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第四部 思春期編
ヒロインの布石
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ゼベル一行がエントールを王都を去り、外遊の旅に戻って数日後。
花魁道中のように侍女をゾロゾロと引き連れたアーメンガートは、乗馬のレッスンを受けるため王宮の裏手に広がる馬場に向かっていた。
たかが庭の散策にも難色を示し、ことあるごとに愛する人を自分の宮に閉じ込めておこうとするヤンデレ王太子だが、乗馬はれっきとした王妃教育の一環なので、渋々了承している。
普段は女性教師が傍に付いているが……季節外れの風邪をこじらせて休職してしまったため、ここしばらくは父の代わりに宮廷に出仕しているビクトリカが、乗馬の教師役を引き受けていた。
教師の休職については仕込みではなく本当に偶然だが、ここがチャンスとばかりに彼と接近するため、アーメンガートがミリアルドに頼み込んだのだ。
「未来の王妃として、隣国と円滑な関係を築くためにも、辺境の現状をよく知っておきたいのです。そのためには現場の方のお話を聞くのが一番ですわ。彼には婚約が内定しているご令嬢もいますし、屋外の人目があるところであれば悪い噂も立ちませんでしょう?」
それらしい理由を並べて、上目遣いでおねだりすればイチコロだった。
単に乗馬を教わるだけなら、非番の騎士や軍人を宛がえばいいだけだが、そこに辺境の知識を学ぶという付加価値をつければ、ビクトリカ以上の適任はいない。
それに、まだ正式な婚約者ではないとはいえ、政略上避けられない結婚を控えているビクトリカが、アーメンガートに不用意に近づくことはないとも考えた。
ただ、嫉妬深い彼が授業の一環とはいえ二人きりになるなど認めるわけがなく、専属侍女を山ほど控えさせ、その日の出来事を一人一人事細かに報告させてることで合意した。
しかし、彼女らはすでにアーメンガートの手先。
王太子の宮で働く侍女たちの多くは平民富裕層出身か、金銭的理由で社交界デビューできなかった貴族令嬢たち。金や利権で釣り上げるのは容易だった。
おかげで王太子への報告も、アーメンガートが吹き込んだままの嘘八百が並べられ、現実はヤンデレ婚約者に見つかれば修羅場必死の、イチャイチャ浮気現場である。
「ビクトリカ様……」
「アーメンガート……」
馬場に到着するなり、特に交わす言葉もなく抱き合いキスをする二人。
その光景は、禁じられた恋に肩までどっぷり浸かったカップルそのものといった風だが……本気になっているのはビクトリカだけで、アーメンガートにもちろんその気は微塵もない。
彼もまた婚約者と同等に自身の目的を達成するための駒であり、側近の一人エドガー・ブランシェのように退屈しのぎのための一時の戯れの相手に過ぎない。
だが、それを悟られないように情熱的に振る舞う。
年を経るごとに豊かに成熟していく体を密着させ、蜘蛛の糸のように彼の心を絡めとっていく。
ビクトリカは婚約者となるセシリアを心底嫌っており、その不平不満を丸ごと受け止め、彼の理想のする『貞淑でおとなしい女性』を演じれば、こちらもまたイチコロであった。
長いキスを経て、満たされたように微笑み合うと、一応の本題である乗馬のレッスンが始まるが――ビクトリカがアーメンガートを後ろから抱くような形で相乗りになり、ゆっくりと馬場の中を周回するだけの、いわゆる乗馬デートである。
似たようなイベントがゲーム中であったので参考にしたが、色っぽい雰囲気を醸しつつ密談をするにはなかなかいい形で気に入っている。
「……ねぇ、ビクトリカ様。わたくしがあげた“花の種”、ちゃんとあなたのお庭に蒔いてくださった?」
