5 / 40
第一章――③
しおりを挟む
反省などカケラもしないまま、三日間を懲罰房で過ごした。
うーん、シャバの空気はうまいぜ!
日の当たる中庭の雑草をむしる手を止め、ぐっと伸びをした。
毎日ダラダラと食っちゃ寝の生活をしていたので、すっかり体が鈍っている。
休日はほぼ完全なる引きこもりの私だが、三日も狭くて薄暗い部屋に閉じ込められれば、さすがに鬱々とした気分になった。
ムショから出てきたヤクザみたいな感想を漏らすのも無理ないと思って欲しい。
あー……でも、草むしりって腰にくるわぁ。
ただでさえ硬いベッドのせいで全身バッキバキだっていうのに、この中腰体勢は結構負担かかる。
ああ、電動芝刈り機が欲しい。
などと内心文句を垂れ流しながら、たぎる恨みを雑草にぶつけてザシュザシュ景気よく引き抜いていると、きれいにカットされたトピアリーの影からせせら笑う声が聞こえてきた。
視線だけ向けると、私と同じ服を着た侍女たちがいた。
小馬鹿にした様子で私を眺め、聞えよがしに陰口を叩く。
「見て見て。雑草女が雑草を抜いてるわ」
「まあ。仲間を刈り取るなんて、なんて無慈悲な女なの?」
「あんな悪女をいつまで置いておくつもりなのかしら」
「身分を笠に着て、辞めさせないよう圧力をかけてるって噂よ」
「やだぁ。権力振りかざすなんて最悪じゃない」
内容が低俗過ぎて怒るどころか、逆に貧相な語彙力しかない脳みそに同情が湧く。
学生時代も根暗なオタク女子として陰に日向にリア充どもにディスられていたから、それなりに精神的苦痛に対する耐性はあるし、経験上こういうのは反応を見せると逆につけあがるのも知っている。
こういうのは無視だ、無視。
陰口で盛り上がる彼女たちを華麗にスルーして無心に雑草を抜いていると、どこかでかいだ異臭が漂ってきた。
「……彼女をそんな風に言わないで。私が醜いのが全ていけないの」
出た! アリサ!
まるで狙ったようなタイミングで出てきたけど、まさかあんたが仕込んだんじゃないでしょうね?
「こんなブスが聖女に選ばれて、憎まない女の人はいないわ。仕方ないことだもの。でも、いつか私が世界を救えば、彼女だって分かってくれると信じてるの」
羽扇で半分顔を隠しつつ、精一杯けなげさアピールするアリサ。
私からしたら芝居臭さが半端ないんだけど、そのご高説に侍女たちは感涙がにじむ目で彼女を見つめ、口々にほめそやした。
「さすが聖女様です!」
「感動いたしました! 私、一生懸命お仕えしますわ!」
「ありがとう、みんな。そう言ってくれるだけで私は頑張れるわ」
「ああ、アリサ様……!」
おおお……なんなんだ、この陳腐な寸劇は。
開いた口が塞がらないというか、呆れてものも言えないとはまさにこのこと。
白けた私は草むしりの場所を変えようと立ち上がった。が、
「ちょっと。アリサ様がこうもおっしゃってくださってるのに、逃げるつもり?」
侍女の一人からきつい声で呼び止められた。
え、私もこのクソな寸劇に参加しろと? 冗談じゃねぇ。
けど、ここで波風を立てるとあとから面倒なことになりそうだし、ひとまず合わせておくか。
「……逃げるつもりはありませんでしたが、アリサ様のお言葉があまりにありがたく、また矮小な己を恥じて、合わせる顔がないような気がしてならなかったのです。誤解させるような態度をとってしまい、申し訳ありません」
「ふん。口では何とでもいえるわ。きっちり態度で示してもらわないと」
くいっと親指で地面を指さす。
え、地獄へ落ちろ? 女子がそんな下品なサインを使うもんじゃありません……というわけではなく、もしかしなくても土下座しろってことか。
アリサはいじらしく「もういいの」と口では言っているが、目では明らかに「さっさと土下座しろや」と脅してくる。目は口程に物を言うとはまさにこのことだ。
ああもう。それこそ冗談じゃない。もう付き合ってられん。
「態度で示せと言われるのでしたら、私は私の本分である侍女の役割をまっとうすることで、誠意と忠誠をお示しすることにします。では、アリサ様。次の仕事がございますので、御前を失礼します」
アリサはわずかに片眉を吊り上げたが、ここで私を深追いすればボロが出ると思ったのか、それ以上は何も言わなかった。
しかし、従順な取り巻きと化した侍女たちは納得しなかったらしく、去ろうとする私を掴んで引き留め、無理矢理土下座フォームへと持ち込んだ。
「ちょ……いだっ!」
「いいから謝れ!」
「あんたのせいでアリサ様がどれだけ傷ついたと思ってるの!?」
全部冤罪なんだから、謝る必要ゼロだっての!
てか、ここで嘘でも非を認めてしまえば、私(ハティエット)は完全に悪役の烙印を押されてしまう。
でも、逆らえば不敬罪で処刑ということもあるし……どうすりゃいいのよ!
「ああ……みんな、もうやめて! 暴力はよくないわ! 私はそんなことしてほしくないの!」
涙ながらに止める声を出しながらも、アリサは一歩も動かない。
顔を覆って子供のようにイヤイヤと首を振るだけ。
どうせ心の中では満面の笑みで手を叩いて「土・下・座! 土・下・座!」とコールをしてるんだろう。
ふざけるな。こんな奴に下げる頭はない。
人間としての尊厳をかけ、力いっぱい頭を押さえ付けてくる侍女たちに抵抗する。
「……何をしている」
必死の攻防を繰り広げていると、低い男の人の声が響いた。こ、この声は……!
オロオロと私から遠ざかる侍女たちの拘束から解き放たれ、自由になった頭を上げると、そこには戦国時代の軍師のような陣羽織風のベストを身にまとった私の大大大推しキャラ――ユマがいた。
女神から聖女の教育係という役割を与えられた、無表情で朴訥とした性格のサブキャラだったが、ストイックな生き様と不意打ち笑顔が私を含めた一部女子から絶大な人気を集め、移植版で攻略対象に格上げされたのだ。
うわああ、生のユマだ! 二次元もいいけどリアルはもっといい!
こっそり感動に打ち震える私をよそに、アリサはほっとした顔でユマに駆け寄る。
「ユマ! よかった、助けて」
アリサが弱々しい態度で(自分の都合のいいように捻じ曲げた)事情を話すと、ユマはひとつうなずいた。
「分かった。あとは俺に任せて、アリサは部屋に戻っていろ」
「ええ。でも、あまり叱らないであげて」
「善処しよう」
短いやり取りを終え、アリサは後ろ髪を引かれるような仕草で立ち去った。
が、一瞬目が合った時、憎々しげな光が宿っていたのを私は見逃さなかった。もうちょっとそういうのは隠した方がいいぞ。ま、それが若さってもんですが。
「あんたたち」
アリサを見送ったユマが、私と侍女たちに向き直る。
うーん、シャバの空気はうまいぜ!
日の当たる中庭の雑草をむしる手を止め、ぐっと伸びをした。
毎日ダラダラと食っちゃ寝の生活をしていたので、すっかり体が鈍っている。
休日はほぼ完全なる引きこもりの私だが、三日も狭くて薄暗い部屋に閉じ込められれば、さすがに鬱々とした気分になった。
ムショから出てきたヤクザみたいな感想を漏らすのも無理ないと思って欲しい。
あー……でも、草むしりって腰にくるわぁ。
ただでさえ硬いベッドのせいで全身バッキバキだっていうのに、この中腰体勢は結構負担かかる。
ああ、電動芝刈り機が欲しい。
などと内心文句を垂れ流しながら、たぎる恨みを雑草にぶつけてザシュザシュ景気よく引き抜いていると、きれいにカットされたトピアリーの影からせせら笑う声が聞こえてきた。
視線だけ向けると、私と同じ服を着た侍女たちがいた。
小馬鹿にした様子で私を眺め、聞えよがしに陰口を叩く。
「見て見て。雑草女が雑草を抜いてるわ」
「まあ。仲間を刈り取るなんて、なんて無慈悲な女なの?」
「あんな悪女をいつまで置いておくつもりなのかしら」
「身分を笠に着て、辞めさせないよう圧力をかけてるって噂よ」
「やだぁ。権力振りかざすなんて最悪じゃない」
内容が低俗過ぎて怒るどころか、逆に貧相な語彙力しかない脳みそに同情が湧く。
学生時代も根暗なオタク女子として陰に日向にリア充どもにディスられていたから、それなりに精神的苦痛に対する耐性はあるし、経験上こういうのは反応を見せると逆につけあがるのも知っている。
こういうのは無視だ、無視。
陰口で盛り上がる彼女たちを華麗にスルーして無心に雑草を抜いていると、どこかでかいだ異臭が漂ってきた。
「……彼女をそんな風に言わないで。私が醜いのが全ていけないの」
出た! アリサ!
まるで狙ったようなタイミングで出てきたけど、まさかあんたが仕込んだんじゃないでしょうね?
「こんなブスが聖女に選ばれて、憎まない女の人はいないわ。仕方ないことだもの。でも、いつか私が世界を救えば、彼女だって分かってくれると信じてるの」
羽扇で半分顔を隠しつつ、精一杯けなげさアピールするアリサ。
私からしたら芝居臭さが半端ないんだけど、そのご高説に侍女たちは感涙がにじむ目で彼女を見つめ、口々にほめそやした。
「さすが聖女様です!」
「感動いたしました! 私、一生懸命お仕えしますわ!」
「ありがとう、みんな。そう言ってくれるだけで私は頑張れるわ」
「ああ、アリサ様……!」
おおお……なんなんだ、この陳腐な寸劇は。
開いた口が塞がらないというか、呆れてものも言えないとはまさにこのこと。
白けた私は草むしりの場所を変えようと立ち上がった。が、
「ちょっと。アリサ様がこうもおっしゃってくださってるのに、逃げるつもり?」
侍女の一人からきつい声で呼び止められた。
え、私もこのクソな寸劇に参加しろと? 冗談じゃねぇ。
けど、ここで波風を立てるとあとから面倒なことになりそうだし、ひとまず合わせておくか。
「……逃げるつもりはありませんでしたが、アリサ様のお言葉があまりにありがたく、また矮小な己を恥じて、合わせる顔がないような気がしてならなかったのです。誤解させるような態度をとってしまい、申し訳ありません」
「ふん。口では何とでもいえるわ。きっちり態度で示してもらわないと」
くいっと親指で地面を指さす。
え、地獄へ落ちろ? 女子がそんな下品なサインを使うもんじゃありません……というわけではなく、もしかしなくても土下座しろってことか。
アリサはいじらしく「もういいの」と口では言っているが、目では明らかに「さっさと土下座しろや」と脅してくる。目は口程に物を言うとはまさにこのことだ。
ああもう。それこそ冗談じゃない。もう付き合ってられん。
「態度で示せと言われるのでしたら、私は私の本分である侍女の役割をまっとうすることで、誠意と忠誠をお示しすることにします。では、アリサ様。次の仕事がございますので、御前を失礼します」
アリサはわずかに片眉を吊り上げたが、ここで私を深追いすればボロが出ると思ったのか、それ以上は何も言わなかった。
しかし、従順な取り巻きと化した侍女たちは納得しなかったらしく、去ろうとする私を掴んで引き留め、無理矢理土下座フォームへと持ち込んだ。
「ちょ……いだっ!」
「いいから謝れ!」
「あんたのせいでアリサ様がどれだけ傷ついたと思ってるの!?」
全部冤罪なんだから、謝る必要ゼロだっての!
てか、ここで嘘でも非を認めてしまえば、私(ハティエット)は完全に悪役の烙印を押されてしまう。
でも、逆らえば不敬罪で処刑ということもあるし……どうすりゃいいのよ!
「ああ……みんな、もうやめて! 暴力はよくないわ! 私はそんなことしてほしくないの!」
涙ながらに止める声を出しながらも、アリサは一歩も動かない。
顔を覆って子供のようにイヤイヤと首を振るだけ。
どうせ心の中では満面の笑みで手を叩いて「土・下・座! 土・下・座!」とコールをしてるんだろう。
ふざけるな。こんな奴に下げる頭はない。
人間としての尊厳をかけ、力いっぱい頭を押さえ付けてくる侍女たちに抵抗する。
「……何をしている」
必死の攻防を繰り広げていると、低い男の人の声が響いた。こ、この声は……!
オロオロと私から遠ざかる侍女たちの拘束から解き放たれ、自由になった頭を上げると、そこには戦国時代の軍師のような陣羽織風のベストを身にまとった私の大大大推しキャラ――ユマがいた。
女神から聖女の教育係という役割を与えられた、無表情で朴訥とした性格のサブキャラだったが、ストイックな生き様と不意打ち笑顔が私を含めた一部女子から絶大な人気を集め、移植版で攻略対象に格上げされたのだ。
うわああ、生のユマだ! 二次元もいいけどリアルはもっといい!
こっそり感動に打ち震える私をよそに、アリサはほっとした顔でユマに駆け寄る。
「ユマ! よかった、助けて」
アリサが弱々しい態度で(自分の都合のいいように捻じ曲げた)事情を話すと、ユマはひとつうなずいた。
「分かった。あとは俺に任せて、アリサは部屋に戻っていろ」
「ええ。でも、あまり叱らないであげて」
「善処しよう」
短いやり取りを終え、アリサは後ろ髪を引かれるような仕草で立ち去った。
が、一瞬目が合った時、憎々しげな光が宿っていたのを私は見逃さなかった。もうちょっとそういうのは隠した方がいいぞ。ま、それが若さってもんですが。
「あんたたち」
アリサを見送ったユマが、私と侍女たちに向き直る。
0
お気に入りに追加
479
あなたにおすすめの小説
悪女と言われ婚約破棄されたので、自由な生活を満喫します
水空 葵
ファンタジー
貧乏な伯爵家に生まれたレイラ・アルタイスは貴族の中でも珍しく、全部の魔法属性に適性があった。
けれども、嫉妬から悪女という噂を流され、婚約者からは「利用する価値が無くなった」と婚約破棄を告げられた。
おまけに、冤罪を着せられて王都からも追放されてしまう。
婚約者をモノとしか見ていない婚約者にも、自分の利益のためだけで動く令嬢達も関わりたくないわ。
そう決めたレイラは、公爵令息と形だけの結婚を結んで、全ての魔法属性を使えないと作ることが出来ない魔道具を作りながら気ままに過ごす。
けれども、どうやら魔道具は世界を恐怖に陥れる魔物の対策にもなるらしい。
その事を知ったレイラはみんなの助けにしようと魔道具を広めていって、領民達から聖女として崇められるように!?
魔法を神聖視する貴族のことなんて知りません! 私はたくさんの人を幸せにしたいのです!
☆8/27 ファンタジーの24hランキングで2位になりました。
読者の皆様、本当にありがとうございます!
☆10/31 第16回ファンタジー小説大賞で奨励賞を頂きました。
投票や応援、ありがとうございました!
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
悪役令嬢には、まだ早い!!
皐月うしこ
ファンタジー
【完結】四人の攻略対象により、悲運な未来を辿る予定の悪役令嬢が生きる世界。乙女ゲーム『エリスクローズ』の世界に転生したのは、まさかのオタクなヤクザだった!?
「繁栄の血族」と称された由緒あるマトラコフ伯爵家。魔女エリスが魔法を授けてから1952年。魔法は「パク」と呼ばれる鉱石を介して生活に根付き、飛躍的に文化や文明を発展させてきた。これは、そんな異世界で、オタクなヤクザではなく、数奇な人生を送る羽目になるひとりの少女の物語である。
※小説家になろう様でも同時連載中
お嬢様のために暴君に媚びを売ったら愛されました!
近藤アリス
恋愛
暴君と名高い第二王子ジェレマイアに、愛しのお嬢様が嫁ぐことに!
どうにかしてお嬢様から興味を逸らすために、媚びを売ったら愛されて執着されちゃって…?
幼い頃、子爵家に拾われた主人公ビオラがお嬢様のためにジェレマイアに媚びを売り
後継者争い、聖女など色々な問題に巻き込まれていきますが
他人の健康状態と治療法が分かる特殊能力を持って、お嬢様のために頑張るお話です。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています
※完結しました!ありがとうございます!
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる