5 / 24
プロローグ
プロローグ 第5話 「終わりと始まり」
しおりを挟む
盗賊に捕まえられてから数日が経ったであろう、僕にはもう日にちの感覚すらなかった。
食事は三回、残飯に近いパンと野菜の切れ端のようなものしか与えられず、それ以外の食べ物を貰える事はなかった。
時々意味もなく殴られたり蹴られたりして抵抗を見せると、看守達はさらに酷い事をして来た。
この地獄がずっと続くのならいっその事殺してほしい、もう僕の精神はそこまで追い詰められていた…。
そんなある日、外の方が騒がしかった。いつもの盗賊たちの宴会やはしゃぎ声ではない
怒号のような緊迫感ある声だった。
「なんだと!? 見張りは何をしていた!」
「それが……見張りの奴らが全員やられちまったんだ! お頭、どうする? 」
「クソッ! とにかくその逃げる準備をしろ!! 」
どうやら盗賊達が何かで揉めているみたいだ。
「牢屋の奴らはどうします?」
「ほっとけ、そんな事より早く金目のモノ集めろ!」
「へい!」
僕は一体外で何が起きているのかわからず、ただ怯える事しか出来なかった。
そんな時だった。外の方でまた怒鳴り声が聞こえる。
「やべぇ……グエルチーノ軍だ!」
「早く逃げるぞ!」
どうやら軍隊のような者が来たらしい、盗賊たちはいっそ慌ててるようだ。
僕たちはどうなるのか……? でもまだ油断は出来ない、もしかしたらこの牢屋にも軍隊の人達が入ってくるかもしれない。
もしそうなったら助けてくれるのだろうか……。
外での騒音は激しくなる
しばらくして静寂が訪れた、しかし誰も来る様子はなかった、もう誰もいないのか?
取り残されたのかも知れない
僕はボロボロの牢屋の鉄柵に何度もタックルした、「バキィ!」僕の肩は血まみれになったが柵が折れた…
恐る恐る外へ出てみた、するとそこには信じられない光景が広がっていた。
なんと盗賊達が全員倒れていたのだ、しかも全員が血まみれでボロボロの状態だった。
「これは一体……?」
僕は思わず呟いてしまった、すると後ろから突然声をかけられた。
「盗賊の仲間には見えないが、何者だ?」
「ぼ、僕は盗賊に捕まっていて…。」
「あ、あの、この洞窟の先に同じく捕らえられていた女の人が二人います。」
兵らしき男は言った。
「我々が探してたご婦人かもしれないな。」
「お前はここで待て!」
「は、はい!」
僕は慌てて返事をする、軍のリーダー格に見えたその長身の男性に僕は圧倒されていた。
年齢は30代から40代くらいに見えるが、鎧の隙間から見えるその肉体はとても鍛え上げられており凄まじい威圧感を放っていた。
彼は銀色の長髪で整った顔立ちをしていた、しかしその瞳からはどこか冷たさを感じさせるものがあった。
彼の手には血塗られた立派な剣、そのいで立ちから彼が只者ではないことを物語っているようだった。
彼は周りにいた兵に命令し、数人と洞窟に入って行った。
しばらくして二人の捕らえられていた女性が兵と共に洞窟から出てきた。
彼女らは瞳に涙を浮かべていた。
男の僕でも自死を考えるほど苦痛だったのにあの女性らは……、僕も自然と涙が出ていた
あの耐え難い凌辱が終わる事の安心感と女性たちへの同情、色んな感情が溢れ出た。
兵から水の入った革袋を渡された彼女らは、それを口に含んだ後、静かに咽び泣いた。
二人とも縛られていたが大きな怪我などはなかったようだが極度に衰弱していた
「それでお前は何故捕らえられていた?」
リーダー格の兵士が僕に質問してきたので僕はこれまでの経緯を全て話した。
「そうか……大変だったな……だが、お前の話は信じられぬ。」
「グルド隊長!瀕死の盗賊はどうなされます?」脇にいた兵隊が言った
「我々の任務は職人の奥方の奪還のみだ!」
「分かりました、後は我々で始末しておきます」
