双凶の妖鬼 蒼 ~再逢~

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海神の不安 5 ※

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 海神に口づけながら身体の位置を素早く入れ替え、ボクは海神を組み敷いた。

 「随分凶暴な目をするじゃないか。・・・・海神、君・・・もしかして酔っている?」
 「・・・・わからない。酒を飲んだのは、初めてだ。」

 ボクの下で肉食獣のように瞳をギラつかせ、重い息遣いを聴かせる海神のその言葉に驚いて、ボクは軽く目を見開いた。

 「私は海の守り神だ。酒をのんでいては、とっさの危険に対処できない。・・・・ただ祀られるだけの、役立たずになってしまう。」

 生真面目にそう答える海神が愛しくて、ボクは彼の額に小さく口づけた。

 「君は本物の真面目ちゃんだな。じゃあなぜ、今日は酒を、飲む気になったんだ?」

 「嬉しかったのだ。・・・・お前から勧められるものならば・・・・・私は、それが毒であったとしても、全て喜んで受け入れる。」

 ボクは切なくなって、海神の頬を柔らかくつねった。
 海神の首筋に刻んだ呪印に口づけると、ボクは海神の中から酔いを覚ました。

 吐息と共に息を吐きだした海神の瞳をのぞき込むと、さっきまでの凶暴な色は消えうせ、ただひたすらに甘く切ない瞳でボクを見つめてくる。

 「海神・・・・君はものすごく疲れている。今日はこのまま休もう。」

 ボクが言うと、海神は横に小さく首を振って、涙を溢した。

 「蒼・・・・辛い。辛くてたまらない。・・・・お願いだから、私をこのままにしないでくれ。」

 「海神・・・・・。」

 「っ・・・・・!!」

 ボクは名を呼びながら、先ほど海神に塗り込んだ痺れ薬から強烈な振動を送り込んだ。

 「長くはしない。ごめん・・・・少し乱暴にするよ。」

 海神の衣をはだけさせ、ボクは彼の下衣を引き裂いた。
 自分の下衣をずらし、猛り立った柱に薬を纏わせると、ボクは一気に最奥まで海神を貫き、同時に中に振動を走らせた。

 「っぁぁ・・・・!!」

 海神は一瞬のうちに追い詰められ、小さく声をあげると激しく身体をのけぞらせ、熱を発することも出来ず気をやってしまった。

 少し予想はしていたけど、これにはボクもかなり参っていた。
 海神だけじゃない。
 触れているボクにまで、この薬は振動を走らせたのだ。

 ボクは術を使って、自分には薬が効かないよう調整した。

 ほとんど意識を失いかけている海神の呪印へ甘い痺れをいっきに流し込み、無理矢理意識を引き戻しながら、ボクは海神の中を味わうように、大きくゆっくりと抽挿を始めた。

 海神の唇から甘い吐息がかすかに漏れ出し、ボクの腰に足が甘く絡みついてくる。
 海神の意識がハッキリすると、ボクは彼の耳元に唇を寄せた。

 「海神・・・・こらえるな。ボクは君が淫らによがり狂う姿が見たいんだ。」

 凶暴な欲望をむきだし、海神を追い詰めながら、ボクは前触れもなく最奥まで一気に突き入れ、同時に強烈な振動を与えた。

 身体を震わせ熱を放つこともままならず、ただ乱暴に果てさせられ、海神は涙を溢れさせながら、叫ぶような喘ぎをもらした。

 僕は間を空けず、今度は海神の先端に振動を送り込む。
 海神は焦点の定まらない目で、首を横に大きく振り、自らを手で押さえようとした。

 「悪い子だな。それは・・・・ダメだよ。」

 ボクは海神の手を彼の頭の上で、きつく抑え込んだ。
 痺れ薬を取り出すと、海神の胸の小さな二つのふくらみにそれを塗り込む。

 徐々に先端への振動を強くしながら、ボクは数度、軽く海神を突き上げた。
 その度に喘ぎ声をもらしながら、再び追い詰められていく海神の姿に、ボクはもう限界だった。

 「海神・・・・。」

 ボクが名を呼ぶと、虚ろな意識の中で、海神は微かに微笑みを向けてくる。

 ボクはこれ以上ないほど深く何度も突き上げながら、海神の胸のふくらみと中に強烈な振動を送り込んだ。

 内臓をかき乱すほど強く、深くねじ込むように突き入れながら、ボクは全ての熱を海神の中へ放った。
 激しく息を乱しながら抱き寄せると、海神はいつものようにボクに深く歯を立て、嗚咽まじりの甘い喘ぎを上げながら、必死で熱を放ち意識を遠く手放していった。
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