殺人鬼（サイコパス）との鬼ごっこ

3章

無造作

　しばらく沈黙がたった後、家の物陰から、えいまが出てきた。
　また、なにかが投げられるのではと三人は、身構える。えいまは、身構えている
　三人を見て、なにも持っていないことを示すかのように手を上げた。
「今は、なにもしない。だけど、あんなに叫んでどうした？」
　なにも知らないような顔をするえいまに、私達の目は鋭くなった。
　そんな私達に観念したかのように上げていた、手を下げる。
　話をしても無駄、と思ったのだろうか。
「わかった。話はやめだ。ただ、鬼ごっこを再開しようか」
　この至近距離で！？と私達は、驚く。
　でも、えいまは驚いている私達なんて気にしない。
　すかさず、フォークを投げてきた。また？と避けるが、避けた先にもフォークが。
「ちょ、ちょっと待って！？避けれな・・・」
　そう言った時、舞花の近くにいた乃愛が前に出てきて＿＿。
　ぐさりと乃愛に刺さった。顔をしかめる乃愛だが、
　とぎれとぎれに舞花に話しかけた。
「舞・・花。避け、ないと・・・危ないよ・・」
「乃愛ちゃんっ！！ごめんね、私が避けれなかったせいで・・・」
　舞花の目から、涙が零れ落ちる。大粒の涙を零しながら、舞花は言った。
「ごめんね。ごめんね・・・」
　そんな舞花に乃愛は、大丈夫と言いながらなだめる。
　だけど、舞花は焦ってしまった。どうして、避けれなかったのと。
　そして、えいまに対して、怒りが込み上げてきた。焦りと怒りがつのった舞花は、
　えいまに向かって走り出していた。
「えいま、乃愛ちゃんに、なにするのっ！！」　
　そう声を荒げながら。それでも、えいまは無造作にフォークを掲げる。
　舞花の肩に、フォークが刺さった。