「金品は全て持ってこい、懐に入れたら極刑だぞ、盗賊の武具はお前らで処分しろ、帰りの馬に乗せてもいい」
「ありがとうございます、後続の兵は帰りは少し遅くなります」
飴と鞭だろうか金品以外は兵士のボーナスといった辺りか……
「さて、お前の話に戻す、お前が言った事が本当ならお前は転生者になる。」
「しかし転生者の出現は首都の教会の転生の部屋以外はあり得ぬ」
「何故お前は転生者を騙る?盗賊に捕まっていたのは本当だろうが……。」
「僕も信じられませんが、今の僕にはそうとしか……。」
「転生者を騙る事は教会が許さない、これ以上転生者を騙るならこの剣で斬りつけなければならない。」
「お前のその見慣れない服から東の地方からの流れ者だな?」
「いや、僕は……」
「東の地方からの不法移民だな?」
グルド隊長と呼ばれた男は僕に更に念を押してきた、僕はその迫力にすっかりうなだれてしまった
「我々の街へ連れて行き詳しい話を聞くとしよう」
こうして僕は一度この隊の所属する地方都市グエルチーノに連れて行かれることとなった……。
盗賊から解放されもう大丈夫なはずなのに不安で胸が張り裂けそうだった……。
グルド隊長と呼ばれた男は兵達に指示を出した後僕と共に馬に乗って首都へ向かった。
道中、グルド隊長は僕にいくつか質問をしてきた。
「名前は?」
「それが、自分の名前が出てこなくて…。」
「年齢は……?」
「分かりません……。」
僕は消え入るような声で話した。
「そのように質問されて何も分からないと答える事になるとこれから連れていく首都の役人次第では極刑もあり得るぞ!」
グルド隊長の優しさだろうか彼はそう言った、そしてその後はもう何も質問してこなかった。
この後、役所に連れていかれる?僕はどうなるのだ?
よく分からないが、もし僕が転生者を騙った罪で極刑なんて事になったら……
僕は不安で頭がいっぱいだった。
そうこうしてるうちに馬で5日ほど進むと街が見えてきた、大きな壁に囲まれた都市だ。
水が豊富なのか街の大通公園に大きな噴水まである
壁の中に入ると一際大きい建物が目についた。あれがグルド隊長の言っていた都市の役所なのだろうか? 正面の大きな門をくぐるとさらに大きく立派な建物がいくつも並んでいた。
街の通りも広く人も多い、そして皆忙しそうにしている。
僕はその雰囲気に圧倒されていた、この異世界でこんな大きな街があったのか……。
しばらく大通りを進み、ある建物の前まで来たところでグルド隊長は馬を止めた。
この建物も他の建物に引けをとらない大きさだ、一体ここは……? 建物の中に入ると広いフロアに大きな木製のカウンターがあり、何人もの人達がいた。
鎧を着た兵士やローブを纏った魔術師のような格好をした人達、中には獣人のような姿の者もいた。
ここが役所……?一体何の……?僕は不安でいっぱいだった。
グルド隊長は受付と思われる位置にいた女性の所へ行き話しかけていた、しばらく話をした後グルド隊長は僕に手招きをした。
僕は恐る恐る彼の後についていった、カウンターの女性は僕のボロボロのやせこけた風貌を見て少し驚いた表情を見せたがすぐに仕事の顔に戻った。
彼女は僕に質問してきた、まず名前や年齢など簡単なものだった。
その後出身を聞かれ、東の地方のどのあたりか聞かれたが僕は何も分からないと言った……。
グルド隊長の好意で転生者でなく東の地方から来た記憶喪失者として手続きしたかったのだろうか
氏名・年齢、出身地については結局不明のままの書類になり、グルド隊長は僕を役所の奥の方へ連れていった。
しばらく廊下を進みある部屋に入るよう言われたので入るとそこは小さな部屋になっており、中には数人の男性と女性がいた。
皆正装のようなローブを纏った魔術師のような人達だ……。
