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少女

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公園で泣いている少女を見つけた。
どうしたんだろうと思い、歩み寄ると、少女は顔をあげた。よく見ると、同じ中学の制服を着ている。
「助けて・・・」
少女は、俺に話しかけてきた。だが、俺は罰ゲーム中で喋れない。

「樺雄、朝よー!」
いつものように思わず、はーいと答えそうになって、俺は焦った。
そうだ、昨日から罰ゲームが始まってんだ。____ていうか、あれは夢?
下に下りてきて、朝ご飯を食べ始めても喋らない俺を見て、母は最初こそ驚いていたが、罰ゲームを
していると気づいたらしく、納得していた。
「はぁ。まーた、罰ゲーム始めたのね。いい加減、やめなさいよ」
母は、俺が小学生の時罰ゲームを始めてから、呆れていた。参観日なんか、恥ずかしくて行けないわよ、なんて言っている。
でも、しょーがねぇんだよ。ここで、負けたらあいつらに笑われる。
心の中で、ぶつくさ言いつつ、朝ご飯を食べ終えた俺は、学校へと家を飛び出した。
視界の端に、夢で見た公園がある。まだ、学校には間に合う時間なので、公園に入って俺は足を止めた。
夢と同じで、泣いている少女がいた。また、歩み寄ろうか迷っていると、俺の気配に気づいたのか顔をあげた。
涙を零しながら、少女は言う。
「お願い。助けて・・・」
と。でも、俺は何もできずに、ふるふると顔を振ると少女は
「私は、頼高亜依」
そう一言言って、俺に背中を向けた。さっきのことは、もういいのか?と俺が思っていると、背中を向けたまま
「また、会えると思うの」
そう告げて、公園から去っていった。
頼高亜依(らいこう あい)か・・・。
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