ハツコイ

アメ

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誤魔化し

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下駄箱で、シューズに履き替えていると、
「ひっ!!」
隣から聞こえた、短い悲鳴に俺は顔を向けた。華音が顔を青くして、下駄箱の中を見ている。
「どうした?」
と言い、下駄箱の中を覗こうとすると、華音が慌てて扉を閉めて、
「な、何でもないよ」
笑顔でそう言った。何かを誤魔化しているように見えて、疑問になったが、
聞きすぎも、あれだと思い
「分かった。じゃあ、先教室行ってるな」
そう言い残し、その場を去った。華音にくるりと背を向けてから、俺は真剣な顔になった。
それは、華音が扉を閉める前、ちらりと、見えた物が原因だ。少ししか見えなかったが、シューズが
泥まみれになっていた。だが、まだいじめと考えたくはなくて、俺はそのことを忘れるように
屋上での出来事を思い返すことにした。
だけど、その後俺は、どうして今 いじめだと考えなかったのか後悔する。
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