彼らの話によると僕はこの奥の鑑定の間という場所に連れて行かれるようだ。鑑定の間には魔法の玉があり、それを使って僕のスキルを割り出すそうだ。
そして少し歩き鑑定の間の前で立ち止まりグルド隊長が言った
「スキルを鑑定すれば少しはお前が何者か判断が付く」
「何もスキルがなければお前は不法移民で極刑だ、スキルがあれば奴隷として登録されるだろう」
それを聞いて僕はますます不安になった。
グルド隊長と魔法使いに連れられてその部屋に入るとそこは大きな円形の部屋だった、中央に台座のようなものがありその上に綺麗な水晶玉が乗っていた。
「あの水晶玉に手を乗せろ、そうすればお前のスキルを鑑定できる」
「はい……」
僕は恐る恐る手を水晶玉に近づけた……すると突然頭の中に何かが流れ込んで来た
「!?なんだこれは……?!」
僕は驚きのあまり思わず手を離した、すると水晶の上に立体的に何か別の情報が浮かんできた。
『名前:なし』
『年齢:18歳』
『性別:男』
『種族:人間族』
『レベル:1』
『HP:2/20』
『MP:0/0』
『攻撃力:2』
『防御力:4』
『魔力:0』
『素早さ:1』
ユニークスキル 【細菌・ウイルス耐性】 【免疫強化】
魔導士が笑いながら言った「普通なら一般スキルの【細菌・ウイルス耐性】がユニークスキルとは、しかも免疫強化付きとはある意味珍しい」
グルド隊長が話始めた
「戦闘能力はそこらの平民以下だな、ユニークスキルが耐毒性なら奴隷として価値があるだろう」
「魔導士の方はこのステータスを書き記し1階の受付の女性に渡してくれ」
そして僕の近くに来て肩口から小声で話しかけた
「耐毒性スキルあるなら毒見役で奴隷主が貴族家や大商人の可能性も十分にある」
「奴隷主が錬金術師の場合は外れくじだ、実験体にされる、それは運が悪かったと諦めろ」
「この後は奴隷オークションまで牢に入れられる、あの盗賊どもの牢とは違って快適だから少しは安心しろ」
「すまないが、私が出来るのはここまでだ、良い奴隷主に巡り合えるよう幸運を祈る」
グルド隊長はそして去っていった
その数日後、僕は奴隷オークションに掛けられる
そして僕のこの異世界での物語はそこから始まった
・・・・・・・・・・・・プロローグ・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・完・・・・・・・・・・・・
序章につづく……
食事は三回、残飯に近いパンと野菜の切れ端のようなものしか与えられず、それ以外の食べ物を貰える事はなかった。
時々意味もなく殴られたり蹴られたりして抵抗を見せると、看守達はさらに酷い事をして来た。
この地獄がずっと続くのならいっその事殺してほしい、もう僕の精神はそこまで追い詰められていた…。
そんなある日、外の方が騒がしかった。いつもの盗賊たちの宴会やはしゃぎ声ではない
怒号のような緊迫感ある声だった。
「なんだと!? 見張りは何をしていた!」
「それが……見張りの奴らが全員やられちまったんだ! お頭、どうする? 」
「クソッ! とにかくその逃げる準備をしろ!! 」
どうやら盗賊達が何かで揉めているみたいだ。
「牢屋の奴らはどうします?」
「ほっとけ、そんな事より早く金目のモノ集めろ!」
「へい!」
僕は一体外で何が起きているのかわからず、ただ怯える事しか出来なかった。
そんな時だった。外の方でまた怒鳴り声が聞こえる。
「やべぇ……グエルチーノ軍だ!」
「早く逃げるぞ!」
どうやら軍隊のような者が来たらしい、盗賊たちはいっそ慌ててるようだ。
僕たちはどうなるのか……? でもまだ油断は出来ない、もしかしたらこの牢屋にも軍隊の人達が入ってくるかもしれない。
もしそうなったら助けてくれるのだろうか……。
外での騒音は激しくなる
しばらくして静寂が訪れた、しかし誰も来る様子はなかった、もう誰もいないのか?
取り残されたのかも知れない
僕はボロボロの牢屋の鉄柵に何度もタックルした、「バキィ!」僕の肩は血まみれになったが柵が折れた…
恐る恐る外へ出てみた、するとそこには信じられない光景が広がっていた。
なんと盗賊達が全員倒れていたのだ、しかも全員が血まみれでボロボロの状態だった。
「これは一体……?」
僕は思わず呟いてしまった、すると後ろから突然声をかけられた。
「盗賊の仲間には見えないが、何者だ?」
「ぼ、僕は盗賊に捕まっていて…。」
「あ、あの、この洞窟の先に同じく捕らえられていた女の人が二人います。」
兵らしき男は言った。
「我々が探してたご婦人かもしれないな。」
「お前はここで待て!」
「は、はい!」
僕は慌てて返事をする、軍のリーダー格に見えたその長身の男性に僕は圧倒されていた。
年齢は30代から40代くらいに見えるが、鎧の隙間から見えるその肉体はとても鍛え上げられており凄まじい威圧感を放っていた。
彼は銀色の長髪で整った顔立ちをしていた、しかしその瞳からはどこか冷たさを感じさせるものがあった。
彼の手には血塗られた立派な剣、そのいで立ちから彼が只者ではないことを物語っているようだった。
彼は周りにいた兵に命令し、数人と洞窟に入って行った。
しばらくして二人の捕らえられていた女性が兵と共に洞窟から出てきた。
彼女らは瞳に涙を浮かべていた。
男の僕でも自死を考えるほど苦痛だったのにあの女性らは……、僕も自然と涙が出ていた
あの耐え難い凌辱が終わる事の安心感と女性たちへの同情、色んな感情が溢れ出た。
兵から水の入った革袋を渡された彼女らは、それを口に含んだ後、静かに咽び泣いた。
二人とも縛られていたが大きな怪我などはなかったようだが極度に衰弱していた
「それでお前は何故捕らえられていた?」
リーダー格の兵士が僕に質問してきたので僕はこれまでの経緯を全て話した。
「そうか……大変だったな……だが、お前の話は信じられぬ。」
「グルド隊長!瀕死の盗賊はどうなされます?」脇にいた兵隊が言った
「我々の任務は職人の奥方の奪還のみだ!」
「分かりました、後は我々で始末しておきます」
「金品は全て持ってこい、懐に入れたら極刑だぞ、盗賊の武具はお前らで処分しろ、帰りの馬に乗せてもいい」
「ありがとうございます、後続の兵は帰りは少し遅くなります」
飴と鞭だろうか金品以外は兵士のボーナスといった辺りか……
「さて、お前の話に戻す、お前が言った事が本当ならお前は転生者になる。」
「しかし転生者の出現は首都の教会の転生の部屋以外はあり得ぬ」
「何故お前は転生者を騙る?盗賊に捕まっていたのは本当だろうが……。」
「僕も信じられませんが、今の僕にはそうとしか……。」
「転生者を騙る事は教会が許さない、これ以上転生者を騙るならこの剣で斬りつけなければならない。」
「お前のその見慣れない服から東の地方からの流れ者だな?」
「いや、僕は……」
「東の地方からの不法移民だな?」
グルド隊長と呼ばれた男は僕に更に念を押してきた、僕はその迫力にすっかりうなだれてしまった
「我々の街へ連れて行き詳しい話を聞くとしよう」
こうして僕は一度この隊の所属する地方都市グエルチーノに連れて行かれることとなった……。
盗賊から解放されもう大丈夫なはずなのに不安で胸が張り裂けそうだった……。
グルド隊長と呼ばれた男は兵達に指示を出した後僕と共に馬に乗って首都へ向かった。
道中、グルド隊長は僕にいくつか質問をしてきた。
「名前は?」
「それが、自分の名前が出てこなくて…。」
「年齢は……?」
「分かりません……。」
僕は消え入るような声で話した。
「そのように質問されて何も分からないと答える事になるとこれから連れていく首都の役人次第では極刑もあり得るぞ!」
グルド隊長の優しさだろうか彼はそう言った、そしてその後はもう何も質問してこなかった。
この後、役所に連れていかれる?僕はどうなるのだ?
よく分からないが、もし僕が転生者を騙った罪で極刑なんて事になったら……
僕は不安で頭がいっぱいだった。
そうこうしてるうちに馬で5日ほど進むと街が見えてきた、大きな壁に囲まれた都市だ。
水が豊富なのか街の大通公園に大きな噴水まである
壁の中に入ると一際大きい建物が目についた。あれがグルド隊長の言っていた都市の役所なのだろうか? 正面の大きな門をくぐるとさらに大きく立派な建物がいくつも並んでいた。
街の通りも広く人も多い、そして皆忙しそうにしている。
僕はその雰囲気に圧倒されていた、この異世界でこんな大きな街があったのか……。
しばらく大通りを進み、ある建物の前まで来たところでグルド隊長は馬を止めた。
この建物も他の建物に引けをとらない大きさだ、一体ここは……? 建物の中に入ると広いフロアに大きな木製のカウンターがあり、何人もの人達がいた。
鎧を着た兵士やローブを纏った魔術師のような格好をした人達、中には獣人のような姿の者もいた。
ここが役所……?一体何の……?僕は不安でいっぱいだった。
グルド隊長は受付と思われる位置にいた女性の所へ行き話しかけていた、しばらく話をした後グルド隊長は僕に手招きをした。
僕は恐る恐る彼の後についていった、カウンターの女性は僕のボロボロのやせこけた風貌を見て少し驚いた表情を見せたがすぐに仕事の顔に戻った。
彼女は僕に質問してきた、まず名前や年齢など簡単なものだった。
その後出身を聞かれ、東の地方のどのあたりか聞かれたが僕は何も分からないと言った……。
グルド隊長の好意で転生者でなく東の地方から来た記憶喪失者として手続きしたかったのだろうか
氏名・年齢、出身地については結局不明のままの書類になり、グルド隊長は僕を役所の奥の方へ連れていった。
しばらく廊下を進みある部屋に入るよう言われたので入るとそこは小さな部屋になっており、中には数人の男性と女性がいた。
皆正装のようなローブを纏った魔術師のような人達だ……。
彼らの話によると僕はこの奥の鑑定の間という場所に連れて行かれるようだ。鑑定の間には魔法の玉があり、それを使って僕のスキルを割り出すそうだ。
そして少し歩き鑑定の間の前で立ち止まりグルド隊長が言った
「スキルを鑑定すれば少しはお前が何者か判断が付く」
「何もスキルがなければお前は不法移民で極刑だ、スキルがあれば奴隷として登録されるだろう」
それを聞いて僕はますます不安になった。
グルド隊長と魔法使いに連れられてその部屋に入るとそこは大きな円形の部屋だった、中央に台座のようなものがありその上に綺麗な水晶玉が乗っていた。
「あの水晶玉に手を乗せろ、そうすればお前のスキルを鑑定できる」
「はい……」
僕は恐る恐る手を水晶玉に近づけた……すると突然頭の中に何かが流れ込んで来た
「!?なんだこれは……?!」
僕は驚きのあまり思わず手を離した、すると水晶の上に立体的に何か別の情報が浮かんできた。
『名前:なし』
『年齢:18歳』
『性別:男』
『種族:人間族』
『レベル:1』
『HP:2/20』
『MP:0/0』
『攻撃力:2』
『防御力:4』
『魔力:0』
『素早さ:1』
ユニークスキル 【細菌・ウイルス耐性】 【免疫強化】
魔導士が笑いながら言った「普通なら一般スキルの【細菌・ウイルス耐性】がユニークスキルとは、しかも免疫強化付きとはある意味珍しい」
グルド隊長が話始めた
「戦闘能力はそこらの平民以下だな、ユニークスキルが耐毒性なら奴隷として価値があるだろう」
「魔導士の方はこのステータスを書き記し1階の受付の女性に渡してくれ」
そして僕の近くに来て肩口から小声で話しかけた
「耐毒性スキルあるなら毒見役で奴隷主が貴族家や大商人の可能性も十分にある」
「奴隷主が錬金術師の場合は外れくじだ、実験体にされる、それは運が悪かったと諦めろ」
「この後は奴隷オークションまで牢に入れられる、あの盗賊どもの牢とは違って快適だから少しは安心しろ」
「すまないが、私が出来るのはここまでだ、良い奴隷主に巡り合えるよう幸運を祈る」
グルド隊長はそして去っていった
その数日後、僕は奴隷オークションに掛けられる
そして僕のこの異世界での物語はそこから始まった
・・・・・・・・・・・・プロローグ・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・完・・・・・・・・・・・・
序章につづく……
1
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる