折力任せに翡翠に締め付けられれば痛いほどなのだ。
口づけ、頭を撫でてなだめながら、時間をかけ、久遠はようやく全てを翡翠に飲み込ませた。
二つの身体が逃れる場所の無いほどピタリとかさなると、久遠は、一つに結ばれたすさまじい高揚感を抑えきれず、思わず翡翠の最奥へ先端をぐっとねじこんだ。
「兄・・・様っ・・・・・・!」
・・・突然最奥に突き入れられた翡翠は、あまりの衝撃に、かすれた声で小さく叫んだ。
頬に流れ落ちる透明な雫が、痛みからのものなのか、喜びからのものなのかはもはや翡翠にもわからない。
ただ、久遠とようやく一つになれたのだと思うと、頭のてっぺんからつま先まで、痺れるような充足感と幸せな気持ちで満たされきっていた。
ふわふわとした柔らかな気持ちで胸をいっぱいに膨らませながら、翡翠は久遠の背に腕を絡め、彼を強く引き寄せた。
翡翠の身体を苦しいほど強く抱きしめ、久遠は胸の内で「時には、兄と呼ばれるのも悪くないものかもしれない。」とひっそりと感じていた。
0
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
溺愛前提のちょっといじわるなタイプの短編集
あかさたな!
BL
全話独立したお話です。
溺愛前提のラブラブ感と
ちょっぴりいじわるをしちゃうスパイスを加えた短編集になっております。
いきなりオトナな内容に入るので、ご注意を!
【片思いしていた相手の数年越しに知った裏の顔】【モテ男に徐々に心を開いていく恋愛初心者】【久しぶりの夜は燃える】【伝説の狼男と恋に落ちる】【ヤンキーを喰う生徒会長】【犬の躾に抜かりがないご主人様】【取引先の年下に屈服するリーマン】【優秀な弟子に可愛がられる師匠】【ケンカの後の夜は甘い】【好きな子を守りたい故に】【マンネリを打ち明けると進み出す】【キスだけじゃあ我慢できない】【マッサージという名目だけど】【尿道攻めというやつ】【ミニスカといえば】【ステージで新人に喰われる】
------------------
【2021/10/29を持って、こちらの短編集を完結致します。
同シリーズの[完結済み・年上が溺愛される短編集]
等もあるので、詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。
ありがとうございました。
引き続き応援いただけると幸いです。】
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる