堕天使

カモミール

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   その紳士は、どこかで見たことがあった。




 そうだ!以前 先輩に ”あの人は芸能界の陰の大物” と聞いたことがある。


 
 中川「 なんで朱石が…。」



  抱かれながら、苦痛に歪む朱石の顔が頭から離れない。



  翌朝、その紳士は名残惜しそうに部屋を出て行った。



  朱石は誰かに電話を入れる。



 「あ、オレ…。  終わった。…うん。迎えに来て。」



  しばらくすると、マネージャーは来た。


 マネージャー「大丈夫か?」


  朱石「…もう慣れた。 俺がいない間、みんなを頼むね。特に京也を…守ってやって。」


 マネージャー「大丈夫だよ。 アイツは今 お前に夢中で、京也のことなんて忘れてる。」

  朱石「そっか…。なら、いいや。」



 マネージャー「しばらく自由だ。向こうで好きにしてこい。」


  朱石「ありがとう。  社長にもお礼言っといて。」








  どういう事だ?!   なんで朱石が?










~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






  シャイニー事務所は、国内大手のアイドル事務所。

  アイドルを目指す少年少女が 全国から集まる。
  男性タレントのみのシャイニースター事務所、女性タレントのみのシャイニーライト事務所

 
 事務所では、オーデションの合格者や、スカウトされた者が、歌やダンス、芝居のレッスンを受ける。

 
 そこである程度実力の付い者は、先輩のバックダンサーとして踊ったり、練習生としてTVに出たりする。





 今日も新しく少年たちが入所してきた。


 中川と、朱石は、入所日が同じであったため、一緒にいることがよくあった。


  中川「また増えるなー。」

  朱石「うかうかしてらんねーな。」





 新人の中の一人に目が留まった。


  細くて、色白、切れ長の目の少年。

 「よろしくお願いします!神谷 京也です。」



 それが、出会いだった。



 神谷は、なぜか朱石によく懐いていた。

 兄貴肌の朱石も、そんな神谷を可愛がるようになった。



 そのうち、朱石・中川・神谷の3人は、先輩のバックについたり、練習生の番組に出たりと、一緒に行動することが 多くなっていた。


 そんなある日、急に社長に呼ばれ、社長室に行ってみると、そこにはすでに ドラマなどで活躍している大河光司、上原進也と、神谷より後に入所した多田淳一ら3人がいた。



  「今日から この6人でグループ組んでもらうから。」


 突然の発表に驚いたが、グループを組めるなんて、デビューに一歩近づけて嬉しかった。



 6人はmそれぞれ個性が強く、はじめは喧嘩ばかりして大変だった。
  それでも、次第にチームワークも出てきた。



  そんなころ、社長からデビューの話を聞かされた。

 デビュー曲は、作詞も作曲も有名アーティスト。

 事務所も ずいぶん力を入れてくれたらしい。


 数か月後、6人はデビューをした。


 新人としては異例の大ヒット。
 その後も順調に、CMやドラマのオファーが続いた。



 


      そんなある日


 事務所の社長室に、社長とマネージャー2人で密談をしていた。



 

 
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