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初夜 1
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祝言をあげた久遠と翡翠は、彼呼迷軌にある白妙の館の離れに用意された小さな東屋に住まいを移すことになった。
幼いころから二人きりになることなど飽きるほどあったはずなのに、湯あみも食事も終え寝室へ移動すると、翡翠の鼓動は飛び出してしまうのではないかとおもうほど高まり、全く落ち着かなくなった。
一方の久遠はとても落ち着いた様子で、寝台に腰かけると翡翠を呼んだ。
「翡翠、おいで・・・・・・。」
いつもと変わらないその声に、わずかに安心を覚え、隣に腰かけると、久遠はくつくつと笑いを漏らし始める。
翡翠は思わず唇を尖らせた。
それを視界に入れ、久遠は目を細め、口を開いた。
「ああ、すまない。気を悪くするな。お前があまりにも可愛い仕草を見せるものだから、つい笑いがこみ上げてしまったのだ・・・・・・。そんなに固くなるな。お前の嫌がることなど、私は絶対にしないよ。・・・こうして共に夜を過ごせるだけで、例えようもないほど幸せなのだから。」
余裕のある久遠の言葉に、急に彼が自分を置いて大人びてしまったように感じ、翡翠は頬を膨らませた。
「もうっ!兄様酷いっ。一人で落ち着いていて。・・・私ばかりが緊張していたなんて。いつかかならず、私の方が大人になって、兄様に意地悪をしてやるんだからっ。」
翡翠の言葉に、久遠は目を細めた。
その瞳が、はじけそうなほど強烈な熱をはらんでいるのに気づき、翡翠の胸はドクリと脈打つ。
翡翠は、甘い熱をくずぶらせるその瞳にくぎ付けになり、視線をそらすことすらできなくなった。
「翡翠・・・・・・。お前本気で、そう思うのか。・・・私が、落ち着いていると?」
久遠はそれ以上見つめ合っていることに耐えきれず、翡翠の腕を掴むと、その身体を強く引き寄せた。
極めて乱暴な動きに振り回され、久遠の胸に突っ込むようにして顔を埋めた翡翠は、そこに潜んでいた久遠の熱と胸の音に目を見開いた。
「あまり私をいじめるな。・・・お前、最近では私をずっと久遠と呼んでくれていたのに・・・・・・。この期に及んでまた私を兄と呼ぶことにしたのか?」
久遠の口調は軽い者だったが、重く早く打ち鳴らされる鼓動は、衣越しにもかかわらず、恐ろしいほどはっきりと翡翠の頬に伝わって来る。
慌てて久遠を仰ぎ見た翡翠は、そこで固まった。
何よりも愛おしい男の、熱を含んだ瞳が、目の前で苦し気に揺れている。
翡翠はなめらかな久遠の白い首筋に指を滑らせ彼の顔を引き寄せると、顎をうわむけ思わず口づけた。
軽く重ねただけの唇は、瞬く間に久遠のしなやかな舌で押し開かれ、翡翠の全てが欲しくてたまらないのだと言うように、甘く、激しく口内を蹂躙していった・・・・・・。
幼いころから二人きりになることなど飽きるほどあったはずなのに、湯あみも食事も終え寝室へ移動すると、翡翠の鼓動は飛び出してしまうのではないかとおもうほど高まり、全く落ち着かなくなった。
一方の久遠はとても落ち着いた様子で、寝台に腰かけると翡翠を呼んだ。
「翡翠、おいで・・・・・・。」
いつもと変わらないその声に、わずかに安心を覚え、隣に腰かけると、久遠はくつくつと笑いを漏らし始める。
翡翠は思わず唇を尖らせた。
それを視界に入れ、久遠は目を細め、口を開いた。
「ああ、すまない。気を悪くするな。お前があまりにも可愛い仕草を見せるものだから、つい笑いがこみ上げてしまったのだ・・・・・・。そんなに固くなるな。お前の嫌がることなど、私は絶対にしないよ。・・・こうして共に夜を過ごせるだけで、例えようもないほど幸せなのだから。」
余裕のある久遠の言葉に、急に彼が自分を置いて大人びてしまったように感じ、翡翠は頬を膨らませた。
「もうっ!兄様酷いっ。一人で落ち着いていて。・・・私ばかりが緊張していたなんて。いつかかならず、私の方が大人になって、兄様に意地悪をしてやるんだからっ。」
翡翠の言葉に、久遠は目を細めた。
その瞳が、はじけそうなほど強烈な熱をはらんでいるのに気づき、翡翠の胸はドクリと脈打つ。
翡翠は、甘い熱をくずぶらせるその瞳にくぎ付けになり、視線をそらすことすらできなくなった。
「翡翠・・・・・・。お前本気で、そう思うのか。・・・私が、落ち着いていると?」
久遠はそれ以上見つめ合っていることに耐えきれず、翡翠の腕を掴むと、その身体を強く引き寄せた。
極めて乱暴な動きに振り回され、久遠の胸に突っ込むようにして顔を埋めた翡翠は、そこに潜んでいた久遠の熱と胸の音に目を見開いた。
「あまり私をいじめるな。・・・お前、最近では私をずっと久遠と呼んでくれていたのに・・・・・・。この期に及んでまた私を兄と呼ぶことにしたのか?」
久遠の口調は軽い者だったが、重く早く打ち鳴らされる鼓動は、衣越しにもかかわらず、恐ろしいほどはっきりと翡翠の頬に伝わって来る。
慌てて久遠を仰ぎ見た翡翠は、そこで固まった。
何よりも愛おしい男の、熱を含んだ瞳が、目の前で苦し気に揺れている。
翡翠はなめらかな久遠の白い首筋に指を滑らせ彼の顔を引き寄せると、顎をうわむけ思わず口づけた。
軽く重ねただけの唇は、瞬く間に久遠のしなやかな舌で押し開かれ、翡翠の全てが欲しくてたまらないのだと言うように、甘く、激しく口内を蹂躙していった・・・・・・。
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