「ああ、もちろん。まだ芽は出てないけど、そのうちにきっと咲くよ。君のおかげで庭がきれいになりそうだ」
「ふふ、よかった」
言葉だけ捉えれば、初々しいカップルの微笑ましい会話だが、そこにある真意はかなり物騒だ。
先日ゼベルが懸念していた異民族の異変は、ルクウォーツ家とヘンドリック家の野望を叶えるための布石の一つだった。
ルクウォーツ侯爵家はこの国が戦争に明け暮れていた時代、しがない子爵家でしかなかったが、優れた鍛冶職人を多数抱えて武具を大量生産し、大儲けをしていた。
最盛期には貴族の頂点に立つほどの資産を持ち、エントールの栄光を支えた功績で侯爵にまで上り詰めた、絵にかいたような成り上がりだった。
一時期は戦禍の財政難にあえぐ王家や公爵家にも融資するほど、貴族社会では圧倒的優位に立っていたが……戦争を望まない穏健派の王が政権を握るようになり、国全体の経済が回復すると、その勢いは一気に廃れていった。
軍事産業がなくとも領地の税収で十二分に豊かではあったが、現当主は過去の栄光を取り戻したがっていた。
一方でヘンドリック家は、異民族を平定して緩衝地帯を自領に取り込みたいと考えていたが、隣国の辺境伯モーリス家は共存共栄の姿勢を貫いており、下手に事を構えれば戦争に発展する恐れがあった。
エントールは大陸の中で強国に入り、単体同士で戦えば間違いなく勝利できるが、手当たり次第に侵略戦争を仕掛けていた過去から味方が少ない。
対するフォーレンはさほど軍事力はないが外交手腕に優れており、エントールの周囲にいくつもの同盟国がある。開戦と同時に多方向から集中攻撃されば勝ち目はない。
そういう理由で長らく我慢を強いられてきたが、その事情を知ったアーメンガートが一計を案じた。
領地で不良在庫となっている武器をヘンドリック家に安価に売り、それを一部の異民族に与える……というか、偶然拾わせる。
売買すれば法に抵触するが、武器を積んだ荷馬車を辺境に放置するだけなら、略奪にあったのだろうと推測されて罪には問われない。
先進的な武器を手に入れた者たちは、狩りなどでその使用感を試し、その素晴らしい性能を部族間抗争に持ち込むようになる。
そうなれば、これまで部族単位でバラバラだった彼らはもっと大きな集団になり、組織を支える物資や土地を求め、もっといい武器を手に入れるため、辺境伯領へと攻め入り略奪を企てるようになるだろう。
そうなればしめたもの。
国防の大義名分で侵略者たる異民族を合法的に武力制圧できる。
彼らを迎え撃つための武器はもちろんルクウォーツ家が支度する。
いつ有事が起きても稼ぎ時を逸しないよう高性能なものを常々開発しており、異民族討伐に使用されその成果を国に示せば、軍に買い上げられ莫大な収入を得ることが出来る。
加えて、元は敵同士である部族の寄せ集め同士で的確な連携が取れるはずもなく、間諜を忍ばせ仲間割れを誘うのも容易。
どんな大群で押し寄せようと、勝てない理由がない。
おそらくそうなれば、エントールだけでなくフォーレン側にも被害が出るだろうから、モーリス家も同じように武力でねじ伏せるしかなくなり、こちらを非難することはできなくなり、戦争という最悪の事態は回避できる。
平定した緩衝地帯の分け前を巡って物議が醸すやもしれないが、可能な限り折半する方向で折り合いをつければ問題ないだろう。
このアーメンガートの提案に両者は二つ返事で乗り、現時点で仕込みに当たる段階はクリアした。あとはビクトリカの言う通り、結果を待つばかりだ。
(異民族がはびこる緩衝地帯がなくなれば、口実をつけて辺境伯領に行くのも容易になる。そうなれば、あの人はもう目と鼻の先。ヤンデレを説得するのは骨が折れそうだけど、会う機会さえ作れば落とすのは簡単だわ)
前世も転生してからも、男を魅了することでのし上がってきた彼女は、自身の能力に絶対の自信を持っていた。
真に愛する人と結ばれる未来を思い描き、恍惚と微笑むアーメンガートだが、その思考を悟られないよう甘えるようにビクトリカの胸元にしな垂れかかった。
花魁道中のように侍女をゾロゾロと引き連れたアーメンガートは、乗馬のレッスンを受けるため王宮の裏手に広がる馬場に向かっていた。
たかが庭の散策にも難色を示し、ことあるごとに愛する人を自分の宮に閉じ込めておこうとするヤンデレ王太子だが、乗馬はれっきとした王妃教育の一環なので、渋々了承している。
普段は女性教師が傍に付いているが……季節外れの風邪をこじらせて休職してしまったため、ここしばらくは父の代わりに宮廷に出仕しているビクトリカが、乗馬の教師役を引き受けていた。
教師の休職については仕込みではなく本当に偶然だが、ここがチャンスとばかりに彼と接近するため、アーメンガートがミリアルドに頼み込んだのだ。
「未来の王妃として、隣国と円滑な関係を築くためにも、辺境の現状をよく知っておきたいのです。そのためには現場の方のお話を聞くのが一番ですわ。彼には婚約が内定しているご令嬢もいますし、屋外の人目があるところであれば悪い噂も立ちませんでしょう?」
それらしい理由を並べて、上目遣いでおねだりすればイチコロだった。
単に乗馬を教わるだけなら、非番の騎士や軍人を宛がえばいいだけだが、そこに辺境の知識を学ぶという付加価値をつければ、ビクトリカ以上の適任はいない。
それに、まだ正式な婚約者ではないとはいえ、政略上避けられない結婚を控えているビクトリカが、アーメンガートに不用意に近づくことはないとも考えた。
ただ、嫉妬深い彼が授業の一環とはいえ二人きりになるなど認めるわけがなく、専属侍女を山ほど控えさせ、その日の出来事を一人一人事細かに報告させてることで合意した。
しかし、彼女らはすでにアーメンガートの手先。
王太子の宮で働く侍女たちの多くは平民富裕層出身か、金銭的理由で社交界デビューできなかった貴族令嬢たち。金や利権で釣り上げるのは容易だった。
おかげで王太子への報告も、アーメンガートが吹き込んだままの嘘八百が並べられ、現実はヤンデレ婚約者に見つかれば修羅場必死の、イチャイチャ浮気現場である。
「ビクトリカ様……」
「アーメンガート……」
馬場に到着するなり、特に交わす言葉もなく抱き合いキスをする二人。
その光景は、禁じられた恋に肩までどっぷり浸かったカップルそのものといった風だが……本気になっているのはビクトリカだけで、アーメンガートにもちろんその気は微塵もない。
彼もまた婚約者と同等に自身の目的を達成するための駒であり、側近の一人エドガー・ブランシェのように退屈しのぎのための一時の戯れの相手に過ぎない。
だが、それを悟られないように情熱的に振る舞う。
年を経るごとに豊かに成熟していく体を密着させ、蜘蛛の糸のように彼の心を絡めとっていく。
ビクトリカは婚約者となるセシリアを心底嫌っており、その不平不満を丸ごと受け止め、彼の理想のする『貞淑でおとなしい女性』を演じれば、こちらもまたイチコロであった。
長いキスを経て、満たされたように微笑み合うと、一応の本題である乗馬のレッスンが始まるが――ビクトリカがアーメンガートを後ろから抱くような形で相乗りになり、ゆっくりと馬場の中を周回するだけの、いわゆる乗馬デートである。
似たようなイベントがゲーム中であったので参考にしたが、色っぽい雰囲気を醸しつつ密談をするにはなかなかいい形で気に入っている。
「……ねぇ、ビクトリカ様。わたくしがあげた“花の種”、ちゃんとあなたのお庭に蒔いてくださった?」
「ああ、もちろん。まだ芽は出てないけど、そのうちにきっと咲くよ。君のおかげで庭がきれいになりそうだ」
「ふふ、よかった」
言葉だけ捉えれば、初々しいカップルの微笑ましい会話だが、そこにある真意はかなり物騒だ。
先日ゼベルが懸念していた異民族の異変は、ルクウォーツ家とヘンドリック家の野望を叶えるための布石の一つだった。
ルクウォーツ侯爵家はこの国が戦争に明け暮れていた時代、しがない子爵家でしかなかったが、優れた鍛冶職人を多数抱えて武具を大量生産し、大儲けをしていた。
最盛期には貴族の頂点に立つほどの資産を持ち、エントールの栄光を支えた功績で侯爵にまで上り詰めた、絵にかいたような成り上がりだった。
一時期は戦禍の財政難にあえぐ王家や公爵家にも融資するほど、貴族社会では圧倒的優位に立っていたが……戦争を望まない穏健派の王が政権を握るようになり、国全体の経済が回復すると、その勢いは一気に廃れていった。
軍事産業がなくとも領地の税収で十二分に豊かではあったが、現当主は過去の栄光を取り戻したがっていた。
一方でヘンドリック家は、異民族を平定して緩衝地帯を自領に取り込みたいと考えていたが、隣国の辺境伯モーリス家は共存共栄の姿勢を貫いており、下手に事を構えれば戦争に発展する恐れがあった。
エントールは大陸の中で強国に入り、単体同士で戦えば間違いなく勝利できるが、手当たり次第に侵略戦争を仕掛けていた過去から味方が少ない。
対するフォーレンはさほど軍事力はないが外交手腕に優れており、エントールの周囲にいくつもの同盟国がある。開戦と同時に多方向から集中攻撃されば勝ち目はない。
そういう理由で長らく我慢を強いられてきたが、その事情を知ったアーメンガートが一計を案じた。
領地で不良在庫となっている武器をヘンドリック家に安価に売り、それを一部の異民族に与える……というか、偶然拾わせる。
売買すれば法に抵触するが、武器を積んだ荷馬車を辺境に放置するだけなら、略奪にあったのだろうと推測されて罪には問われない。
先進的な武器を手に入れた者たちは、狩りなどでその使用感を試し、その素晴らしい性能を部族間抗争に持ち込むようになる。
そうなれば、これまで部族単位でバラバラだった彼らはもっと大きな集団になり、組織を支える物資や土地を求め、もっといい武器を手に入れるため、辺境伯領へと攻め入り略奪を企てるようになるだろう。
そうなればしめたもの。
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加えて、元は敵同士である部族の寄せ集め同士で的確な連携が取れるはずもなく、間諜を忍ばせ仲間割れを誘うのも容易。
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おそらくそうなれば、エントールだけでなくフォーレン側にも被害が出るだろうから、モーリス家も同じように武力でねじ伏せるしかなくなり、こちらを非難することはできなくなり、戦争という最悪の事態は回避できる。
平定した緩衝地帯の分け前を巡って物議が醸すやもしれないが、可能な限り折半する方向で折り合いをつければ問題ないだろう。
このアーメンガートの提案に両者は二つ返事で乗り、現時点で仕込みに当たる段階はクリアした。あとはビクトリカの言う通り、結果を待つばかりだ。
(異民族がはびこる緩衝地帯がなくなれば、口実をつけて辺境伯領に行くのも容易になる。そうなれば、あの人はもう目と鼻の先。ヤンデレを説得するのは骨が折れそうだけど、会う機会さえ作れば落とすのは簡単だわ)
前世も転生してからも、男を魅了することでのし上がってきた彼女は、自身の能力に絶対の自信を持っていた。
真に愛する人と結ばれる未来を思い描き、恍惚と微笑むアーメンガートだが、その思考を悟られないよう甘えるようにビクトリカの胸元にしな垂れかかった。
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